Wed 180321  ワタクシも日本も10年で様変わり/大阪・南船場で日本酒/玉造でクマ鍋 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 180321  ワタクシも日本も10年で様変わり/大阪・南船場で日本酒/玉造でクマ鍋

 読者層には、受験生も少なくない。オトナが半分、受験生から大学生の世代が半分。だいたいそういう構成である。だから本来、ブログの話題がオトナに偏りすぎてはならない。

 

 何しろ予備校講師なのであるから、ブログなんかでもあんまりドギツイ話題は避けて、英語勉強とか大学入試関係、せいぜいでシューカツ関係ぐらいにとどめておくのが原則である。

 

 周囲のヒトビトからも、「お酒や宴会の話はあんまり書かない方がいいんじゃないですか?」と言われながら、とりあえずシランプリを決め込んで、ここまで9年10ヶ月書き続けてきた。

 

「10年♡毎日」=「3652回」。約束というか宣言というか、とにかく自分としてはかなり思い切ったことを言って書き始めてから、早いもので「残り2ヶ月ちょい」「あと70回あまり」というところまで来た。自分としては「この日がホントにやってくるとは」という思いである。

 

 だから諸君、今はこのまま、お酒や宴会についても書き続けさせてくれたまえ。別に授業や教室内にお酒の話を持ち込んでいるのではない。ここはあくまでプライベートなブログの場であって、少しお酒の話が入っていても、そんなに難しい顔をする必要はない。

19818 熊肉1

(クマ肉をいただく。吉野の満開の桜のように美しい 1)

 

 4月8日、今年3回目の人形浄瑠璃を満喫した今井君は、荷物を預けてあったスイスホテルに立ち寄り、その足で南船場「燗の美穂」に向かった。この1年で3回目の訪問だから、常連ではないが、お馴染みではある。

 

 10年も書き続けていれば、オトナとしてもそれなりに成長するものであって、10年前の大阪ではまだオッカナビックリ、お酒を飲むにしても「キタかミナミか」「梅田か難波か」と、とりあえず人出の多い繁華街をウロウロ歩き回っていた。

 

 10年のうちにすっかり大阪にも慣れて、いつのまにか「福島」「天満」「京橋」が定番になり、気がつけば「南船場」などというマコトに静かな街の店のカウンターでまったりしているのである。

 

 東京でも全く同じことで、大学生のころは新宿に渋谷にまあ銀座、そういうチョー繁華街で目を白黒させていたが、いつの間にやら平気で「霞町」だの「溜池」だの、そういう生意気なことをタクシーの運転手さんに言うようになる。

 

 海外をうろついていても、10年前15年前を振り返ってみれば、ニューヨークにパリ、バルセロナにロンドン、その類いの定番の街をほっつき歩いて悦に入っていたが、いつの間にやらブエノスアイレスにハバナ、マラケシュにマルセイユ、ずいぶん治安の悪そうなところが定番にかわる。

 

 気がつけば、もっと&もっと生意気になってきて、「トゥールーズに滞在して、アルビ・カオール・フィジャック・ルルド、南西フランスのそういう田舎町をすみずみまで回ってきます。サルラとかナルボンヌとかバイヨンヌもいいですね」とか、いやはや人間というものは、どんどんイヤらしくなるものである。

19819 熊肉2

(クマ肉をいただく。吉野の満開の桜のように美しい 2)

 

 そこで4月8日の今井君は、たったいま見てきた文楽の感激を太古の昔からの友人と語り合いつつ、北関東や北東北や島根・広島の旨い日本酒を、冷酒ではなくお燗で次々とカラッポにしていくのである。

 

「冷酒でなきゃ」とか「辛口でなきゃ」とか、その類いの発言をして通を気取っているようでは、まだまだ諸君、オトナにはなりきれていないのである。辛口には辛口のうまさがあるだろうし、辛口でなくても、甘口のカテゴリーでも、旨い酒は旨いし、旨くなければ旨くない。

 

 お燗の温度にしても、難しいことは全てお店の人に任せればいい。「うちの日本酒は燗だから」というポスターまで貼っているお店だ。まさかレンジで「チーン♡」などということはしない。お湯でゆっくり温めて、熱燗でもぬる燗でもない、ちょうど一番旨くなったところで出してくれる。

 

 BGMなし、集団で大声を出す客も、常連ぶってカウンターの雰囲気を占拠しちゃう客もなし。マコトに静かで豊かでオトナな空間であって、文楽とラグビーの話で盛り上がるには最高の店である。

 

 この日は2次会に「クマ鍋の店」を予約してあったから、店のカウンターに座って約1時間半、静かにゆっくり、ペースを控えめにして飲む予定であった。

19820 小原庄助

(大阪・玉造「小原庄助」。2次会はこの店を予約していた)

