Sun 171001 佐世保の大盛況/松浦鉄道54駅の旅を自重する/おばば松浦おもしろ話
長崎県佐世保に出張していたのが10月20日。博多経由で帰京したのが21日、台風と衆議院選挙が22日だったから、よく考えてみればあの頃、ワタクシの背後から925ヘクトパスカルの巨大台風がヒタヒタと迫ってきていたことになる。
ヒコーキが福岡空港を飛び立ったのは、21日19時。その12時間後には西の方から順々にヒコーキの欠航が決まりはじめていた。いやはや、相も変わらず綱わたり的な移動を繰り返しているが、今井君は泰然自若、滅多に動ずることはない。
ついこの間だって、キューバのハバナからメキシコシティに飛ぶヒコーキの背後には、メキシコ湾やらカリブ海やらを跋扈する凶悪なハリケーンが大っきな輪っかを描いていた。
だから「タイフーンが迫っています」と天気予報のオネーサマやオジサマが繰り返し繰り返し警告してくれても、時間の許すかぎり暢気に観光を続けるのである。
もちろん、佐世保は「日本最西端の駅」。佐世保の塾長がそうおっしゃって自慢げに微笑した時には、ワタクシも即座に頷いた。「そうですね、今は最西端ですよね」「昔は平戸でしたけど」。諸君、今井君はやっぱりなかなか物知りである。
(のどかな長崎・大村線の夕暮れ)
平戸は、江戸時代のオランダ商館で有名。オランダ先生に医学をはじめありとあらゆることを学んでいた江戸時代の日本では、まさに平戸は超先進地域であった。
佐世保から平戸へは、昭和の時代には「国鉄 松浦線」で行った。長崎始発の急行「平戸」なんてのがあって、長崎から大村線で佐世保へ、佐世保から平戸口・松浦・伊万里を経由して、唐津までを4時間かけて疾走した。
20世紀終盤に、国鉄松浦線は第3セクター「松浦鉄道」に名称変更。略して「松鉄」、地元のヒトビトに親しまれ、佐世保駅にも「MRのりば」の看板があった。MR ☞ Matsuura Railwayの略称である。2000円で1日乗車券を買えば、丸1日乗り放題になる。
ホンモノの最西端の駅「たびら平戸口」では「訪問証明書」がもらえる。今井君は2009年にポルトガルのロカ岬で「ユーラシア大陸最西端・訪問証明書」をもらってきたほどの最西端ファン。たびら平戸口、ぜひ訪問してみんべいと、張り切っていた。
(佐世保駅構内で「日本最西端の駅」の文字を発見)
しかし諸君、さすがに出張とセットでは、松浦鉄道の旅はキビシイ。路線図を見てくれれば分かることだが、この鉄道は東京・丸ノ内線なみの強烈なU字路線なのである。
佐世保から平戸口までは東シナ海を右に見て北上、平戸口で東に向きを変え、松浦からは南東へ。やがてたどり着いた伊万里からは南に向かい、終着・有田まで3時間。驚くなかれ、停車駅は54駅を数える。
まあ、3分に1回停車するんだから致し方ないが、54駅もエッチラ&オッチラ走り抜く旅を、公開授業前に計画するわけには行かないじゃないか。
確かに江戸時代の人は東海道中五十三次を歩きぬいたが、今井君はレッキとした現代のサトイモであって、54駅なんか走りぬいたら、すっかり茹だってせっかくのサトイモがベロベロに溶けだしちゃいかねない。
こりゃ自重するしかないだろう。そう思った瞬間、もう悲しくて涙が出そうである。九州の北西にUの字を描いて地道に走るMRの路線を撫でながら、「御厨」「今福」「夫婦岩」、そういう奥ゆかしい駅名に眺め入った。
「里」などという、そのものズバリな駅名もある。どれもみんな写真に撮って、このブログに掲載したかった。SNS映えもインスタ映えもしないだろうけれども、もし引っ込み思案の野良猫にでも遭遇したら、最高の思い出になるだろう。
(佐世保港の夕焼け)
「松浦」については、むかしむかしワタクシがまだ子供の頃に慣れ親しんだNHKラジオドラマを思い出す。タイトルは「おばば松浦おもしろ話」。東京の売れない女優が、親にゆかりの松浦の町を訪れ、地元おばばの流暢な昔語りに聞き惚れるうち、やがてゆっくりと立ち直っていくストーリーだった。
