Thu 171123 アクセス数急増/なぜベトナムを選んだか/バイクの激流(速攻ホーチミン3) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 171123 アクセス数急増/なぜベトナムを選んだか/バイクの激流(速攻ホーチミン3)

 なぜ今このタイミングで、ベトナム旅行記を始めるのか。今日は12月16日、まもなくクリスマスにお正月、これ以上考えられないほどに日本の情緒が横溢する季節であって、ベトナムとかホーチミンとか、ホッカホカ&ムワムワな熱帯モンスーンの土地のことを書くには、いささか季節外れの感が否めない。

 しかし諸君、どうもこのごろ、ワタクシのブログのアクセス数が異様に増えている。この数年、「ブログ」と言ふもの全体の勢いが急速に衰え、世の中の主流がツイッターやらSNSやらに大移動してしまった中、ありゃりゃ、今井ブログは猛然と読者を増やしているようである。

 今やブログの世界は、タレントさんの公式見解を発表したり、健康食品や英語教材の広告を展開する場に変わりつつある。ゴールドラッシュが去った後、冷たい風の吹き荒れる荒涼とした西部の町のオモムキである。

 それなのに諸君、「一般人の長文ブログ」という最も人気の低いカテゴリーに意地でもギュッと生き残った今井ブログは、昨日もアクセス6000超、一昨日も6000超、テレビにも新聞にも週刊誌にも全く登場していないのに、有名芸能人満載のアメーバブログの中で、アクセス順位700位台に入っている。
南国フルーツ
(インターコンチネンタルホテル・サイゴンで、豪華フルーツをサービスしていただく)

 こんな状況だと、臆病な今井君は心配でならない。「あれれ、どこかで雑誌ネタにでもなってますかね?」とか「誰かがどこかでネガティブ・キャンペーンでもやってるんですかね?」と、暗い不安が渦を巻く。

 ネガティブなキャンペーンには、むかしむかしずいぶん悩まされた。もう20年近くも昔のことだから、「何を今さら?」という気もするが、人というものはなかなかポジティブなキャンペーンをしてくれないものである。

 こういう時には諸君、旅行記に限るのである。日本国内の話、特に仕事関係の話に集中していると、どんどんアクセス数が上がっていく。逆に「モロッコを探検しました」「キューバを闊歩しました」のほうに向けると、勢いはギュッと萎んで4000とか3000とか、まあそのぐらいに落ち着いてくれる。

 しかもその3000とか4000の読者は、間違いなくワタクシに好意的な目を向けていてくれるのである。好意的でなければ、たちまち「カンケーねえ」「しらねー」「めんどくせー」「長すぎる」「読んで損した」という大河&濁流になって、偏屈な今井村からぐんぐん離れていく。
ドラゴンフルーツ
(ベトナムのドラゴンフルーツ)

 だから、「何だか知らんが、ずいぶん今井村に関心が集中してきてるぞ」と感じた場合、村長であるワタクシは、まるで土嚢でも積むように、あるいは緊急の護岸対策に励むように、マジメな海外旅行記を始めるのである。

 そりゃそうだ。マトモな人はみんな「今井 ☞ 予備校講師」と考えている。「赤本の間違いについてどう考える?」「新人講師の待遇は?」という問題について今井ブログをクリックすることがあっても、イタリアやスペインやポルトガルの情報を求めてポチッとする人は、ほぼゼロに近いはずだ。

 ならば、ふと不安を感じた時に、熱心な読者がホンワカ愛情を感じながら読んでくれる海外旅行記に逃げ込むのは、サトイモ感情としても、キウィ感情としても、楕円人間として当然のことである。

 だって諸君、おとといの記事の話題は「東京ぎらいの人」「東京東部を北上する」「戸のつく地名」「金町の大盛況」。あまり人気の出そうな記事ではないが、その記事だけで、一昨日も800アクセス、昨日も800アクセス。これって、何だか信じがたい数字じゃないですか?
今井君
(ホーチミンの今井君。20年前に購入のシャツを、20年ぶりに引っ張り出して、いよいよサイゴン散策に出かける)

 というわけで諸君、ここから年末年始にかけて、しばらくは超熱心に読んでくれている読者に向けて、フツーの人なら全く興味を居抱かないはずの「一般人の外国旅行記」に専心しようと考えるわけである。

 しかも諸君、旅の目的地はベトナムだ。今井のアジア旅行は、極めてマレである。この15年、1年平均60日の外国旅行を続けてきたけれども、その78%がヨーロッパ(トルコを含む)。北アメリカが10%、中米と南米が10%。残った2%をアフリカ(と言ってもモロッコだけであるが)とアジアが占める。

