Sun 180304  E組収録/AIに負けませぬ/ヨットレース(またシドニーの12月 15) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 180304  E組収録/AIに負けませぬ/ヨットレース(またシドニーの12月 15)

 1月下旬から3月下旬まで、激しい東奔西走と南船北馬を続けつつ、予習に予習を重ねてきた新講座「E組」の収録が、3月26日、ついに始まった。

 

「何を省き、何に集中するか」

「どんな質問が予想されるか」

「その質問にどう答えるか」

「どのタイミングでどんなエピソードを挿入するか」

「何分経過の段階でどこまで解説を終えているか」

 

 今井君の予習は、ただ訳文を書いたり、問題を解いてみたりするだけではない。想定問答集の作成と、詳細なタイムテーブル。それを合計20講にわたってカンペキなものにするには、2ヶ月あっても足りないぐらいだ。

 

 何度も繰り返すようだが、その辺は油絵の描き方と似ている。超短時間でスピーディーに完成させる水墨画や南画とは、やっぱり話が違う。完成したつもりの絵に、2度も3度も4度も5度も、繰り返し繰り返し絵の具を盛って、そのたびに重厚さが増していく。

19708 ヨット1

(12月26日、ヨット軍団がシドニーハーバーに入場してくる)

 

 もちろん、「天才」と「神」という存在はあって、それを自覚している御仁が

「予習なんかしません」

「予習なんかしないほうが緊張感を保てます」

と言い放つのは自由である。

 

 しかし諸君、「自分は天才だ」「神授業」という発言の、何とまああからさまに精神年齢の低さを露呈していることか。幼児性マルダシ。稚拙な精神ムキダシ。そんな人間が平気で英語の授業なんてのは、いやはや、困った国である。

 

 絵の具を丹念に塗り重ねて、これ以上ないほど重厚な出来栄えになった講座として、今井君が心から愛している講座が3つある。さすがに誰が何といっても今井の代表作「C組」と「B組」。この2つはすでに自分で「伝説」と言っても、「幼児的」と噴き出す人は多くないはずだ。

 

 しかし諸君、実はもう1つ、愛してやまない講座があるのだ。受験直前にみんなに受講してほしい講座 → 「超頻出事項のまとめ」がそれである。直前期の受験生を対象に90分×5コマ、合計450分にわたって今井がキレッキレの授業を展開している。

 

 やっぱり諸君、「神だ」「天才だ」と豪語して、どうせ思いつきのトリビアを語りまくるのは邪道なのだ。2ヶ月、あるいは半年、準備に準備を重ねて選りすぐったコトバと情報だけをギュッと詰め込んだ授業じゃなきゃ、無責任じゃないか。

19709 ヨット2

(ヨット軍団はハーバーブリッジで引き返す)

 

 ましてや諸君、いよいよこの世界にもAI軍団が攻め込んでくる。今井は人間講師軍の長老ないし総帥として、AI軍団を迎え撃つ立場。若い人間の教育には、先輩の生身の人間があたる。それが一番いいに決まっている。

 

 機械に教育され、機械に学習の成果を判定され、機械に合否の判定まで任される。そんな屈辱を人類は許すのか。ワタクシは、絶対にイヤなのだ。教育に関わる能力は、決して機械に負けるわけにはいかない。

 

 今回「E組」のテキスト作成と予習に関して、このブログでも並々ならぬ決意を語ってきた。昨年夏にテキスト作成開始。仮テキスト完成後は、繰り返し&繰り返し油絵よろしく絵の具を塗り重ねて、AIには決してできない濃厚濃密な授業を目指したのである。

19710 ヨット3

(シドニー・オペラハウス前をヨット軍団が行く)

 

 こんなに夢中になったのは、ホントに久しぶりだ。それと言うのも諸君、秋の佐世保で公開授業を行った時に、「変なホテル」と言ふものを目撃したのがキッカケである。

 

 フロントもAI、サービス係もAI、会計もAI、バーテンダーもAI。諸君、こんなんでいいのかい? 旅に疲れた人間は、迎える人間の笑顔でこそ最も癒されるんじゃないのかい?

