Tue 170425 メキシコシティ空港にて/カンクンに到着(キューバ&メキシコ探険記5) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 170425 メキシコシティ空港にて/カンクンに到着(キューバ&メキシコ探険記5)

 成田からメキシコシティまでは11時間。カッコよく「太平洋をひとまたぎ」と言いたいところだが、実際には太平洋の一番北の端を飛んでいく。

 千島列島からカムチャツカ半島へ。そのあたりで日付変更線をまたぎ、突然「前日」ということになってアラスカとカナダの西海岸。そういうスゲー寒そうな陸地を、ずっと機体の左側でなぞるように進む。

 やがてサンフランシスコ上空、ロサンゼルス上空。ありゃま、全然「太平洋をひとまたぎ」なカッケー感覚がない。やがて、トランプどんが意地でも壁を築きたがっていらっしゃる国境を越え、ヒコーキはメキシコの領空に達した。

 めでたし&めでたし、ホントにマコトにおめでたい。メキシコシティ到着、4月11日15時20分。この異様な感覚は何なんだ? 成田空港を出たのは4月11日17時05分。11時間が空で経過してるのに、時計的には「1時間半も逆戻り」ということになっている。

 ま、そんなことを気にしている場合ではない。ここはもう「殺人事件の件数 ☞ 世界第2位」「内戦地帯のレベルを上回る」という、危険でたいへん評判の悪い国。その国の首都の空港で、おどおど&オッカナビックリな様子を見せれば、あっという間に悪者の標的になっちゃうじゃないか。
フルーツ
(カンクンのホテルでサービスされたフルーツ盛り合わせ。おや、マンゴーもある。フルーツ食べ放題の2週間が始まった)

 今井君としては「知らんぷりを決め込む」という態度に出た。「緊張なんかしていませんよ」「おどおどしてません」「オッカナビックリじゃありません」。意地でも「メキシコには慣れたもんです」という落ち着いた態度で、まずはスーツケースをピックアップした。

 メキシコシティまではANA。ここからカンクンまでが「アエロメヒコ」。アエロメヒコはANAとの提携関係がないから、荷物は最終目的地のカンクンまで直行してくれないのである。

 今回から、新品のスーツケースである。前回のモロッコの旅が、先輩スーツケース君の卒業式であった。自分でもまだ余り見慣れない「ピッカピカの1年生」を連れてのメキシコ&キューバ探険になる。1年生君は、マコトに恥ずかしそうな様子でデビューの舞台に登場した。

 まず、日本円をメキシコペソに両替。両替屋さんのカウンターが十数軒ズラリと並んで、ドル ☞ ペソ、ユーロ ☞ ペソ、円 ☞ ペソ、いろんなレートを掲げて客を呼んでいる。

 こちらは「太平洋を準ひとまたぎ」の直後だ。眠気と疲労でサトイモ頭は大混乱中。どのレートがおトクなのか、一瞬アタフタする。あれれ、よく分かんない。

 しかし諸君、ここは「スゲー危険な国」であり、「人前でサイフを出してはいけません」「金属製のものはすべて狙われます」「人前でオカネを数えるなんて言語道断です」という国。「あたふた」「おどおど」「おっかなびっくり」は、「ワタシを狙ってください」みたいなもんだろう。
アニス
(カンクン、ホテル・プジデンテにて。アニスのリキュール1本もサービス。アルコール28度、375mlのお酒を、到着直後に飲み干した)

 というわけで、アタフタしている間に、あんまりおトクとは言えないレートで両替してしまった。メキシコでは「円 ☞ ペソ」より「USドル ☞ ペソ」のほうがレートがいい。幸い今井君のサイフにはUSドルがあったので、とりあえず300ドルをメキシコペソに替えた。

 これでひとまず、ポケットには3万円相当のメキシコペソ。ひとまず現金については安心だ。これからカンクンに飛び、カンクンで5日滞在するけれども、3万円あれば5日は何とか凌げるはず。オッカナビックリ解消には、「現金を手に入れる」というのが一番いいようだ。

 メキシコシティの空港で、もう1つやっておかなければならないことがある。キューバへのビザに該当する「ツーリストカード」の入手である。

 本来は日本にいるうちに大使館に出向いて、あれこれメンドーをこなしておいたほうがよかった。用意周到な日本人なら、2ヶ月も3ヶ月も前にチャンと入手してから成田に向かうはずである。

 しかし諸君、今井君は面倒臭がり屋だ。通貨も「現地についてから」。ガイドブックを読むのさえ「現地についてから」。ならばツーリストカードも「現地についてからでいい」。「メキシコシティやカンクンの空港でもツーリストカードは手に入ります」という情報を信じて、平気で成田を離陸した。
リビング
(ホテル・プレジデンテ、無料アップグレード後のお部屋。リビングスペースもマコトに広大であった)

