Wed 170913 帰国報告その2/昨日、ベトナムから帰国いたしました(速攻ホーチミン2) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 170913 帰国報告その2/昨日、ベトナムから帰国いたしました(速攻ホーチミン2)

 今日もまたベトナムからの帰国報告とさせていただく。「夏でも寒いよー」のオスロの街の旅行記の真っ最中、いきなり高温多湿な熱帯モンスーンのベトナム南部からの帰国報告が挿入されるんじゃ、さすがに読者もたいへんだろう。

 しかしまさにその神出鬼没こそがサトイモ君の真骨頂なので、そこはガマンして戴くしか致し方ない。何しろ世の中は政党ホッピングないし新党サーフィンの大流行中だ。

 ノルウェーのお船の上でブルブル震えていたものが、突如ベトナムに姿を現すぐらい、左派リベラルどんがあら不思議、翌日には安保法制容認で頭を掻きながらニヤニヤ、そういう姿に比べれば、別に驚くにあたらない。
メコン1
(大河メコンの風景)

⑤ 10月1日
 ホーチミンシティからバスに乗って、南西のメコンデルタを目指す。町の名は「ミトー」「カントー」。思わず「水戸」「関東」を連想するが、赤茶色い泥の大河にゴツいホテイアオイが大量に浮かぶ豪快さは、関東平野の光景とは明らかに一線を画している。

 手漕ぎの船で、ココナツとアシの生い茂る穏やかな大湿地帯を行く。ワタクシの世代にとって「メコン・デルタ」は、コドモの頃に連日ニュースで聞かされたベトナム戦争の惨劇をまざまざと思い出させる地名であるが、今はすっかり平和、21世紀的カオスの只中で、どの村落もトロトロと眠たげだった。
メコン2
(メコン・デルタの村落 1)

メコン3
(メコン・デルタの村落 2)

⑥ 10月2日
 朝から激しい雨に雷が混じって、さすが熱帯モンスーン、ヌルい温帯の人間のドギモを抜くバイク洪水は、こんな豪雨の中でも決して止まることがない。あらゆる交差点に無数のバイクが唸りをあげ、「熱狂」というか「狂騒」というか「奔流」というか、アジアの熱気をバイクの渦が体現する。

 雨の中、フォーをすすりに行く。店の名は「Cat Tuong」、ホントは母音の上にいろんな記号がウヨウヨくっついて、コトバの上でも「さすが熱帯モンスーン」の熱気を感じるのであるが、残念なことにアメーバにはベトナム語のフォントが存在しない。

 選んだのはフォー・ガー。「フォー!!」と発音するたびに、15年前の幼稚園を席巻した「HG」の息吹を思い出しながら、鶏肉のたっぷり入った「フォー・ガー」をすすった。大嫌いなパクチーは、あまり気にならない。それより、アヒル系の鳥だから「ガー」、その単純な名詞が気に入った。

 午後からは「戦争証跡博物館」で2時間。ベトナム戦争の惨禍を生々しく記録した博物館である。1975年4月30日、解放軍の戦車が大統領官邸の柵を突破して無血入城、長く困難なベトナム戦争が終結した瞬間を、ワタクシはリアルタイムで知っている。その現場にも立ち寄って、この日の締めくくりとした。
バイク1
(今日もバイク洪水 1)

フェンス
(旧大統領官邸。1975年4月30日、このフェンスから解放軍の戦車が突入、ベトナム戦争が終わった)

フォーガー
(Cat Tuongのフォー・ガー)

⑦ 10月3日
 この日も朝から雨模様。当たり前のことだが、今日もバイクの洪水はとどまるところを知らない。昨日の晩メシは「ホアンイエン」で貪りまくった。春巻きにチャーハン、豚に海老にワイン、みんなおいしゅーございました。

 おかげでちょっと胸焼けがするが、そのへんはギュッとガマンして、バイク洪水を掻き分け&掻き分け、街はずれまで足を伸ばして、ホーチミン中央駅 = サイゴン駅を眺めにいく。

 ベトナムの鉄道はあんまり発展していない。「サイゴン駅」と言っても、1日4〜5本の長距離列車が北の都♡ハノイに向かって出発するだけである。タクシーが十数台、バス2路線。残りは全てバイクである。別にミス・サイゴンが踊りまくるわけではない。

