Sun 180107  まだ函館にいたい/成田LCCでの国歌合唱騒動/函館も中国語だらけ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 180107  まだ函館にいたい/成田LCCでの国歌合唱騒動/函館も中国語だらけ

 1月24日から26日まで、のべ3日も函館に滞在した。仕事の舞台となったミッションスクールの、長い伝統がつまった校舎に深く感激してしまい、26日の朝になっても、何だかまだしばらく函館に滞在を続けたい気分であった。

 

 成田空港の第3ターミナルで、中国人旅行者が騒動を起こしていたのは、まさにその頃であったらしい。旧正月、日本中に中国からの人々が押し寄せ、函館でも日本語より中国語が優勢であったことは昨日述べたけれども、こんなにたくさんの人々がギュッとやってくれば、このぐらいの騒動が起こりそうな予感はあった。

 

 事件を要約すれば、次のようになる。

① 1月24日22時15分に出発予定の上海行きジェットスター35便が、「24時間遅れでの出発」を決定。到着地・上海の悪天候が、24時間遅延の理由である。

 

② ところがこの発表があった時点で、乗客はすでに搭乗ゲート内に入っていた。ジェットスター側は「搭乗ゲートから一般エリアへの移動」をアナウンスで案内。中国人乗客の半数近くは、これを了承して移動、ホテルなどに向かった。

 

③ 搭乗ゲートに居残ったのは、約100名である。夜11時になると搭乗エリアは閉鎖され、暖房も電気も止まる。中国語による案内放送はナシ、食料や水や毛布の提供もなかった。

 

④ 深夜2時、中国人数人が搭乗エリアの2階に上がろうとしたため、航空会社職員がこれを制止。客は職員を突き飛ばし、女性職員が足を負傷、警察官が駆けつける事態に発展した。

 

⑤ 興奮した集団は、中国国歌を合唱するなど、強い抗議行動を続ける。中国人男性客1名が暴行&傷害の疑いで逮捕。翌25日朝、中国人客175人は上海行きの便に搭乗して帰国した。

函館

(最終日、さすがの最強寒波も収まった。函館駅の向こうに、はるかな山の稜線が見えた)

 

 その「抗議行動」の映像を、ワタクシは今朝になって初めてテレビで見た。うーん、さすがというか何というか、抗議行動の激烈さは、2016年12月の新千歳空港の騒動を思わせる。というか、まさにそっくりである。

 

「高圧的に出なきゃ気が済まん」「圧力をかけなきゃ何事も解決しない」「大きな声を出せば思い通りになる」という間違った信念というか、困った気合というか、日本人にも共通するその種の熱いムワムワが、画面からありありと伝わってくる。

 

 マスメディアの反応も、一般の日本人の反応も、何だかとっても冷たい気がする。朝日新聞の記事は読まなかったけれども、テレビ朝日の朝のワイドショーでは、何だか「失笑的」というか「冷笑的」というか、「こういうのって、困りますよね」という上から目線の腕組みと困り顔が雛壇に並んでいた。

 

 しかし諸君、今井君は「こりゃさすがに中国人の方が可哀そうだ」「彼ら彼女らの心の中がすげーよく理解できる」と、声を大にして言いたいのである。

 

 中国からの一般旅行客は、日本語でアナウンスなんかされたって理解できない。英語のアナウンスだって、分からない人が多い。ついこの間シドニーで「CENTRAL」という駅名が読めなくて困っている40歳代の中国人女性を見たばかりだ。

雪景色

(伝統あるミッションスクールの雪景色。応接室より)

 

 何しろ21世紀の世界は、中国語を第1言語とするの人の方が、英語の話者より多い世界なのだ。「早口の日本語でベラベラ言われたって、分かるわけないだろ」「中国語で言いたまえ、中国語で」。その気持ちはギュッとよく分かる。

 

 ワタクシはある映画の中で、「Speak English !!」いう発言に「人間のコトバで話してくれよ」という字幕がついているのを見てビックリしたことがある。英語国民の傲慢が、日本語への翻訳者にも乗り移ったに違いない。

 

 なんでもかんでも英語、それも早口の英語。「合計180人の乗客のうち、175人が中国人」という状況でも、アナウンスは日本語と英語だけ。たとえLCCであっても、それって冷たすぎないか。

 

 もちろん今井君は、LCC♡ジェットスターにも大いに好意を居抱いている。ついこの間も、シドニーとエアーズロックの往復に利用したのはジェットスター。片道3時間、往復6時間もかかる長旅を、LCCであるにも関わらず、大手航空会社に負けないほど快適に過ごさせてくれた。

 

