Wed 171227 灼熱の荒野は45℃/カタジュタ/またチキン(またシドニーの12月 9) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 171227 灼熱の荒野は45℃/カタジュタ/またチキン(またシドニーの12月 9)

 12月24日、灼熱のエアーズロックで早速チェックインしたのは、空港からバスで15分、「デザート・ガーデンズ・ホテル」である。オーストラリア名物、ハエの大軍の襲撃を受けながら、まあ何とか無事にお部屋に入れた。

「デザートとはまた美味しそうじゃないか」「あまーい♡」「そりゃハエも襲撃するだろう」と思うのは、もちろんデザートの勘違いであって、諸君の考えたのはdessert、ワタクシがチェックインしたのはdesert。単語集の定番「desert」とは、荒れ果てた灼熱の砂漠のことである。

 どのぐらいの灼熱かというに、昨日も書いた通り「最高気温45℃」。日本の灼熱は、熊谷でも群馬県館林でも岐阜県多治見でも、せいぜい40℃が限界であるから、諸君、あの8月の館林よりも5℃高い。

 21世紀、地球の温暖化がグイグイ進んで、7月下旬から8月中旬の灼熱の1日、北国生まれの今井君は、「東京って、焦げくさくないか?」と真顔で発言するようになった。ウソなんか言っていない。油照りの昼間、我が渋谷区でアスファルトの道路に立てば、確実に焦げ臭さを感じるのだ。
ハエネット
(襲撃してくるハエの大軍に対抗して「ハエネット」を着用。おお、いかにもハエそうな自分撮りになった)

 今井君が小学校4年生の時、学研「4年の科学」の付録に「太陽光で目玉焼きを作ってみよう」というのがあった。凹面鏡で太陽の光を集めて、まずは小さなフラスコにお湯を沸かしてみる。それに成功したら、同じ原理をつかって目玉焼き作りに挑戦した。

 おとといの写真4枚目&5枚目でご覧にいれた通り、今井君は幼い頃から目玉焼き作りの名人だ。しかし北国秋田の弱い太陽光では、目玉焼き作りには不十分。長時間かけて頑張ってみたが、結局タマゴが1個カラカラに乾いてフライパンにヘバリついただけだった顛末は、4〜5年前のブログにも書いた。

 しかし諸君、エアーズロックの強烈な日差しさえあれば、人生のベテラン♡サトイモ法師にとって、おそらく目玉焼き作成は朝飯前と思われる。凹面鏡で熱したフライパンで、まずはハムを焼く。ハムからでたアブラがジュージュー言っているところに、タマゴ1個を割り入れる。

 おお、腕が鳴る。さぞかし旨いタマゴ焼きが出来るに違いない。「砂漠バンザイ!!」であり「デザート最高!!」「灼熱♡上等!!」であるが、残念ながらデザート・ガーデンズ・ホテルの今井君には、フライパンもタマゴも手に入らないのである。
チキン
(チキン丸焼き。「こりゃハエそう♡」と思ったが、いま見てみると余りに無残なお姿である。赤いプラスチックフォークも現地で調達)

 そこで諸君、ホテル併設のスーパーマーケットまで徒歩5分、灼熱の光の中を歩いていく。テニスの全豪オープンでも、猛暑の中の選手たちは苦心惨憺、「足が焼けそう」「あまりの熱さに呆然とし続けた」「吐き気が止まらない」と、45℃の凄まじさを語っている。

 だからエアーズロックの観光には「1人につき水1リットルを携行すること」が義務づけられている。ここは「ウルル・カタジュタ国立公園」。公園管理当局の許可が出なければ、公園の中には入れない。許可を得るには、水1リットルを持参しているのが条件になる。

 そこでヒトビトはまずスーパーを訪れ、とにかくお水を手に入れる。ホテル内とは言ってもなかなか大規模なスーパーで、フライパンとタマゴとビールは売っていなくても、お水にジュースにコカコーラなら、ナンボでも手に入る。

 さすが45℃、「酒気は厳禁」なのである。アルコールなんてのは、脱水症状を引き起こす元凶であって、「これからウルル♡」「いざカタジュタ♡」という人は、ビールだのワインだの、そんなものを飲むのは許されない。
ドリトス
(ほぐしたチキンとDORITOSの光景)

 そこで模範生♡今井君は、早速たくさんのお水をスーパーのカゴに入れた。お水、お水、何でもいいからとにかくお水。しかし諸君、その時ワタクシが発見したのが、前日もシドニーで貪った「チキンの丸焼き」である。こんな砂漠の真っ只中でも、昨日とおんなじチキン丸焼きが手に入る。

