Mon 180212  新幹線の中で仕事をしない/ヒコーキでの瞑想/E組でのストーリーが完成 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 180212  新幹線の中で仕事をしない/ヒコーキでの瞑想/E組でのストーリーが完成

 ホントは新幹線での移動の最中にも、もっと忙しく仕事に励むべきなんだろう。グリーン車内を見渡せば、周囲のビジネスマンは例外なくPCを開いて、おそらく報告書のようなものをせっせと書きまくっている。

 

 かく言うワタクシも、むかしむかしのその昔、20世紀から21世紀への変わり目の頃には、「新幹線車内こそオレのオフィスだ」と言わんばかりに、ひたすらPCのキーを叩き続けた。新幹線の中だけで書き上げた参考書も4冊を数えた。

 

 一人称として「オレ」を多用していたのだから、いやはやワタクシも若かったのである。やがて我が一人称は、ボクから今井クマ蔵へ、今井カニ蔵という時代もあったが、サトイモ法師だのキウィどんだの楕円形だの、いろいろに変化して今に至る。

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(ひなのつるし飾り。3月3日、名古屋マリオットホテルで)

 

 こうしてすっかり中年になって、「オレは」「オレは」と連呼するのがツラくなってくるに連れて、だんだん新幹線の中で仕事に励むのが恥ずかしくなってきた。

 

 だって諸君、「新幹線での移動中に書きました」という参考書って、果たして買う立場としてどんなもんだろう。「新幹線の中で書いた報告書」って、チャンと読むに値する報告書なんだろうか。

 

 たまに見かけるのが、「ビール片手の報告書」。駅弁にツマミにビール数本、白い袋をシャカシャカ言わせながら乗り込んできたサラリーマン集団が、ワイワイ言いながらPCをたたく場面を見かけるのである。

 

 すると諸君、仕事帰りのホロ酔い気分で報告書が書き上げられるわけだ。それを会社とか役所とかクライアントに平気で提出するわけだ。そうやって「寸暇を惜しんで」進められたお仕事が、果たしてホントに一流の仕事と言えるんだろうか。

 

 ここはグリーン車内だ。いつなんどき、クライアントの関係者が見ているか分からない。缶ビールをプシュ、サキイカに煮卵に竹輪にピーナツをワシワシ&ポリポリ、そのアリサマをクライアントが見たら、このまま取引を続けていいかどうか、思わずムッとしちゃうんじゃないか。

 

 ましてや諸君、参考書とか問題集とか、受験生諸君の将来にも大きな影響を与えそうな原稿を、そんな雰囲気の中で書いていいもんなんだろうか。著者本人は酔っ払っていなくても、何しろ周囲の雰囲気がそんなふうなのだ。

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(模範的なおひなさま。3月3日、浜松のホテルオークラにて)

 

 というわけで、たいへん気難しい今井君は、新幹線で仕事をするのをヤメにした。「お酒を飲みながら」は言語道断としても、オムスビ片手の参考書、お稲荷さんをムシャムシャ → 油のついた指をナメナメの参考書、サンドイッチからはみ出したタマゴを舐めながらの問題集、少なくともワタクシはそういうのはイヤなのだ。

 

 そういう変化と同時に、

① ヒコーキ移動が多くなった

② 参考書をサッパリ書かなくなった

のも事実である。

 

 新幹線なら思わず仕事をしてしまうが、国内線のヒコーキは忙しすぎて、とてもお仕事をしようという気にならない。羽田を飛び立って、巡航航路に入るのが20分後。その10分後にはもう降下を開始し、20分後には着陸態勢に入る。その間にお弁当まで出るんじゃ、PCを開く間もないじゃないか。

 

 そのぶん、充実した瞑想を楽しめる。瞑想も1時間を超えるとネムネム → 本気の睡眠と区別がつかなくなるが、10分とか20分ならギュッと深く濃厚濃密な瞑想にふけることができる。

 

 ヒコーキで瞑想、新幹線の短距離移動にも瞑想。「時間管理!!」「スキマ時間の利用!!」「チリも積もれば山となる!!」みたいに切羽詰まった精神状態で何かを書きまくるより、ずっと安定した優しい心の日々が過ごせるように思う。

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(ほぼ10日ぶり、またまた広島県福山にやってきた)

 

 そのぶん、参考書を書くお仕事が全く進まなくなった。安定したペースで参考書を量産している先生方がマコトに羨ましい。というか、尊敬に値する。

 

