Fri 170901 旅を締めくくる/空港の4時間(キューバ&メキシコ探険記56 最終回) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 170901 旅を締めくくる/空港の4時間(キューバ&メキシコ探険記56 最終回)

 メキシコ中部地震の死者はついに300人に迫り、その直前に起こったオアハカ地震と合わせて、犠牲者は400人。さらに23日、再びオアハカを震源とするM6.1の大きな地震が襲った。

「懸命な救出活動が続いている」と報じられているが、被害の詳細はまだ明らかではない。世界中の目がみんなニューヨークの国連本部に向いていても、そこでの討論はなかなかメキシコを向いてくれない。

 こんな歯痒い状況を見ていると、「もう1つ、全く別次元の国連が必要なんじゃないか」と、つくづく考えるのである。国連だって、もう70歳を超えている。定年退職、「前期高齢者」の仲間入りであって、いろんな機能不全を病院で治療してもらわなきゃいけない年齢である。

 しかし国連おじーさんが入院中に、誰が代わりを務めるんだろう。国連おじーさんは、今までホントによく働いてきた。「ノーベル平和賞を国連に」という声も当然あっていいが、ただ1つ、国連おじーちゃんが70年取り組んでこなかったのが、入院中に代わりを務める代替機関、ないし跡継ぎになる第2国連の設立である。
宮殿
(ベジャス・アルデス宮殿。「メキシコで最も格式の高い大劇場」なんだそうな)

 いくら偶然とは言っても、こんな大震災のさなか、暢気に「メキシコ旅行記」を書きつづけることには、違和感と罪悪感を伴うのは言うまでもない。自粛ということも考えたけれども、これでとりあえず、何とか最終回を迎える。

 56回、合計でA4文書で170枚も書いてきた。わずか15日の旅であるが、もしこれを文庫本で勘定すれば、340ページになる。イメージしてみたまえ、いやはや、その分厚さにはマコトに恐れ入る。上下2巻に分割してもいいぐらいだ。

 そりゃ諸君、書いていることのレベルはそんなに高くはないのかもしれない。今井君の知能と才能と趣味の問題だから、それは許してもらうしかない。

 しかし、ずっと付き合って読みつづけてくれた諸君の努力は、まさに称賛に値する。恒例の「帰国報告」は別として、本格的にこの旅行記を書きはじめたのが5月17日。あれから4ヶ月、「夏シリーズ」もあり「河口湖合宿」もあり、ノルウェーの旅の最中にも書き続けて、ついに最終回に至った。
記念塔
(メキシコ独立記念塔。テッペンに金の天使像が飾られているので、ANGEL ☞ スペイン語で「アンヘル」と呼ばれるんだそうな)

 こんなに長く1つの旅行記を書き続けていれば、最後までキチンと読みつづけてくれる人は、もしかすれば「レアな存在」なのかもしれない。5月中旬には東進新CMの撮影があり、6月中旬からその放映もあって、新しいブログ読者も一時ギュッと増加したのである。

 ブログの世界全体がどんどん縮小&衰退していく傾向にも関わらず、7月中は連日7500ものアクセスがあった。CMを見て「今井って誰?」と不思議に思った人が、たくさんアクセスしただろう。そういう人たちの反応は、「何だこりゃ」「長過ぎる」「読んで損した」だったに違いない。

 だから諸君、いまや9月下旬、コオロギの声がうるさくてイヤホンの音が聞こえないほどの秋真っただ中まで、よくこの旅行記に付き合ってくれた。「感謝&感謝&また感謝」、胸が焼けそうなほど熱くなる今朝の今井君なのである。
広場
(独立広場で。官庁の建物になる予定だったが、メキシコ革命で建設が中断。最終的に「革命記念塔になった」とのことでござる)

 今朝、ワタクシは宮城県の仙台市に滞在中、ウェスティンホテル29階のお部屋でこれを書いている。現在午前3時。今日はこれから岩手県花巻市に移動し、60分授業×4回に全力を傾注する。今井君程度のVUPなら、そういう1日の行動を予告しても全く問題は起こらない。

 しかし諸君、ホンモノのVIPとなると、「今どこにいるか」「どこに宿泊しているか」なんてのは、秘中の秘、重要ヒミツもいいところであって、朝日新聞「首相動静」に掲載されたタイムスケジュールが、万が一事前に漏れたらたいへんだ。

「首相動静」を見るに、国連本部でのあの激しい罵りあいの最中、安倍どんは「ホテル・キタノ」にご滞在だったようである。「へー♡」であり「ほー♡」であって、「キタノ」、2007年12月の今井君も2週間ほどそのホテルに滞在した。