その「東京の売れない女優」を演じていたのが、きわめて若い頃の高畑淳子どんではなかったか。うっすら記憶に残っているような、残っていないような、いろいろ押し入れのカセットテープを引っ掻き回してみたが、録音したテープはどこかに紛失してしまった。
他にも、ゆかしい地名が目白押しである。「佐々」「潜竜ヶ滝」「鳴石」。かつて甲子園センバツで優勝した清峰高校もこの沿線だ。長崎県勢の甲子園初制覇は、こんなローカル線沿線の公立高校だったのである。
(あごだしポテトチップス。誰が考えても旨そうだ)
今井君がまだ「どうすんだい?」の若手スーパーホープだった遥かな昔、御茶の水の本部校舎で、しょっちゅう英作文を添削してもらいにくる「伊万里」という名の生徒がいた。
1993年か94年だから、もう40歳台に入っておられるはず。いやはや、時の立つのは早いものである。「焼き物の伊万里と何か関係があるんですか?」と尋ねると、「両親ともに伊万里の出身です」と嬉しそうに笑っていらっしゃった。
ついでだが、下北沢から三軒茶屋に向かって太子堂の坂道を下っていくと、右側に「伊万里」という看板の居酒屋ないし小料理屋を発見する。今井君が昔しょっちゅう出没したあたりであるが、今も「伊万里」が残っているかどうか、最近は行かないから定かではない。
以上が、佐世保の駅をほっつき歩きながらワタクシが思っていたいろいろである。松浦鉄道の旅は、これからもまだまだチャンスがあるだろう。特に平戸については、少なくとも丸1日か2日、ゆっくりと時間をとって回りたい。仕事前の駆け足で済ませたら、きっと平戸に失礼だ。
スタッフとの待ち合わせまで、少し時間が余ったので、佐世保の港に出てみた。ここは国際航路も発着する大きな港で、キレイなショッピングセンターなど、施設も充実している。
「こんなに消費が冷え込んでいる時代に」「景気回復の実感なんか、少しもありませんよね、皆さん」と、野党の選挙カーからは厳しい景気認識の声が流れてくるが、おお、佐世保はなかなか好調のようじゃないか。
(佐世保の大盛況)
佐世保での公開授業は、19時45分スタート、21時15分終了。出席者は約130名。佐世保は3年ぶり、この加盟校サンで公開授業を行うのは、確か8年か9年ぶりであるが、「初めて東進に来てみました」という諸君も20名を超えて、お馴染み「会場パンパン」の大盛況になった。
使用したテキストは「C」。前半では ① たっぷり笑うこと ② 腱鞘炎になるぐらいにメモをとりまくることの重要性を語り、後半の40分で精選例題5問を徹底解説する。
マジメな授業部分でも、30秒に1回の大爆笑を実現するのである。ワタクシはごく普通のオジサンであるが、準備さえ徹底すれば、そのぐらいのことは確実に実現できる。
終了後、「佐世保で一番予約のとれない店」で懇親会。焼き鳥屋さんであって、確かに店に看板がない。看板なんか出していられないほど繁盛して、ブログなんかで紹介はしてほしくないのかもしれないが、店の名は「快獣」。大将は、今日の公開授業を主催してくれた塾のモト生徒なのだという。
次々とテーブルに運ばれてくる焼き鳥の数々、ホントにおいしゅーございました。佐世保と言えば、ウチワ海老やらウニやら活イカやら、何となく海の幸のほうに目がいくけれども、海の街の焼き鳥も、マコトにオツなものである。
1E(Cd) Candy Dulfer:LIVE IN AMSTERDAM
2E(Cd) Hungarian Quartet:BRAHMS/CLARINET QUARTET・PIANO QUINTET
3E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE①
4E(Cd) Akiko Suwanai:DVOŘÁK VIOLIN CONCERTO & SARASATE
