Fri 180316  新講座収録完了/「カンペキ」と絶叫(またシドニーの12月 26 最終回) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 180316  新講座収録完了/「カンペキ」と絶叫(またシドニーの12月 26 最終回)

 これを書いている時点で、4月8日午前8時。ワタクシは大阪のホテルに滞在中だ。予定通りである。いや、ホントの予定では今頃ヒコーキに乗って、羽田から伊丹空港に向かっているはずだったのだが、予定を1日早めて、大阪に2泊することにした。

 

 今日はこれから国立文楽劇場へ。恒例、1年に4度の文楽を楽しむ。じゃあ「何で昨日から大阪入りしたか」であるが、「奈良の吉野のサクラが満開になりました」という新聞記事に誘われて、昨日の朝早く新幹線に飛び乗ったのである。

 

「一目千本」で超有名な吉野のサクラがどうだったか、それはまた後日詳細を書くとして、諸君、「ということは、新講座の収録、とうとう完了したんですね?」、そう気づいてほしいのである。

 

 収録開始は、3月26日。26日から30日の5日間で前半10講分が完了。31日土曜と4月1日の日曜をお休みにして、後半戦は4月2日から6日までの5日間。毎日15時から18時半まで、ほぼ全ての授業を90分ジャストで収録。一昨日の午後6時半、ノーミスの模範演技が完了した。

 

 おお、終わった。おお、カンペキに完成した。大ベテランであるはずの今井君なのに、終了した瞬間、感動と感激で全身に鳥肌がたった。自分でも、あまりにスゲかった。こんなにスゴくちゃ、同業のヒトビトが困っちゃうんじゃないか♡

19788 テキスト

(新講座「E組」、一昨日18時半に収録が完了いたしました)

 

 思えば、シドニーに滞在していた昨年12月下旬から、すでにワタクシはこの講座の準備で「心ここにあらず」だったのである。帰国したら、直ちに収録の準備を本格的に始めたかった。

 

 そう思うと、エアーズロック(現地名ウルル)の夕焼けを目前にしつつ、「収録がうまくいきますように」と、マコトに場違いなことを祈らずにはいられなかった。

 

 あの段階で、とっくにテキストは完成していたのである。ネイティブのライターさんや超一流の男女ナレーターの皆様にもたくさんのご協力をいただき、長文の全てにネイティブのモデル・リーディングがついた。受講生はダウンロードして、20回でも50回でももちろん100回でも、好きなだけ繰り返して聞くことができる。

 

 世の中は「4技能」。予備校の講座だって、音声を大いに大事にしなきゃいけない。講師のセンセーが日本語丸出しのカタカナ発音じゃ、あまりに情けないじゃないか。たとえ東京大学が「民間試験は使いません」の方針でも、4技能の重要性には疑問の余地は一切ナシなのだ。

19789 東大新聞

(東京大学新聞、4月3日号。東大は民間試験に否定的らしい)

 

 そこで新講座では、ワタクシに与えられた90分を縦横無尽に活用。毎回の授業で、以下のような贅沢なプログラムとタイムテーブルを作成した。

 

① DICTATION・5問(10分)

② LISTENING SECTION・1問(10分)

③ WRITING SECTION・7問(15分)

④ SPEAKING SECTION・3問(5分)

⑤ READING SECTION・1問(40分)

 

 ほーれ、プログラムとタイムテーブルだけでも豪華絢爛だ。これを受講しない手はないじゃないか。

「せんせー、これじゃ合計80分にしかなりませんよ」

「残った10分は、何をやるんですか?」

であるが、そりゃ諸君、言わずと知れた話であって、「グローバルな視点に立ったIntermission」が10分、④と⑤の間に入ってくるのである。

 

 それを「雑談」とか「バカ話」とか、そういう感覚で捉えてもらってもちっとも構わない。高校生の集中力が90分も持続するはずはないから、今井君はもう20年も昔からこのIntermissionでバランスをとるように授業を構成している。

 

 つまり①から④までで40分、豪華絢爛な授業構成で「もうヘトヘト」になるだろう。そこで10分、腹がヨジれるほどの大爆笑でリフレッシュしたら、さあ残り40分は超集中して長文読解にチャレンジする。そういう構成だ。受講生はちっとも眠くならない。

19790 ニャゴ1

(ぐっすり寝ているニャゴロワも...)

 

 今回の新講座に今井君がこんなに夢中になったのは、予備校の世界の危機を如実に感じたからである。ワタクシほどこの世界を愛する者は、そんなに数多くはいないんじゃないか。

 

 危機は、① AIどん ② 同業他社の皆さん、その双方向からやってきた。特に問題なのは②であって、他業種から続々と新しい同業の皆さんが参入、今はその授業のレベルがマコトに心配だ。

 

 今井君だって、電車にも乗れば、駅のトイレにも入る。するとそういう場所で、高校生たちがどんな会話を交わしているか、ズバズバ耳に入ってくる。某・同業他社の映像授業について、電車の中の高校生が大声で笑いながら交わしていた会話である。

 

「…の授業って、意味なくね?」

「超ネミーってみんな言ってるぜ」

「画面ずっと見てたら、思わず寝ちゃったぜ」

「結局、ユーチューバーみたいなもんだろ」

「はははは」

「はははは」

 

 そりゃそうだ。工夫もなし、プログラムもタイムテーブルもインターミッションもなしに、自らカリスマなり神なりを名乗るマコトに中途半端なセンセがダラダラ語るだけの授業じゃ、若い諸君が退屈でふとお目目を閉じちゃうのも当たり前だ。