 真夜中過ぎのバーで、サンドイッチをつまんだのが懐かしい。いい雰囲気のホテルではあるが、セキュリティとかは大丈夫なんですかね。SPが立ち並んで周囲をギュッと固めたりしたら、ホテルの雰囲気も台無しなんじゃないですかね。
タワー
(ラテンアメリカタワー。スペイン語名「トッレ・ラティノアメリカーナ」1956年に完成。コイツももうジーチャンだ。182m、42階建て。展望レストランがあり、夜景も美しいんだそうな)

 キタノは、グランドセントラルホテルから徒歩10分、すぐ近くに高級ステーキ屋「ウォルフガング」33丁目店もある。まだ日本に支店のなかった頃のウォルフガング、ランチのみのメニュー「ブラックペッパーステーキ」が旨かった。

 うぉ、ニューヨーク、2013年以来、もう4年もご無沙汰してるじゃないか。「久しぶりに闊歩してきたいな」と思うのであるが、残念ながら旅の予定が立て込んでいて、なかなかその時間が取れない。VUP今井の夢は、「首相動静」を眺めながら、どんどんブクプク膨らんでいくのであった。

 何故こんなことを書いているのかと言えば、メキシコ最終日、ホントのギリギリまでレストランでシャンパンを楽しんでいたワタクシの目の前を、(おそらく)ポーランド大統領夫人が、颯爽と闊歩していらっしゃったからである。

 長身、白いスーツ、早い足取りでインターコンチネンタルホテルの奥に消えていらっしゃった。ひえー、かっけー。今井君は茫然と見送るばかりであったが、おそらく宿泊ではなくて、何らかのレセプションに出席なさるのである。
記念紙幣
(メキシコの紙幣。近いうちに、またメキシコに来たい)

 さてと、こうして諸君、4月24日午後9時、ワタクシもそろそろ空港に向かいたい。預けてあったスーツケースを受け取って、ホテル前からタクシーに乗り込んだ。空港まで40分ほどの道のりである。

 ふー、「治安は?」「治安は?」とずいぶん日本人はうるさいが、2週間、「ぎくっ」も「びくっ」もナシに、無事に旅程が完了しようとしている。まさにめでたし&めでたしである。

 それにしても、どうしてTOKYO行きは「午前2時出発」なんだ? 正確には午前2時20分発、飛行に14時間かかって、成田に着くのは日付変更線を跨いで翌々日の午前6時40分。何だかやっぱり、全てが異様な時間帯に思えるのである。

 空港に午後10時に到着して、「さて困った、これから4時間どうしようか」であるが、さすがのメキシコシティ空港も、この時間帯になると店もどんどん閉まっていく。そのへんのベンチにしゃがんで、4時間をやり過ごすしかなさそうだ。

 そう諦めて視線をめぐらせた瞬間、おお、夢ではないか、ちょっとしたカフェを1軒だけ発見。フードもあり、お酒もあって、24時間営業のようである。重いスーツケースを引きずって、店の真ん中のテーブルになだれこんだ。
締めくくり
(締めくくりは、やっぱり「貝じーちゃん」正面図。これからもワタクシは「脱力系」「意識低い系」でいこうと考えております)

 注文したのは、今回のメキシコ滞在で最も気に入った黒ビール「LEON」。オ・ピエ・ド・コションでお酒を飲み過ぎて、「もう今夜はお酒はいいかな?」という気分だったが、何しろ4時間を潰さなきゃいけない。お酒ぐらい注文しないと、4時間はうまく潰れてくれないのである。

 午前2時まで、「次の旅はどうしようかな」と考えて過した。もちろん「またメキシコ」という手もある。今回は「ホンのサワリ」であって、メキシコの地図を眺めるに、プエブラ・タスコ・クエルナバカ・メリダ・オアハカ・ロスカボス・グアダラハラ、訪ねるべき町はナンボでも残っている。

 しかし、グッと大きく世界地図を思ってみるに、「カイロ&アレクサンドリア」「モスクワ&サンクトペテルブルグ」「テヘラン」「キエフ」もある。

 大統領夫人と行き会ったばかりだ、「ポーランド」だってあるじゃないか。ルーマニアは? ペルーは? こういうふうで、今井の思いは尽きるところを知らない。ヒコーキまでの4時間は、そうしてうっとりしているうちに、あっという間に過ぎ去ったのである。

1E(Cd) Joe Sample:RAINBOW SEEKER
2E(Cd) Tuck & Patti:AS TIME GOES BY
3E(Cd) Joe Sample & Lalah Hathaway:THE SONG LIVES ON
6D(DMv) THE GIRL ON THE TRAIN
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