Sat 170527 河口湖が1ヶ月後に迫る/地道な仕事も大好き/成城学園と千葉の大盛況 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 170527 河口湖が1ヶ月後に迫る/地道な仕事も大好き/成城学園と千葉の大盛況

 派手な仕事もあれば、マコトに地味なお仕事もキチンとこなす。プロというものは元来そうでなくてはならなくて、いつもいつもド派手な現場にばかり立っていれば、いつの間にか基礎と基本を見失う。

 見失いかけた基礎と基本をギュッと肉体に染み込ませるチャンスが、1ヶ月後に迫ってきた。4泊5日×2の河口湖合宿である。東進に移籍してきた当初は「逃げ出したい」とまで思ったたいへん泥臭い現場であるが、1年に一度はそこを通り抜けなきゃ、講師の基礎を忘れちゃう。

 今や、河口湖での10日間が楽しみでたまらない。「いよいよ1ヶ月後ですね」と、若いスタッフ諸君と顔を見合わせる。すると諸君、やっぱりみんなスゴく嬉しそうである。

「この夏もビシッと音読に励ませましょう」
「徹底的に音読を実践しましょう」
「一昨年や昨年より、もっと厳しくやりましょう」
「生徒もみんな、厳しい合宿を楽しみにしてますよ」
おお、部活の合宿よりもっと張り切ってるじゃないか。
成城学園前駅
(東京屈指の高級住宅街「成城学園前」で講演会)

「読むだけでなく、話す力を重視した塾や予備校が増えてきました」。最近テレビのニュースショーなんかでは、ノリノリの先生が先頭に立って、いかにもノリノリな授業を展開しているシーンが映し出される。

 ヒップホップに合わせてダンス。みんなでビートルズのお歌を熱唱。黒板にはポップな字体で「ENGLISH IS FUN!!」と大書され、色紙のワッカのチェーンや万国旗が飾られて、まるで幼稚園か保育園のお楽しみ会みたいだが、実はレッキとした予備校の教室だったりする。

 ホンモノの4技能について、まだ正しく浸透していない世間の人々の耳目を集めるには、なかなかスンバラシー設定であるが、何かと言えば立ち上がって「グッジョーブ!!」とハイタッチを繰り返すようなノリノリ授業では、かえって英語ギライが増えるばかりなんじゃないか。

 それに対して我が河口湖合宿は、「音読&音読、ひたすら音読」、間違いなく本格派の10日間だ。
「音読が好きで好きでたまらない」
「いつでも英語を音読していたい」
「音読がイヤだなんて、信じがたい」
「大学に入ってからも、徹底的に音読します」
最終日には、硬派な感動を口にして帰途につく生徒がほとんどだ。
フルーツ1
(成城学園前で、ハイソなフルーツをいただく)

 そんなふうだから、まだ河口湖合宿まで1ヶ月もあるのに、スタッフ諸君はもうソワソワしている。「ボクが実行委員長になりました」「ワタシが宿舎長です」「今井先生のクラスの担当になりました」「よろしくお願いします」。おお、目が輝いてるじゃないか。

 指導役・監視役のスタッフがそんなに夢中になっているんだから、生徒たちがもっと夢中になっているのも当然だ。それどころか、この超ベテラン今井でさえ、1ヶ月後が楽しみでならない。

「もー、いーくつ寝ると、おしょーがつ?」どころか、「もー、いーくつ寝ると、カワグチコー?」であって、7月21日の開講式が待ちきれない思いである。

 開講式直前には、宿舎「美富士園」のお隣のお隣、「湖波」という店にウナギを食べにいく。河口湖駅に到着するのが11時、開講式が13時半。いったん宿舎の部屋に落ち着いて、それからサンダルをつっかけて「湖波」に向かうのである。「湖波」と書いて「こなみ」と読む

 今年はサンダルじゃなくて、5月に会津の喜多方で購入した桐の下駄を履いていく。カロン&コロン、カラコロ、そういう音を陽気に響かせて、「うな重、お願いします」と口にする瞬間を思うと、まさに胸の高鳴る思いである。

 店の人々も、この今井クマ蔵をしっかり記憶してくれている。もう5年も6年も同じ行動を繰り返しているのだ。「先生だ」「先生だ」「そろそろかなと思って待ってました」と、いそいそ挨拶に来てくれる。河口湖で貪るウナギは、絶品。合宿10日間のスタートに、コイツは欠かせない。
父母成城
(成城学園前、保護者対象の講演会も大盛況)

 こういうふうで、すでにソワソワしている今井君を、公開授業先で迎えるスタッフも、やっぱりすでに熱く燃えている。6月15日、北千住でもそうだったが、6月17日の成城学園前でも、18日の千葉でも、やっぱりスタッフとの会話はひたすら合宿の話題で持ち切りになった。

 6月17日、成城学園前でのお仕事は、保護者対象の「特別教育講演会」。18時開始、19時50分終了、出席者約105名。何しろ世田谷のど真ん中、日本を代表する超高級住宅地のパパ&ママだ。「4技能」に対する反応も、やっぱりヒト味もフタ味も違う。

