Mon 171120 バッカリ食べ炸裂/熊本県八代の大盛況/全国区だった昭和の早稲田 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 171120 バッカリ食べ炸裂/熊本県八代の大盛況/全国区だった昭和の早稲田

 話が少し前後するが、今日はまず昨日の福岡空港の話から書くことにする。12月12日、福岡は強烈な寒波の真っ只中。福岡は日本海側の街であって、寒波が強まると北西の季節風にさらされ、雪が舞う。

 ただしやっぱり南国♡九州だ。12月の福岡で雪になるのは珍しい。今年の日本は8月からずっと気温が低めであって、「黒潮の大蛇行」から何から、半世紀前の「38豪雪」と状況がそっくりであるらしい。1月から2月にかけて、たいへんな豪雪が日本を襲いそうな予感がする。

 宿泊していたホテルは、博多駅前のANAクラウンプラザホテル。どの部屋に泊まっても、「窓を開ければ代ゼミビュー」であって、昭和を彩った巨大予備校代々木ゼミナールには、今や「自習室メイト募集中」の垂れ幕が出ている。自習室収入で生き残りを模索しているわけだ。

 その「代ゼミビュー」にも、寒々とした白い雪が舞う。というか、これはもう吹雪のカテゴリーであって、北国出身の今井君でも外に出るのを躊躇する。13時まで部屋でゆっくりして、それから空港に向かうことにした。夕暮れから東京・金町で公開授業の予定。14時半のヒコーキに乗らなければならない。
ステーキ1
(福岡空港で200グラムのステーキ、1枚目)

 どんなに寒くても、タクシーには乗らない。おお、今井君は本当に偉くなった。チャンスがあるたびに、ひたすら歩く。脱タクシーを宣言して11ヶ月。歩きに歩いて、ますます健康になってきた。博多駅から地下鉄に乗って5分、改めて福岡空港の便利さを痛感する。

 ヒコーキの出発まで1時間もあったので、空港ランチを楽しんでいくことにする。だってこの後は、東京都葛飾区で21時まで猛然と仕事に励むのだ。晩飯にありつけるのは夜10時を過ぎる。どっしり重いランチでも貪っておかなきゃ、仕事にも差し支える。

 選んだのは、豪華ステーキ店。あえてここに店の名前は記さない。興味津々なオカタは、「福岡空港 ステーキ」でググってくれたまえ。大改修と新装が完成しつつある福岡空港の3階、お馴染みの居酒屋でも良かったけれども、このあと仕事があるんだから、居酒屋は完全にご法度だ。
雪が降る
(ホテルからの眺め。12月の福岡に激しい雪が舞っていた)

 広い店内に、お客は8割程度。ちょうどいい混雑ぶりである。これ以上空いていると、何だか自分の選択眼が心配になる。逆にこれ以上混雑していると、内気な今井君は入店することを躊躇するのである。

 幸い4人掛けのテーブルが3つも空いていて、余裕で荷物を置くこともできた。マコトにいい気分で注文したのは「テンダーロインステーキ 200グラム」、3000円。おや贅沢ですな。

 でも諸君、長崎・熊本・福岡と3日間も西九州をのし歩いて、タクシーをほとんど使っていないんだから、節約したタクシー代をステーキに集中投資するのは、消費者行動としてそれほど間違っていないじゃないか。
ステーキ2
(200グラムステーキ、2枚目を注文。明らかに増量されていた)

 ふと目の前のテーブルを見ると、筋肉隆々の30歳代男子が肉をワシワシやっている。確かにどこかで見た顔だ。二の腕なんか、その辺のオジサンのフトモモなみに太い。太い腕に太い血管が浮き出して、おお諸君、すげーかっけーじゃないか。

 テレビの総合格闘技番組でおなじみの格闘家である。滅多にテレビをみないワタクシ、格闘技番組を見ることは3年に1回ぐらいというワタクシが知っているんだから、強烈に有名な人物である。あえてここには名前を出さないでおく。

 ただし、「格闘家」という名詞から想像するワイルドさは、彼の食事ぶりにはない。1500円のステーキランチセット、マコトにお行儀よくスープとサラダを口に運び、ナイフとフォークで孤独のグルメを満喫中のご様子である。

 うほ、それに対してこの今井君はどうだ。いきなり「テンダーロインステーキ 200グラム!!」。ウェイターのオジサマが心配して「スープは必要ありませんか?」「サラダは召し上がりませんか?」「パンやライスは?」と質問してくれるのだが、すべて即座に「いいえ!!」と言い切った。

 つまり諸君、福岡空港で「今井のバッカリ食べ」が炸裂したのである。肉が食べたいなら、肉しか食べない。格闘家がおとなしく品行方正にしていても、サトイモは品行方正が苦手。だって楕円形に品行方正は似合わない。
有明海
(穏やかな有明海の風景)

