Sun 180909 秋冬スケジュール/長期滞在/雨と虹(イタリアしみじみ7) 3714回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 180909 秋冬スケジュール/長期滞在/雨と虹(イタリアしみじみ7) 3714回

 

 日本中で大きな災害が続いているのに、「イタリアしみじみ」とかスパゲッティ談義とか、呑気きわまりない記事ばかり書いていて、本当に申し訳ない。

 

 9月から12月にかけてのスケジュールが固まった。今週末からいわゆる「秋冬スケジュール」に従って全国行脚を始めることにする。スケジュールの半分が決まったのが、河口湖合宿の中日7月25日、完全な形で決まったのが8月25日。これから約30回の行脚を続けることになる。

 

  9月15日 福岡

  9月17日 富山 

  9月23日 岩手県 花巻

  9月24日 金沢

  10月3日 長野県 松本

  10月7日 熊本

  1014日 町田

  11月1日 沖縄県 浦添

  11月5日 兵庫県 摂津本山 

  11月6日 大阪府 泉ガ丘

  11月7日 大阪府 岸和田

  11月8日 京都

  11月9日 沖縄県 胡屋

  1111日 本郷三丁目

  1114日 巣鴨

  1115日 荻窪

  1117日 広島

  1121日 千葉県 稲毛海岸

  1123日 札幌 ①

  1123日 札幌 ②

  12月2日 青森

  12月7日 静岡県 沼津

  12月9日 福井

  1211日 奈良県 大和八木

  1212日 大阪府 京橋

  1217日 池袋

  1218日 金町

  1219日 埼玉県 春日部

  1221日 埼玉県 浦和

   (滞在3日目、シルミオーネの湖畔に濃厚な虹が出た) 

 

 こうしてスケジュールを書いてみると、日本という国がどれほどたくさんの大災害にさらされているかを実感する。今年6月26日、誕生日に仕事をした大阪府茨木は大地震の直後であって、会場となった「茨木文化会館」は、ボランティアで駆けつけた人々の集合場所にもなっていた。

 

 7月に大豪雨災害のあった広島にも行くし、大型台風の直撃を受けた関西では、6回の公開授業を行う。大きな地震のあった北海道でも、この5年すでに定番となった11月下旬のダブルヘッダーを実施する。熊本でも、10月上旬に公開授業の予定が入っている。

 

 恵まれた首都圏での仕事ももちろん大好きだが、今井としてはこうして東奔西走&南船北馬、全国を駆け回る仕事に大きなやりがいを感じるのである。

 

 今井程度の平凡な一般人が講演とか公開授業とかやったって、災害に見舞われた人々には大した足しにはならないかもしれないけれども、それでも今井は今井なりに全力を尽くしたいのである。

 

 すっかり定番となった9月の金沢とか、初冬の札幌&青森についても、すでにワタクシは大いに張り切っている。沖縄でも2回。北陸は富山・金沢・福井と3県を回れるし、静岡県沼津とか長野県松本とか、「初」に該当する仕事もある。とりあえずこれから4ヶ月、大いに働かせていただく。

 

 そしてすでに今井君は、1月・2月・3月のスケジュールも楽しみに待っている。「そりゃおめー、まだ早すぎるべさ」と思うかもしれないが、早春スケジュールだって、実際には1112月にかけてどんどん決まって行くのである。

 

 秋冬に遠慮なさった皆さまも、ぜひ早春には今井の公開授業を企画してくださいまし。これまで通りの定番系も、ナンボでもこなします。4技能系ももちろんOK。最高のテキストを準備して、さらなる全国行脚を少なくともあと5年、これまで以上のド迫力で継続する覚悟でいる。

(シルミオーネ滞在3日目の夕方、すぐ近くの森から湖畔のスカリジェロ城にかけて虹が出た) 

 

 さてイタリアの今井君であるが、旅の序盤の3日間はシルミオーネの町でマコトに大人しく過ごしていた。だって諸君、来る日も来る日も雨、その雨に激しい雷まで頻繁に加わって、初秋のイタリア湖水地方は最高気温22度。肌寒い日々が続いたのである。

 

 ヨーロッパの人々は、こういう時に決して慌てない。「ほー、雨ですか」「ではホテルでのんびり過ごしましょう」と、悠然と笑顔で雨の止むのを待っている。ホテルのロビーには、穏やかな温かい笑い声が溢れていた。

 

