Tue 180814 串カツ田中で食べまくる/明治大と早稲田文学部の良問について 3696回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 180814 串カツ田中で食べまくる/明治大と早稲田文学部の良問について 3696回

 そりゃ日本全国お盆であって、田舎のある人は田舎に帰り、都会のお父さんは朝からでも昼からでもビールをシュポン&シュポン、ついでだから日本酒にウィスキー、高校野球を眺めつつ酔っ払っては昼寝、また酔っ払っては昼寝、のんきな8月を過ごしていらっしゃるだろう。

 

 さきいかにポテチ、チータラにナゲットにカップラーメン、ただでさえ膨らんだポンポンを撫で回して、「まあいっか」「お盆なんだし」と溜め息1つつけば、まさかあと2〜3日で再び職場の懊悩に引き戻されるなんて、想像もつかないかもしれない。

 

 しかし諸君、さすが今井君はお盆だろうとお正月だろうと、そんな自堕落な生活とは無縁なのである♡ おおエラい。すげーエラい。あまりにエラい。8月13日もお仕事。14日もお仕事、15日もお仕事、1日休むけれども、17日もまたお仕事。受験生のためならお盆なんかカンケーネーのである。

 

 じゃあ「いったい何をやってんの?」であるが、諸君、吉祥寺のスタジオにこもって「過去問解説講座」の収録に取り組んでいるのだ。今年も今年で、この苦しい日々がやってきた。担当するのは、以下の7講座である。

 

① 早稲田大学文学部

② 早稲田大学法学部

③ 早稲田大学政経学部

④ 早稲田大学国際教養学部

⑤ 明治大学文学部

⑥ 名古屋大学(全学部共通)

⑦ 熊本大学(全学部共通)

 

 この7つの全問題を、8月中旬の7日間で全て収録しちゃおうというのだから、中年サトイモにとっては「気力&体力の限界に挑戦」みたいなレベルの話になるのだが、相手はわが愛する入試問題の諸君だ。実は楽しくて仕方がない。

(お盆の「串カツ田中」にて。キスにニンニクにカキにエビ、「串は全て100円」のキャンペーン中だ)

 

 8月12日、いよいよ翌日からの収録に備え、まずは腹一杯メシを食いまくって、ググッと体力をつけなきゃいけない。今井君は新聞のチラシをツラツラ眺めながら「串カツ田中」を選択した。何と言っても「全店で完全禁煙」という決断が頼もしいじゃないか。

 

 ワタクシは、串カツが大好きなのである。大阪に出張があれば、意地でも一度は串カツ屋に入る。串カツ屋のメニューにたこ焼きがあればもっといい。新大阪駅構内だけでも、ヒイキの串カツ屋が2軒もあるぐらいなのだ。

 

 チラシによれば、8月中旬から「土日祝日は昼飲み大サービス」なのだそうだ。「串カツ1本、オール100円」。普通なら200円するキスもエビもカキもアスパラも、全部100円でいいんだという、収録前の体力作りに、旨いかどうかわからないが、とにかく安いのはありがたい。

 

 8月12日は日曜日であって、高校野球は「済美vs 星稜」。午後3時ごろからタイブレークになって、逆転サヨナラ満塁ホームランまで飛び出し、「歴史に残る激戦」に発展したのだが、午後1時の段階でのスコアは7-1、星稜の楽勝ムード。串カツを貪りに行くには最高のシチュエーションだった。

 

 おお、混雑してるじゃないか。お盆のパパと言ふものは、こんなにヒマを持て余してるもんなんですかね。若いカップルもいれば、女子会もやっている。ワタクシにはカウンター席しか空いていなかった。

 (串カツ田中の名物らしい「さいぼし」。馬肉の燻製だ)

 

 しかし諸君、今井君は遊びでここにきているのではない。翌日からの厳しい収録7連発に備え、たっぷり体力をつけるためにこの店を訪ねたのだ。「串なら全品100円」となれば、意地でも定価200円以上の高価な串揚げだけを選択したいじゃないか。

 

 こうして諸君、200円の串ばかりを冒頭からバリバリ注文する。エビ2本、牡蠣3本、キス3本。誰がみても「一番高い串だけ選んでますね?」であるが、「なーに? 何かいけないんですか?」、まさにそういう勢いである。

 

 体力をつけるには、ニンニク串やタマネギ串も忘れちゃいかん。明日のスタジオにニンニク臭が充満してもいいじゃないか。授業はあくまで収録なんだから、ニンニク臭で生徒諸君が迷惑することもない。

 

 ま、収録スタッフには鼻でもつまんでいただくことにして、ニンニク串も2本、ニンニクの丸揚げもドカンと丸々1個。おお、クマの肉体にぐいぐい力が漲ってくる。

 

 これに「煮タマゴ」「馬肉のクンセイ」を加えれば、もう向かうところ敵なしの勢いだ。こりゃ諸君、マコトに男くさいランチであって、「昼の串カツ田中で1万円使った男」なんてのは、なかなか存在しないんじゃないか。

 

 ただし問題なのは、さすがに難関大の過去問解説であって、「何よりも重要なのはアタマ」「体力ばかり漲っていても困ります」という点である。しかし心配しなさんな。今井君のアタマの働きに、心配は一切ゴムヨーだ。ゴムヨーって?  もちろん「ご無用」のサトイモ語表記である。