 

 こんなのがもてはやされてたら、我々の予備校業界もあっという間にAIに席巻される。まず諸君、「変な先生」が出現する。昔から「CAI」と言ふものはあった。生徒の直面している問題点に合わせて教材を選択するAIである。

 

 特に話が語学になれば、「変な講師」が乱立する可能性は高い。すでにグーグルは英会話でそれをチョコチョコ宣伝し始めた。もしも2平方メートルのブースにAI講師が1つずつ配置され、教えるのもAI先生、採点するのもAI先生、合否判定もAI先生、そういうことになるのは時間の問題だ。

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(ヨット拡大図)

 

 話はそのまま「変な塾」「変な予備校」に進んでいくのであって、担任もAI、進路指導もAI、「合格おめでとう」の祝賀会もAI、そのぐらいのことは「あと5年」「あと10年」のスパンでカンタンにやってくる。

 

 そこで諸君、この今井サトイモがスックと立ち上がり、確かに旗色は悪くても、AI軍団をミシミシ押し返したいのである。旗色の悪さをあえて大相撲に例えれば、ワタクシは白鵬であり鶴竜であり、栃ノ心であり逸ノ城である。どんなにミシミシ押し込んで来ても、大ベテラン今井がグッと持ちこたえて差し上げる。

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(シドニーハーバーは熱く燃えている。まめぞう君も燃えている)

 

 そういうわけで、熱い涙が溢れるほどの決意で予習に臨んでいたから、東奔西走の2ヶ月間は完全に「シドニー旅行記」を忘れていた。

 

 12月下旬、真夏のオーストラリアに出かけ、早速ハエだらけのエアーズロック(現地名ウルル)を旅して、12月25日にシドニーに戻ったのだが、そこでフッツリ旅行記は途絶えた。函館「遺愛女子高」での公開授業とカニ三昧&寿司三昧の話に変わって、その種の話題が2ヶ月連続した。

 

 しかし諸君、許してくれたまえ。その間の今井君は、予備校や塾の文化をAI軍団に乗っ取られないことだけを願い、予習&予習&また予習、盛り上げた絵の具はゴッホの作品並みという日々を過ごしていたのだ。

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(オペラハウスとヨット軍団)

 

 ここで2ヶ月の時の経過を一気に飛び越え、いきなりシドニー旅行記に戻ったんじゃ、読者の皆様が「ついていけないよ」と不平を漏らすかもしれない。

 

 もしそういうオカタがいらっしゃったら、ぜひTue 180102 お馴染み旧正月/あと155回/砂漠から帰還(またシドニーの12月 14)を参照していただきたい。12月25日の今井君が何をしていたか、記憶に蘇ってくるはずだ。

 

 12月26日、日本のクリスマスはもうとっくに終わりだ。日本には「6日のアヤメ、10日の菊」という言い方があって、5月5日の端午の節句を過ぎたアヤメや、9月9日の重陽の節句を過ぎた菊の花を嘲笑するのである。

 

 もっと怪しからん発想としては、26歳に成長した女子を「26日のクリスマスケーキ」と揶揄したりするヤツらがいる。さらに1日繰り上げて、25日の段階でクリスマスケーキのお値段はグイッと引き下げられる。

 

 しかし諸君、さすが欧米のクリスマスは、お正月を過ぎてもまだまだ続いている。12月26日は「ボクシング・デー」。24日よりも25日よりも、むしろ26日が大切なのだ、だってイエスさまは、26日に誕生後1日目を迎え、ニコニコ明るい笑顔で人々の幸せを祈っていらっしゃる。

 

 今井君が滞在中のシドニーでは、大規模なヨットレースが開催される。シドニー・ハーバーのニールセン・パークを出発したヨットの一団は、タスマニア州ホバートのゴールに向けて1,100km以上の距離を進み、レースは大晦日まで続く。世界でも屈指の難関コースだ。

19714 ヨット6

(ヨット軍団が去っていく。いよいよレースがスタートだ)

 

 シドニーでは、このレースの出発を見物するのがボクシング・デーの伝統的な過ごし方。12月26日になると、シドニー市民はシドニー・ハーバーの周辺に集まり、遥かなタスマニアを目指すヨットを見送る。1945年から続く大レースである。

 

 ガイドブックによると、観戦ポイントは「ラッシュカッターズ・ベイからワトソンズ・ベイ、サウス・ヘッドの岬にかけて」ということになっている。シドニー湾北岸では、「クレモーン・ポイント、ブラッドリーズ・ヘッド、クリフトン・ガーデンズ、ノース・ヘッドもよい」と記されているが、今井君はもっと気楽な観戦ポイントを発見した。

 

 それが諸君、ホテルの自分のお部屋である。レースが始まる前のデモンストレーションとして、ヨット軍団がシドニー湾に一列に並んで入船してきた。オペラハウスの前を行進、ハーバーブリッジの真下で向きを変えて、シドニー湾を往復する堂々の行進を見せる。それが今日の写真の7枚である

 

1E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 1/6

2E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 2/6

3E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 3/6

4E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES4/6

5E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 5/6

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