 

 ところが諸君、そうは問屋が卸さない。人間はそんなに簡単にオトナになりきれるものではない。「ペースを落として1時間で2合」、そう心に誓ってスタートしたものの、ペースはどんどん前のめりになって、気がつけば開始30分でもう3本目の徳利がカラになった。

 

 普段は初回から豪速球でバッタバッタと三振の山を築くような剛球投手が、「今日は変化球でかわしていこう」、そんなツマラン決意でマウンドに立ったら、あっという間にノックアウトされる。

 

 というわけで、1時間半の間に空っぽにした日本酒は、「奥能登白菊」だけで3合。これに北関東と北東北と島根・広島が加勢するから、なんだ、終わってみればワタクシは、全く普段通りのペースで試合を進めてきたことになる。

 

 この勢いで2次会に突入する。南船場からタクシーに乗って10分ほど、今度の店はJR大阪環状線「玉造」の駅から徒歩5分ほどのガード下、看板には「小原庄助」とある。

19821 熊肉3

(まだ食らう。クマのお肉、2人前 × 3皿目だ)

 

 しかしワタクシにとって、ここはあくまで「クマ鍋の店」。小原庄助という本来のタイトルは。もうすっかり失念している。この5年間で4回目の訪問であるが、店のオバサマも若い衆も、5年で4回しか来ないサトイモ男をギュッとしっかり記憶してくれている。

 

 他にナンボでも多彩な料理を出してくれる店で、あえて4回ともクマ鍋を貪るのだ。そりゃなるほど記憶しやすい客ではある。オバサマも予約の電話に一言「ああ、東京からくる人でんな!!」とおっしゃって、楽しみに待っていてくれたんだそうな。

 

 しかも「クマ肉」というもの、「普通は真っ白な脂身を楽しむもの」であるらしいのに、今井君は「脂は少なくして、ぐっと赤身の多いところがいいですな」とお願いする猛者なのだ。店中の記憶に残るのも不思議ではない。

 

 今日の写真の1枚目・2枚目・4枚目がそのクマ肉写真。普通は赤と白の比率がほぼ逆で、赤肉部分が2、真っ白い雪のような脂身が8、そういう割合で運ばれてくる。一方の今井君の個室には、赤肉8、白い脂身は2の割合だ。

 

 おお、こりゃさすがにクマ以上に獰猛な性格のお客に違いない。1皿が2人前。これを3皿=6人前平らげれば、そりゃ肉体全体がクマと化し、お耳はまん丸、お鼻も黒々として、大阪の夜空にガオーッと一声吠えてみたくなるのである。

19822 〆らーめん

(6人前のクマ肉の出汁に、中華麺を投入。幸福の絶頂だ)

 

 しかし諸君、肉の写真3枚を、もう一度見直してくれたまえ。まるで満開の桜の風情じゃないか。昨日の吉野で見逃した満開の桜であるが、

① 吉野の店のイノシシ鍋 

② 文楽の舞台の義経千本桜

③ クマ鍋のクマの赤身肉

以上3回もリベンジに成功したようで、思わず快哉を叫んだ。

 

 6人前のクマ肉のダシが濃厚に出て、この熱い出汁の中に中華麺を投入すれば、これ以上の美味は考えられない。「今日はオトナの飲み方をするべえ」と考えた当初の方針なんかどこへやら、まだ夜8時をすぎたばかりなのに、4時から4時間飲み続けたワタクシは、さすがにそろそろ酔っ払ってきた。

 

 そろそろ、引き上げることにしようじゃないか。今夜の宿泊は、お馴染み大阪駅前のインターコンチネンタルホテル。玉造からタクシーに乗って15分ほど、今日も今日とて外国人客で超満員、ロビーは日本語の通じない大盛況になっている。

 

 そこはもちろんホテル側でも対策をうって、フロントで働く人の多くが外国生まれの方のようである。いやはやブログ開始以来9年10ヶ月、ワタクシばかりでなく、東京も大阪も日本全体も、すっかり様変わりしたことを実感する夜であった。

 

1E(Cd) Reiner & Wien:VERDI/REQUIEM 2/2

2E(Cd) Wigglesworth & Netherland radio:SHOSTAKOVICH/SYMPHONY No.4

3E(Cd) Mravinsky & Leningrad:SHOSTAKOVICH/SYMPHONY No.5

4E(Cd) Maggini String Quartet:ELGAR/STRING QUARTET in E MINOR & PIANO QUINTET in A MINOR

5E(Cd) Barbirolli & Hallé:THE BARBIROLLI ELGAR ALBUM 1/2

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