Sat 180317  一世一代の充実感/吉野の桜を見に行こう/100%パリジャンのスタイル | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 180317  一世一代の充実感/吉野の桜を見に行こう/100%パリジャンのスタイル

 まあ自分では、「一世一代の大仕事をやってのけた」という充実感に酔いしれている。合計42回もの公開授業を(当たり前だが)1回の失敗もなしに終了。その直後に新講座20回分の収録を開始して、こりゃ誰が見ても「D組」「C組」「B組」「A組」に勝るとも劣らない最高の今井♡代表作に仕上がった。

 

 だから諸君、普通ならすっかりホッとして「しばらくはゆっくり休もう」と呟くところである。

「ああ、疲れた」

「でもホントに充実してたな」

「この3ヶ月、今までの人生でもサイコーの3ヶ月だった」

と熱い溜め息をつけば、足許のネコが「ニャー♡」と返事をして、あとは「アハハ」「アハハハハ」で大団円になりそうなものだ。

19795 吉野駅

(ちょっと吉野の桜を見てこようと思う)

 

 ところが諸君、今井君のオウチは違うのである。何と言っても違うのは「ニャー♡」という場面であって、ニャゴロワは普通のネコとは全く違うのだ。収録から帰ってきた今井君を見て、最初の一言は何と「ワン!!」だったのである。

 

 さすがに16年も生きれば、ネコは間違いなく「猫又」に変わる。「ワン!!」に続いて「にゃ、うにゃにゃにゃ、うんごろげ、うにゃ!!」ときて、要するにもう人語を解し、自ら独特な人語をあやつる。

 

 しかも16年いっしょに生活してきたサトイモ入道も、ニャゴロワの不思議なコトバを、何の苦もなく理解できるのだ。諸君、「長く生きる」ということはマコトにすげーことであって、祖父&祖母、大いに大事にしてあげてくれたまえ。

 

 ニャゴがワタクシのお顔を眺めながら説き諭したのは、

「ちょっとヒト仕事を仕上げたぐらいで、立ち止まってちゃいけません」

「どんどん前進しましょうよ」

「立ち止まっているヒマはありませんよ」

その類いの励ましの言葉なのであった。

19796 桜

(吉野の桜は、大海人皇子・義経&静御前・南朝の後醍醐天皇、何と1500年の歴史を見守ってきた)

 

 確かに間違いなくニャゴの言う通りであって、人生80年、立ち止まっているヒマはない。ネコのニャン生は、長くて20年あまり。ニャゴのニャン生はどう長く見積もっても残り4年がいいところである。

 

 今から8年前に腎不全を患い、獣医さんに「余命100日」を宣告されてから7年半。約2000回の点滴に耐えて生きてきたニャゴロワだ。彼女の一言一言は、「値千金」と言ってあげていい。

 

「前に進みましょう」「立ち止まっているヒマはありませんよ」。確かにその通りじゃないか。収録を終えた今井君はスーツを脱ぎながら、「よっしゃ、明日も遠くに出かけるか」と、ニャゴの桜色のお耳を見つめて考えたのである。

 

 出かける前に、スーツ1着を断捨離した。購入は2009年。ミラノのメーカー・Zegnaの冬用スーツである。Zegnaとの出会いは、1997年。渋谷の百貨店で偶然2着購入してから、2〜3の例外をのぞいて、今井君のスーツは夏も冬もみんなZegnaなのだ。

 

 コイツは特に頼れるヤツで、2009年から2015年まではいわゆる「イッチョーラ」、まさに「ココゾ!!」という時の相棒として長く活躍してくれた。

 

「いささか古びてきたな」「ずいぶんくたびれたかもな」の状況を呈した2015年からは、秋冬シリーズと早春シリーズの公開授業に、まさに定番として付きあってくれた。

19797 断捨離

(10年近く付きあってくれたZegnaの冬スーツ君とお別れする)

 

 2018年、ズンボのほうから限界がきた。ベルトの金属が当たる部分の布がホツれて、見た目に危うさが漂い始めた。同時に上着にも限界がきて、諸君、何と右の袖がスポッと抜けそうになった。

 

 こりゃいかん、限界だ。ここまでくれば「修理」という次元を超えている。これ以上働かせるのは酷じゃないか。「2018年の早春シリーズを花道にしてやろう」。今年1月25日、吹雪の函館に出かける時からそう決めていた。

 

 そこから42回。大阪に広島に福岡に沖縄に、金沢に岐阜に高松に首都圏に、大ベテランのZegna君は八面六臂の大活躍をみせてくれた。一番心配だった右の袖は、ホントに&ホントに今にもスポッと抜けそうだ。危機一髪、公開授業の最中に「スポッ」という大惨事がなくてよかった。

 