 

 ユーチューバーの皆さんの英会話レクチャーの中にも、ずいぶん評判の高いものが存在する。「バイリンガール」っつうものがあるんだそうじゃないか。いやMac君、「梅林ガール」じゃ、水戸の偕楽園のミスコンみたいじゃないか。

 

 しかし今井の講座では、絶対にそんなことは言わせない。今までのA組でもB組でもC組でもD組でも、ちっともネムネムにならずにあっという間に90分が過ぎてゆく。チャイムを聞いて「もう終わり?」とみんなが呟くのが、ワタクシの理想なのである。

19791 ニャゴ2

(サトイモ君の勢いにふと目を覚ます)

 

 今度の新講座E組、受講の対象学年は問わない。何年生でもOKである。「入門」というタイトルではあるが、4技能向上を目指す熱い意欲のある高2&高3はもちろんOK。難関大合格を夢見る高1も当然OK。中高一貫校の優秀な中3生の受講もOK。出遅れた大学生や社会人だって、ちっとも構わない。

 

 前回の授業の復習を、次回の授業の受講によってパーフェクトに出来るように仕組んだのも、この講座の特徴である。毎回の確認テストも「リスニング形式」。講座を受講しているだけで、ごく自然にネイティブの発音を繰り返し&繰り返し聞かされる。いつの間にか発音だってよくなっていくはずだ。

19792 電子黒板

(黒板と電子黒板を縦横に行き来する)

 

 音声にこだわった授業前半が終わり、10分のIntermissionで大爆笑した後は、後半40分ののREADING SECTION、いわゆる長文読解である。これがまた優れもの、電子黒板と昔ながらの黒板を併用して、「カッタリー」「超ネミー」どころか、息もつかせぬ展開が待っている。

 

 20世紀の昔には、予備校の読解のテキストは「英文解釈」とか「英文和訳」と呼ばれ、大作家や哲学者や随筆家の書いた難解な内容の英文を、いろんな記号や文法用語を駆使して90分、やっとのことで1ページ、ネミーこと甚だしく、むしろ難行苦行のイメージがあった。

 

 センセが「こなれた日本語にしないと減点だ」とおっかない顔をし、生徒は「日本語に訳しても分かんないよ」と嘆く。そういうマコトに古色蒼然とした世界。英語教育に対するマスコミの批判も、そういう側面に向けられたものだった。

 

 それに対して新講座で使用したのは、グッと読みやすい英文ばかり。ニューヨーク・サンフランシスコ・メキシコシティ・イスタンブール・アムステルダム・バルセロナ・ボストン・ワシントンDC・ホーチミンシティなど、若い諸君が海外旅行や留学で訪れそうな街の身近な話題が満載なのである。

19793 ミックスグリル

(銀座デリーの「ミックスグリル」。おいしゅーございました)

 

 そして、徹底して懇切丁寧な解説。毎回20行+αの文章が、次回の授業の前半で、そのままリスニングの教材に早変わりする。そこでもう1度、別の角度からしっかり復習ができる仕組みにしちゃったわけだ。

 

 どうだい、この気合の入り方は? 大ベテラン、すげー燃えてるじゃないか。そして一昨日、自ら「パーフェクト♡」と絶叫して自らの演技を振り返りつつ、10日間通い詰めた吉祥寺のスタジオを後にした。

 

 吉祥寺から中央線の電車に乗り込んで東京駅まで。東京駅で丸ノ内線に乗り換え、久しぶりの銀座へ。2月&3月の公開授業ラッシュで全国を旅した時も、肌身離さず持ち歩いて準備に励んだテキストをめくりながら、おなじみ「銀座デリー」のカシミールカレーで、収録の単独祝勝会ということにした。

19794 カレー

(おなじみデリーの「3種のカレー」。手前からカシミール・キーマ・カラヒの順。おいしゅーございました)

 

 シドニーの最終日、12月29日をしみじみ思い出す。ホテルはレイトチェックアウトにしてもらって、16時まで部屋を使えたのだが、「早く収録の準備を始めたい」と居ても立ってもいられなくなり、ハーバーブリッジを湾の向こう岸まで散歩したが、それでもすでにブルブル武者ぶるいするほどなのだった。

 

 思えば、あれからもう3ヶ月以上が経過。3ヶ月のほとんどを新講座「E組」の準備で費やした。毎年1月は海外で過ごすことが多い。ベルギー・ブリュッセルも1月だったし、昨年の1月はモロッコのマラケシュで過ごした。今年は、その1月もずっと新講座の準備を続けていたのである。いやはやホントに頑張った。

 

 さて、それではそろそろワタクシは、国立文楽劇場に出かけよう。今回の宿泊は、久しぶりに難波のスイスホテルである。文楽劇場までは徒歩で10分ほど、賑やかな日曜日の難波を突っ切っていく。そういえば新入社員の諸君、社会人としての最初の一週間、あっという間に過ぎていきましたね。

 

1E(Cd) Wand & Berliner:BRUCKNER/SYMPHONY No.4

2E(Cd) Blomstedt & Staatskapelle Dresden:BRUCKNER/SYMPHONY No.7

3E(Cd) Wand & Berliner:BRUCKNER/SYMPHONY No.8 1/2

4E(Cd) Wand & Berliner:BRUCKNER/SYMPHONY No.8 2/2

5E(Cd) Wand & Berliner:BRUCKNER/SYMPHONY No.9

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