Sat 170902 仙台ギュータン祭り/旅行記完結/岩手県花巻で大奮闘/ミヤマアキアカネ?
やっとのことでキューバ&メキシコ旅行記を書き上げ、久方ぶりに身辺雑記に集中できる。「身辺雑記に集中」と言うのもマコトに不思議な気分であるが、9月24日、午前9時から岩手県花巻で授業60分×4コマがあって、とりあえず前日から仙台に宿泊することにした。
だって諸君、何しろ授業は朝9時からだから、新花巻の駅に午前8時ぐらいには到着していなきゃいけない。東京から頑張って始発に乗っても、全然間に合わないのである。実は仙台からでも、始発に乗らなきゃ間に合わない。下り7時06分発が、新花巻への始発なのである。
だから9月23日、今井君は13時にのほほんとオウチを出て、東京発14時20分の新幹線で仙台に向かった。乗り込んだのは「こまち」。函館北斗ゆき「はやぶさ」と連結のタイプだから、大宮を出ればもう仙台まで止まらない。1時間半でもう到着。こりゃラクチンだ。
「あれれ、『はやぶさ』のグリーン車じゃないんですか」「グランクラスもありますよ」であるが、グランクラスへの嫌悪感については、先週の金沢出張の時にもう書いた。グリーン車だって、たった90分の旅の時は、要するにメンドーなのである。
だから諸君、仙台へは「こまち」の普通車に乗る。「こまち」の場合、普通車でもグリーン車でも横4列。つまり、座席の幅はどっちだって同じなのだ。
① グリーン車を選ぶ必要は皆無。
② こんなグリーン車しかつけてもらえなかった秋田の人(山形の人も同じ)は、もっとキチンと怒りを表明すべきだ。
と思うのであるが、逆に普通車のほうは、他の新幹線よりずっと豪華な車両なのである。
ワタクシは、一般の新幹線の横5列がガマンならない。「B席」は言うに及ばず、CもAもDもイヤ。普通席に乗るときは、2人がけの窓側、E以外は絶対にイヤでござる。
しかし、九州新幹線と秋田新幹線なら、普通車でも横4列。こりゃいいや。「みずほ」「さくら」「こまち」に乗る時には、もうグリーン車なんか使わない。狭苦しいグリーン車より、ゆったり安い普通車で旅を満喫する方がいい。
(岩手県花巻の大盛況 1)
さて、仙台に着いたら、何が何でも牛タンである、「何が何でも牛タン」と張り切っているのは、別にワタクシだけではない。仙台の人々のほうでも、「意地でも牛タン食わせてやるべ」「何としてでも牛タンで腹一杯にしてやるべ」と、闘志満々で身構えていらっしゃる。
「何を大袈裟なこと言ってんだべ」と呆れている諸君、もしワタクシの発言を疑うなら、今すぐ仙台に来て、駅弁売り場を覗いてみたまえ。あっちも牛タン、こっちも牛タン。ホヤもウニもカキもイクラも、みんな売り場の端に追いやられ、「牛タン様のお通りだ」の声に身をすくめている。
こういう状況の時、普段の今井君は弱い者の味方。身をすくめている者たちにギュッと寄り添わなきゃ、中年男として失格じゃないか。「ホヤください」「ウニください」「イクラの味方です」と、例え店のオバサマが驚愕や落胆の身振りをしても、意地でもホヤを選んであげる。
しかし諸君、それはあくまで「どちらかと言えば劣勢」という場合である。味方して、味方のしがいのある状況なら、身を挺して味方する。野球で5−2、サッカーで3−1、ラグビーで30−17、お相撲なら「右四つで相手十分、どうしても上手がとれない」、そういう場合である。
それに対して、「もう完全に勝負あった」という場合、それでも弱い方に味方し続けるのは難しい。野球なら16−1、サッカーで7−0、ラグビーで80—3、そこまで完璧に圧倒されているものを、応援する側が意地を張って声を張り上げるのは、かえって残酷というものではないか。
ま、そういうことである。今井君は完全に「寄り添う」姿勢を放棄。駅弁も牛タン、ホテルの夜を彩るおつまみも牛タン、牛タンジャーキーを4袋も購入して、楽しい牛タンナイト♡への準備を完全に整えた。
(熱々の牛タン弁当。おいしゅーございました)
いやはや、こんなダラしない夜があっていいもんだろうか。宿泊は、ウェスティンホテル。チェックインするやいなや、御弁当を温め、ソファにどっかと腰を下ろした。弁当箱にくっついたヒモをギュッと引っ張ると、御弁当が熱々になる仕組みのヤツである。
