Sat 180113 医学部志望のホントの理由/文高理低のホントの理由/予備校の諸君、団結せよ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 180113 医学部志望のホントの理由/文高理低のホントの理由/予備校の諸君、団結せよ

 公開授業の後の懇親会で話をしてみると、男子であれ女子であれ、21世紀の大学生たちがマコトに純真で誠実な夢を居抱いて、毎日の勉学に励んでいることを実感する。

 

 2月4日、立春であることが信じがたいほど冷え込んだ広島で、テーブルにズラリと並んだ生牡蠣・焼き牡蠣・蒸し牡蠣・牡蠣フライ、まさに牡蠣の山脈をはさんで向かい合った女子学生2名は、「いま看護学部で勉強しています」とおっしゃった。

 

 看護学部というと、いかにも「女の園」というイメージであるが、130人在籍する看護学部に、男子も15名いるんだそうな。今や看護学部だって、10%は男子なのだ。牡蠣を貪りながら話すうちに、大学生たちの誠実さに感激してしまった。

広島1

(広島県廿日市で、250名の大盛況)

 

 それに比べて、新聞各社やテレビのレポーターが描き出す若者イメージは、マコトに情けない。21世紀の誠実な若者たちを、ずいぶん時代遅れなイメージでしか把握できないようである。

 

 この10日ほど、それなりに激しい言葉で力作を書き連ねてきたつもりであるが、例えば「文高理低」「医学部医学科が人気」の類の報道が増えている。その種の報道の中の若者を要約すると、以下①②③のようになってしまわないか。

 

① 景気回復の実感は意地でも乏しいが、しかし景気は回復したらしい。求人もどんどん増えている。就職先が少なかった時代には、より就職が確実な国立大理系が人気だったが、景気は回復したんだから、何も苦労して数学や理科を勉強する必要はない。

 

② 気楽に私立文系で遊んで暮らし、超有名大企業に就職してチャラチャラ生きる方が幸せだろう。こんなに景気のいい時代に、理系の学部でコワい教授にギュッとしぼられるなんて、真っ平ゴメンでござる。

 

③ 東大? 東大なんかより、やっぱり今は「医学部医学科」でしょ。だって時代はますます不安定&不透明。安定した高収入が保証され、世間の尊敬だって受けられる。医者ならどこでもモテモテだし、誰が何と言ったって、間違いなくカッケーじゃん。だからワタクシ、医学部♡命。

 

 これじゃ諸君、こんなイメージじゃ、いくらなんでも日本の若者が目いっぱいバカにされているんじゃないか。

広島2

(広島県廿日市、250名の大盛況。詳細はまた明日の記事で)

 

 我が愛する朝日新聞でも「医学部医学科が人気」の特集があり、どこかの予備校の幹部の発言として、

「医学部の人気はどんどん高まっていますよ」

「先行きの不透明な時代ですから、安定した高収入に直結する医学部人気はこれからも変わらないでしょう」

と、得意そうに述べていらっしゃった。

 

 しかし諸君、これほどまで若者をバカにした論調に、ワタクシ♡サトイモ法師は怒り心頭に発しているのである。安定と、高収入と、気楽な人生。目先の短期的景気にイヤシイほど敏感で、楽な方へ楽な方へと、無節操にドロドロ流れようとする若者イメージ。少なくとも今井君は、そんなヤツほとんど見たことがない。

 

 物理学や心理学、数学や英文学や歴史学に関心があっても、そんなものを専攻して苦労するより、とにかく安定とオカネがいい。就職できるかできないか、世間の尊敬の目が得られるかどうか、自分の大切な人生を、そんな基準で決めようとする若者が、今どき多数派だとでも言うのか。

カキフライ

(広島の懇親会、豪華カキフライを満喫する)

 

 予備校や塾にも、たっぷりオカネを使う。オカネを払って受験テクニックをバンバン身につければ、医学部医学科合格に近づける。夢や希望より、先行投資でひたすら「受験テクニック」。投資した分は医師になればカンタンに戻ってくる。それがダメなら私立文系でお気楽人生もいいっすね。

 

 このチャラチャラした若者イメージは、いったい何なんだ? 昭和? 20世紀? 確かに諸君、今井君が高校生や大学生の頃には、こういう考え方の知人&友人はナンボでもいた。

 

「ナンボでもいた」どころではない。むしろスタンダードだったと言った方がいい。就職最優先の大学選び。安定した高収入を優先して医師を目指すヤツら。予備校で受験テクニックを習ってこよう。まさにそれが昭和スタンダードであり、20世紀スタンダードであった。

 

 しかしワタクシは、20世紀の目線で21世紀の若者たちを描いてほしくない。ここでしっかり言っておきたいのである。1ヶ月にのべ16万アクセスもあるブログなんだから、ほんの少しは世論に影響を与えられるんじゃないか。そう期待するのである。