 こうして無事に4月7日、「サヨナラ」を告げる時がやってきた。栄光のイッチョーラ時代、「スーパーここぞ」「ウルトラここぞ」という場面でも大活躍。この3〜4年は普段の全国行脚のオトモとして、マコトによく働いてくれた。心の底から熱くお礼を言いたいのである。

19798 特急

(京都発の近鉄特急・橿原神宮前ゆきに乗り換える) 

 

 さて諸君、4月7日の今井君は、背後からニャゴの声援に励まされつつ、奈良県♡吉野を訪れることにした。言わずと知れた吉野の桜を眺めに行きたい。「一目千本」の絶景を見ずして、人生のベテランを名乗れるはずもない。

 

 本来、関西への旅には4月8日に出発するはずだった。8日日曜日に国立文楽劇場を訪れて、「吉田玉助襲名披露公演」を見る。その予定はもう2月末から決まっていて、ヒコーキもホテルもとっくに予約済。吉野の桜は全く予定していなかった。

 

 吉野の桜は、例年なら4月中旬から下旬にかけてが見頃。ソメイヨシノではなくてヤマザクラだから、品種としても開花時期が遅いし、標高500メートルとか600メートルとか、山を奥深く分け入った場所であるから、その意味でも見頃はずっと後になる。

 

 ところが4月5日、朝のテレビのニュースを見ていたら、「吉野の桜が満開です」と、レポーターが笑みをたたえて伝えている。5日が木曜日、6日が金曜日。この2日が新講座収録の大詰めだから、どうしても7日土曜日まで待たなければ吉野には旅立てない。

 

「6日は西日本で大荒れの天気」「雷を伴って、暴風雨」。満開の桜にとって、それ以上の厳しい天候は考えられないが、何とか7日までもってくれれば、源義経と静御前、壬申の乱のころの大海人皇子、吉野に南朝をひらいた後醍醐天皇、そういうヒトビトが辛い境涯を耐え忍びつつ眺めた吉野の満開の桜を目にすることができる。

19799 橿原神宮前駅

(仕事では何度も訪れている橿原神宮前。プライベートでは初めてだ)

 

「どうだろうね?」と尋ねると、ニャゴも「うにゃにゃ」「にゃごにゃご」と返事してくれた。「行ってきなさいよ」「絶好のチャンスじゃないですか」という意味である。

 

 4月7日朝7時、まだワタクシは新講座E組収録のパーフェクトさに酔っ払っていた時間帯であるが、それでもチャンと朝風呂に入って、石鹸の匂いをプンプンさせながら地下鉄に乗った。東京駅まで20分、「スマートEX」で予約してあった新幹線で、とりあえず京都に向かったのである。

 

 京都で近鉄特急に乗り換える。奈良の橿原神宮前駅まで1時間半。ここでさらに大阪から来る「吉野ゆき」の特急に乗り換える。吉野まで1時間弱。オウチを出てから6時間の長旅を経て、サトイモ君は午後1時、やっとのことで吉野に到着した。

19800 吉野駅

(吉野の駅に到着。ではいよいよ桜を見に行こう)

 

 この日の関西は、何故か気温が急降下して、「最高気温12℃」「最低気温5℃」とか言っている。寒いのなんの、いきなり真冬に逆戻りしたような冷たい風が吹き荒れていた。

 

 そういう情報はとっくに分かっているから、今井君もそれなりに冬らしい服装でやってきた。誰が見ても「おお、パリジャンですね♡」とニヤッとしてくれそうな、マコトにおフレンチな服装である。その自分撮りは明日か明後日の記事に示すけれども、おお、ホントにパリの都心のダンナっぽい。

 

 ただし諸君、この黒ズンボ、30年前に春日部の「ロビンソンデパート」で買ったものである。格子シマのジャケットも、30年前の春日部ロビンソン。そのロビンソン、今はすでにない。デパートより長生きするジャケットとズンボ、ホントに大したものである。

 

「Yanko」の茶色い革靴は、15年前の購入。いやはや恐るべきコーディネートのパリジャン今井は、これからズンズン吉野の山の中へ分け入っていく。

 

1E(Cd) Ricci:TCHAIKOVSKY/VIONLIN CONCERTO・PAGANINI/CAPRICES

2E(Cd) Maazel & Wiener:TCHAIKOVSKY/SUITE No.3  R.STRAUSS/TOD UND VERKLÄRUNG

3E(Cd) Dorati & Washington D.C.:TCHAIKOVSKY/SYMPHONY No.4

4E(Cd) Barenboim & Chicago:TCHAIKOVSKY/SYMPHONY No.5

5E(Cd) Gergiev & Kirov:TCHAIKOVSKY/SYMPHONY No.6

total m85 y381  d22852