こうなってしまえば、もうどうしようもない。大相撲秋場所14日目、横綱 ☞ 日馬富士がグイグイ追いついていく様をながめながら、まず御弁当がカラッポ。「これでもか?」というほど詰まった牛タンをワシワシ、これにビアと日本酒が加勢すれば、秋の夜長の中年男として、まさに至福ナイトというほかない。
至福ナイトは、まだまだ続く。何しろ思い切り牛タンジャーキーも買ってきた。お相撲が終わった後は、映画をナンボでも見ながら、噛みしめれば噛みしめるほど味が濃厚に滲み出してくる牛タンを堪能。いやはや、胃袋も小腸も牛タンづくしで、牛の舌がべろべろ喋り出しそうだ。
こうして諸君、午後10時を回る頃には、今井君はすでに上機嫌の極に達している。あれれ、明日のお仕事は?であるが、明日のことは明日のこと。こういう時、20世紀人間は声を揃えて「明日は明日の風が吹く」ないし「ケセラ・セラ」と、マコトに無責任なあきらめを口にするのである。
(岩手県花巻の大盛況 2)
翌朝は3時に起きて、メキシコ旅行記に締めくくりをつけた。諸君、もう1回繰り返す。「翌朝は3時に起きて」でござるよ。その勤勉ぶりに感激してくれたまえ。決して牛タンの1人宴会で精根尽き果てているわけじゃないのだ。
全56回に及ぶ長大な旅行記を書き上げた後は、またまた映画を1本眺めて、午前6時半、ホテルをチェックアウト。諸君、もう一度繰り返す。「午前6時半、ホテルをチェックアウト」であるよ。こんなに勤勉な働き者は、川に洗濯に行くバーサンを見送って、山に柴刈りに出かけたジーサンぐらいのものである。
仙台駅まで、徒歩10分。ウェスティンも、ずいぶん中途半端な距離のところにホテルを作ったものである。この距離でタクシーに乗る人も少なくないらしい。重い荷物を持って歩いてみると、タクシー利用もムベなるかな。もちろん「脱タクシー」のワタクシは、意地でも徒歩で駅に向かう。
仙台駅発、7時06分。うぉ、乗客なんか、だーれもいない。グリーン車どころか、普通指定席を選んでも、唐変木か表六玉に見えかねない。ワタクシは迷わず自由席に向かった。
自由席も、乗客は1両に2〜3人ずつ、「まさかこれ、回送電車じゃありませんよね」という不安げな表情であたりを見回している。この電車で新花巻までちょうど1時間、秋の東北独特の濃霧の中を北上する。
(語るサトイモ)
花巻でのお仕事は、この3年間すっかり恒例になったもので、正式名称「岩手県進学ネットワーク事業」。岩手県の高校入試で最上位だった高1生諸君を対象に、最難関大学を意識した授業を行う。6月下旬と9月下旬の2回、出席する生徒は6月と同じメンバーである。
午前9時、定刻でスタート。午前がAクラス、出席者約150名。午後がBクラス、出席者75名。合計225名の優秀な高1生諸君を相手に、午前2コマ、午後2コマ、難関大学の長文読解問題を徹底解説する。
6月に3時間ぶっ続けの大爆笑を経験した諸君だ。最初から信じがたいほどノリがいい。朝1番の授業というのは、話す方の滑舌も思うにまかせず、聞く側もイマイチ腹筋に力が入らなくて笑いも弱々しいものだが、優秀な諸君は脳味噌ばかりじゃなく、腹筋のエンジンもかかりやすいのである。
(そんなこと言われても、今井君は止まらない)
昼休みをはさんで、講師も4時間、生徒も4時間、全力で語り尽くし、全力で爆笑しつづけて、最後はさすがにヘトヘトだ。特に午後の時間帯は、授業冒頭に教室に紛れ込んだトンボ君が最後まで教室を遊泳しつづけ、今井君の話がよほど面白かったのか、何度も身をよじらせて笑いこけていた。
コドモ時代に「昆虫の図鑑」をほとんど暗記していた今井君の見るところ、あのトンボ君は「ミヤマアキアカネ」じゃあーりませんか? さすがに岩手県のど真ん中、奥羽山脈も間近であって、トンボ君たちの向学精神も侮れない。
終了、15時30分。この心地よさは何なんだ? 秋の岩手の爽快な風に吹かれながら、颯爽と帰路につくワタクシなのであった。
1E(Cd) Menuhin:BRAHMS/SEXTET FOR STRINGS No.1 & No.2
2E(Cd) Brendel(p) Previn & Wiener:MOUSSORGSKY/PICTURES AT AN EXHIBITION
3E(Cd) Akiko Suwanai:BRUCH/CONCERTO No.1 SCOTTISH FANTASY