 

① 21世紀の若者は、短期的な景気の動向に左右されて理系と文系の間をドロドロ行き来するほど無節操ではない。

 

② 21世紀の若者は、安定と高収入と世間体を優先して医師を目指すほど、医師としての人生を見くだしてはいない。

 

③ 21世紀の若者が塾や予備校に求めるものは、ホンモノの基礎学力である。「受験テクニック」などと言ふものは存在しない。むしろ若者にとっては激しい嫌悪の対象である。

焼きガキ

(広島の懇親会、豪華な焼き牡蠣も満喫する) 

 

 まあ、あんまりカッカしないほうがいいんだろうが、ワタクシは1991年から延々30年近く、現場で若者たちと関わってきた人間だ。バイト時代を含めれば、もっと長くなる。

 

「手塩にかけて」とまでは言えないにしても、汗みどろの授業の中で大演説を日々繰り返してきた。その相手の若者たちが、安定と高収入とお気楽な日々と受験テクニックを求めて、理系・文系・医学部医学科の間を無節操に漂い続けているなどとは、信じられないのである。

 

 メディアの皆さまは、どうせ相手にしてくれない。万が一このブログを目にしたとしても、完全に黙殺しちゃうだろう。しかしそれでもサトイモ君は、熱く絶叫するのである。

 

 医学部を目指すのは、真に素晴らしい医者になりたいからだ。文高理低になったのは、「景気が回復したから」ではなくて、法律とか経済学とか社会学とか、文系の学問への関心がグイッと復活したからだ。そう考えるのがスジじゃないか。

 

 メディアの責任は、「意地でも実感はないが、景気が回復した雰囲気だから、文高理低になった」などと、横丁のオジサンの酒飲みバナシ程度に堕するんじゃなくて、「何故いま文系の学問が人気なの?」と真剣に問いかけることなんじゃないのか。

 

 医学部についてもおんなじだ。「どうせ安定とカネがほしいんだろ?」という薄汚いオトナの先入観を確認するヒマがあったら、「どんなに苦労しても医師になりたい」という若者たちに直接インタビューして、彼ら彼女らのホントの夢と希望を紹介するのがメディアの仕事じゃないのか。

蒸しガキ

(広島で「ガンガン蒸し牡蠣」を満喫。マスメディアの先入観は、真冬の牡蠣の貝柱以上に頑丈にできている)

 

 熱すぎますか? すみません、熱いサトイモなもので。予備校関係者の皆様にも是非お願いしたい。商売ガタキだろうと何だろうと関係ない。みんなで結束して、若者たちの純真と誠実をメディアの人々に訴えかけ、「どうせカネと安定だろ?」という先入観を打破しようじゃないか。 

 

 東進関係のヒトビトはもちろん、Pretty塾の皆様、どうすんだい?の皆様、Y→サピックスの皆様、ベネッ○や医学部専門予備校の皆様も、みんなでビシッとホンモノの若者像をメディアに伝えませんか。

 

 もしもメディアの取材を受けたら、「オカネと安定」の類いのオトナの応答を「それは違いますよ」「それはメディアの偏見でしょう」「そんなの大昔の話ですよ」と真っ向から否定しようじゃないか。だって諸君、われわれは20年も30年もかけて、そんなクダラン若者を育てたつもりは一切ないのだ。

 

「なぜ東大より医学部医学科?」「何故いま国立理系じゃなくて文系?」と尋ねられた時、万が一「景気回復」「オカネと安定」など、マスメディアが飛びつきそうな回答をすれば、要するにアナタがいつもそんな若者イメージの中で指導を続けていることを、思い切り暴露することになってしまう。

 

 メディアがどれほど昭和な先入観と20世紀的偏見で報道を続けようと、我々の目の前の若者たちは、カネや安定やテクニックとは間違いなく無縁の高い理想と夢と希望に燃え、純粋に彼ら&彼女らの理想を追求しているのだ。

 

 塾&予備校関係の皆様で、

「そんなホントのことを発言する勇気はない」

「長いものとメディアの先入観には巻かれたほうがいい」

と怯える人がいたら、是非その取材、この今井君に向けてくれたまえ。胸がスカッとするほどの若者の真実を、このワタクシが血相を変えて日本中に訴えてみせようじゃないか。

 

1E(Cd) THE BEST OF JAMES INGRAM

2E(Cd) Peabo Bryson:UNCONDITIONAL LOVE

3E(Cd) Four Play:FOUR PLAY

4E(Cd) Deni Hines:IMAGINATION

5E(Cd) Akiko Suwanai:DVOŘÁK VIOLIN CONCERTO & SARASATE

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