「じゃあそのアジアって?」であるが、3年前の「速攻シンガポール」であり、3泊4日で帰ってきちゃった。それもその3泊は、インターコンチネンタルホテルで貯まったポイントを使い、0円というか0ドルというか、地元にちっともオカネを落とさずにサッサと帰ってきたのである。

 別にアジアがキライなわけではない。しかしせっかく高いオカネを出して外国をのし歩くなら、日本と出来るだけ違う土地がいいじゃないか。中国でも東南アジアでも、事前に情報を集めると、「なんだ、我々とそっくりじゃないか」であり、コドモの頃の秋田の記憶が蘇ってくるばかりなのである。
大聖堂
(ホテルの真ん前、サイゴン大聖堂)

 だから、2017年9月27日、ホーチミンシティに旅立つ瞬間にも、期待感やワクワク感はあまり大きくなかった。確実に休みが取れるのが10月5日までで、「1週間しか休みがとれないなら、ヨーロッパは遠すぎる」「ならば近くのアジアにしとくか」という程度の思いだったのである。

 それでもなお、後悔はあった。たった1週間でも、例えばコモ湖、例えばマッジョーレ湖、そういうイタリアの湖水地方で暢気に湖を眺めて過ごすのもよかっただろうし、マドリードでもリスボンでもイスタンブールでも、1週間あればナンボでも旅を満喫できたはずである。

 あえて言えば、職場で目いっぱいお世話になっている人物の影響を受けたのかもしれない。彼は、大のアジア好き。「ラオスとか、カンボジアとか、名所の何にもない水田地帯で、ボーッと過ごすのが好きでして」と、ニヤッと笑った笑顔がなんとも言えず幸せそうだった。

「水田地帯でボーッと」というのでは、そりゃ今井君自身の18歳までの生活だ。諸君、昨日の記事の写真1枚目を、もう一度見てくれたまえ。水田地帯で18年間ボーッとし続けた結果の顔である。

 おお、なかなかの美少年じゃないか♡。ベトナムで1週間ボーッとしたら、ギュッと100%幸せそうなサトイモに回帰できるんじゃないか。新宿から成田エクスプレスに乗り込んだ段階のワタクシは、そう考えて薄気味悪くホクソ笑んでいたのである。
中央郵便局
(これまたホテルの真ん前、サイゴン中央郵便局)

 東京とホーチミンシティでは、時差は2時間。ヨーロッパなら7時間か8時間の時差だし、アメリカ大陸となると日付まで1日戻さなきゃいけないぐらいだから、たった2時間の時差なんか、ほぼゼロに等しい。

 午後4時成田発のヒコーキに乗れば、飛行時間は6時間半、同じ日の21時半にホーチミンシティに到着する。おお、こりゃ楽チンだ。6時間半と言えば、ヨーロッパ便の飛行機ならまだバイカル湖をちょっと越えたあたり。これからウラル山脈に向かってブンブン西に飛ばなきゃいけない。

 その時間帯に、もう目的地に着いている。エコノミー席でも、ちっともツラいことはない。東京から沖縄まで3時間弱だから、ホーチミンはそのたった2倍に過ぎないことになる。

 ただし、機体はマコトに古色蒼然としている。いつも通り今井君はエコノミーで我慢したが、目の前に広がるビジネスクラスの風景も、「ありゃりゃ、あれでビジネスクラス料金を払わされるんじゃ、結構ムカつくかもね」という世界。アジアには、エコノミーで十分のようである。
おじさん
(郵便局内には、有名なオジサマが1名。詳細は明日の記事で)

 空港の外は、「たった今スコールが止んだところです」という熱く分厚い湯気が立ち込めている。今井君はこういう熱い湯気には慣れっこであって、なんだ、普段の公開授業の中盤から終盤、同じようなモワモワ ☞ サウナみたいな湯気の中で熱弁をふるっている。

 だから諸君、やっぱり「海外にきた」という夢のような幸福感はないのである。両替所でベトナムの通貨を手に入れ、「20万ドン」とか「10万ドン」とか、ズラリと並ぶゼロの数に圧倒されながらも、落ち着いて雨の暗闇をホテルに向かった。

 20万ドンとは、1000円である。10万ドンは500円。常に200で割ればいいから、わかりやすい。それでもホテルでタクシーを降りる時、ドライバーに50万ドンを要求されれば、それはそれなりにビックリする。

 こうして諸君、大量のバイクに感激する日々が始まるのである。バイクというかスクーターというか、クルマより歩行者より圧倒的に多い2輪車の洪水。アジアの激流は、そのスクーターの数に象徴されているようである。

1E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 4/9
2E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 5/9
3E(Cd) Akiko Suwanai:SOUVENIR
6D(DMv) THE BOOK OF ELI
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