Sat 180714 タイガー・ラグ/ブラバン応援の歴史/新百合ヶ丘360名の大盛況 3667回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 180714 タイガー・ラグ/ブラバン応援の歴史/新百合ヶ丘360名の大盛況 3667回

 タイガー・ラグ。きっと諸君はタイガー・ラグを知らないだろうから、今日はこの里芋オジサンがタイガー・ラグについて若干の解説を試みる。しかもこのタイガー・ラグは、若い諸君の応援歌として、長年にわたって濃厚に背中を押し続けてくれる可能性が高いのだ。

 

 タイガーはTigerであるが、ラグはRugではなくてRagである。Rugは敷物のことであり、男性用のカツラをRugと呼ぶこともあって、まあ確かに古典的なカツラは、基本的にはカーペットと同じ構造だったはずである。

 

 そこで諸君、トラの毛皮のカーペットをTiger Rugと呼ぶ。ググってみると、アマゾンなんかで無残なTiger Rugが販売されている。おお、なでしこが大っきく育ったみたいな立派なトラが、顔の真ん中から真っ2つ、綺麗なカーペットにされちゃっている。

 

 しかし21世紀も中盤に入ろうとする今、トラの毛皮のカーペットなんか買い込んで成金趣味を満足させるのは、やっぱり趣味が悪いじゃないか。ネコ類は、全て崇拝の対象としなければならない。

 

 そこで「Tiger Rag」であるが、Ragを英和辞典で調べてみると、「ぼろきれ」「くず」「断片」「かけらもない」「少しもない」、動詞として使えば「からかう」「いじめる」と、マコトにひどい扱いを受けている。

 

 しかしそれは、Ragの1つ目の意味。普通の英和辞書ならRagの3つ目の説明に「Ragged」に関する記述が掲載されているはずだ。Ragとは「ラグタイムのリズムで作られた曲」であり、ラグタイムとは20世紀前半に世界的に流行したジャズのジャンルである。

 

 アフリカン・アメリカンのミュージシャンを中心に、従来のクラシック音楽のリズムとは異なる「遅い」「ずれのある」リズムの演奏を爆発的に流行させた。本来はRagged-time」。これを略して「Ragtime」と呼んだ。

 

 一応はそう説明しておくが、ではその「Ragged」と辞書で調べてみると、「ぼろぼろの、ぼろを着た、見すぼらしい、デコボコの、不調和な、耳障りな、欠点のある」など、相変わらず悲惨な訳語が並んでいる。ホンの100年前、ジャズと言ふものはそんな扱いを受けていたのである。

 (7月13日、神奈川県・新百合ヶ丘で360名の大盛況 1)

 

 そこでまずは諸君、「ルイ・アームストロング タイガーラグ」でググってみてくれたまえ。1938年に演奏されたルイ・アームストロングの「タイガー・ラグ」、1933年のタイガー・ラグ、いろんなバージョンが聞けるはずだ。

 

 最初の録音は1917年817日。オリジナル・ディキシーランド・ジャズバンドが演奏した。おお、ちょうど100年前のことである。1918年、タイガー・ラグのレコードは爆発的に売れて、ジャズのスタンダードになった。

 

 あまりに悲惨だった第1次世界大戦がついに終焉を迎え、世界中のヒトビトが恒久平和を夢みて明るい空にヒトミを上げた時、その耳に響いていたのは、ヨーロッパでも、アメリカでも、アジアでも日本でも、間違いなくやがてジャズの定番となる「タイガー・ラグ」だったのだ。

 

 そういう意味もあって、ワタクシはタイガー・ラグが大好き。この曲のルーツであるらしいルイジアナ州のニューオーリンズは、むかしむかしから今井君の憧れの街であって、「次の旅は絶対ニューオーリンズ」と、何度も心に誓ったものである。

 

 ニューオーリンズに行くなら、何と言っても「マルディ・グラ」がいいだろう。フランス語でMardi Gras、英語ならFat Tuesday、1月6日に始まるカーニバルであるが、詳細はググっていただくか、クリント・イーストウッド主演の映画「タイトロープ」をみてくれたまえ。

 

 しかし諸君、「行ってみたいな」「行ってみたいな」と思いつつ、お正月に入ってすぐの1月6日となると、さすがの今井君も踏ん切りがつかない。大晦日ギリギリまで海外にいるのがこの15年の定番だから、新年早々の1月6日には、まだどうしても疲労が残っているのである。

 (7月13日、神奈川県・新百合ヶ丘で360名の大盛況 1) 

 

 甲子園の前身、全国中等学校優勝野球大会の第1回は、1915年の開催であるから、万が一今みたいな派手なブラバンの応援合戦があったとしても、タイガー・ラグが登場することはありえなかった。タイガー・ラグの大流行は、その2年後3年後のことである。

 

 しかし諸君、その第1回大会で決勝まで進んだのが、我が母校・秋田県立秋田高校の前身、秋田中である。8月19日の準々決勝で三重の宇治山田中に9−1。翌8月20日の準決勝では絶対の優勝候補・早稲田実業に3−1。堂々の決勝進出だった。

 