 だってイタリア人の夏のバカンスは、3週間とか4週間とか、そういうのが当たり前。日本の団体ツアーみたいに、大慌てで次から次へと観光地を回ったりすれば、序盤か前半で過労状態に至る。「雨ならホテルでのんびりと」が常識であって、カッパを着込んでまで名所旧跡を駆け巡ったりはしない。

(古代ローマの遺跡。斜め30度の地層の上に、マコトに見事に建てられている)

 

 東洋人は、ほとんど見かけない。たまに団体ツアーの人々に出会うが、個人で行動しているアジア人は、片手の指で数えられる程度である。団体のヒトビトもシルミオーネへの長逗留はしない。出会った翌日にはもうとっくにどこか他の土地に移動してしまう。

 

 だからおそらく今井君は、マコトに特殊な東洋人なのである。シルミオーネの町に、何と10日もじっくり腰を据えて長逗留を楽しむのだ。10日経過した後はミラノに移動し、ミラノで5日過ごした後で日本に帰るというスケジュールだ。

 

 そのミラノだって、「ちょっと日和った」のである。「日和った」と書いて「ひよった」と読む。さすがに「にちわ」はヤメてくれたまえ。むかし映画で「東京日和」、ドラマで「母日和」というのがあったが、「東京にちわ」「ははにちわ」じゃ、そりゃ全てが可哀そうだ。

 

 では何をどうニチワった、正しくはひよったのかというに、「さすがに『シルミオーネに14日』というのでは、世間の評判がよろしくないんじゃないか」。諸君、弱気な今井君は今もなお、狭い日本の常識的判断のラチ内にいるのだ。

(古代遺跡からのビーチ風景。ガルダ湖畔から沖に向かって、凝灰岩の層が千畳敷ふうにせり出している)

 

 もっとも、たった10日とはいうものの、長期滞在型で単独行動する今井君は、シルミオーネの人々の目にはマコトに珍しいものに映るらしい。どんどん覚えてもらえるのだ。

 

 2回行っただけのレストランのウェイターも、嬉しそうに手を振ってくれる。別の店のおじさまウェイターも、丁寧に挨拶してくれる。一度チーズを買っただけの食料品店の気難しそうなオバーサマも、こちらにニンマリ微笑んでくれる。

 

 シルミオーネのイタリア人は、みんな親切で丁寧、そして温かく積極的なのである。ホテルの人々も、3ヶ月半前に1泊しただけのワタクシを記憶してくれていて、預けた部屋のキーを顔を見るより前に手に持って待っている。

  (きょうもまた、1リットルの大盃ビールをいただく)

 

 こういうふうで、雨に降られた序盤の3日間も、マコトに気持ちよく時間を過ごせたのである。雨が降ったら降ったで、楽しみにしてきたアマローネを満喫するだけの話である。序盤3日だけで、すでに4種類♡4本のアマローネを楽しんだ。

 

 ワイン屋のオネーサマも、完全にワタクシを記憶してくれた。店先でワインを物色していると、すぐに近寄ってきてあれこれ説明してくれる。もちろん商売っ気もあるに違いないが、ずっと無視されて放置されるのとは別格の嬉しさである。

(シルミオーネのテルマエ付近「アルチンボルド」で、滞在2皿目のアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノをいただく)

 

 雨が小止みになる時間帯もあって、初日は湖岸を散策し、2日目には古代ローマの遺跡と千畳敷のビーチを散策した。待てば海路の日和があるものであって、この場合も「海路のニチワ」では困る。あくまで海路のヒヨリがあるのであるが、近くの森から湖岸のスカリジェロ城にかけて大きく濃厚な虹が出た。

 

 シルミオーネでは、虹もまた濃厚濃密で芳醇、アマローネのワインのような濃い味わいなのである。虹はやがて2重になり、20分も30分も長く空に止まり、「こりゃどうやら明日には雨が上がるかな」と期待を居抱かせて、やがて夕暮れの空に消えていった。

 

1E(Cd) George BensonSTANDING TOGETHER

2E(Cd) ChicagoCHICAGO

3E(Cd) Take 6BEAUTIFUL WORLD

4E(Cd) Kazuhiko Komatsu & Saint Petersburg:貴志康一/SYMPHONY ”BUDDHA” 

5E(Cd) Akiko Suwanai, Dutoit & NHK響:武満徹”FAR CALLS” ”REQUIEM FOR STRINGS”etc

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