Wed 180103 最強寒波の中を函館に向かう/東京の雪/函館のカニとイカ/いざ寿司屋へ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 180103 最強寒波の中を函館に向かう/東京の雪/函館のカニとイカ/いざ寿司屋へ

 1月24日、翌日の仕事始めを控え、ワタクシは雪の東京を後にした。東京の大雪は22日のこと。23日は朝から懸命の雪かきに励み、その午後にはもう筋肉痛の症状に悩んでいた。

 左の腰がまず痛くなり、次に両腕がギュコギュコ痛み、最後にじわじわ右の臀部に鈍痛を感じはじめた。シドニーの電車の中で痛打&打撲、ついこの間までドラ焼きの大きさのコブがあったあたりである。

 函館ゆきのヒコーキは、羽田発10時05分。早起きの今井君は午前4時に目覚ましを鳴らし、その15分後にはもう温かいお風呂につかって、もうもうと上がる湯気の中でD.H.ロレンスを熟読していた。

 お風呂から上がって6時。1時間半のお風呂の中で、タオル1枚びしょびしょになるほど汗をかいた。
ふえー、気持ちいい。諸君、もうワタクシは朝なんだか夜なんだかサッパリ分からない。

 しかし考えてみれば、これこそが理想形の幸福なのかもしれなくて、常に「今は朝!!」「今は夜!!」とギュッと認識して生きるなんて、要するに「時間に追われる人生」に過ぎない。

 いいじゃないか、「今はAM?PM?」という世界。そういえば諸君、15年ぐらい前まで「AmPm」というコンビニが存在した。覚えているかね? 高校生ぐらいの諸君には、もう「AmPm」と言っても不思議な顔をされるかもしれない。

 強者必滅、盛者必衰。こんなハカナイ世の中に、「今は朝!!」「今は夜!!」とか、そんな難しいことを言って、ただでさえ難しい人生をもっと難しくしてしまうなんて、息苦しすぎないか。
津軽海峡
(最強寒波の津軽海峡。函館「はこだて亭」にて)

 まあそういうわけで今井君は、8時までお部屋でゆっくりくつろいだ後、雪のタップリ残る東京の街に、颯爽と歩みだすことにしたのである。7時40分、クリーニング屋さんが来て、一張羅のスーツを持ってきてくれた。

 ああよかった。これがなきゃ、函館では普段着で仕事をしなきゃいけないところだった。雪道をバイクでスーツを届けてくれたクリーニング屋さんに、ひたすら感謝&感謝である。

 羽田までは、いつもはバスタ新宿からリムジンバスに乗るのであるが、首都高速はこの朝もなお積雪でズタズタ。閉鎖中の道も多い。ワタクシは安全に電車を乗り継いでいくことにした。

「タクシー」という禁断の選択肢もあったが、「定額運賃の予約はただいま受け付けておりません」という冷たい返事。なんだ、みんなが困っている時には何の助けにもなってくれない。だからワタクシは昨年の今頃「脱タクシー宣言」をしたのである。

 地下鉄千代田線・京浜東北線・東京モノレール。予想以上に混雑した3路線を立ったまま乗り継いで約1時間、9時15分に羽田空港に到着。大雪の22日、大雪の翌日の23日と、2日続けて大混乱だったはずの羽田空港であるが、さすがに24日の段階ではすっかり落ち着きを取り戻していた。

 ただしやっぱり、アナウンスには緊迫感がこもっている。東京の大雪の後は、日本海側を暴風雪が襲い、「史上最強寒波」の真っただ中。日本海側へのヒコーキに欠航が相次いだ。
かに1
(はこだて亭のカニ。おいしゅーございました)

 今井君の目の前で、稚内便・秋田便・鳥取便の欠航が次々と決まっていく。いちおう出発が決まった便も「到着地の上空で『着陸不可能』と判断した場合は、羽田に引き返します」という条件付きでの出発なのである。

 ワタクシが向かうのは、函館である。その位置はマコトに微妙であって、「函館って、日本海側? それとも太平洋側?」と問われれば、誰だって返答に窮するんじゃないか。欠航が決まったのは、豪雪に見舞われた日本海側への便。果たして函館にはヒコーキが飛ぶんだろうか。

 緊張しつつ、ダイアモンドメンバーのラウンジで決定を待った。もしも「欠航」ということになったら、ワタクシは直ちに東京駅に引き返して北海道新幹線「はやぶさ」に乗る。そうなれば4時間の旅だ。できればグリーン車のチケットを手に入れたい。

 10時05分、ヒコーキは予定通りに羽田を飛び立った。こりゃもうおそらく大丈夫だ。「羽田に引き返します」「札幌・新千歳に着陸します」などという意地悪なことには、まさかならないだろう。サトイモ君は安堵の胸をなでおろし、緊張のせいで四角くなりかけていたお顔も、再び優しい楕円形に戻った。