 というわけで諸君、いったん炸裂しちゃった「バッカリ食べ」は止まらない。楕円形のラグビーボールが、転がりだしたら手に負えないのと同じである。

 200グラムを平らげるのに、約5分。食べ終わらないうちから「すみません、テンダーロインステーキ、もう200グラム追加でお願いします」と、ウェイターをびっくり仰天させる暴挙に出た。

 2皿目、明らかに1皿目より増量されている。厨房の忖度で、「サービスしなきゃな♡」と言ふことになったのに決まっている。アルゼンチン発祥のグリーンハーブソースが絶品。大好きなチミチュリソースとは違うけれども、やっぱり今井君はアルゼンチンが大好きなのだ。

 格闘家のダンナは、そうやってはしゃいでいるサトイモを横目で眺めながら、クールにカッコよくスカッと帰っていった。おお、カッケー。やっぱり男子はあんなふうでなければいかんね。

 ランチにテンダーロインステーキ合計400グラム、それを15分足らずで平らげるなんて、そんなサトイモ行動とは、格闘家は無縁なのだ。カッケー肉体を維持するためには、バランスのとれた食事が基本。バッカリ食べ炸裂だなんて、そんなバッカなことは、このサトイモ君に任せておけばいい。
八代
(熊本県八代の大盛況)

 さて、この前日であるが、12月11日のワタクシは、熊本県八代で公開授業。急激に寒波の強まった夜だったが、予定を上回る110名が集まってくれた。

 完全外部生もおおぜい。寒波の中、今井自身も大汗をかいて全身びしょ濡れになったし、受講生諸君も笑いすぎでスーパー大汗。「こんなに汗をかかせてしまって、帰り道で冷えなきゃいいがな」と、むしろ心配になるほどであった。

 終了後、鹿児島本線・八代駅前のシックな居酒屋で祝杯をあげる。九州新幹線「新八代」の駅前には、まだ「東横イン」と言ふビジネスホテルが1軒あるだけであって、祝杯をあげるのは完璧にムリ。新幹線の開業以来、若干寂れてしまった感はあっても、やっぱり宴会は旧市街に限る。

 今井君とほぼ同じ年齢で、早稲田大学文学部出身のオジサマと、むかしの早稲田の話で盛り上がった。20世紀の早稲田は、たいへん田舎くさい大学であって、東北や九州や中国四国の地方都市から、初めて首都圏に出てきた若者が主流を占めていた。

 ところが21世紀の早稲田は、首都圏のオシャレでハイソな男子&女子でマコトに華やかな雰囲気。ビューティ・コンテストのファイナリストなんかに、慶応や上智や立教より数多く登場するほどになった。全国区の大学から、首都圏ローカルの大学に萎んじゃった感がある。
博多駅前
(JR博多駅前のイルミネーション)

 20世紀の全国区♡早稲田のほうが、よかったんじゃないか。五木寛之「青春の門」、尾崎士郎「人生劇場」、早稲田が舞台の小説群でヒーローやヒロインを演ずるのも、圧倒的に地方出身の若者だった。

「人生劇場」の主人公は、愛知県吉良町から上京し、早稲田に入学した青成瓢吉(あおなり・ひょうきち)。「青春の門」は、福岡県の筑豊炭田の町から上京、やっぱり早稲田に入った伊吹信介が主人公。いやはや、恥ずかしい時代である。

 しかし今やその「青春の門」も「人生劇場」も、早稲田大学政経学部出身の優秀な若者でも「知りませんでした」とおっしゃるのである。文学部で東洋哲学と宗教学の本にのめり込んでいたというオジサマと、「時代は完全に変わったんですね」、そう言いながら苦笑したものである。

 八代からの帰り、その優秀な若者と同じ新幹線に乗った。若者は熊本まで10分、ワタクシは博多まで50分。こんなに近いんじゃ、出張で八代や大牟田を訪れた人も、サッサと熊本や博多まで帰っちゃって、地元のホテルや飲食店にオカネを落とさない。

 九州新幹線って、結局は何でもかんでも福岡への一極集中を招き、地方都市の収縮と衰退の原因に繋がりそうな気がするのだが、それは今井君の取り越し苦労か。

 帰りついた真夜中の博多は、他の都市とは比較にならないほどまばゆいイルミネーションが、美しく駅前を飾っている。ドイツふうのクリスマス市も開催中。いやはや、地域間格差の拡大は、とどまるところを知らないのである。

1E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 6/6
2E(Cd) Kempe & Münchener:BEETHOVEN/SYNPHONIE Nr.6
3E(Cd) Karajan & Wiener:BEETHOVEN/MISSA SOLEMNIS 1/2
6D(DMv) NOVEMBER MAN
total m116 y2215 d22159