Sat 170422 新スマホを買う/初ケータイ購入の頃/ミュンヘン/設定は夜明けまで | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 170422 新スマホを買う/初ケータイ購入の頃/ミュンヘン/設定は夜明けまで

 スマホが古くなった。動きが余りに遅い。メールを開くのに10秒もじっと考え込むし、カメラを使おうとしてもちっとも間に合わない。せっかくニャゴロワが可愛い表情をしているのに、スマホが遅すぎて、撮った写真のニャゴは不敵なアクビの真っ最中だったりする。

 コイツを購入したのは7年前、2011年の夏である。2010年11月、網膜剥離の手術で入院。同年12月、ニャゴは重度の腎不全と診断され「余命100日」を宣言された。翌年3月11日、東日本大震災。ホントにたいへんな日々が続いた頃である。

 シャープ「AQUOS Phone」。オウチから近い下北沢南口のドコモショップで購入した。それまではソニーのガラケーだったから、あれがワタクシにとっての「ガラケー卒業」「初スマホ」「スマホデビュー」だったことになる。

 世代を考えれば、あれはおそらくトップクラスのスマホデビューだったと言っていいかもしれない。現在すでにスマホ歴7年。若い読者諸君だって、7年もスマホを使ってきた人はそんなにいらっしゃらないと思う。
7年スマホ
(2011年夏の購入から7年。すっかり古びてしまった)

 コートでも靴でもスーツでも鞄でも、ワタクシは「物持ちがいい」のが自慢。みんなどんどん新しい機種を購入して、いかにも自慢そうにいじりはじめたが、一度買ったものはそんなにカンタンには手放さない。

 でも、それ以前に使っていたガラケーをタンスから出してみると、その古色蒼然ぶりにさすがに唖然とするのである。今日の写真3枚目のコイツは、2007年から2011年まで使用。ソニー製だ。「It’s a Sony」。そんなCMもたくさん流れていた。

 今井君のケータイ使用歴は、すでに22年7ヶ月に及ぶ。1994年だったか、1995年だったか、まだ河合塾や駿台で「新人人気講師」を演じていた頃が、ワタクシのケータイデビューである。

 当時の写真を1枚掲載しておくから、まあ諸君、その若々しさにひっくり返ってくれたまえ。ヒゲなし、髪あり。大教室で「早慶大英語」のテキストを広げ、何故か「Spread」と黒板に大書している。自分の勢力がどんどん拡大していくことを予知していたんだろうか。
若き今井君
(初ケータイを購入した頃の今井君。おお、あまりに若々しい)

 ま、スマホの話に戻ろう。7年目、すでにコイツはダイナソー並みの最古参になってしまった。人に見せると、「まだこんなの使ってたんですか?」とビックリされる。

 でも諸君、「こんなの」とは、あんまりヒドいじゃないか。ヒドいことは言われたくないし、古参選手がヒドいことを言われたら可哀そう過ぎるから、ワタクシは人前でコイツを取り出す機会がグッと減ってしまった。

 というわけで、① 通話 ② ドコモメール ③ Gメール ④ カメラ ⑤ 電卓、以上4機能以外は、一昨年ぐらいから使ったことがない。電卓はもちろん出張の交通費を計算するためであるが、諸君、こんなんじゃ、お年を召した方々のガラケー使用と択ぶところがないじゃないか。

「買わなきゃな」「買わなきゃな」と焦りはじめたのは、一昨年の冬ぐらいのことである。12月、ベルリンに滞在していて、何だかメールが通じにくくなった。今年1月のモロッコ滞在中には、もうスマホは諦めて、もっぱらPCのGメールに頼って日本との連絡を維持していた。

 でも、やっぱり可哀そうだ。ワタクシの7年を支えてくれ可愛いヤツ。7年の記憶がギュッと詰まったイトしいヤツ。コイツを連れて出かけた公開授業は、何と700回に及ぶ。

 海外旅行の450日をともに過ごして、とうとう卒業させたばかりのスーツケース君(Mon 170417 役に立ちましたか?/スーツケース君の卒業旅行/モロッコ探険記42参照)と、言わば最高の相棒だったのだ。相棒に相次いで卒業されちゃったら、この今井君が寂しすぎる。
先代
(2007年から2011年まで使用したガラケー。懐かしいね)

 でもつくづくスマホ君を眺めると、うーん、もうヨレヨレだ。世の中に次々とバリバリの新鋭が登場している時、ヨレヨレの最古参をいつまでも働かせておくのは、むしろ残酷のソシリを免れない。

