Wed 171206 鬼が笑う/10年スパン/2027年/メコンデルタで(速攻ホーチミン13) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 171206 鬼が笑う/10年スパン/2027年/メコンデルタで(速攻ホーチミン13)

 12月も29日まで押し迫れば、世の中の人は「来年はどんな年になるかな?」と言い合い、「来年はこんな年にしよう」と、内心ギュッとコブシを固めてみるのである。

 まあそういうのも悪くはない。「来年のことを言えば鬼が笑う」と言うのは、別に「滑稽すぎて」「笑止千万だから」の意味とは限らない。来年のことを考えているとどんどん楽しくなって、あんな恐ろしい鬼でさえ思わずニンマリしてしまうという意味だと、ワタクシは常に考えている。

 だから諸君、大いに来年のことを思い、来年のことを語り合って、鬼をガハガハ爆笑させてやろうじゃないか。12月29日と30日はそのためにあるのであって、「今年1年の反省」「後悔」みたいな話は、今年の鬼に食わせてしまえば、鬼の消化器の中でカンタンに消化吸収されてしまう。
メコン1
(メコンデルタ風景 1)

 しかし今井君みたいな長老になると、「いやいや、来年の話ばかりじゃイカンぞ」と、ぬっとシャシャリ出たくなるのである。来年とは、たった365日のこと。若い諸君がそんな短いスパンの話に夢中になっていていいものでござろうかね。

 せめて諸君、「これから10年、どう過ごそうかな」「10年後は、どうなっているんだろうな」という10年思考、英語をつかわせてもらえば「Decade思考」、1年じゃなくて10年、2027年までをどう過ごすか、そのぐらいのスパンでものを考えた方がいいんじゃないか。

 たった1年で小さく凝り固まるから、12歳の前途有望な小6生を、「さあいよいよ今年は受験の年だ」とか、つまらん世界に閉じこもらせてしまう。18歳の場合もおんなじで、せっかくカップルで出かけた初詣なのに、「志望校に合格できますように」で終わってしまう。

 10年のスパンで話を進めれば、12歳の男子女子なら「有能な医師になる10年だ」とコブシを固めるだろうし、18歳のオノコ&メノコなら「30歳までにこんな論文を書こう」とか「30歳までに世界を変えるような研究を成し遂げよう」とか、やっぱりググッと話が大っきくなってくる。
メコン2
(メコンデルタ風景 2)

「何を偉そうなこと言ってんだよ」であり「じゃあオメーは何なんだよ?」であるが、はい申し訳ありません、ワタクシはしがないイチ予備校講師でございます。

 確かにその通りであるが、10年スパンでものを考えることについて、ある程度は先輩格であると言っていい。2004年12月29日、今井君は自ら「四天王」の一角だった代々木ゼミナールに、「東進に移籍させてください」と申し出た。13年前の今日、それなりに思い出の日である。

 3年前8月の大崩落以来、今や代ゼミにかつて勢いは全くないが、13年前の全盛期、四天王の一人が突然ヤメてちゃうなんてのは、「お前どうしたんだ?」「自暴自棄か?」という大事件と言ってよかった。

 しかし「自暴自棄」も何も、ワタクシはあの時、キチンと10年プランを立ててから移籍の申し出をしたのである。一口に10年プランといっても、他ならぬこの今井君だ、プランは詳細を極め、もしA4版の文書でプリントアウトすれば、100枚にも及ぶであろう詳細なプランであった。

 その10年プランが実行できたかどうかは、分からない。「何にも出来てねーじゃねーか」と冷たく突き放す人も多いはず。確かにワタクシは怠け者だから、本なんかちっとも書けていない。

 でもまあ諸君、そんなに冷笑や失笑ばかりなさいますな。シドニーの街を歩いていて、突然「今井先生ですか?」「写真、一緒にお願いします」と声をかけられるぐらいにはなったのだ。

 年100回の公開授業を13年続けて、合計1300回、1回平均150名として、20万人近い生徒諸君と生授業で触れ合うこともできた。画面でのいろんな受講生となると、単純計算で軽く100万人を超えるはずだ。

 あくまで番外編であるが、外国旅行の蓄積も、すでにたいへんなことになっている、1年平均60日とすると、13年で780日。おお、まるまる2年以上を、外国放浪に費やしたことになる。訪れた都市の数は、すで世界180都市に及ぶ。
メコン3
(メコンデルタ風景 3)