    (煮タマゴも注文。おお、力が湧いてきた)

 

 8月13日が明治大学文学部、8月14日が早稲田大学文学部。同じ文学部であるが、明治と早稲田の問題の難易度には、いやはや信じがたいほどの大差がある。

 

 今井君としては、明治の問題のほうが好きである。「キチンと身の丈にあった問題」と言うんだろうか、「受験生の英語力を知り尽くした問題」と言っていい。徹底的に基礎と基本を重視して、基礎力さえビシッと身についていれば確実に合格点が取れる。満点だって夢じゃない。

 

「こういう入試問題を作成する大学って、きっと入学後もキチンと身の丈にあった教育をしてくれるんだろうな」。それが今井の実感である。やたらに背伸びばかりじゃいかん。見栄ばかり貼って、学生に無理な要求をしちゃダメだ。

(早稲田文学部、2018年第1問。空欄の1つ1つに濃密な出題意図を実感する 1)

 

 学部入試とは、受験生にとっては中等教育の総決算である。中等教育は、基礎基本の習得に徹底すべきである。学部や大学院でのホンモノの高等教育を受けるために、最低限の基礎基本を身につけてきているのか、それを試すものであるべきだ。

 

 日本の学部入試は、どうも見栄っ張りでいけない。特に英語がそうで、すでに30年も40年も見栄っ張りを続けてきたのに、それでも足りず、3倍も4倍も見栄っ張りな入試を始めようとしている。

 

 今井君の思いとしては、明治大学文学部の「身の丈にあった」英語入試を、これからのお手本としてほしいのである。文法も語法も長文読解も、これなら無理を感じない。受験生の学力を知り抜いている。

 

 余計な負担をかけずに、基礎基本の力を試すことができる良問。予想外かもしれないが、そういう意味で大ベテラン今井が推薦できる良問は、明治大学の他に、国公立なら実は「三重大学」なのである。

 

 見栄っ張りを続けていても日本人の英語力伸長は望めない。ワタクシは、出題する大学のセンセイにも、対策を練る高校や予備校の先生方にも、ぜひ明治大と三重大の問題を参考になさるようにオススメしたい。

(早稲田文学部、2018年第1問。空欄の1つ1つに濃密な出題意図を実感する 2)

 

 一方、14日に解説する予定になっている早稲田大学文学部であるが、いやはや、こちらも捨てがたい。ワタクシが心から愛するタイプの、濃厚な読解問題がズラリと並んでいる。

 

 確かに一見したところ、マスメディアが「難問奇問」とたたきまくりそうな外見であるが、いやはや、出題者の濃密な熱情が伝わってくるじゃないか。

 

 テキトーな文章をコピペして、テキトーにアンダーラインを引き、「下線部を日本語に和訳せよ」という問題なら、作成に1時間もかからない。「出題の意図」みたいな言い訳なら、後付けでナンボでもゴマかせる。

 

 しかし早稲田の場合、文学部でも法学部でも政経学部でも、1問1問に明確な出題者の意図が読み取れるのだ。入試問題とは、大学が社会に発するメッセージなのであって、意図の明確でない問題は出題すべきではない。

(早稲田文学部、2018年第3問。長文の空欄に、3〜4行のセンテンスを埋めていく。おお、こりゃ良問だ)

 

「もう限界。メンドーだから、誰か他の人に作ってもらおう」なんてのも、その気持ちはわからないこともない。しかし1問1問、小問すべてに至るまで、大学側の出題の意図がありありと手に取るように分かる渾身の良問を作成することに、ぜひ出題者のヤリガイを感じていただきたい。

 

 後世の語り草になるような良問作成は、ご自身の学者としての研究に勝るとも劣ることのないヤリガイのある仕事じゃないか。おそらく早稲田は、そのぐらいの強烈な覚悟で1問1問を作成しているのである。

 

 一方、メディアのサイドでも、実際の問題をロクに検証することもせず、「早慶だから『難問奇問』って書いとけば文句を言われないで済む」みたいな記事をでっち上げるのは、責任あるメディアの姿勢として情けないとしかいいようがない。

 

 そういう記事を書く前に、ぜひ実際の入試問題に取り組んでみるべきだ。もしそこに明確な意図を読み取れなかったら、今井君の解説授業を受講してみたらいい。「おお、そういう意図があったんだ♡」。オトナとして、そのぐらいの驚きを感じると信じる。

 

 というわけで諸君、今日のワタクシはこれから吉祥寺へ。早稲田文学部2018年の問題を、たった3時間で解説しなきゃいけない。これほど良質の問題を3時間で解説だなんて、いやはや何ともモッタイナイが、そこはそれ、大ベテランのサトイモだ。ギュッと濃厚濃密にいこうじゃないか。

 

1E(Cd) Kiri Te Kanawa, Solti & LondonMOZARTLE NOZZE DI FIGARO 1/3

2E(Cd) Kiri Te Kanawa, Solti & LondonMOZARTLE NOZZE DI FIGARO 2/3

3E(Cd) Kiri Te Kanawa, Solti & LondonMOZARTLE NOZZE DI FIGARO 3/3

4E(Cd) Solti & ViennaWAGNERDAS RHEINGOLD 1/2

5E(Cd) Akiko SuwanaiSIBERIUS & WALTONVIOLIN CONCERTOS

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