 スキマ時間の徹底活用。自分をどこまでも追い詰めて、1分1秒を無駄にせず、1分あれば1行、2分あれば2行、東京から乗った新幹線が名古屋の駅に到着するのに90分かかるから、参考書は90行も書き進められるのである。

 

 なんという勤勉、なんという自己犠牲。1ページ20行の参考書なら、往復で10ページを書き進め、20往復すれば1冊ができあがる。代ゼミ四天王時代のワタクシの量産ペースである。

 

 しかし現在の今井君は、そんなに自らを追い詰めてまで参考書を執筆する気はない。だって諸君、「D組」も「C組」もあるじゃないか。「B組」も「A組」もあるじゃないか。その超豪華4段重ねの上に、さらに「E組」まで収録して、豊かな4技能養成にも最高の講座を作ろうとしているじゃないか。参考書より、講座をしっかり受講してもらいたい。

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(10日ぶりの福山城 1)

 

 キレイゴトを言っているように聞こえるだろうが、講座をカンペキなものにするには、ヒコーキの中の瞑想はどうしても必要なのだ。書いたり喋ったりしているばかりが仕事ではない。お目目を閉じて、じっと深く思索の中に沈潜することが、優れた授業の前提になることも間違いないのでござるよ。

 

 だから3月4日、名古屋から広島への移動もまた、ひたすら瞑想に費やされた。瞑想している割に、アタマや背中を掻いたり、思わず溜息を漏らしたり、溜息以上に濃厚なアクビを繰り返したり、お腹が減ってお弁当が貪りたくなったり、サトイモっぽい落ち着かない行動が多いのであるが、諸君、この日の広島への移動、マコトに充実していたのである。

 

 授業中にどんなハナシをするか。ハナシの順番をどう組み替えればより面白くなるか。生徒のアタマに浮かんでくる疑問はどんなものか。その種のことに次々と解決を与えていくのも、移動の最中のお仕事。机の前で腕組みしていても、PCを叩きまくっても、なかなか解決できない問題に、次々と解答が現れるのである。

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(10日ぶりの福山城 2)

 

 名古屋を出たのがお昼前。広島に到着したのが15時。この3〜4時間のうちに、新講座「E組」の1回1回の授業でどんな話をし、どんな大爆笑を巻き起こし、受講生にどれほど熱いやる気を起こさせるか、20回分のプランが完成した。

 

 何しろ「今井の代表作」になる予定の講座だ。ライティングの教材もサイコー、リーディングの教材もサイコー。スピーキングもディクテーションもリスニングもサイコー。ネイティブのナレーターまでサイコーであるが、せっかくなら、いわゆる「雑談」の部分も、サイコーのものを用意したいじゃないか。

 

「あの話をしよう」「この話もしよう」と、次々と話のタネが浮かんでくる。それを取捨選択して、20回の授業に上手に埋め込んでいく。1回1回の面白さはもちろん、20回全体を通じて、雑談部分にも一定のクオリティをもつストーリー性をつけたい。

 

 1回1回の話を聞いて、受講生諸君のやる気がどんどん真っ赤に燃え上がる。それは当たり前のこと。しかし20回連続の一貫したストーリーがあって、20回をキチンと受講した生徒諸君が「よーし、どんどん進むぞ」とますます熱く燃え上がっている白熱の状況を、どうしても作り出したいのである。

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(10日ぶりの福山城 3)

 

 広島のホテルで1時間あまり、今の瞑想で出来あがった「E組」のストーリーを、A4版1枚の文書に書き出した。いやはや、「水鳥の足」というか何というか、今井の名物講座はこんなふうにして完成していく。

 

 新幹線やヒコーキの中で、他の人はみんな熱心に仕事をしている中、サトイモ君が背中やアタマをかきながらアクビしているのを見ても、決して「怠けてる」「ノンキなもんだ」などと批判しないでくれたまえ。実際にはその時、名物講座収録に向けて最も大事なプロセスが進行中なのだ。

 

 なお、広島県福山での大公開授業については、明日の記事の写真を楽しみにしていただきたい。ホントにもうもうと湯気の上がるスーパー&ウルトラ大盛況の迫力を、3枚の衝撃写真でお伝えするつもりである。

 

1E(Cd) Rachel Podger:TELEMANN/12 FANTASIES FOR SOLO VIOLON

2E(Cd) Sirinu:STUART AGE MUSIC

3E(Cd) Rampal:VIVALDI/THE FLUTE CONCERTOS 1/2

4E(Cd) Rampal:VIVALDI/THE FLUTE CONCERTOS 2/2

5E(Cd) Anne-Sophie Mutter:VIVALDI/DIE VIER JAHRESZEITEN

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