 自分で言うのもどうかと思うが、これってスゲんじゃね? イマイ程度のヤツであっても、10年とか13年とかを積み重ねると、それなりにスゲーことになる。だからこそ諸君、もっともっと前途有望な諸君に、ツマラン長老として「10年スパンで考えたまえ」ぐらいのアドバイスをしていいわけだ。

 こうしてシドニーの街にいて、ベトナム・ホーチミンの旅行記を書くのも、またマコトに感慨深いものである。「ずいぶんグローバルになったもんでござるの♡」であって、東京・ホーチミン・シドニー、ほとんど時差のない同じ子午線の南北世界を、こんなにボンボン飛び回っている。

 思えば13年前の今井君は、「どうすんだい?」だの佐々木ゼミナールだの、せせこましい予備校の世界でチョコマカ動き回るのがせいぜい。旅ですら、小さな限定されたリゾート地でピョコピョコするだけだった。

 だからこのブログも、「10年休まず書き続ける」と、思い切って宣言して始めたわけである。あと半年でその10年をキチンと実現できるのであるが、今や問題は、その後の10年だ。

 2027年までのどこかで、さすがの今井君も確実に引退するだろうし、ブログをこのまま継続するにしても、ブログと言ふもの自体、10年後には「そういえば、むかしそんなものもあったな」という思い出の世界に埋没する可能性が高い。

 ならばやっぱり、「2018年をどんな年にするか」より「2027年までの10年をどうするか」、今日と明日は10年のことを語りあい、鬼を死ぬほど大爆笑させて、ついでに鬼を福に変えてしまうおうじゃないか。鬼が福に変わっちゃえば、節分の豆まきも不要になるはずだ。
メコン4
(メコンデルタ風景 4)

 さて9月30日、メコンデルタを訪れたワタクシは、やっぱりさすがに感動が深い。幼い日々、ベトナム戦争のニュースで連日報道されていたメコンデルタは、前日の豪雨で真っ赤な泥の色に染まっていた。

 ごく穏やかな熱帯の農村地帯である。ヤシの木が生い茂り、派手な色の鳥が甲高い声で鳴き交わし、農家の庭先の巣箱の中で、無数のミツバチが凶悪なほどの羽音を立てている。

 北国育ちのワタクシとしては、あまり得意なシチュエーションではない。まず、虫がキライ。キライというより「不倶戴天の敵」と言ったほうがよくて、「シートン動物記」は好きでも「ファーブル昆虫記」は開いて見るどころか、図書館の書棚で手に取る気もしなかった。

 足が6本のうちならまだいいが、足8本とか100本とかのムシとなると、キライすぎてムシすることもできない。その種のものがこのジャングルに無数にうごめいていると思うと、いやはや、目のやり場にも困るのである。
メコン5
(メコンデルタ風景 5)

 ヘビとかトカゲとか、その類いのものもイカン。高2生の夏、自転車通学の帰りにフラフラ山の方に入っていって、2メートル以上あるヤマカガシと遭遇、全速力で逃げて帰ってきた。

 その夏、オウチの庭にもヤマカガシが出現。実は高1の冬に、秋田港の近くから「横森団地」という山の中の新興住宅地に引っ越して、緩やかな丘陵に挟まれたモトの湿地帯にオウチがあった。

 そのヤマカガシも、再び2メートル超。夏の日に照らされてキラキラ輝きながら、我が家の床下にゆっくりと這い込んでいった。その後またすぐ引っ越したので、あのヘビがその後どうなったか、関知するところではない。

 下手をすると、まだあの家の床下でとぐろを巻いて、今頃は4メートルにも5メートルにも達する大蛇になっているかもしれないが、とにかくワタクシは、ヘビのこととムシのことを考えるのは真っ平御免でござるよ。

 メコンの小舟は、他の小舟と巧みに行き違いながら、とろとろ温かい泥の水の中をゆっくりと進む。船頭さんが泥の中に竿を差し、力強く舟を推していく。福岡・柳川あたりの風景とそっくりであるが、虫偏のつく生き物が大量に存在する濃厚な気配は、さすがにメコンデルタ独特のものなのであった。

1E(Cd) The Beatles:RUBBER SOUL
2E(Cd) The Beatles:REVOLVER
3E(Cd) The Beatles:PLEASE PLEASE ME
4E(Cd) LET’S GROOVE ①
5E(Cd) LET’S GROOVE ②
total m121 y2396 d22340