 決勝戦は、8回表を終わって京都二中を1—0でリード。秋田県のチームが優勝まであと6アウトまで迫った決定的瞬間である。8回裏に同点、延長13回まで進んだ試合は、最後に秋田中がエラーで決勝点を献上。延長サヨナラで我が母校は第1回優勝校の栄誉を逃した。

 

 あれから100年が経過したのである。スタンドの応援合戦にも流行り廃りがあって、日本陸軍の進軍ラッパが鳴り響き続けた時代もあれば、早稲田コンバットマーチにダッシュ慶応が席巻した時代もあった。

 

 山本リンダ「狙い撃ち」にピンクレディ「サウスポー」の時代を経て、「ドカンと一発」「We Will Rock You」「アフリカンシンフォニー」「あまちゃん」「さくらんぼ」「紅」まで、ワタクシは長い歴史を見つめてきたのである。

(新百合ヶ丘でいただいたケーキ。おいしゅーございました)

 

 1980年代の黄金時代を経て、「13年連続初戦敗退」を含む暗いトンネルのような低迷を続けてきた我が秋田県であるが、その寂しいトンネルの中で作り上げてきたのが、伝統の「タイガー・ラグ」である。

 

 35年ほど前に、我が秋田高校のライバルである秋田商のスタンドから始まったのが、タイガー・ラグ。むかしむかし大昔、甲子園の定番がまだ進軍ラッパだった頃でも、「マンボジャンボ」みたいなオシャレな応援はいろいろ存在したが、ジャズの名曲「タイガー・ラグ」をアレンジした応援はマコトに新鮮だった。

 

 当時の秋田県代表は、甲子園での優勝候補の一角にあげられることも少なくなかったのである。コドモ時代の今井君は、秋田高校を県大会決勝で撃破した秋田商の応援団が「タイガー・ラグ」に乗せて送る甲子園の大合唱に、熱い涙を流したものである。

 

 何しろ、応援団がタイガー・ラグに乗せて大合唱に入ると、必ず得点が入るのだ。大逆転も頻繁に起こる。何しろ公立高校ばかりの秋田県予選だから、「プロ注目の」みたいなハイレベルの試合は滅多にないが、これが本来の高校野球の在り方なんじゃないか。

 

 諸君、ぜひ今夜、YouTubeで激烈な「タイガー・ラグ」に寄ってくれたまえ。まずは、本家本元ルイ・アームストロングのタイガー・ラグを3回繰り返す。耳が本家本元に慣れてきたあたりで、「タイガー・ラグ 秋田」で検索すれば、アレンジを加えた激烈な応援を目撃できる。


 まずは、我が母校・秋田高校のタイガー・ラグ(130715 秋田高校タイガー・ラグ)をどうぞ。続いて応援版の本家本元・秋田商のタイガー・ラグ(170715 秋田商タイガー・ラグ)をどうぞ。そして最後に、おそらく最も激しい明桜高校の「わっしょい&わっしょい」バージョンをどうぞ(150720 明桜タイガー・ラグ)。

 

 これらをYouTubeにアップしてくれている人は、いったい誰なんだろう。日付の書き方も今井ブログと同一なので、もしかしたら今井君の知り合い? または今井君の読者? とにかく今朝のワタクシは、感謝感謝で聞き入っていた。

(新百合ケーキをサイドから撮影。大好物アップルパイの分厚さをみてほしい。マコトにおいしゅーございました)

 

 7月13日、大阪からいったんオウチに帰ったワタクシは、あまりの暑さにグロッキー状態。6月上旬からの公開授業ラッシュで疲労がピークに達したところに、水蒸気と湯気ムンムンのスーパー熱波は厳しすぎる。

 

 それでも諸君、タイガー・ラグさえ耳にすればマホーのように立ち上がるのが秋田県人だ。秋田高校のタイガーラグでムックと起き上がり、いろんなバージョンのタイガー・ラグで元気百倍、暑さなんか忘れて小田急線に乗り込んだ。

 

 13日夕暮れから、神奈川県・新百合ヶ丘駅前での公開授業である。集結したのは360名。うぉ、連日の350名超えであり、「400名に迫る」「外部生も100名超え」という勢いは止まらない。

 

 だって諸君、スゴいじゃないか。大阪駅前でも名古屋駅前でも博多駅前みたいな超ターミナルではなくて、小田急線「新百合ヶ丘駅前」で360名が集結したのだ。どうしてもスタッフの努力に大喝采を送らなきゃいけない。

 

 昨年もちょうど同じ時期に、新百合ヶ丘で大盛況を経験している。昨年の数字を調べてみると、330名。昨年対比でも+30名。素晴らしい、全く素晴らしい。

 

 大好物のアップルパイを貪った後は、スタッフの努力を決して無駄にしないように、チョー汗みどろの大熱演、100分を語り尽くし、精も根も尽き果てたサトイモ君は、ゴロゴロ転がるように家路についたのである。

 

1E(Cd) Bobby CaldwellBLUE CONDITION

2E(Cd) Boz ScaggsBOZ THE BALLADE

3E(Cd) The Doobie BrothersMINUTE BY MINUTE

4E(Cd) Grover Washington Jr.WINELIGHT

5E(Cd) Kenny WheelerGNU HIGH

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