5E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE②
total m5 y1922 d21870
ヒコーキが福岡空港を飛び立ったのは、21日19時。その12時間後には西の方から順々にヒコーキの欠航が決まりはじめていた。いやはや、相も変わらず綱わたり的な移動を繰り返しているが、今井君は泰然自若、滅多に動ずることはない。
ついこの間だって、キューバのハバナからメキシコシティに飛ぶヒコーキの背後には、メキシコ湾やらカリブ海やらを跋扈する凶悪なハリケーンが大っきな輪っかを描いていた。
だから「タイフーンが迫っています」と天気予報のオネーサマやオジサマが繰り返し繰り返し警告してくれても、時間の許すかぎり暢気に観光を続けるのである。
もちろん、佐世保は「日本最西端の駅」。佐世保の塾長がそうおっしゃって自慢げに微笑した時には、ワタクシも即座に頷いた。「そうですね、今は最西端ですよね」「昔は平戸でしたけど」。諸君、今井君はやっぱりなかなか物知りである。
(のどかな長崎・大村線の夕暮れ)
平戸は、江戸時代のオランダ商館で有名。オランダ先生に医学をはじめありとあらゆることを学んでいた江戸時代の日本では、まさに平戸は超先進地域であった。
佐世保から平戸へは、昭和の時代には「国鉄 松浦線」で行った。長崎始発の急行「平戸」なんてのがあって、長崎から大村線で佐世保へ、佐世保から平戸口・松浦・伊万里を経由して、唐津までを4時間かけて疾走した。
20世紀終盤に、国鉄松浦線は第3セクター「松浦鉄道」に名称変更。略して「松鉄」、地元のヒトビトに親しまれ、佐世保駅にも「MRのりば」の看板があった。MR ☞ Matsuura Railwayの略称である。2000円で1日乗車券を買えば、丸1日乗り放題になる。
ホンモノの最西端の駅「たびら平戸口」では「訪問証明書」がもらえる。今井君は2009年にポルトガルのロカ岬で「ユーラシア大陸最西端・訪問証明書」をもらってきたほどの最西端ファン。たびら平戸口、ぜひ訪問してみんべいと、張り切っていた。
(佐世保駅構内で「日本最西端の駅」の文字を発見)
しかし諸君、さすがに出張とセットでは、松浦鉄道の旅はキビシイ。路線図を見てくれれば分かることだが、この鉄道は東京・丸ノ内線なみの強烈なU字路線なのである。
佐世保から平戸口までは東シナ海を右に見て北上、平戸口で東に向きを変え、松浦からは南東へ。やがてたどり着いた伊万里からは南に向かい、終着・有田まで3時間。驚くなかれ、停車駅は54駅を数える。
まあ、3分に1回停車するんだから致し方ないが、54駅もエッチラ&オッチラ走り抜く旅を、公開授業前に計画するわけには行かないじゃないか。
確かに江戸時代の人は東海道中五十三次を歩きぬいたが、今井君はレッキとした現代のサトイモであって、54駅なんか走りぬいたら、すっかり茹だってせっかくのサトイモがベロベロに溶けだしちゃいかねない。
こりゃ自重するしかないだろう。そう思った瞬間、もう悲しくて涙が出そうである。九州の北西にUの字を描いて地道に走るMRの路線を撫でながら、「御厨」「今福」「夫婦岩」、そういう奥ゆかしい駅名に眺め入った。
「里」などという、そのものズバリな駅名もある。どれもみんな写真に撮って、このブログに掲載したかった。SNS映えもインスタ映えもしないだろうけれども、もし引っ込み思案の野良猫にでも遭遇したら、最高の思い出になるだろう。
(佐世保港の夕焼け)
「松浦」については、むかしむかしワタクシがまだ子供の頃に慣れ親しんだNHKラジオドラマを思い出す。タイトルは「おばば松浦おもしろ話」。東京の売れない女優が、親にゆかりの松浦の町を訪れ、地元おばばの流暢な昔語りに聞き惚れるうち、やがてゆっくりと立ち直っていくストーリーだった。