 お値段は、8ASドル。シドニーと同じ値段だ。約700円の計算。それって、たったいま乗ってきたLCC ☞ JET STAR機内販売のサラダや、チャーハン的「SUMO SALAD」よりずっと安いじゃないか(スミマセン、昨日の続きです)。

 たった700円で手に入るなら、灼熱のエアーズロック探検の直前、我が肉体をチキンでググッと力づけておくのにベストの選択だ。ついでだからプラスチックのナイフとフォーク、さらに紙皿も購入。チェックインしたお部屋で早速ワシワシやることにした。

 もちろん、チキンのオトモはDORITOS。ワシワシにカリカリが加われば、ランチとしては史上最強のコンビと言っていい。チキンのビジュアルが少し残酷すぎることにショックを受けながらも、ランチ終了14時。そのまま1時間ほど仮眠をとって、夕暮れの散策を待ったのである。
カタジュタ1
(カタジュタ遠景。高さ500メートル超の巨岩が連なる)

 広大な国立公園、しかも灼熱の砂漠の真ん中だ。散策はツアーに参加しなければほぼ不可能である。ワタクシは「ツアーが苦手」「ツアー大キライ」のウルトラ偏屈人間であるが、さすがこの日のシチュエーションでは、手軽なツアーに参加せざるを得ない。

 腹の中はチキンとDORITOSでパンパン。しかしとにかくお水1リットルを片手に、ツアーの集合場所に向かった。ツアーのプログラムは、とりあえず以下の2点である。
① 16時、カタジュタ「風の谷」探検。
② 17時半、エアーズロック(ウルル)の日没を目撃してウルウルする。ウルルでウルウルさせるために、グラスのシャンペンまで出るんだそうな。ツアー独特、なかなかあくどい演出である。

 必須なのが「FLY NET」。昨年「Three Sisters」を探検した時もそうだったが、オーストラリアの内陸部では、ヒトは無数のハエの襲撃を受ける。ハエたちは、人間の肉体の穴という穴を獰猛に攻撃し、耳も鼻も目も口も、雲霞のように押し寄せるハエの大軍に手も足も出なくなる。

 そこでヒトビトが工夫したのがフライネットである。昭和の日本には卓袱台にハエよけネットをかぶせる習慣があったし、寝るときには「蚊帳を吊る」のが常識であったが、オーストラリアでは人間に蚊帳をかぶせるのである。
カタジュタ2
(カタジュタ。ワイルドさではエアーズロックに勝る)

 どうだい、今日の1枚目、「蚊帳をかぶった今井君」「蚊帳をかぶったサトイモどん」。こりゃ別に「ひぐらしすずりにむかひて」なんてことをやらなくても、そのまま「あやしゅうこそものぐるほしけれ」な動物である。

 こんなのが東京の真ん中に出現したら、人は度肝をぬかれ、道をゆずり、電車の座席もゆずり、SNS映えを狙って盛んにスマホのカメラをパシャパシャやるに違いない。ツイッターには今井発見情報が溢れ、「今井が蚊帳を被って東京に出現」「ご用心」の情報が駆け巡るに違いない。

 しかしとにかくワタクシは、こうやってハエネットに守られ、それでも耳元を襲ってくるハエの羽音に悩まされながら、カタジュタ探検に出たのである。

 カタジュタとは、先住民の言葉で「多くの頭」を意味する。日本には「ヤツガシラ」という大っきなイモが存在するが、ということは、カタジュタとはヤツガシラであり、ヤツガシラはサトイモの仲間であって、するとカタジュタは今井君の親戚ということになる。なるほど、遠望するカタジュタには、マコトに懐かしい感慨を感じる。
カタジュタ3
(荒野の果てにカタジュタを望む)

「これでハエさえいなかったら」なのであるが、どうして意地でも殺虫剤を散布しないんだろう。息をすると、鼻からも口からもハエがビュンビュン入ってくる。ワタクシはネットがあるから救われているが、ネットなしの人も少なくない。いやはや、感激も感慨もみんなハエに食われてしまう。

 カタジュタは、海抜1066メートル。岩の高さは地表から約550メートル。1066という数字を見ると、世界史大好き♡知性溢れる今井君なんかは、思わず「ノルマン征服」を思い出す。英語ならば、The Norman Conquest of England。1066年の出来事である。

 ついでに1077年 ☞ カノッサの屈辱、1096年 ☞ ウルバヌス2世の第1回十字軍と続くところだが、ま、もうセンター試験も終わったんだし、「知識偏重はいけません」という朝日の神サマの声も聞こえてくる。この続きはまた明日ということにしよう。

1E(Cd) Kubelik & Berliner:DVOŘÁK/THE 9 SYMPHONIES 2/6
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