Wed 171108 星野リゾートのこと/肥大化を止めなきゃ/断捨離2枚/駅蕎麦と留萌本線 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 171108 星野リゾートのこと/肥大化を止めなきゃ/断捨離2枚/駅蕎麦と留萌本線

 こういう日々を過ごしていると、少なくとも1年に100日は「ホテルで目覚める」と言ふ経験を重ねる。50日±αは海外、残り50日±βは国内、まあそういうことであるが、それを15年近く続けていれば、ホテルとか宿屋についても、独特の一家言ぐらいは持つようになる。

「書店では買えない雑誌」を売り文句に、月3万部をうたっている雑誌がある。「選択」という誌名であるが、今朝の朝日新聞にデカデカと出した広告の中に「星野リゾート」についての言及がある。

 マスメディアでは頻繁に大きく取り上げられ、大手町「星のや東京」や、嵐山「星のや京都」については、ほとんどのメディアが絶賛の形で紹介している。

 軽井沢やバリ島についても同じことで、不平不満の影も形も見えない。星野サン自身がメディアに目いっぱい登場、業界の勝ち組ふうの発言を繰り返すことにおいて、規模は違うが、バブル末期の「マネーの虎」「生活創庫」「なんでんなんでん」を彷彿とさせるものがある。

 しかし諸君、実際の星野リゾートに宿泊してみると、「そんなに絶賛するほどかい?」と首をひねることもある。雑誌「選択」の手厳しい見出しによれば、確かにマスコミの外側では、以下のような厳しい評価も少なくないのである。

「顧客が離れる無謀な肥大化 … 急成長の陰で、低レベルの施設とサービスに失望する顧客も多い。つぶれた旅館の再利用では限界があり、無理な拡大が人手不足に拍車をかける。メディアは持ち上げるが、すでに頭打ちか」

 いやはや、「同感でござる」「同感&同感」、ふとヒザをポンと打つほどであったが、この辺については、我々みたいな予備校講師も、決してノホホンと構えているわけにはいかないのである。不断の改善の努力を怠れば、あっという間に暗黒の奈落がパクッと口を開く。
断捨離1
(札幌でワイシャツ2枚を断捨離する)

 そもそも諸君、「肥大化」という文字が、今井君の心を厳しくムチ打つのである。もちろんフザけて言っているのだが、ホテルで目覚めた朝の風呂上がりに、自らの肥大化した肉体を眺めて愕然とする。

 おやおや、顔も肥大化、態度も肥大化、全てがブワッと肥大化して、「こんな肥大化した英語講師じゃ困るじゃないか」「肥大化した顔と肉体で、1ヶ月半後に控えた新講座収録は大丈夫かい?」と、鏡に向かって問いかける。

 今回の新収録講座「E組」、その中身については絶対の自信があって、READING・LISTENING・WRITING・SPEAKING、4技能すべてにおいてクオリティはたいへん高い。受講生や運営する塾サイドにかかる負担も少ない。費用もかからず、心と肉体にかかる負担を最小限に留められる。

 出来あがったテキストを眺めながら、イマイ自ら陶然とするほどであるし、これから綿密な協力関係を維持しつつ一緒に講座を作っていく英語科の担当者も、「これはスゴく面白そうな講座になりますね」「最高に充実した講座にできそうですね」と大喜びしてくれる。

 しかし諸君、現時点で最も大きな問題は、今井君の肉体のこの肥大化だ。雑誌「選択」が星野リゾートに求めた「余計な肉を削ぎ落とす努力」は、里芋リゾートにもギュッと突きつけられているのではないか。
断捨離2
(20年にわたって愛用したシマシマ君。袖も襟もボロボロだ)

 11月26日の札幌懇親会があまりにも楽しかったので(スミマセン、昨日の続きです)、17時からの和食フルコース、20時からのジビエ満載コースともに、遠慮なく満喫させていただいた。そのぶん翌27日早朝、ホテル33階の部屋で目覚めれば、肥大サトイモの姿に愕然とするのであった。

 諸君、この楕円形はすでに、里芋とかキウィとか、そんな可愛いものではない。はっきり「パイナップル」である。それ以下のプリティ楕円形ではないのだ。こりゃ参った。肥大化に歯止めがかからない。日本財政の借金よろしく、どこかで徳政令でも出して、無理やりストップさせるしか方法はなさそうだ。

 9月上旬、ノルウェーのオスロから帰還した時に立てた目標は、年末までに12kg減。あの日84kgを超えていた体重を、年末までに72kgにまで減量して、満を持して新講座収録に向かおうと考えていた。