 函館到着、11時25分。なんのことはない、定時出発、定時到着。東京も大雪、函館は猛吹雪、しかしさすがにANAどんは、約束通りの時刻に目的地に降り立ってくれた。

 確かに分厚い雪雲の中、大きな揺れが続いたし、雪雲のはるか下には不気味に白波が逆巻いていたけれども、思ったより着陸はスムーズ。どうやら今年の仕事は、仕事始めからギュッと好調にいけそうである。
かに2
(函館「はこだて亭」の毛蟹。「6200円」の貼り紙が出ていた)

 さて、せっかくの函館だ。イカにカニにウニ、シャケにイクラにエビ、新鮮な海鮮を思い切り貪って、仕事始めを大いに海鮮くさくしたいじゃないか。手始めは、カニでいくことにしよう。

 空港からタクシーに乗り込んで10分、湯の川温泉を過ぎたあたりに、見た目はなんとなくファミレスっぽいけれども、なかなか高級なカニの店が存在する。「はこだて亭」、カニしゃぶもあれば焼きカニもあり、カニがイヤな人のためには、牛も豚もシャケ親子もズラッと揃えてある。

 今から5年か6年前に函館を訪問した時、到着直後にこの店に連れてきてもらった。豪華カニしゃぶがマコトに美味かった。また函館に来ることがあったら、ぜひ単独で訪れてみたいと思っていた。

 お仕事は翌25日の夕暮れからであって、今日は大事をとっての前乗りである。冬の北海道だ、ヒコーキも新幹線も何があるか分からない。前日に函館入りしておくぐらいでないと、大切な仕事に万が一のことがあったらたいへんだ。
かに3
(カニのアンヨ。肉の充実ぶりが素晴らしい)

 つまり諸君、今日はまだお仕事の日ではないのである。ということはもちろん、お酒を飲んでも誰にも何にも言われない。ゆでたカニをどさっとお皿に盛りつけてもらって、まずはビア、続いて日本酒2合、追加で日本酒1合、さらに追加で日本酒1合。おお、やっぱり朝か昼か夜かの区別がつかない。

 だってお外は天気予報通りの暴風雪、クルマはヘッドライトをつけていても前が見えないほどだ。熱い日本酒でも飲まなきゃ、中年はとてもやっていられないのである。いやはや、函館のカニさん、足もハサミも甲羅の中身も、ホントにおいしゅーございました。

 ただし残念なことに、函館名物の「活イカ」はナシ。イカの不漁は深刻のようで、「活イカはありますか?」の質問に、間髪を入れず「残念ですが」と答えた店の人の表情も、たいへんツラそうなのであった。

 まあそこまで不漁なら、致し方ないじゃないか。あくまで「同じイカなら」というぐらいの気合いで「イカの一夜干し」を注文した。店の窓の前に広がるのは、暴風雪の津軽海峡。まさかこのシチュエーションで「イカを食べませんでした」というわけにもいかないだろう。

 しかしその結果は、残念&無念。日本で一番旨いはずの函館の活イカも、不漁に不漁が続いて一夜干しになんかされちゃえば、うにゃにゃ、少なからず残念なものに変わってしまうようである。
一路
(夕食は寿司屋。人気の「鮨一路」に予約を入れた)

 午後2時、お店を出てホテルにチェックインした今井君は一計を案じ、「イカのカタキを寿司でうつ」ことに決めた。「そうだ、寿司屋に行こう」であって、寿司屋ならきっと旨いイカも手に入れているに違いない。

 宿泊するのは、函館駅前。13年前には「ハーバービューホテル」だったものが、いつの間にか「ロワジールホテル」に変わり、気が付いてみたら「Four Points Hotel by Sheraton」という長たらしい名前に変わっていた。いやはやマコトに目まぐるしい。

 函館は、同じような低価格ホテルのオンパレード。なかなか「ここだ!!」と満足できるホテルが見つからない。しかし寿司屋なら、ナンボでもいい店が見つかるだろう。選んだのは、ホテル至近の「鮨一路」。この人気店訪問記は、また明日の記事に譲ることにしたい。

1E(Rc) Backhaus:BACH/ENGLISH SUITE・FRENCH SUITE
2E(Rc) Ewerhardt & Collegium Aureum:HÄNDEL/オルガン協奏曲
3E(Rc) チューリッヒ・リチェルカーレ:中世・ルネサンスの舞曲集
4E(Rc) Collegium Aureum:MOZART/EINE KLEINE NACHTMUSIK & SYMPHONY No.40
5E(Cd) Akiko Suwanai:SIBERIUS & WALTON/VIOLIN CONCERTOS
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