Thu 180208  沖縄県胡屋の大盛況/床屋でしょんぼり/ヒヤシンスが咲いてまあしょんぼり | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 180208  沖縄県胡屋の大盛況/床屋でしょんぼり/ヒヤシンスが咲いてまあしょんぼり

 暴風雪の北海道にはホントに申し訳ない話だけれども、東京はいきなり春がやってきて、この2〜3日は連日ポカポカ暖かい。コートもジャンパも無視して床屋さんに出かけ、「アタマは6mm、オヒゲは4mm」のいつものスタイルにしてきたが、こんなに短くしてもアタマはちっとも寒くない。

 

 この5〜6年、ずっと馴染みにしてきた床屋さんである。20歳代から30歳代前半の若い人たちだけで運営していて、それなりに会話も弾む。サッカーの大きな試合があるたびに、彼ら彼女らはテレビのCMを目撃して今井の正体を確認し、その直後には話が大いに盛り上がる。

 

 長い外国旅行から帰ってくるたびに、鬱陶しくなったアタマを何とかしてもらおうと、この床屋さんに駆けつける。旅の途中で鬱陶しいのはアタマよりもオヒゲであって、このヒゲをバリカンでスカッと4mmにそろえてもらいながら、ついさっきまで滞在していた国や街の話に花が咲く。

 

 モロッコ・キューバ・メキシコ・ノルウェー。マルセイユ・アムステルダム・ナポリ・パレルモ・サンパウロ、世界中の街の話を、床屋さんの椅子の上で語りながら、自ら濃厚濃密な復習を楽しむのである。

19572 胡屋1

(2月27日、沖縄県胡屋の大盛況 1)

 

 そうやってすっかり馴染みになった床屋の若いヒトビトが、相次いで転職してしまう。転職しても床屋さんであることには変わりないが、うーん、やっぱり3月は別れの季節なのである。

 

 男子1名は、このチェーン店を退職して、先輩がやっているお店に移るんだそうだ。言わば「引き抜き」であって、確かに彼はこの店のエース。落ち着いた態度も臨機応変な会話も、もう資金さえあれば立派に独立してもいいぐらいの腕があると見込んでいた。

 

 20歳代半ばの女子1名は、北海道苫小牧の実家に帰るんだという。もちろん北海道に帰っても床屋さんのお仕事は続けるらしいが、詳しいことは分からない。彼女は特にワタクシの外国旅行話に熱心に聞き入ってくれた人なので、4月からはちょっと寂しくなる。

 

 4月のワタクシは、「フランスすみずみ」の旅に出る。フランスはもう国のすみずみまでほとんど行き尽くしたようなつもりでいたが、いやはや、まだまだ行っていない街がたくさん残っている。そういう田舎町を歩き尽くそうという企画であるが、帰ってきてもその土産話を床屋さんで出来ないのは寂しいものである。

 

 何だかしょんぼりして帰ってくると、3月の陽光を浴びたうらうら暖かなベランダで、紫のヒヤシンスが綺麗に花を咲かせている。1月20日すぎの東京に大雪が降って、あの夜は早速ベランダにミニかまくらを作った。その雪が融けたころ、駅前の花屋さんでヒヤシンスの鉢植えを1つ買ってきたのだった。

19573 ヒヤシンス

(買ったまま放置していたヒヤシンスが満開になった)

 

 その直後から「早春シリーズ」の超多忙が始まり、北海道函館や高松を皮切りに、2月の東奔西走&南船北馬を開始。ヒヤシンスのことなんか、すっかり忘れていた。380円で購入して、あとは忙しさにかまけてベランダに置き去り。人間とはマコトに冷酷な生き物である。

 

 しかし諸君、「親はなくても子は育つ」であって、ヒトがどんなに冷淡冷酷であっても、ヒヤシンス君は見事にスクスク成長する。塾のセンセがつきっきりでスミズミまで面倒を見てあげなくても、生徒諸君が自分で勝手にたくましく成長していくのと同じこと。ベタベタしすぎる必要はないのだ。

 

 逆に、こうまでたくましいと、ワタクシはまた少ししょんぼりするのである。いやはや、贅沢なサトイモだ。1ヶ月も放置しておいて、その間にスクスク成長して立派な花を咲かせているというのに、「もっとオレに頼ってくれよ」と、咲いた花を眺めながら悄然と立ち尽くす。

 

 まあ諸君、パパとかママとかセンセというものは、そういうものなのだ。コドモが成長した姿は誇らしいが、コドモがそうやってどんどん成長してしまうのは、しょんぼり&しんみりの対象。「もう少し、苦労をかけてくんないかな」みたいな贅沢だって、時には言いたくなるのだ。

 

 親に面倒もかけず、高校受験でも大学受験でも苦労や苦悶のカケラも見せず、気がつくと現役で超難関を突破、平気の平左で故郷を後にして、都会で一人暮らしを始めちゃう。寒波の中に放置したのに、ベランダで嬉しそうに花を咲かせちゃう。いやはや、それじゃ立つ瀬がないじゃないか。

