Mon 180604 帰ってきた/3652回完了/夢は沃野を駆けめぐる(イタリアすみずみ 17) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 180604 帰ってきた/3652回完了/夢は沃野を駆けめぐる(イタリアすみずみ 17)

 さあこうして、ついに「1次会」の締めくくり、2008年6月5日から延々と続いてきた長文ブログは、ついに目標の3652回を迎えることになった。365日 × 10年 + うるう年2回分である。

 

 ヒコーキの上に生涯を浮かべ、鉄道のドアにつかまって老いを迎える者は、日々旅にして、旅を住処とする。10年前に意識したのは、というか憧れていたのは、間違いなく「奥の細道」途上の松尾芭蕉どんであった。

 

 3月27日に江戸を出立、白河・松島・平泉・山寺・最上川・象潟、遥かな佐渡を右に眺めながら岐阜の大垣まで、2500kmを踏破。8月下旬に大垣に到着する。その間わずか5ヶ月、健脚の彼の旅は、我々の感覚よりもはるかに短いのである。

20492 庭園1

(出発点、コモ湖畔ヴィラ・デステに帰ってきた 1)

 

 今井君がイタリアのコモ湖畔からブログの旅に出たのは、2008年6月5日のこと。おそらくは誰も可能とは考えてくれなかっただろうし、自分でも続けられる自信のなかった旅であるが、こうして今、コモ湖畔ヴィラ・デステの庭園に帰ってきた。

 

 10年で旅した街は、世界194都市に及ぶ。200都市まで、あと6都市にせまっていた。その一覧表を下に示すが、メンドーと思う読者は、この一覧表はすっとばしていただいて構わない。

 

 訪れたどの街でも、いろいろな方々に迷惑をかけただろうし、非常に多くの人々に世話になった。世界中の人に、大いに感謝する次第である。

20493 ヴィラデステ

(出発点、コモ湖畔ヴィラ・デステに帰ってきた 2)

 

☆ フランス(48):マルセイユ ルーアン ランス アミアン ニース カンヌ マントン エズ グラース レラン諸島 エクス・アン・プロヴァンス レ・ボー エグ・モルト ニーム アルル アヴィニョン カシス ラ・シオタ リヨン オルレアン ルアーブル オンフルール ストラスブール コルマール ブロワ オランジュ レスタック フリウル島 イフ島 ボルドー サルラ アルカション カルカソンヌ バイヨンヌ ナルボンヌ ビアリッツ モンサンミシェル トゥールーズ ルルド アルビ ポー フォンテーヌブロー サンジェルマン・アン・レー ディジョン サン・マロ レンヌ サン・ドニ パリ

 

☆ イタリア(45):ベルガモ トリノ ボローニャ フェラーラ ラヴェンナ パルマ クレモナ ヴィチェンツァ ヴェローナ パドヴァ コモ ストレーザ ベラッジョ メナッジョ ジェノヴァ サレルノ ラヴェッロ ソレント ポンペイ エルコラーノ プローチダ島 カプリ ポジターノ アマルフィ ガゼルタ パレルモ シラクーサ アグリジェント チェファルー トラーパニ ウスティカ島 タオルミーナ パヴィア デセンツァーノ  ペスキエラ クラッセ シルミオーネ マルチェージネ ローマ ナポリ フィレンツェ シエナ ピサ ヴェネツィア ミラノ 

 

☆ ドイツ(17):ベルリン ライプツィヒ ドレスデン ミュンヘン ガルミッシュパルテンキルヘン パッサウ フランクフルト リューデスハイム ボッパート コブレンツ トリアー マインツ ケルン ニュルンベルク ハイデルベルグ フュッセン ヴュルツブルグ ブレーメン ハンブルグ

 

☆ スペイン(14):マドリード サラマンカ セゴビア トレド セビージャ コルドバ グラナダ バルセロナ タラゴーナ フィゲラス ジローナ バレンシア サンチャゴ・デ・コンポステラ アランフェス

 

☆ オランダ(10):アムステルダム ロッテルダム ユトレヒト ザーンセ・スカンス キンデルダイク アルクマール グロニンゲン デン・ハーグ デルフト ライデン

 