 昼食はまたまた「Cat Tuong」で、今日は「フォー・ボー」。昨日が鶏肉のフォー・ガー、今日のフォー・ボーはフォーの牛肉バージョンである。

 フォーは、秋田名物「稲庭うどん」の乾麺をちょっと強めに煮た感じ。ヒゲにくっついて離れない魚醤のニオイは、これまた秋田名物「しょっつる」を思い出させる。ベトナムと秋田、すげー関係が深いんですかね。

 夕食は、さすがにちょっと疲れて、ホテル1階のフードコート。昨日の「ホアンイエン」が、ホテル内に支店を出している。何のことはない、ホテル内でも完全に同じ味が楽しめた。

 またまた春巻き、またまたハスの葉のチャーハン。ただし「ハスの葉がありませんが、いいですか?」とのことだった。ハスの葉なしのハスの葉チャーハン、旨ければ、もちろん別にかまわない。
揚げ春巻き
(ホアンイエンの揚げ春巻。おいしゅーございました)

サイゴン駅
(サイゴン駅)

フォーボー
(Cat Tuongのフォー・ボー)

⑧ 10月4日
 最終日は、「これ以上はない」という快晴。ギュッと暑くなった熱帯の街を、「これでもか?」と大量のバイクが走り回る。昨日の店で赤ワインを1本飲んだら、「赤ワインを飲んだ人に、もれなくもう1本プレゼント」というキャンペーン中で、0ドンでもう1本もらっちゃった。

「ラッキー♡」には違いないが、おかげでちょっと2日酔い気味。ベトナム南部の大都会で、アルゼンチンのワイン2本の2日酔い。今井君はハングオーバーもマコトにグローバルであって、この辺もまたサトイモの真骨頂である。

 それにしてもこの1週間、飲みに飲んだ。飲まなきゃ、間違いなく熱中症になるから、致し方なく飲んだのであるが、飲みに飲んだタイガービールの瓶の王冠をコレクションしておいたら、関西中のタイガースファンが狂喜乱舞しそうなほどに、トラさんの王冠が集まった。

 熱中症は、太陽の熱や高温多湿ばかりが原因で起こるのではない。ホーチミンの熱中症は、無秩序に走り回るバイクの騒音とカオスのせいで発症する。
バイク2
(今日もバイク洪水 2)

バイク3
(今日もバイク洪水3 雨の日は、月光仮面の洪水になる)

⑨ 10月5日
 こうして帰国の夕暮れがやってきた。ホテルは「16時のレイトチェックアウト」が可能なので、まさにその16時ピッタリまで滞在して、ホーチミンとの別れを惜しんだ。

 滞在中、ビールの他に連日味わい尽くしたものがある。「ザボン」である。毎日欠かさず1個ずつ平らげた。長崎のザボンとは、この7〜8年の長い付き合いであるが、まさかベトナムでこんなにザボンと仲良くなるとは思わなかった。

 帰国前の夕食は、高級料理店「Ashima」のキノコ鍋。各テーブルにオネーサマが1人ずつベタッと貼りついて、何から何まで全ての面倒を見てくれる。調理して、お椀によそって、お酒も注いで、何1つ勝手にさせてくれない。

 マコトにありがたいが、① お酒が自由にならない ② どんどんよそわれるから、どんどん食べなきゃいけない、以上2点が困ったところ。至れり尽くせりは、育ちの悪いサトイモ君には良いことづくめではないのである。

 タクシーで夕暮れのバイク大洪水を掻き分け&掻き分け、ほうほうのていで空港まで1時間。空港で延々4時間待ちに待って、降りしきる豪雨と稲妻の中を、22時30分、ヒコーキは成田に向かって離陸した。

 成田到着、午前6時半。アジア便は、ヒコーキがやたらに古い。「これって、30年物じゃあーりませんか?」「20世紀から飛びつづけてませんか?」というロートルな機体が懐かしい。空港でもずいぶん長い距離を歩かされる。うーん、「もっとアジア便を大切に」であるね。
ザボン
(デカいザボンを食べまくる)

タイガー
(熱中症予防に、コマメな水分補給。一週間でたいへんなタイガー軍団に膨れ上がった)

アシマ
(最終ディナーは、高級店「Ashima」にて)


1E(Cd) George Duke:COOL
2E(Cd) Jochum & Bavarian Radio:MOZART/THE CORONATION MASS
3E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN①
4E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN②
5E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN③
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