Wed 180523 関西5連戦も後半へ/たいまのけはや/橿原神宮前の大盛況 M12 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 180523 関西5連戦も後半へ/たいまのけはや/橿原神宮前の大盛況 M12

 東京は梅雨寒で、20℃ぐらいまでしか気温が上がらないらしいが、滞在中の大阪梅田も、朝からどんより重たい曇り空。「いつ雨が降り出してもおかしくない」というのは、梅雨の時期なら当たり前だけれども、「蒸し暑い」という感じは全くなくて、昨夜は居酒屋から出てきた人々が「さむっ」「めっちゃ、さむっ」と声を上げるほどだった。

 

 かくいう今井君は、関西5連戦の後半である。兵庫県豊岡、大阪府八尾、大阪府岸和田ときて、6月14日は奈良県橿原神宮前での公開授業。本日15日は、これから愛媛県の新居浜に移動する。

 

 もう4日間もニャゴロワの白い顔を見ていない。ワタクシの関西出発前にまた具合が悪くなって獣医さんに診てもらったばかりだから、さすがに心配だ。夜中に突然ニャゴニャゴ言い出して、夜間診療で高いオカネを払った。ニャゴは、たいへん贅沢な16歳なのである。

20398 なんば

(関西5連戦中。大阪メトロ御堂筋線で往復する毎日だ)

 

 さて昨日であるが、大阪梅田から橿原神宮までは1時間半の道のり。梅田から「大阪メトロ」と言ふものに乗り込み、なんばを素通りして天王寺まで行く。天王寺から近鉄阿倍野橋駅までは徒歩。そこから近鉄特急で45分。それなりの長旅である。

 

 もっとも、メトロ天王寺駅と近鉄阿部野橋駅は、要するに同じ駅であって、「徒歩」も何も、改札と改札がほとんど向かい合っている。まあ双方の意地の張り合いなんだろうけれども、こりゃ統一した方がわかりやすいんじゃあーりませんか?

 

 利用する近鉄特急は「吉野ゆき」である。間違いなく特急だけれども、驚きの「2両編成」。日本で一番短い特急であり、おそらく世界でも1番短い特急であって、こりゃ「短い特急」としてギネス申請してもいいぐらいだ。

 

 あんまり短いから、始発駅からギューヅメだ。たった510円の特急料金でブーブー文句を言うのも何だけれども、関西最大の資本の1つ♡近鉄ともあろうものが、2両のギューヅメ状態を長年放置しているのも、「どうなんだろう?」である。

 

 せめて3両、いや出来れば6両、うんにゃ贅沢は言うまい、4両で御の字だ。発車10分前でカンペキに全席が埋まっているんじゃ、何とも言えない車両の色も暑苦しいが、車内の人口密度も暑苦しくてたまらない。

20399 吉野

(2両。おそらく世界で一番短い特急電車で、橿原神宮前に到着)

 

 東進に移籍してきて13年、橿原神宮前での公開授業はすでに15回に及ぶ。すっかりお馴染みの町である。「公開授業」という仕事がなければ、あくまで観光で一生に2度か3度しか訪れることはないだろう。ワタクシはホントに恵まれている。

 

 大和三山に囲まれた盆地である。コドモの頃たくさん挿絵の入った本で読んだ「古事記」「日本書紀」のいろんなお話が、ギュッと濃厚に詰まっている。こんな場所に15回も来られるなんてのは、やっぱり幸せと言うしかない。

 

 奈良盆地の南西部を「葛城」と呼ぶ、葛城と書いて「かつらぎ」と発音する。「葛」という漢字の読みは「かずら」であるから、ホントは「かずらき」のはずであるが、「かつらぎ」が圧倒的に優勢のようである。古代には、ここで豪族・葛城氏が繁栄した。

 

 垂仁天皇の時代、この地域に「当麻蹴速」という相撲の名人がいた。「たいまのけはや」と発音する。古代のお相撲は、キックボクシングみたいに相手をガツガツ蹴り飛ばしてもOK。「当麻」は彼の住んでいた村の名前、「蹴速」とは、「蹴るのが速い」「スピーディーなキックを武器とする」という意味の名前である。

 

 彼のライバルが、出雲の国の「野見宿禰」である。「のみのすくね」と発音する。数年前、広島で公開授業が続いた時、ワタクシは高速バスで出雲を訪ね、出雲大社に参拝し、ついでに大社内の「野見宿禰神社」にも参拝した。白鵬と日馬富士の両横綱が、ここで土俵入りを奉納したこともある。

20400 相撲発祥

(当麻蹴速 vs 野見宿禰、大決戦の図。おや、あんまり蹴り合っていない)

