Mon 180813 まだアマローネ/フランクフルトのオマケ付(イタリアすみずみ25)3695回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 180813 まだアマローネ/フランクフルトのオマケ付(イタリアすみずみ25)3695回

 たった2ヶ月半前のことなのに、こうしてすみずみまでしみじみ書いていると、もうずいぶん昔のことのように感じられる。連日のように雷がゴロゴロ、早朝にはコオロギがコロコロ、心からしみじみしてしまう秋の始まりである。

 

 2ヶ月半前の旅がこれほど昔のことに思えるのは、おそらく1ヶ月半前の「10年達成」の記憶が強烈だからである。たかがブログであっても、非力なワタクシとしては、10年間ほぼ全力を尽くして書き続けた。

 

 いろいろお祝いをしてくれるヒトもいて、うなぎもスッポンもカレーも、みんな「記念なんだから」と言い訳しながら貪り尽くした。そりゃ記憶だってギュッと強烈に引き締まって、そのぶん「イタリアすみずみ」の記憶は遠ざかってしまったのである。

 

 しかし5月24日、2週間にわたった長い旅も、この日が締めくくりになった。4月には約3週間にわたる「フランスすみずみ」をやったばかり。アルビにルルドにポー、レンヌにサンマロ、フランスは十分にすみずみまで訪ねた。イタリアはどうだったんだろう。

 

 諸君、まだサルデーニャが残っている。フランスだって、まだコルシカが残っている。これにシチリアを加えて、「地中海3島物語」を企画したことがある。シチリアはすでに2週間も滞在済みだが、サルデーニャにコルシカ、いつまでも放置しておくわけにはいかないじゃないか。

(イタリアすみずみの最終日を彩ったアマローネ。おいしゅーございました)

 

 そういうことを呟きながら、5月24日のワタクシは早朝から部屋のミストサウナを満喫した。ミラノ滞在13泊、部屋専用のミストサウナをほぼ1日も欠かさず使用した。シルミオーネの1晩と、ヴィラ・デステの1晩以外、ホントに1日も欠かさなかった。

 

 ホテルの側で「無料アップグレードさせていただきました」とおっしゃったエグゼクティブ・スイートだ。ここに専用ミストサウナがくっついていたのは完全に偶然のことである。ホームページ上では「スチーム・バス付」となっているが、いやはや、最高に爽快な2週間を過ごせた。

 

 お昼前、「どうしてもまたこの部屋に宿泊したいな」と呟きつつチェックアウト。スーツケースをフロントに預けて、もう1度ミラノのドゥオモに挨拶しに出かけた。

 

 というか、ドゥオモそれ自体はこの15年もう飽きるほど眺めたから、「どこかアマローネをもう1本味わえるお店はないかいな?」、要するにランチを貪りに行っただけのことである。

 

 ドゥオモが間近に眺められる店ならサイコーであるが、目指した店は相変わらず超満員。ドゥオモの目の前のテラス席はパンパンで、「インサイドのテーブルなら空いてますが」と、体良く断られた。

 

 選んだのは、ドゥオモ前「ガッレリア」の4辻に4軒、キレイに軒を向かい合う店のうちの1つである。何を食べたか、もうハッキリ思い出せない。パスタのようなものを注文したに違いないが、記憶にギュッと残っているのは、今日の写真の1枚目、マコトに濃厚だったアマローネ君のことばかりである。

 

 これで4日連続のアマローネだ。1本目がコモ、2本目がベラッジョ、3本目がヴェネツィア、4本目がミラノ。「どれが1番よかったですか?」であるが、「お店の対応まで含めて、4本すべてがサイコーでした」と答えるしかない。

 

 ブルゴーニュ好きにはきっと濃厚すぎるだろうけれども、今井君はあえてボルドーに2週間滞在したほどの濃厚&濃密派。ヴェネト地方に延々と続く見事な葡萄畑を眺めつつ、もっともっとアマローネを飲み続けていたくなった。舌が真っ黒に染まったってかまわない。

 (旅のしめくくりのランチに、こんなお店を選んでみた)

 

 こうして午後3時、いよいよこの旅を終えて「帰国の途につく」ことにした。ホテルに戻ってスーツケースを受け取り、タクシーに乗り込んで「リナーテ空港まで」と告げた。

 

 ミラノから日本に帰るのに、何故かリナーテなのである。普通なら国際ハブ空港マルペンサを利用するのであるが、今回は国内便が中心のリナーテからフランクフルトに向かう。成田空港が全盛だった頃に、あえて羽田を選んだような具合だ。

 

 さすがにこれは少なからず不安である。シャルル・ド・ゴールでなくてオルリー、JFKじゃなくてニューアークやラガーディア、そういう空港を選択すれば、やっぱり何かが起こりそうな気がするじゃないか。

 

