Sun 171224 彦彦君/チキン丸焼きを買いに/タイムトンネル(またシドニーの12月 7) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 171224 彦彦君/チキン丸焼きを買いに/タイムトンネル(またシドニーの12月 7)

 シドニーを漢字で表記すると、「雪特尼」「志戸仁」「悉土尼」「施度尼」、いやはやマコトにいろいろであるけれども、中国語では「悉尼」に統一しているようである。

「悉」は「ことごとく」であって、うーん、「ことごとく尼さん」「みーんな尼僧」とは、また何とも不思議なシチュエーションであるが、中国の人々は何の違和感もないんだろうか。

 あんまり中国の人が多いからか、駅にも電車内にも英語と並んで中国語の表記がある。文字の大きさもほぼ同じ。電車がCentralの駅に着いたとき、「電子掲示板に中国語がない」「英語じゃ分からない」と、たいへん不満げな表情の中国人オバサマもいらっしゃった。

 見れば、それほど高齢のカタでもない。年齢的には、今井君とほぼ同じぐらいか。「Central」ぐらい英語のままで読めるだろうに、それを例えば「中央」と表記してくれないと困るとおっしゃる。「英語圏でも中国語が対等でないとイヤだ」という感情の表現なのだろうか。
クリスマス
(夏のクリスマスに、TVドラマ「タイムトンネル」を思い出す)

 さてシドニーに到着したら、 何と言ってもまず最初に手に入れなければいけないのが「OPALカード」である。SuicaやIcocaに該当するもので、電車もバスもお船もトラムも、全てこれを使う。ヒコヒコだろうが何だろうが、「脱タクシー」の方針には変わりがないので、OPALなしでは旅が捗らない。

 幸いなことに、昨年使用したOPALがまだそのまま使用できた。まずこれをTOP UPする。日本で言う「チャージ」である。あとは乗る時がTAP ON、降りる時にはTAP OFF。必ず2回タッチする。

 電車内で激しく打撲した直後は、「単なる打ち身に過ぎない」「10分もすれば治るだろう」とタカをくくっていた臀部であるが、ビアを飲むうちにかなり厳しくなり、エミューとカンガルーのピザを貪り終える頃には、「これは冗談にならないかもしれない」と、冷や汗と脂汗が首筋を流れるほどになった。

「悉尼」は、坂の町。そこいら中が険しい坂道だし、ちょっと隣の街まで行くのに長い階段を登らなければいけない。こんなに臀部をヒコヒコ、彦坂彦左衛門なり彦田里彦みたいに歩いているんでは、何だかカッコがつかない。

 サトイモに引っ掛けて「里彦」と言ってみたけれども、もうこれは里彦どころか「彦彦」「彦丸」「彦六」に近いのであって、冷や汗をタラタラ流しながら、今井彦彦はとりあえず悉尼一の繁華街まで食料と飲み物を買いに出かけた。
ブリッジ1
(ハーバーブリッジに夕暮れが迫る)

 目指すは「Coles」。シドニーで最も信頼できるスーパーチェーンの1つである。世界中どこでも、到着したらまず第一にスーパーに駆け込み、瓶ビール2〜3日分を買い込むのが今井君の習慣だ。

 ついでだから、① チキンの丸焼き ② Doritos1袋 ③ マンゴー1個も購入。今晩の今井彦彦は、大人しくお部屋でチキンの丸焼きを貪って過ごすことにしたい。鶏1羽がたった8ASドル。700円程度だから、こりゃ格安だ。

 高級レストランでもいいのだが、ヒコヒコ状態での高級レストランは、やっぱりカッコがつかない。カッコがつかない時は、部屋でコッコを貪る。コッコの丸焼きを食べるために、日本からわざわざナイフとフォークも持参した。

 鶏の胸肉は、ケガの回復に効果がある。確かにパサパサしているけれども、今はそんな贅沢を言ってはいられない。パサパサでヒコヒコが治るなら、そのパサパサに耐えて胸肉を咀嚼&嚥下するぐらい、旅を繰り返す者の義務と言ってもいい。

「Doritosは何に使うの?」であるが、諸君、ちょっと砕いてから胸肉にふりかけるのである。パリパリの食感がたまらない。パリパリ感さえ加われば、パサパサ感を我慢するのはグッと楽になる。

 そんなことを真剣に考えるほど、臀部の内出血はひどかったようである。後でベッドに横たわってから気づいたのだが、シリの右側に大きなコブが出来ていた。大っきなドラ焼きが1個、尻ポケットに入っているような感覚。しかもそのドラ焼き、ポケットに入れてから3日経過したぐらいの硬さなのである。
ブリッジ2
(ハーバーブリッジ夜9時の光景。足許の遊園地は、明かりを朝まで煌々と灯している)