 

「のみ」という名前にも、やっぱりキックボクシングの名残がある。のみみたいに素速くぴょんぴょん跳ね回るのが、野見宿禰の得意ワザ。野見宿禰 vs 当麻蹴速の対戦が実現した時は、おそらく双方が激しいキックを展開、観客は大いに興奮したことと思う。

 

 勝者は、野見宿禰。当麻蹴速は腰を踏み折られて、そのまま死んじゃった。蹴速どんの所有していた土地は、野見宿禰のものに。宿禰どんは、垂仁天皇に仕えることになったとさ。橿原神宮のすぐ近く、奈良県桜井市には「出雲」という地域が今も残っている。

 

 これから今井君が仕事をするのは、そういう長い長い歴史を刻んできた町である。ブザマな失敗なんかしたら、神話の世界の物笑いのタネになっちゃう。野見宿禰なみにスピーディーにぴょんぴょん、当麻蹴速なみに堂々と力強く、誰にも負けない大活躍を繰り広げなきゃいかん。

20401 橿原神宮1

(橿原神宮前の大盛況。予定より20名多い170名が集まった)

 

 そのためには、何と言っても入念なミーティングが欠かせない。会場となる「橿原商工会館」のお隣には、これまたお馴染みの「橿原ロイヤルホテル」があって、この町での公開授業の時には、このホテルの1階カフェで長時間のミーティングを行うのが恒例だ。

 

 ちょうどホテル内では、「老人クラブリーダー研修会」が開催中。看板には「近畿ブロック」という但し書きが付いているから、老人クラブリーダー研修には、きっと関東ブロックや九州ブロックも存在するのである。

 

 いやはや高齢化の大きな波は、ついに研修会にまで打ち寄せているのである。老人クラブの優秀なリーダーを、研修会でどんどん育成しなければならない。「いかにも」という元気な高齢者の皆さんが、ホテル内を闊歩していらっしゃった。

20402 研修会

(老人クラブリーダー研修会。元気なオジサマ&オバサマが闊歩していた) 

 

 橿原神宮前での公開授業は、19時半開始、21時終了。出席予定者は150名とのことだったが、飛び込みでの参加者がどんどん訪れて、最終的には170名を超えた。

 

 今日もまた、お馴染みの大盛況である。

「椅子が、足りなくなりました」

「机も、足りなくなりました」

「テキストを緊急で印刷しました」

「会場には白く湯気が立つほど」

「大爆笑の連続で、酸欠状態になりました」

 

 この10年のブログで、同じセリフをいったい何度繰り返したことだろう。ブログの10年を支えてくれたスタッフの皆さんにも生徒諸君にも、感謝&感謝&大感謝なのである。

 

 どうもこの「足りなくなりました」状況、常態化どころか年々どんどん激しくなって、押し寄せる参加者の波はもはや誰にも止められない。昭和の昔はこういうのを「嬉しい悲鳴」と表現したが、今井君の公開授業、まだ5年か6年は、嬉しい悲鳴が日本中で反響し続けそうである。

20403 橿原神宮2

(橿原神宮前の大盛況。座りきれない人が壁際にズラリと並んだ)

 

 使用したテキストは「C」。センター試験第6問の長文問題を実際に解説するバージョンである。長文アレルギーが嵩じて長文ノイローゼになりかかっている受講生諸君に、「ホントに長文が苦手なの?」と問いかけ、実は第6問が一番カンタンであることを確認する。もっともっと読解力に自信を持つべきなのだ。

 

 終了後、大和八木の駅前に移動して、懇親会。懇親会も何も、スタッフの皆さんとはとっくにギュッと親しくなっているから、「懇親」と言うより、やっぱり「祝勝」の会なのである。

 

 これも完全に定番になった居酒屋「KI・CHI・RI」で、大阪に帰る最終の特急まで2時間。居酒屋も人手が不足しているらしく、乾杯のお酒が出てくるまで15分、お料理が出てくるまで30分、ジリジリしながら長時間待つことになった。

 

 しかしそのぐらい、別に構わないじゃないか。仕事がこんなに絶好調の時には、居酒屋で待たされるのもまた結構。手持ち無沙汰で待ちながら、みんな満面の笑顔で今日の成功を語り合う。そういう時間が、また次の大成功を手繰りよせる。大事なのは、そういう勝ちグセをつけることなのである。

 

1E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER 2/4

2E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER 3/4

3E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER 4/4

4E(Cd) Glenn Gould:BACH/GOLDBERG VARIATION

5E(Cd) Fischer & Budapest Festival:BRAHMS/HUNGARIAN DANCES

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