Sat 180728 台風12号接近中/思ひ出話になるだろう/フレンチ風の夕食 3680回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 180728 台風12号接近中/思ひ出話になるだろう/フレンチ風の夕食 3680回

 現在、台風12号が南から日本に接近中。今後は南東から北西に向かって進み、日付が29日に変わる頃、首都圏でも東海でも「雷を伴った激しい雨に警戒」「海岸では、波浪と高潮に注意」「予想雨量400mm」、恐ろしい事態になっている。日本中、被害が1つも出ないことを願うばかりである。

 

 今井君は今日も今日とて河口湖での合宿授業に励んでいる。天気予報では、山梨県には「バケツをひっくり返したような豪雨」がくる可能性もあって、台風が通り過ぎる28日深夜から29日早朝までは、みんなでギュッと警戒していなければならない。

   (7月27日河口湖、台風が襲来する前日の夕焼け)

 

 しかしこの台風だって、今から四半世紀後、生徒諸君が40歳にも50歳にもなってから、きっと語り草になるのだ。

 

「高3の夏に河口湖で、英語の合宿に参加していてね」

「なんだ、そりゃ」

「限界突破、そうみんなで励まし合って、4泊5日で英語の総仕上げをやったんだ」

「なんだ、そりゃ」

 

「音読、音読、さあ音読。『ひたすら音読』『徹底的に音読』で、5日間を突っ走るんだ」

「なあるほど、楽しそうだね、英語の底力がつきそうだね」

「そうなんだ。もちろん『限界突破!!』と絶叫ばかりして、結局5日間眠らないで徹夜しつづけただけのヤツもいたけどね(スミマセン、昨日の続きです)」

「うーん、前近代的だね」

 

「言うまでもなく、そういうのは2013年ぐらいで終止符を打って、オレが高3で参加した2018年には、全く違う雰囲気になっていたけどね」

「そりゃそうだろう。昭和の部活じゃあるまいし、『根性だ』『水飲むな』『本当の敵は自分なんだ』『自分をイジメ抜け』、そりゃ古すぎるだろう」

   (2018年、全員起立の音読は今もなお続いている)

 

「その通り。特に、オレがいたクラスの担当が『今井先生』という面白い人でね」

「ああ、覚えてる覚えてる。『予備校界の大物』、おかしなサブタイトルをつけられちゃった楕円形の人ね」

 

「そうなんだ、頭も楕円形、思想も楕円形、行動も楕円形。球形なら動きの予想がつくけれども、楕円形がゴロゴロ転がりだすと、完全に予測不能なんだ。激烈に面白い人だった」

「羨ましいね。ボクも18歳のころに、そういう大爆笑の連続する講師の授業に出てみたかったな」

 

「いやはや、合宿の4泊5日、大爆笑が途絶えなくてね。笑いすぎて腹筋が痛い、メモを取りすぎて腱鞘炎になりそう。ちょうど台風12号というのが日本列島を襲ったけれども、その夜もずっと英語の授業で大爆笑していた」

「いい思ひ出じゃないか。オレも経験してみたかったな」

 

「覚えているかい、東から西に日本列島を逆向きに縦断していった。世にも珍しい台風だった」

「ボンヤリ記憶してるけどね。確か7月中旬からスーパー猛暑が襲ってきて、38℃、39℃、息を吸うと肺胞が火傷しそうだった」

「埼玉の熊谷で、41.1℃。大量の微生物がアスファルトの地面で焦げちゃったのか、日本中ずいぶん焦げ臭い夏だった」

(合宿で10年間、定番だったTシャツ。そろそろ寿命かもしれない 1)

 

「今井先生は暑がりだから、合宿中はそうとう機嫌が悪かったんじゃないか?」

「そんなことないんだ。スキあらば爆笑。ちょっとでも暇があれば爆笑、『学力向上に何より大事なのは笑いなのだ』と喝破して、授業の半分は笑いこけて過ごした」

 