 しかしやっぱり今回の件は、中国語のアナウンスがなかったことが、全てのはじまりではなかったか。夜11時、電気と暖房が止まった空港スペースに、ワケもわからず取り残された不安感の重苦しさは、同じ経験をした人でなければ理解できない。

絵画

(さすが伝統校。応接室の周辺にはキレイな絵がたくさん飾られている)

 

 だって諸君、1月24日から25日にかけてのあの大寒波を思い出してみたまえ。あの寒さの中で「暖房が止まる」「電気も止まる」「水も食料もない」「フライトは24時間遅れ」「言葉は全くわからない」「これって、ちゃんとオウチに帰れるの?」なのである。

 

 この状況で「大人しく黙ってジッと我慢してろ」と言われて平気の平左、みんな落ち着いて笑顔で励ましあい、椅子やソファを譲り合う、そんな天使のような態度を継続できるのは、おそらく世界中がひっくり返るほど民度の高くなっちゃった ☞ 我々日本人だけである。

 

 暖房が消えたのが、23時。騒動が始まったのが2時。彼ら彼女らは、冷え込む薄闇の中で3時間も耐えたのである。大したもんじゃないか。しかも「2階に上がろうとした」のは、おそらく「水や食料は手に入らないだろうか」「よし、俺たちが探してくる」「みんなはここで待ってろ」という、言わば自称ヒーローたちだったのだ。

 

 ワタクシ今井君も、かつてヒースロー空港で、ポルトガルの人々100人に混じって奮戦したことがある。もちろん大声での威圧や暴力、ポルトガル国歌の大合唱はなかったけれども、真夜中の無人の空港に取り残されて「みんなで何としても事態を打破しよう」と募る気持ち、不安と焦燥、「ピンチはチャンスだ」に似た高揚感は理解できるつもりだ。

 

 あとは諸君、中国の皆様にも、英語4技能を身につけるように呼びかけるしかない。日本中の英語教師が「4技能」「4技能」と連呼しているんだから、その大合唱をお隣の超大国15億の人々にも届けようじゃないか。

 

 だって今や北海道は、中国語の嵐である。駅も街もレストランも、日本語と英語に混じって、中国語の表示が氾濫している。これからは中国語に頼らなくても日本中をビュンビュン観光していただけるように、英語4技能を15億の皆様でギュッと鍛えていくほうが積極的でいいじゃないか。

廊下

(応接室を出たあたり。廊下もピカピカだ)

 

 1月26日、ホテルをチェックアウトする頃になって、函館の空から久しぶりに雪雲が消えた。北の空には大沼から駒ケ岳にかけての稜線が現れ、すぐ目の前のはずなのに3日間ほとんど目にしなかった函館山も、やっとその勇姿を現した。

 

 タクシーで函館空港に向かう。気温が上がったらしくて、雪がずいぶん緩んできた。たくさんのカラスが雪の中で遊んでいる。というか、くちばしで雪をつついている。餌を探しているのか、それとも雪を食べて水分を補給しているのか。北海道のカラスや野良猫たちは、みんなこの大寒波を生き抜いただろうか。

 

 空港内でも、やっぱり中国語のオンパレード。レストランに入っても、メニューは中国語だらけで、一瞬「ここは中国か?」と勘違いするほどである。

高松

(函館から帰ったワタクシは、翌々日にはもう四国・高松にいた)

 

 今日はお仕事が完全にお休みだから、大好きな「サッポロ・クラシック」を1瓶飲み干してから東京に帰る。お隣のテーブルには、中国人の家族連れ。ママ、息子、その妹。楽しげに会話をかわしつつ、ママは味噌ラーメン、兄と妹は海鮮丼定食。北海道がよほど楽しかったらしい。

 

 トイレに入っても、そこは中国語の嵐である。あんまり面白いから、気に入ったセンテンスをいくつか記録に残してきた。中国語のフォントがないので、日本語の文字で代用する。

 

① 請不要用便池冲走厠紙以外的東西。

② 請坐在馬桶座上。

 

 ①は「トイレットペーパー以外は便器に流さないでください」、②は「便座にキチンと座ってください」。水洗便器でも、お水の溜まっている部分が「用便池」、人の座る便座部分も含めると「馬桶」。おお中国語、4000年の文明を反映して、さすがに奥がグイッと深いのである。

 

1E(Cd) Kirk Whalum:UNCONDITIONAL

2E(Cd) Sheila E.:SEX CYMBAL

3E(Cd) Sheila E.:SHEILA E.

4E(Cd) Incognito:BENEATH THE SURFACE

5E(Cd) Incognito:100°AND RISING

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