 5月10日、ついに今井君は「買いにいこう!!」と決意。さっそく床屋さんに髪を切りに出かけた。「なになに?」「なんだって?」「スマホを買いにいくのに、まず床屋さんに出かけただって?」。一般のヒトビトのドギモを抜くような行動であるが、いかにも間違いなく今井君は床屋に出かけた。

 アタマ6mm。ヒゲ4mm。全体をバリカンで刈ってもらうのである。「日焼けしてますね」と指摘されて、「キューバとメキシコに2週間滞在してきました」と応じる。「なるほど!!」と答えつつも、若い床屋さんはワタクシの暢気さにつくづく呆れている様子だった。

 スマホを新しくするなら、新旧どちらのスマホにも、礼儀を尽くさなければならない。ボーボーの頭で最古参の卒業に立ち会うとか、ヒゲボーボーの有様で新人スマホに挨拶するとか、そんなのは礼節に欠けているとしか言いようがない。
新旧
(新旧のスマホ。さっそく代沢4丁目「富田屋」に出かけて、天ぷらそばの写真撮影を試みた)

 スカッと頭を整えてから、新宿西口のビックカメラに向かった。あいにくの曇り空だが、新スマホ購入に天候なんかどうだってかまわない。ビックカメラを選択したのは、ポイントが貯まっていたから。10000ポイントも残っているなら、その店舗を利用しない手はないだろう。

 購入自体は、ほぼ瞬間的に終了した。事前に買うべき機種の選択は済んでいたわけだから、店に入って、エスカレーターを2つ上がって、売り場に着いた瞬間にもう「これにします」「お願いします」と店員さんに告げていた。

 こんなにカンタンな客はいないと思うのだが、メンドーなのはそこからである。「アンケートを書いてください」から始まって、「ネット契約はどうなってますか」「もっとおトクにできますよ」の類いの営業活動に付き合わなければならない。

 しかし今井君は忙しい。スマホ購入に伴う営業活動にいちいち付き合っているヒマはないのである。申し訳ないとは思いながら「営業活動は必要ないんで、出来るかぎりシンプルにオシマイにしてください」と、ズバリ要点をついた。

 それほどそっけなくしても、店から解放されるまでにまるまる1時間を要する。いやはやマコトに長々とメンドーだ。ワンサと山積みになった料金プランの説明、アフターサービスの説明、そういうのを省略したほうが、はるかに日本経済の効率化につながるんじゃなかろうか。
ミュンヘン
(新宿西口・小田急ハルク地下3階の「ミュンヘン」で、購入直後のスマホ設定に取り組む)

 購入後、直ちに各種の設定を始める。オウチに帰る前に全て済ませてしまいたいので、ビックカメラが入っているビルの地下3階、「ミュンヘン」という名のビアホールにズンズン入っていった。

 ビックカメラ新宿店は、もともと「小田急ハルク」である。日本の主要駅前はビックにヤマダにヨドバシ、家電量販店戦争を準決勝まで勝ち抜いた勝ち組に占拠されてしまった。小田急デパートも京王百貨店も、もはやビックとヨドバシの勢いに押されて昔の栄光はない。

 しかし諸君、さすが元・小田急ハルク。地下に潜れば居心地のいい居酒屋やビアホールが軒を連ねている。「ミュンヘン」、予想外の大繁盛で、昭和なオジサマや昭和なオバサマ連で、午後4時からすでに満員だ。

 注文したのは、ビア、ソーセージ盛り合わせ、またビア、さらにビア。もちろんそれだけでは終わらなくて、焼きそば・「懐かしのスパゲッティナポリタン」・ピザ。そういう炭水化物テンコ盛りに、安い赤ワインもボトル1本。要するに夕暮れの新宿ののんべえに過ぎない。

 でも諸君、このぐらいのんべえにならなけりゃ、新スマホの設定などという作業にガマンなんかできないじゃないか。哀れなほどトンチンカンな間違いを次々と繰り返しつつ、約2時間はお店で粘りつづけた。

 ギュッと酔っぱらったあげく、オウチに帰ってからさらに数時間。やっと「終わったぁ!!」と絶叫したのは、翌朝4時半のことである。外はとっくに夜明けの光に満ちて、設定の終わった新スマホを高く掲げた今井君は、もはやすっかりお酒も醒めていたのだった。

1E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE 1/2
2E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE 2/2
3E(Cd) Lucy van Dael:BACH/SONATAS FOR VIOLIN AND HARPSICHORD 1/2
6D(DMv) MONEYBALL
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