Wed 170719 ケネディ演説/早稲田大政経学部2017 ☞ 解説授業/下北沢「かつ良」 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 170719 ケネディ演説/早稲田大政経学部2017 ☞ 解説授業/下北沢「かつ良」

 まあこれでも英語の講師のハシクレだ。ブログに英文を掲載して、「次の英文を日本語訳しなさい」みたいな意地悪を、タマにはやってみたくなるのである。

 別に難しいセンテンスではない。読者の中で英語と没交渉なヒトも、是非チャレンジしてくれたまえ。19世紀から20世紀にかけて活躍した詩人&作家 John Edward Masefieldの素晴らしいコトバ。1878年生まれ、1967年没。イングランドの人である。

①There are few earthly things more beautiful than a university.
②A university is a place where those who hate ignorance may strive to know, where those who perceive truth may strive to make others see.
(アメーバで英文を掲載すると、どうしても上のようにみっともなくなっちゃいます。許してくだされ)

 John Masefield、別にウルトラ有名人であるわけではない。読書家であると自ら任じている人だって、きっと今初めて目にした名前であるに違いない。残っている作品も、「ニワトリ号一番のり」「夜中に出歩く者たち」「喜びの箱」など、児童文学が中心だ。

 何だ何だ?「夜中に出歩く者たち」って、そりゃ今井キウィ入道のことですか? ま、そんな反応だろうけれども、とりあえず日本語訳を示しておきますかね。

和訳例
① この地上に存在するもので、大学以上に美しいものはほとんどない。
② 大学とは、無知を嫌悪する人間が知ろうと努められる場所であり、真実を認識する者が、他者の目を開かせようと努められる場所である。

 諸君、すげーことを言うオジサマじゃないか。大学は、この世で最も美しい場所だ、だからこそ目指すべし。確かに諸君、「地球上で一番美しい場所だ」と言うなら、マチュピチュやヴェネツィアやグラナダを旅するより、人間は何よりもまず大学を目指すべきじゃないか。
早稲田政経
(8月11日、早稲田政経2017年の全問を解説 ☞ 収録した。ケネディ演説を発見したのは、2つ目の読解問題である)

 しかも大学は、有利な就職のために手に職をつけたり、英語が話せるようになるための場所ではない。この世で美しい場所であり、無知を排し、真実を探求するための場所である。真実を知る者が、真実を知らない他者の目を開かせる場所だ、Masefieldどんは、そんなふうに喝破した。

 このコトバを、ケネディ大統領が冒頭に引用して、有名な平和大演説を繰り広げた。ワシントンDCにある「アメリカン大学」での演説である。

「あんれえ、そんな大学、オラ知らねえだよ」
「アメリカン大学? 何だかずいぶんドデケー大学みてえだなあ」
「オラ、初耳だよ。そんたら大学、ホントにあんのけぇ?」
「だってサトイモ先生の言うことだよ。みんな、ダマされちゃいけねえ。耳の穴かっぽじって、注意して聞くだよ」

 諸君、その気持ちはマコトによく理解できる。確かにそんなにしばしばマスコミを賑わすことのない大学かもしれない。しかしやっぱり「American University」は、名門。ワシントンDCに存在する名門私立総合大学である。
板書
(今井の板書は、相変わらず美しい)

 アメリカン大学の歴史は長い。初代大統領♡ジョージ・ワシントンが提唱した「首都にグレイトなユニバーシティを設立する」というアイディアに基き、1893年の議会で設立が決まった。

 大隈重信の東京専門学校が1882年の設立。その後の早稲田大学であるが、おお、早稲田に遅れること10年、ワシントンDCにもスバラシー私立大学が生まれたのである。

 研究優先のドイツ型大学院と、アメリカ型の学部教育のコンビネーション。研究と教育をギュッと密接に組み合わせ、国際理解を深めることも力を注ぐ。外国人学生の比率が高く、留学生は1500人を超え、その出身国も140を数える。

 ワシントンDCの名門と言えば、そりゃ何と言っても「ジョージタウン大学!!」ということになるだろうけれども、「アメリカン大学」もやっぱり大したものであって、卒業生は政界にシンクタンク、国連に世界銀行その他の国際機構に進む者が多い。

 そういう大学だから、ケネディ大統領だってそこで演説をするとなれば、ナンボでも張り切って原稿を書いただろう。「お役所の書いた原稿を棒読みしますよ、げへへへ」とか、日本の新人大臣独特のツマランことは絶対にしなかったはずだ。
電子黒板
(解説には、電子黒板も使用しなければならない)

 原稿を読むと、マコトに感動的である。今ここに全文を掲載してもいいが、もちろんいろいろ著作権の問題もあるだろうから、興味のある諸君は、ググるなり何なり、頑張っていろいろ検索してみてくれたまえ。