その「東京の売れない女優」を演じていたのが、きわめて若い頃の高畑淳子どんではなかったか。うっすら記憶に残っているような、残っていないような、いろいろ押し入れのカセットテープを引っ掻き回してみたが、録音したテープはどこかに紛失してしまった。
他にも、ゆかしい地名が目白押しである。「佐々」「潜竜ヶ滝」「鳴石」。かつて甲子園センバツで優勝した清峰高校もこの沿線だ。長崎県勢の甲子園初制覇は、こんなローカル線沿線の公立高校だったのである。
(あごだしポテトチップス。誰が考えても旨そうだ)
今井君がまだ「どうすんだい?」の若手スーパーホープだった遥かな昔、御茶の水の本部校舎で、しょっちゅう英作文を添削してもらいにくる「伊万里」という名の生徒がいた。
1993年か94年だから、もう40歳台に入っておられるはず。いやはや、時の立つのは早いものである。「焼き物の伊万里と何か関係があるんですか?」と尋ねると、「両親ともに伊万里の出身です」と嬉しそうに笑っていらっしゃった。
ついでだが、下北沢から三軒茶屋に向かって太子堂の坂道を下っていくと、右側に「伊万里」という看板の居酒屋ないし小料理屋を発見する。今井君が昔しょっちゅう出没したあたりであるが、今も「伊万里」が残っているかどうか、最近は行かないから定かではない。
以上が、佐世保の駅をほっつき歩きながらワタクシが思っていたいろいろである。松浦鉄道の旅は、これからもまだまだチャンスがあるだろう。特に平戸については、少なくとも丸1日か2日、ゆっくりと時間をとって回りたい。仕事前の駆け足で済ませたら、きっと平戸に失礼だ。
スタッフとの待ち合わせまで、少し時間が余ったので、佐世保の港に出てみた。ここは国際航路も発着する大きな港で、キレイなショッピングセンターなど、施設も充実している。
「こんなに消費が冷え込んでいる時代に」「景気回復の実感なんか、少しもありませんよね、皆さん」と、野党の選挙カーからは厳しい景気認識の声が流れてくるが、おお、佐世保はなかなか好調のようじゃないか。
(佐世保の大盛況)
佐世保での公開授業は、19時45分スタート、21時15分終了。出席者は約130名。佐世保は3年ぶり、この加盟校サンで公開授業を行うのは、確か8年か9年ぶりであるが、「初めて東進に来てみました」という諸君も20名を超えて、お馴染み「会場パンパン」の大盛況になった。
使用したテキストは「C」。前半では ① たっぷり笑うこと ② 腱鞘炎になるぐらいにメモをとりまくることの重要性を語り、後半の40分で精選例題5問を徹底解説する。
マジメな授業部分でも、30秒に1回の大爆笑を実現するのである。ワタクシはごく普通のオジサンであるが、準備さえ徹底すれば、そのぐらいのことは確実に実現できる。
終了後、「佐世保で一番予約のとれない店」で懇親会。焼き鳥屋さんであって、確かに店に看板がない。看板なんか出していられないほど繁盛して、ブログなんかで紹介はしてほしくないのかもしれないが、店の名は「快獣」。大将は、今日の公開授業を主催してくれた塾のモト生徒なのだという。
次々とテーブルに運ばれてくる焼き鳥の数々、ホントにおいしゅーございました。佐世保と言えば、ウチワ海老やらウニやら活イカやら、何となく海の幸のほうに目がいくけれども、海の街の焼き鳥も、マコトにオツなものである。
1E(Cd) Candy Dulfer:LIVE IN AMSTERDAM
2E(Cd) Hungarian Quartet:BRAHMS/CLARINET QUARTET・PIANO QUINTET
3E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE①
4E(Cd) Akiko Suwanai:DVOŘÁK VIOLIN CONCERTO & SARASATE
5E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE②
total m5 y1922 d21870