 スーパー「Coles」を出るころには、さすがのシドニーにも夕暮れが近づいていた。12月下旬は、日本では冬至の季節だが、南半球のシドニーでは夏至なのであって、夏の夕陽はなかなか沈まない。午後8時になっても、9時に近づいても、まだまだ十分に明るいのである。

 それでもクリスマスのデコレーションは、夏でもやっぱり美しい。目の前の通りには、今日の写真の1枚目のような、デコレーションのトンネルが出来ている。写真ではブルーのライトであるが、これがピンクになったりグリーンに変わったり、7色に変化する。

 今井彦彦君は、「そう言えば、むかし『タイムトンネル』というドラマに夢中になったな」と思い出した。クリスマスの飾りつけが、まさに幼少時に見たタイムトンネルにそっくりだったのだ。

「タイムトンネル」は、1966年にアメリカABCで放送されたテレビドラマ。日本ではまずNHKが何度か放送し、他局でも再放送が繰り返された。ワタクシが見たのは、ずっと後の時代になってからの放送である。
ブリッジ3
(ハーバーブリッジ探検隊。参加するには、アルコール厳禁だ)

 制作年代は、ちょうどアポロ計画が急速に進行中のころ。ソ連と競い合って月や火星に行くのもいいけれども、過去や未来への旅もしてみたい。そんな時代である。

「アリゾナ砂漠のど真ん中に、タイムトンネルを建設中」と言ふ設定。若い科学者トニーとダグは、進行中の「チックタック計画」に加わった。諸君、ななんとなんと「チックタック計画」なのである。アメリカ、おそるべし。ただ一人の女性科学者アンを交えて、計画はなかなか進まない。

 ところが諸君、まだ未完成のタイムトンネルに、無謀にもトニーが入り込んでしまう。どういう未完成状態かというに、「入るのは自由だけれども、戻ってこられない」「次にどの時代に移動するのかも制御不能」。マコトにお粗末なチックタックなのだった。

 トニーちゃんは、「実際にはもう完成してるんだ!!」と証明するために、トンネルに入っちゃう。トニーを救うために、仲間のダグも入っちゃう。お馴染み、時のトンネルの中で転げ回り絶叫しながら、2人の冒険は約30話にわたって続くのである。
オペラハウス
(朝5時のオペラハウス。夕暮れと夜明けで、太陽の光に照らされる側が正反対になる。ヨットの帆のイメージだが、巨大な2枚貝にも見える)

 未来には、ホンの2回か3回しか行かなかったように記憶する。過去にばっかり移動して、ネロやヒトラーやナポレオンやリンカーンにも会うし、トロイの木馬やタイタニック号も目撃する。コルテスにマルコ・ポーロ、マキャベリやムッソリーニともお話をする。

 おお、楽しそうだ。最後に危機一髪の状況に陥ると、絶叫しながら500年でも1000年でも移動しちゃうんだから、なかなか便利なトンネルだ。今井君はこんなドラマを見ながら、世界史がずいぶん得意になった。もっとも21世紀の日本では「知識偏重だ」「思考力がつかない」と叱られちゃうかもしれない。

 あんまり知識ばかり偏重していると、ムーミンがどこで生まれたかがわからなくなり、物理の答えを間違い、試験監督をしながら眠くなってイビキをかき、みんなに厳しく叱られる。世の中はマコトに難しく、とにかく諸君、本物の思考力を磨かなきゃいけない。

 ダグとトニー、最終話でチャンと1967年に帰って来られたんだったかな? 今井彦彦の素晴らしい記憶力をヒコヒコさせてみたけれども、うーん、帰って来られなかったような気がする。「タイムトンネルは、いまだに未完成なのだ」、そういう一言が頭に浮かぶばかりである。

 だから諸君、今この2017年12月のオーストラリアに、いきなりダグとトニーの2人組がポンと出現してもおかしくないわけだ。翌日の今井君は、早朝からエアーズロックに旅立つ予定。おお、オーストラリアのオヘソ、愛を絶叫すべき世界の真ん中。いかにも2人の出現を期待できそうな場所である。

1E(Cd) Cluytens & Conservatoire:RAVEL/DAPHNIS ET CHLOÉ
2E(Cd) Miolin:RAVEL/WORKS TRANSCRIBED FOR 10-STRINGED & ALTO GUITAR
3E(Cd) Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 1/2
4E(Cd) Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 2/2
5E(Cd) Martinon:IBERT/ESCALES
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