6D(DMv) NO COUNTRY FOR OLD MEN
total m12 y1658 d21607
だって諸君、何しろ授業は朝9時からだから、新花巻の駅に午前8時ぐらいには到着していなきゃいけない。東京から頑張って始発に乗っても、全然間に合わないのである。実は仙台からでも、始発に乗らなきゃ間に合わない。下り7時06分発が、新花巻への始発なのである。
だから9月23日、今井君は13時にのほほんとオウチを出て、東京発14時20分の新幹線で仙台に向かった。乗り込んだのは「こまち」。函館北斗ゆき「はやぶさ」と連結のタイプだから、大宮を出ればもう仙台まで止まらない。1時間半でもう到着。こりゃラクチンだ。
「あれれ、『はやぶさ』のグリーン車じゃないんですか」「グランクラスもありますよ」であるが、グランクラスへの嫌悪感については、先週の金沢出張の時にもう書いた。グリーン車だって、たった90分の旅の時は、要するにメンドーなのである。
だから諸君、仙台へは「こまち」の普通車に乗る。「こまち」の場合、普通車でもグリーン車でも横4列。つまり、座席の幅はどっちだって同じなのだ。
① グリーン車を選ぶ必要は皆無。
② こんなグリーン車しかつけてもらえなかった秋田の人(山形の人も同じ)は、もっとキチンと怒りを表明すべきだ。
と思うのであるが、逆に普通車のほうは、他の新幹線よりずっと豪華な車両なのである。
ワタクシは、一般の新幹線の横5列がガマンならない。「B席」は言うに及ばず、CもAもDもイヤ。普通席に乗るときは、2人がけの窓側、E以外は絶対にイヤでござる。
しかし、九州新幹線と秋田新幹線なら、普通車でも横4列。こりゃいいや。「みずほ」「さくら」「こまち」に乗る時には、もうグリーン車なんか使わない。狭苦しいグリーン車より、ゆったり安い普通車で旅を満喫する方がいい。
(岩手県花巻の大盛況 1)
さて、仙台に着いたら、何が何でも牛タンである、「何が何でも牛タン」と張り切っているのは、別にワタクシだけではない。仙台の人々のほうでも、「意地でも牛タン食わせてやるべ」「何としてでも牛タンで腹一杯にしてやるべ」と、闘志満々で身構えていらっしゃる。
「何を大袈裟なこと言ってんだべ」と呆れている諸君、もしワタクシの発言を疑うなら、今すぐ仙台に来て、駅弁売り場を覗いてみたまえ。あっちも牛タン、こっちも牛タン。ホヤもウニもカキもイクラも、みんな売り場の端に追いやられ、「牛タン様のお通りだ」の声に身をすくめている。
こういう状況の時、普段の今井君は弱い者の味方。身をすくめている者たちにギュッと寄り添わなきゃ、中年男として失格じゃないか。「ホヤください」「ウニください」「イクラの味方です」と、例え店のオバサマが驚愕や落胆の身振りをしても、意地でもホヤを選んであげる。
しかし諸君、それはあくまで「どちらかと言えば劣勢」という場合である。味方して、味方のしがいのある状況なら、身を挺して味方する。野球で5−2、サッカーで3−1、ラグビーで30−17、お相撲なら「右四つで相手十分、どうしても上手がとれない」、そういう場合である。
それに対して、「もう完全に勝負あった」という場合、それでも弱い方に味方し続けるのは難しい。野球なら16−1、サッカーで7−0、ラグビーで80—3、そこまで完璧に圧倒されているものを、応援する側が意地を張って声を張り上げるのは、かえって残酷というものではないか。
ま、そういうことである。今井君は完全に「寄り添う」姿勢を放棄。駅弁も牛タン、ホテルの夜を彩るおつまみも牛タン、牛タンジャーキーを4袋も購入して、楽しい牛タンナイト♡への準備を完全に整えた。
(熱々の牛タン弁当。おいしゅーございました)
いやはや、こんなダラしない夜があっていいもんだろうか。宿泊は、ウェスティンホテル。チェックインするやいなや、御弁当を温め、ソファにどっかと腰を下ろした。弁当箱にくっついたヒモをギュッと引っ張ると、御弁当が熱々になる仕組みのヤツである。
こうなってしまえば、もうどうしようもない。大相撲秋場所14日目、横綱 ☞ 日馬富士がグイグイ追いついていく様をながめながら、まず御弁当がカラッポ。「これでもか?」というほど詰まった牛タンをワシワシ、これにビアと日本酒が加勢すれば、秋の夜長の中年男として、まさに至福ナイトというほかない。