☆ イギリス(7):ロンドン ケンブリッジ オクスフォード カンタベリー リバプール ウィンダミア エディンバラ 

☆ ポルトガル(6):リスボン カスカイス シントラ エヴォラ コインブラ ポルト

☆ ベルギー(5):ブリュッセル メッヘレン アントワープ ブリュージュ リエージュ

☆ アメリカ(5):ニューヨーク ワシントンDC ボストン シカゴ ニューヘイブン サンフランシスコ 

☆ メキシコ(4):メキシコシティ カンクン テオティワカン チチェンイツァ

☆ モロッコ(3):マラケシュ エッサウィラ フェズ 

☆ ギリシャ(3):アテネ サントリーニ ミコノス

☆ オーストリア(3):ウィーン ザルツブルグ インスブルック

☆ オーストラリア(2):シドニー エアーズロック

☆ ノルウェー(2):オスロ ベルゲン

☆ アイルランド(2):ダブリン キルデア

☆ ブラジル(2):サンパウロ リオデジャネイロ

☆ ハンガリー(1):ブダペスト

☆ トルコ(1):イスタンブール

☆ チェコ(1):プラハ

☆ スイス(1):ジュネーブ

☆ アルゼンチン(1):ブエノスアイレス

☆ ウルグアイ(1):コローニア

☆ シンガポール(1)

☆ モナコ(1)

☆ ベトナム(1):ホーチミンシティ

☆ キューバ(1):ハバナ

20494 庭園2

(出発点、コモ湖畔ヴィラ・デステに帰ってきた 3)

 

 芭蕉の旅は出発点の江戸に帰ることなく、奥羽長途の行脚を大垣で終えている。「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」。いやはや、あまりに悲しい句じゃないか。

 

 もちろん今井君みたいな一般人のシロート長文ブログを、松尾芭蕉どんみたいなウルトラ有名人の作品と重ねて論じれば、世界中の人々の失笑を免れないが、諸君、それでも1日平均で4000アクセスを続けたブログだ。それなりの読者層を獲得してきたのである。

 

 元禄時代の出版事情を考えてみたまえ。平均4000どころか、回し読みに回し読みを重ねたとしても、「10年でのべ1500万人」という今井の読者数には、到底及ばなかったに違いない。リアルタイムでの読者数としては、今井君に軍配があがるのである。

20495 庭園3

(出発点、コモ湖畔ヴィラ・デステに帰ってきた 4)

 

 数と量に物を言わせるなら、ついでに「書きまくった文章量」でも圧倒的である。文庫本100冊分に達することになろうとは、10年前のワタクシ自身だって、想像だにしなかった。当初の予定の約3倍にも膨らんだのである。

 

 質の面では、もちろん足許にも及ばない劣勢。書いても書いても公式の高評価は全く聞こえてこない。ついムクレ始める今井君を、熱烈な読者諸君は粘り強く励ましてくれた。感謝&感謝、ひたすら大感謝である。

 

 10年休まずに、記事のほとんどを読み続けてくれた人も多い。そりゃ開始早々の1ヶ月は、「丸1日のアクセス数 → 10」などという厳しい時期があった。しかもその「10」というのが、「自分で原稿を確認し&添削しただけだった」ともなれば、ふとヤメたくなるのも当然だった。

20496 庭園4

(出発点、コモ湖畔ヴィラ・デステに帰ってきた 5)

 

「最高に面白い記事を厳選して、1冊の本にまとめて出版したらどうですか?」と言ってくれる熱烈な読者も少なくなかった。しかし諸君、「厳選」も何も、毎日毎日こんなに面白く充実してたんじゃ、取捨選択は困難だ。

 

 ブログ10年 → 文庫本100冊分、全てを通読してこその「極上の味」じゃないか。少なくともこれほど熱く濃厚濃密な愛情を込めて書き続けた筆者としては、「あれを選び、これを選ばない」などという無慈悲&冷酷な行動はできない。愛していない記事など、1本たりともないのである。

 