 ところが諸君、メキシコシティ空港を端から端まで丹念に見て回ったが、それらしきカウンターは見つからない。どこまで行っても両替屋ばかり。しかもついさっき利用した店より、ずっと有利なレートの両替屋が並んでいる。

 いやはや、マコトに腹立たしい。「ぷん♨ぷん」の世界だ。今から10年以上前、「さとう珠緒」というタレントさんが、強い怒りを表現するのにこの「ぷん♨ぷん」を多用していた。両手をコブシにして頭の上にもっていきながら「ぷん♨ぷん」と頬を膨らませるのである。

 しかしそういうポーズのおかげで「ぶりっこキャラ」が定着し、どこかの週刊誌のアンケートで「女がキライな女」☞ 堂々の1位を獲得。いやはや、世の中はたいへん難しい。ワタクシもメキシコで「ぷん♨ぷん」なんてのをやっていたら、きっとメキシコ人に嫌われる。

 というわけで、キューバ入国のためのツーリストカード入手は、「カンクンに着いてから」と、おあずけ状態にすることにした。要するに放置である。
バー
(カンクン、ホテル・プレジデンテのバー。いつも静かないいバーだった)

 ま、いいじゃないか、とりあえずカンクンを満喫しよう。アエロメヒコの搭乗口は、第2ターミナル。この空港は広大であって、ANAが到着した第1ターミナルから第2ターミナルまでの移動も、それなりにいろいろ難しい。搭乗券がないと移動用のモノレールにも乗れないのである。

 第2ターミナルに移動してみると、休憩する場所がほとんど存在しない。カフェもなし、レストランもなし。ようやくたった1軒だけバーを発見、昨日の写真5枚目に掲載したメキシコビール「ボヘミア」をグイッとやって、はやる心を落ち着けた。

 さすがアエロメヒコはメキシコのフラッグシップであって、カンクンまでの飛行は快適。メキシコシティ発18時25分、カンクン着20時45分。カリブ海に向かってメキシコのくるぶしみたいに突き出したユカタン半島のテッペンに、とうとう到着してしまった。

 もっともカンクンは、メキシコ国内でも「例外的」と言われるほど、治安についての評判はいい。スーツケーツ君をピックアップした段階で夜9時半を過ぎてしまったけれども、そんなにアタフタ&オドオド、オッカナビックリを丸出しにするには当たらない。

 この時間帯、空港からホテルは、タクシー以外の移動手段はない。タクシーはチケット制で、空港出口にズラリと並んだチケットカウンターで、先にチケットを購入してから乗車する。

 それ以外に「リベロ」という流しのタクシーもいるが、おなじみ「タクシー強盗の被害」を覚悟しなきゃいけない。そのへんは、アルゼンチンの旅でイヤというほどたたき込まれた。中南米の旅は、徹底的かつ細心の注意が必要だ。
眺めのいい部屋
(翌日、ホテル最上階からのカリブ海はマコトに美しかった)

 タクシー会社の競争も激しい。十数軒のタクシーカウンターで、従業員のオバサマたちが声を嗄らして客引きに努めている。「なぜウチで買わないんだよ?」「サッサとウチで買いなさいよ」「グズグズしてんじゃないわよ」。そういう感じでグイグイ押してくる。

 そうかと思えば、グッとおとなしいカウンターもある。「40% OFF」と大書した大っきいシャモジみたいなものを掲げたキレイなオネーサマが、不気味な笑顔でギュッとニッコリ笑顔を作る。ま、そういう作戦だ。

 素直な今井君は、おっかないオバサマのお店を選択した。タクシー会社は「グリーンライン」、暗いタクシー乗り場をちょっとさまよったが、グリーンラインのクルマはすぐに見つかった。

 賑やかなカンクンの街を走ること約40分、チケットに明記されたタクシー料金は700ペソ。約4000円であるが、この時間&距離なら「まあ妥当」というところか。夜10時、無事に「ホテル プレジデンテ」に到着した。

 プレジデンテは、インターコンチネンタルホテルグループである。インターコンチということになれば、お馴染み♡今井君は最上級の超エリート会員だ。無料のアップグレードで、最上階のスイートに案内される。広大なリビングスペースには、フルーツとリキュールのサービスもある。

 もう深夜の時間帯だが、まだバーも営業中。初メキシコのお祝いだ、スーツケースを開けることさえ後回しにして、早速バーに出かけた。カリブ海の夜風に吹かれながら、メキシコビール「XX」を満喫。Xが2つだから「2つのX」であり、これで「ドス エキス」と発音する。

1E(Cd) Glenn Gould:BACH/GOLDBERG VARIATION
2E(Cd) Fischer & Budapest Festival:BRAHMS/HUNGARIAN DANCES
3E(Cd) Hungarian Quartet:BRAHMS/CLARINET QUARTET・PIANO QUINTET
6D(DMv) THE STORY OF JOAN OF ARC
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