 ところが諸君11月27日の段階で、いまだに体重は81.4kg。3ヶ月で2.5kgの減量に成功したに留まっている。うにゃにゃ、まあ「貫禄がある」と言えば言えないことはないが、楕円形が肥大化を止められないと、要するに楕円は完全な円形ないし球体に接近するばかりだ。
エビ天蕎麦
(札幌駅構内のお蕎麦屋で海老天そばをすする)

 うーむ、悩ましい。肥大化の流れを、何とかして止めなければならない。今回「ワイシャツ2枚を断捨離」という苦い決断に至ったのも、その辺の焦りが影響していたのかもしれない。

 1枚目のシマシマは、マルセイユに本社のあるメーカーのもの。今井君はマルセイユの街が大好きで、過去15年で合計35日もマルセイユに滞在したのであるが、このワイシャツも「マルセイユ製品」と考えただけでなかなか捨てられず、結局もう20年も愛用してきた。

 しかしさすがにワイシャツというカテゴリーで「20年」は非常識だろう。冬のコート2着のうちの1枚は、1988年から愛用してすでに30年選手になるが、それはあくまで「冬のコート」だから。着るたびに汗びっしょりになるワイシャツで20年は、やっぱり働かせすぎだ。

 今回の札幌出張も、このマルセイユ君に頼ったわけであるが、会場の控え室で袋から出してみると、袖口はボロボロにむしれているし、首回りはもうシマシマの模様が削れてしまった。襟の生地が薄くなって、プラスチックの襟芯が、穴から外に突き出している。おお、これはもう「危険な水域」である。

 さすがのワタクシも「完全断捨離」を決意。札幌550人の大盛況をマルセイユ君の仕事納めとして、シャツの天国に旅立たせてあげることにした。20年、20世紀の最終盤から、本当によくワタクシを支えてくれた。
国稀
(札幌駅のお蕎麦屋で、日本酒も注文する。懐かしい増毛町の「国稀」が出てきた)

 同時にもう1枚、最初は白かったはずなのに、20年のうちにすっかりクリーム色に変色したワイシャツ君の断捨離も決めた。コイツを購入したのは、20年前の埼玉県春日部、イトーヨーカドーの3階である。今井君はまだ駿台予備校講師。御茶ノ水の本部校舎で「一日9コマ」とか、たいへんな日々を過ごしていた。

 写真に撮って眺めてみるに、もしこれが最初からクリーム色だったとすれば、「まだまだ活躍できるじゃないか」というカテゴリーではあるが、もともと純白だったのだから、部位部位でまだ白かったり、とっくの昔にクリームだったり、マダラのシャツになってしまった。断捨離を決意せざるを得ない。

 まあ諸君、こうして今井君は日々リニューアルを繰り返し、年末までには肥大化にストップをかけた「ニュー今井」ないし「今井ネオ」「シン里芋」として新講座収録に臨むのである。

 その前にシドニー滞在があるけれども、シドニーではチキンと生牡蠣の日々を過ごし、せっかくストップした肥大化が再びスタートしたり、「元も子もないじゃないか」というカタストロフィに陥ることのないように、ひたすら節制の日々としなくてはならない。
ホッキ貝
(新千歳空港「一灯庵」のホッキ貝刺身)

 だから諸君、まあ今日はいいじゃないか。札幌懇親会ではひたすら魚と肉に限定して、炭水化物をシャットアウトしていたのだ。朝昼兼用で、駅構内のお蕎麦ぐらいすすっても許されるはずだ。

 そういう油断がニュッと飛び出して、ズルズルすすってしまったのが、札幌駅構内に「幌加内そば」のノボリを立てた馴染みのお蕎麦屋さん。豪華エビ天を2本ものっけて、こりゃ諸君、大満足である。

 ついでだから、日本酒も1本注文しちゃった。お仕事のない日なんだから、1本ぐらいいいじゃないか。銘柄は「国稀」。増毛町のお酒である。思えばこの2年、この時期の札幌出張にうまく絡めて、2年連続で留萌本線 の終点 ☞ 増毛の町まで日帰りで列車の旅した。

 しかし、留萌 ↔ ︎増毛間は、昨年12月で廃線となってしまった。今や列車は留萌までしか走っていない。日本海を右に見て、増毛まで南下することはできないのだ。

 たったいま断捨離した2枚のワイシャツの思い出と、どうしても重なってしまうのである。駅の蕎麦屋でカップ酒をチビチビやりながら、大のオトナの里芋が涙ぐんでいるわけにもいかないが、諸君、この世とは、マコトにはかないものであるね。

1E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 1/5
2E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 2/5
3E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 3/5
6D(DMv) REGARDING HENRY
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