 海外赴任経験の長いヒト。大学で英文学を講義しているヒト。日常的に英米人と対等の会話を交わしながら一流の仕事を続けている人。「今さら『4技能』とか大騒ぎしなくても、そんなの当たり前じゃないですか」というスタンスである。

「祖父や祖母の代から、我が家お抱えの家庭教師がいます」というご家庭も少なくないんだそうな。こりゃ諸君、「ダウントンアビー」の世界であり、ジェイン・エアの余りにツラいストーリーが我がマナコに浮かぶ。

 諸君、知ってますかジェイン・エアの悲劇。映画でいいから、是非むかしのカテキョー生活をご覧いただきたい。「なるほど、こんな日々が21世紀の世田谷には残っているんだな」と、思わず涙がこみあげるはずだ。

 ま、いいか。とても保護者の会とは思えないほどのスーパーな盛り上がりが、延々100分にわたって継続、40歳代から50歳代の落ち着いた皆さまが、激しい大波に揺られるように大爆笑を続け、さしものベテラン今井もついつい感動を抑えきれないほどの熱い講演会になった。
フルーツ2
(千葉でも贅沢なフルーツをいただく)

 6月18日、同じ内容の「特別教育講演会」を、今度は千葉県千葉市で開催した。13時開始、14時50分終了。出席者140名で、昨日に続き大教室はすっかり超満員になった。日曜日の保護者の会に150名近い人々が集結するなんてのは、まさに我々の勢いを如実に示す所である。

 外は、雨。天気予報では「雨は夕暮れから」と言っていたが、千葉では12時半にもう激しく降り始めた。「うーん、あと30分待ってくれたらよかったのに」であって、公開授業でも講演会でも、開演前の雨で出席率が90%とか80%とか、さすがに雨の影響は大きいのである。

 しかも諸君、12時50分、「講演開始まであと10分」という時になって、単なる雨は「豪雨」の様相を呈した。窓を叩く雨の音が、ビシバシというか、バシビシというか、「折りたたみの傘では役に立ちません」「本格的な傘をさしていてもビショ濡れ」というアリサマである。

 これがもし今井君なら、「ズル休みしちゃお♡」とニタニタ怠惰を決めるところである。何しろ日曜の午後だ。「怠けよう!!」と決意した瞬間、「笑点」から「ちびまる子ちゃん」に「サザエさん」、午後7時ぐらいまでテレビの前の安らかな怠惰が保証される。

「こんな梅雨の午後に、わざわざ雨にびしょ濡れになってまで、何で予備校講師のつまらん話を聞きにいかなくちゃいけないの?」。もし今井君が高校生のパパなら、そう言ってギュッとフテくされてみせるところである。
父母千葉
(千葉の講演会。豪雨の中だが、やっぱり大盛況)

 ましてやこの日は「父の日」だ。「お父さん、いつもありがとう」であり、「プレゼントにネクタイ買っといたよ♡」「パパ、今日はたっぷりワガママ言ってね♡」の日であって、大切な午後1時から3時まで、ヒゲで真っ黒なサトイモの話なんか聞いて過ごすんじゃ、何だかパパが可哀そうだ。

 しかし午後1時05分、今井君が登壇してみると、激しい雨なんかものともせずに、保護者の皆さんがギュッと集結して、サトイモ君が熱弁の火ぶたを切るのを、「今ですか?」「今ですか?」と熱く待ち受けていらっしゃる。

 こうなれば諸君、しめたものである。ワタクシの熱弁は、いったん水門を開いたが最後、一気呵成に広大な水田を潤し、日本中&世界中の田と畑を水で満たして、ずんずん海に向かい大洋に向かって流れ下る。いやはや、マコトにおそろしい勢いだ。

 こうして2時間近くにわたり、すべて語り尽くしたワタクシは、まさに汗まみれ。ワイシャツもビショビショ、ネクタイは水分を含んで繊維が膨れ上がり、ほどくことさえできない。

 ホントはカッコいい仕事だけしていればいいのかもしれないが、諸君、ワタクシは汗まみれの熱演が大好き。前代未聞&空前絶後の汗まみれになって講師室に帰還した。

 さすがに自分でも「こりゃすげーや」と絶叫。外の豪雨の中を2時間も3時間も走り回ったようなアリサマで、しばらくは息継ぎにも必死の状況なのであった。

1E(Cd) The State Moscow Chamber Choir:RACHMANINOV/VESPERS op.37
2E(Cd) Brendel(p) Previn & Wiener:MOUSSORGSKY/PICTURES AT AN EXHIBITION
3E(Cd) Sinopoli & New York:RESPIGHI/FONTANE・PINI・FESTE DI ROMA
4E(Cd) Dutoit & Montréal:RESPIGHI/LA BOUTIQUE FANTASQUE
5E(Cd) Rubinstein:CHOPIN/MAZURKAS 1/2
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