「それじゃ、テキストには大量のやり残しが残っただろう。プリントでも配布したのかい?」

「それどころか、真逆なんだ。『爆笑の連続だから授業が遅れる』なんてのは、講師としてシロートなんじゃないか? 2018年の今井は、すげースピード。『2日目でテキストは終了する』と宣言したよ」

「で、見事に2日目に終わったのかい? 有言実行なら、すげーサトイモじゃないか」

(合宿で10年間、定番だったTシャツ。そろそろ寿命かもしれない 2)

 

「いや、さすがに今井もそこまでは無理。4泊5日分のテキストを2日で終えるんじゃ、そりゃ神ワザだ。今井は神どころか、キウィでクマでサトイモなヤツだ。結局3日目の1時間目までテキストが残った」

 

「それでも凄いじゃないか。11コマ分のテキストを、6コマ目でカンペキに終わっちゃたのかい?」

「間違いなく、終わった。7コマ目からは、難関大学の長文読解問題6問を材料に、授業の密度はさらにもう1ランク濃密になった」

 

「台風12号が襲ってきたのは、ちょうどその時間帯なんだね」

「おお、今井自身が台風の渦巻きに見えたぜ。疾風怒濤というのは、あんなのを言うんだな。北上し、やがて向きを変えて西進するにつれ、台風の雲の渦巻きも楕円に変化した。目の前の今井も、完全に楕円形。不思議な気分だったよ」

(教室内の掲示。「変わることを拒絶すると、過去にしがみつくのではなく、未来を失うことになる」。長文読解問題からの抜粋だ)

 

「そんなにスピーディーにテキストを進めて、生徒たちはどうだったんだ? 消化不良だったんじゃないか?」

「それがねぇ、ホントに不思議なんだけどねぇ、確認テストをやってみると、クラス8090名の平均点が、95%を超えるんだ。99%なんてのも連続してたな」

 

「あの夜、河口湖は台風の渦巻きの真っただ中だったはずだけれど、それでもみんなで声を張り上げて音読してたのか?」

「だからこそ忘れられないんじゃないか。あれからもう20年以上が経過しているが(4050歳になったモト生徒たちの思い出話として書いている仮定だったことを想起されたい)、あんなに印象的な夜は、滅多に経験できないね」

 

「なるほど、それがオマエの7月28日ってわけか」

「いまでもすごく懐かしいな」

「そうだろう、そうだろう」

(ビーフシチューに、チキンのホワイトソース。2日目の夕食はフレンチ風だ)

 

 ま、ずいぶん長いコントを書いてしまったが、とにかくこの台風の被害が1つもないこと、「ツメアト」の類いを1つも残さずに去ってくれることを熱望するばかりである。

 

 7月2818時、河口湖ではいよいよ風雨が強くなって来た。防災無線の声が湖の上に響き渡り、「高齢者は早めの避難を心がけるように」と告げている。部屋の窓には大粒の雨が吹きつけ、対岸の風景も雨に霞んでよく見えない。

 

 7月27日夕刻、まだ第2期は2日目であったが、翌日の台風を予告するかのように、河口湖の空はマコトに美しい夕焼けに染まった。夕食は、ビーフシチュー、チキンのクリームソース煮など。「フレンチ風」に統一されていた。デザートにブラウニーまでつく豪華版である。

 

 講師陣にはこれにプラスして1品、マグロのお刺身にトロロがかかって、もっともっと贅沢に演出されている。いやはやマコトにありがたいことであって、夕食のテーブルで「10年前の河口湖合宿」の思ひ出に花が咲いた。昨日のブログの後半、昔話に筆が躍ったのも、食事中の会話のタマモノなのである。

 

1E(Cd) Argerich, Chailly & RSO BerlinTCHAIKOVSKYPIANO CONCERTO No.1 & RACHMANINOVPIANO CONCERTO No.3

2E(Cd) Gergiev & KirovRACHMANINOVSYMPHONY No.2

3E(Cd) AshkenazyRACHMANINOVPIANO CONCERTOS 1-4 1/2

6D(DMv) BEFORE SUNSET

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