 もっとカンタンな方法がある。そのケネディ演説がほとんどそのまま、2017年の早稲田大学政経学部で出題されたから、本屋さんで赤本を購入するか、立ち読みするか、まあその種のことをすればいい。

 もしも深く感動したら、いや感激して涙そうそう、熱い涙は箱根か草津か登別の温泉よろしく豊かに溢れ出て、「その勢いとどまること知らず」というアリサマになること疑いないのであるが、とにかく感激と感動の激流に身を任せ、赤でも青でもグリーンでも、とにかく手に入れて帰りたまえ。

 購入したら、その翌日から毎日1回、三七 ☞ 二十一日にわたって、約90行に及ぶケネディ演説を、大きな口を開けて朗々と3回ずつ音読、青空に向かってでもいい、夏の夜の闇に向かってでもかなわない、それを日課として残る夏休み21日の自由研究としたまえ。

 8月31日、いよいよ夏休みが終わるころには、ケネディ演説90行が全文キミの脳細胞に焼きつき、深く浸透し、印刷された紙片を手にせずとも、ケネディ演説をヒトビトに向かって複製できるようになるはずだ。

「大学がなぜこの世で一番美しい場所なのか」から始めて、「世界平和をどう築き上げるべきか」「夢や希望に酔う日々を克服して、より着実に平和を構築する努力をすべきだ」というところまで、熱く熱く語れるようになっているだろう。

 もちろん、そのままではただのパクリというか、コピー以外の何ものでもないが、もちろん1年2年3年と経過するうちに、コピーの上に自分のコトバが次々と加わり、重なりあい、絵の具を重ねに重ねた重厚な油絵のように、アナタの演説はケネディから60年後の全く新しい演説として高久飛翔するかもしれない。
特ヒレ
(授業収録で疲労困憊の今井は、ユンケルよりもトンカツに頼る。お馴染み・下北沢「かつ良」の特ヒレカツ定食なら、疲労は一気に解消する)

 というわけで8月11日の今井どんは、午後3時から吉祥寺のスタジオに出かけて、「過去問研究/早稲田大学政経学部/2017年」の収録に励んでいたのである。8月2日が早稲田文学部、8月8日が早稲田法学部。公開授業も合宿も終了したが、横綱キウィ富士は相変わらず忙しい。

 しかも、相変わらず授業があまりにも熱く激しくたくましい。というか、ますます巧妙さを増している。今日1枚目の写真を見てみたまえ、この物凄い分量を、わずか3時間ちょいで解説を完了してしまう。90行の長文3題に、設問が合計21個。これ全部でたった3時間、普通じゃとても終われない。

 だから3時間が経過した午後6時すぎ、いくら横綱キウィ富士を名乗るほど頑丈な頭脳と肉体を誇る今井君でも、心もカラダもヘトヘト。ふと足を引きずって歩きそうになるほどである。

 いやはや疲労困憊。「走れメロス」のメロスがエピローグで感じていた疲労、「奥の細道」の松尾芭蕉が終着・大垣で「夢は枯野を駆けめぐる」と呟いた時の疲労、もちろんそこまでは行かないが、こういう収録が10日間に3件も続くと、やっぱり「肩で息をする」という世界になってしまう。
盛り合わせ
(特ヒレカツに追加して、「ヒレカツ&海老フライ 盛り合わせ」も注文。こりゃ旨い。疲労なんか吹き飛んでいく)

 そこでワタクシは、トンカツに頼るのである。お馴染み下北沢南口「かつ良」に闖入し、他には何にも言うまい、ただヒトコト「特ヒレカツ定食!!」と叫ぶ。おっと間違った、もちろんその前に「生ビールください!!」もあるけれども、とにかく疲労には大っきな豚肉をワシワシやるに限る。

 しかし疲労が「困憊」というレベルに達した時には、特ヒレカツ定食2600円だけでは足りなくなる。人も羨む特ヒレカツと丼メシをカンタンに平らげた今井君は、「追加、いいですか?」と、ダラしないお顔の筋肉をさらにダラしなくニュッと緩めて見せるのだ。

 追加したのは、「海老フライ&ヒレカツ盛り合わせ」。それが今日5枚目の写真である。海老が、デカい。ホントにデカい。キューバで連日ワシワシやっていた特大ロブスターにも決してヒケをとらないデカさである。

 さすがの横綱キウィ富士も、最後の最後は若干もてあましたが、ふっふ、見事に完食。このぐらいの食欲がなければ、激しい夏の収録の日々なんか、なかなか乗り切れないのである。

1E(Cd) Tuck & Patti:AS TIME GOES BY
2E(Cd) Candy Dulfer:LIVE IN AMSTERDAM
3E(Cd) Patti Austin:JUKEBOX DREAMS
4E(Cd) Richard Tee:THE BOTTOM LINE
5E(Cd) Brian Mcknight:BACK AT ONE
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