19574 かまくら

(今ヒヤシンスが咲いている場所に、1月22日夜、ミニかまくらを作った) 

 

 こうして諸君、今井君は2月27日、沖縄でのお仕事に出かけたのである。北海道は暴風雪。東北の日本海側も暴風雪。羽田空港には「欠航」「使用機材の大幅な遅れ」「天候調査の上で運航を判断」など、切羽詰まったアナウンスが次から次へと流れている。

 

 しかしワタクシが目指すのは、何と言っても沖縄だ。「常夏」とは言わないにしても、すでに桜も咲き終わった。東京で言えば、5月上旬のイメージだ。

 

 冬のコートなんか着ていくのは明らかに場違いだが、しかし東京はまだ季節風が吹いている。気温20℃をはるかに超える沖縄に、分厚い真冬のコートを着ていくハメになった。

19575 浜名湖

(2月27日、沖縄に向かうヒコーキから、のどかな春の浜名湖が見えた)


 普段のサトイモ君は、沖縄に深い敬意を表して、たとえ1泊の短い出張でも、必ずと言っていいほど沖縄小旅行を付け加える。1泊の時には久高島や古宇利島。2泊の出張なら、西表島に久米島に石垣島。離島の旅で自転車をレンタルし、島中を走り回るのが定番である。

 

 グスク巡りも大好き。イラブー汁にヤギ汁、定番「ジャッキー」のステーキ、そういう地元グルメの旅もいい。ホンの数年前、西表島で水牛の引くクルマに乗り、浅瀬を越えて対岸の由布島にわたったのは、旅を住処とするワタクシとしても最も楽しかった思ひ出の1つである。

 

 しかし諸君、今回の沖縄訪問は、行って、仕事して、そのまま帰ってくる、マコトに平凡でオジサンくさい旅に終わってしまった。床屋でしょんぼり、ヒヤシンスでしょんぼり、そういう連続しょんぼりで、サトイモの心は一時的にしゅんとしなびてしまったようである。

19576 胡屋2

(2月27日、沖縄県胡屋の大盛況 2)

 

 那覇からクルマで20分ほど北上した「胡屋」という街が今回の会場。2005年に東進に移籍して以来、これが4回目の胡屋訪問である。すぐそばには嘉手納の基地があり、アメリカ人がごく普通にそこいら中を闊歩している。看板にも英語が多いし、ナマの英語が日常的に飛び交う街である。

 

 だから生徒たちの英語感覚も、若干ではあるが他の土地よりも鋭敏だ。こういう街を訪ねた英語講師には、さすがに緊張感が伴うので、生徒とともに公開授業に出席している保護者の皆さんの中にも、普段の仕事で当たり前に英語をつかっている人が少なくない。

 

 出席者約110名で、教室は写真の通りの超満員になった。特に嬉しいのは、完全外部生が約60名も来てくれたことである。緊張している彼ら彼女らを我々の仲間にすることが、ワタクシのお仕事の中心を占めるのであって、同じ超満員でも、「ファンだけで超満員」というのとはワケが違う。

19577 胡屋3

(2月27日、沖縄県胡屋の大盛況 3)

 

 そして当然のことであるが、ギュッと仕事モードに変わった今井君は、あまりにも見事にその仕事をやり遂げる。来てくれた完全外部生全員を、90分のうちにみんな今井ファンに変えちゃうのである。

 

 そのへんが、むかしむかしの代ゼミ四天王時代との違いである。「いやはや、あたしゃずいぶん成長しましたな♡」であって、終了後はダラシない自画自賛に思わず表情を緩めてしまう。

 

 20年前や15年前の今井君は、今思い出しても確かに超パワフルだった。授業冒頭の十数分で、びっくりするほど強烈な今井ファンを創出し続けた。

 

 しかし諸君、あのころは、濃厚濃密なファンをバリバリつくった反面、「今井は絶対ヤメとこう」と心を決めるアンチ今井も、同様のペースで量産しちゃっていたんじゃないか。

 

 ま、その辺は「若気の至り」「まだシロートでしたな」であって、駿台から代ゼミへの移籍した直後、1997年のことであるが、駿台流の今井の授業が「毒にもクスリにもならない」と酷評されたことに対し、思わず過剰に反応しちゃった。その過剰反応が、アンチを大量に生み出すような強烈な言動につながっていたのである。

 

 ま、カンタンに言えば、「講師も焦っちゃいけません」「落ち着いて実力を発揮すればいいんです」であって、それがこのブログのタイトル「風吹かば倒る」にも通じているのである。

 

1E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 1/3

2E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 2/3

3E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 3/3

4E(Cd) Sequentia:AQUITANIA

5E(Cd) Nevel & Huelgas Ensemble:Canções, Vilancicos e Motetes Portugueses

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