 取捨選択はイヤ、文庫本100冊分を通読してくれなきゃイヤ。そういうシロートのワガママを受け入れてくれる人なんか、この世の中に存在するはずがないから、ごく当然の成り行きとして、時の流れの中で朽ち果てるのを待つしかないことになる。

20497 庭園5

(出発点、コモ湖畔ヴィラ・デステに帰ってきた 6)

 

 しかし、どういうもんだろう。21世紀初頭の世界を10年間、これほど克明に記録した文章が、他に多く存在するだろうか。朽ち果てるに任せるほど、読むに耐えない文章だろうか。下手をすれば、今の日本で最高の文章を書くのは♡、この楕円入道 → 里芋サト丸なんじゃあるまいか♡♡

 

 まあこの辺のツマラン与太話は、10年完結に感激した愚かしい里芋君が、転がる楕円の勢いを抑えきれず、思わず漏らしたバカなホンネとして、諸君、笑って許してくれたまえ。意外にホンキだから困ったものであるが、気にせず放置すれば、こんなおかしな自負やプライドは、あっという間に腐敗し腐乱して消え失せる。

20498 庭園6

(出発点、コモ湖畔ヴィラ・デステに帰ってきた 7)

 

 そこでさあ諸君、いよいよこれで1次会は予定通り「中ジメ」だ。みんな揃って、楽しい2次会に突入しようじゃないか。天国のなでしこも、東京のニャゴロワも、元気に応援し続けてくれている。

 

 松尾芭蕉は、旅の出発点から遠く離れた大垣で「旅に病んで」「夢は枯野をかけめくる」と結んだ。しかし楕円入道は、ちっとも旅に病んだりしていない。うなぎ屋で蚊に刺された足が痒いのと、授業で盛り上がりすぎた結果としての右腕の筋肉痛、それ以外に病気らしい病気もない。

 

 するとここは何よりも、健康に頑健に10年を過ごした自らの肉体と精神に感謝しなけりゃいかんだろう。読者に感謝、ネコ2匹に感謝、支えてくれた友人・知人・家族にも感謝。しかし何より自分に感謝。よく10年、世界中を飛び回りながら、真剣に執拗に書き続けたものである。

20499 新館

(出発点、コモ湖畔ヴィラ・デステに帰ってきた 8)

 

 どうやらこの旅の終わりは、まだまだ先のようである。10年前の最初の記事では「あと5年か6年で引退するかも」みたいな弱気なことを書いているが、今もなお仕事は絶頂期が続いていて、とてもヤメられそうな状況にはない。

 

 旅それ自体も、まだどこまでも続きそうである。「枯野をかけめぐる」と、悲しく締めくくる必要はなさそうだ。というより、寂しげにそう呟くほどには、ワタクシは円熟していない。むしろ今も「夢は沃野をかけめぐる」のである。

20500 ベランダ

(ヴィラ・デステのレストラン「ベランダ」にて。2次会の準備も、こんなふうに進んでいる )

 

 では諸君、2次会に出かけようじゃないか。ただしここでお断りしておくが、さすがに「毎日必ず更新」「少なくとも文庫本6ページ分」「最低でも写真5枚」という宣言は、さすがに自分に厳しすぎた。

 

 2次会は、もっと気楽にいきたいのである。例えば外国旅行中、更新しない日が続くかもしれない。文章も文庫本2ページ程度になるかもしれない。写真も1枚とか2枚とか、そういう日が多くなる。しかしとにかく、この旅はまだ終わらない。緑の沃野は、遥かかなたまで広がっているのである。

 

予告:2次会を、2018年6月30日に開始いたします。

開始時刻は、21時ちょうどといたします。

ご参集、よろしくお願い申し上げます。

 

楕円入道

 

1E(Cd) COMPLETE MOZART/DIVERTIMENTI・SERENADES 10/11

2E(Cd) COMPLETE MOZART/DIVERTIMENTI・SERENADES 11/11

3E(Cd) Harnoncourt:BEETHOVEN/OVERTURES

4E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 1/6

5E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 2/6

total m364 y1054  d23524