 ただし、リナーテは近い。タクシー代は50ユーロかからない。時間も20分ちょいである。ミラノからマルペンサなら1時間近くかかり、タクシーのメーターも軽く100ユーロを超える。今井君は倹約派だから、マルペンサの場合はタクシーを回避して電車を利用する。

 

 初めてのリナーテ空港は、意外に清潔かつ現代的な設備が整っていて、ラウンジも予想をはるかに超える快適なものだった。これなら、悪くない。遠いマルペンサで右往左往するより、リナーテでゆっくりくつろぐほうがいい。

(2週間前、旅の初日にモンテ・ナポレオーネで出会った3人。この日はミラノ地下鉄駅構内で演奏に励んでいた)

 

 しかし諸君、ここで心配していた「何か」が発生しはじめた。掲示板に「フランクフルト便、15分遅れ」の表示が出ちゃったのである。あとは、万事イタリア流。遅れは寸刻みでどんどん拡大し、15分が20分に、20分は30分に、30分は45分になった。ヒコーキは最終的に50分遅れで出発したのである。

 

 フランクフルトでの羽田行き乗り換え時間は、1時間20分。これはまず間に合わない。フランクフルト空港は広大である。乗り継ぎには最低でも1時間の余裕が必要だ。

 

 10年前、2008年の11月にマドリードを旅し、帰りのヒコーキが1時間遅れた。フランクフルトの濃霧のせいだった。スパンエア機がフランクフルトに到着してみると、羽田便はとっくに出発してしまっていた。次のヒコーキに替えてもらうのに、長蛇の列に並ばなきゃいけなかった。

 

 しかし諸君、あれから10年、今井君もずいぶん旅慣れた。10年前には怒り心頭に発したものだったが、今はもう「仕方ないな」「フランクフルトで1泊、オマケがついたようなもんだ」「余裕&余裕。ゆっくりしていくかな」、そういうスタンスである。

 (旅のしめくくりに、ドゥオモにも挨拶しなきゃいけない)

 

 これも諸君、スマホやら何やらかにやら、世の中が進歩したおかげである。万が一ヒコーキが明日の便しかとれなくても、インターコンチ系のホテルなら5分もかからずに予約できる。インターコンチが満室であっても、その時はエクスペディアで5分、3つ星程度のホテルならすぐ取れる。

 

 案内されたルフトハンザのカウンターで、翌日昼のヒコーキに手続きを完了。ルフトハンザ系列のホテルのクーポンと、ホテルと空港を往復するクーポンも無料でもらえた。いやはや、タクシーで30分もかかる郊外のホテルだったが、0ユーロで宿泊させてもらえるなら、それも悪くない。

 

 ホテルの周囲は、真っ暗。それもそのはず、翌朝目が覚めてみると、見渡す限りの小麦畑であって、どうしてこんな場所に4つ星クラスの「リゾートホテル」があるのか、首をひねるほどであった。

 

「やっぱり0ユーロのホテルじゃダメだな。インターコンチにして、ヒコーキも夜の便にしてもらって、ライン河の川下りでもしてくればよかった。リューデスハイムの町の散策もよかったな」と後悔するが、まあ後悔先に立たず。こんな偶然でもなければ、おそらく来ることもない郊外ホテルの1晩を満喫しようじゃないか。

(ミラノ、ウェスティンホテルの部屋専用ミストサウナ。いやはや満喫いたしました)

 

 というわけで、ホテル1階のバーに闖入、カウンターに座ってみた。大好きなアイリッシュウィスキー「Jameson」をオンザロックで注文。ついでだから「ダブル」ということにして、それをじっくり4杯飲み干した。いやはや、こういう夜も悪くない。

 

 怪しいドイツ人カップルを観察しつつ、カウンターで22時まで。バーを退散したあとは、部屋に戻ってブログ記事を1本アップ。何しろあの当時は「意地でも1日1本アップする」という約束の10年を締めくくろうとしていたのである。今思えば、マコトに懐かしい意地っ張りな日々だった。

 

 こうして諸君、「イタリアすみずみ」にはフランクフルト1泊のオマケもついた。ホテルから空港へは、クーポンで0ユーロのタクシーが迎えにきた。

 

 豪華なベンツのタクシーだったが、あいにくドイツ人のオジサマとの相乗り。ま、0ユーロなら仕方ない。そういう余裕の溜め息の中で、「イタリアすみずみ」の旅は無事に完結したのであった。

 

1E(Cd) Kubelik & BerlinerDVOŘÁKTHE 9 SYMPHONIES 5/6

2E(Cd) Kubelik & BerlinerDVOŘÁKTHE 9 SYMPHONIES 6/6

3E(Cd) Avner AradTHE PIANO WORKS OF LEOŠJANÁĈEK

6D(DMv) HERCULES

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