至福ナイトは、まだまだ続く。何しろ思い切り牛タンジャーキーも買ってきた。お相撲が終わった後は、映画をナンボでも見ながら、噛みしめれば噛みしめるほど味が濃厚に滲み出してくる牛タンを堪能。いやはや、胃袋も小腸も牛タンづくしで、牛の舌がべろべろ喋り出しそうだ。
こうして諸君、午後10時を回る頃には、今井君はすでに上機嫌の極に達している。あれれ、明日のお仕事は?であるが、明日のことは明日のこと。こういう時、20世紀人間は声を揃えて「明日は明日の風が吹く」ないし「ケセラ・セラ」と、マコトに無責任なあきらめを口にするのである。
(岩手県花巻の大盛況 2)
翌朝は3時に起きて、メキシコ旅行記に締めくくりをつけた。諸君、もう1回繰り返す。「翌朝は3時に起きて」でござるよ。その勤勉ぶりに感激してくれたまえ。決して牛タンの1人宴会で精根尽き果てているわけじゃないのだ。
全56回に及ぶ長大な旅行記を書き上げた後は、またまた映画を1本眺めて、午前6時半、ホテルをチェックアウト。諸君、もう一度繰り返す。「午前6時半、ホテルをチェックアウト」であるよ。こんなに勤勉な働き者は、川に洗濯に行くバーサンを見送って、山に柴刈りに出かけたジーサンぐらいのものである。
仙台駅まで、徒歩10分。ウェスティンも、ずいぶん中途半端な距離のところにホテルを作ったものである。この距離でタクシーに乗る人も少なくないらしい。重い荷物を持って歩いてみると、タクシー利用もムベなるかな。もちろん「脱タクシー」のワタクシは、意地でも徒歩で駅に向かう。
仙台駅発、7時06分。うぉ、乗客なんか、だーれもいない。グリーン車どころか、普通指定席を選んでも、唐変木か表六玉に見えかねない。ワタクシは迷わず自由席に向かった。
自由席も、乗客は1両に2〜3人ずつ、「まさかこれ、回送電車じゃありませんよね」という不安げな表情であたりを見回している。この電車で新花巻までちょうど1時間、秋の東北独特の濃霧の中を北上する。
(語るサトイモ)
花巻でのお仕事は、この3年間すっかり恒例になったもので、正式名称「岩手県進学ネットワーク事業」。岩手県の高校入試で最上位だった高1生諸君を対象に、最難関大学を意識した授業を行う。6月下旬と9月下旬の2回、出席する生徒は6月と同じメンバーである。
午前9時、定刻でスタート。午前がAクラス、出席者約150名。午後がBクラス、出席者75名。合計225名の優秀な高1生諸君を相手に、午前2コマ、午後2コマ、難関大学の長文読解問題を徹底解説する。
6月に3時間ぶっ続けの大爆笑を経験した諸君だ。最初から信じがたいほどノリがいい。朝1番の授業というのは、話す方の滑舌も思うにまかせず、聞く側もイマイチ腹筋に力が入らなくて笑いも弱々しいものだが、優秀な諸君は脳味噌ばかりじゃなく、腹筋のエンジンもかかりやすいのである。
(そんなこと言われても、今井君は止まらない)
昼休みをはさんで、講師も4時間、生徒も4時間、全力で語り尽くし、全力で爆笑しつづけて、最後はさすがにヘトヘトだ。特に午後の時間帯は、授業冒頭に教室に紛れ込んだトンボ君が最後まで教室を遊泳しつづけ、今井君の話がよほど面白かったのか、何度も身をよじらせて笑いこけていた。
コドモ時代に「昆虫の図鑑」をほとんど暗記していた今井君の見るところ、あのトンボ君は「ミヤマアキアカネ」じゃあーりませんか? さすがに岩手県のど真ん中、奥羽山脈も間近であって、トンボ君たちの向学精神も侮れない。
終了、15時30分。この心地よさは何なんだ? 秋の岩手の爽快な風に吹かれながら、颯爽と帰路につくワタクシなのであった。
1E(Cd) Menuhin:BRAHMS/SEXTET FOR STRINGS No.1 & No.2
2E(Cd) Brendel(p) Previn & Wiener:MOUSSORGSKY/PICTURES AT AN EXHIBITION
3E(Cd) Akiko Suwanai:BRUCH/CONCERTO No.1 SCOTTISH FANTASY
6D(DMv) NO COUNTRY FOR OLD MEN
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