Sat 170304 早春シリーズが終了/理想のウチアゲ/単独ウチアゲ/ニャゴも寂しそうだ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 170304 早春シリーズが終了/理想のウチアゲ/単独ウチアゲ/ニャゴも寂しそうだ

 昨日3月26日、2017年の早春シリーズが全て無事に終了した。合計でおよそ40回、1回平均150名と計算すると、たった2ヶ月で6000名の諸君とナマで向かい合ったことになる。出席してくれた諸君に深く感謝する。

 もちろん、若干のピンチもあった。特に3月、紀伊半島のど真ん中・名張の町で電車が全面ストップしてしまった夕暮れのピンチは、今井史上でもなかなかのものだったし、その後の発熱も強烈。40℃近い熱でフラフラになりつつも、熱演に手を抜くことは一度もしなかった。

 だから締めくくりの3月26日、今井君としては何としても熱い「ウチアゲ」をやりたかった。ワタクシみたいなダラしない人間にとって、長い全国行脚を締めくくる「ウチアゲ」は必須。派手なウチアゲをやるからこそ、「次のシリーズもいくぞ!!」とコブシを天に突き上げることができる。
シュークリーム
(早春シリーズの締めくくり、渋谷でケーキをいただく)

 夢見ていたウチアゲの形態は、まあいろいろ。ウチアゲの概念からして、①「賑やかな仲間たちがワイワイ&ガヤガヤ」というのが一番いいに決まっている。掘りごたつの居酒屋、やわらかな座椅子、清潔なジョッキはギュッと冷たく凍って、中のビールは決して生温くならない。

 掘りごたつの部屋には「テレビ」なんてのもあっていいが、放送されているのはお相撲かラグビーがいい。稀勢の里の鮮やかな逆転優勝シーンなら、一晩に20回見てもいい。2015年ワールドカップの南アフリカ戦、最後の逆転トライのシーンなら、100回見ても腹の底から歓声をあげる。

 そういうウチアゲなら、ツマミなんかほとんどいらないのである。から揚げ。固めに揚げたホテト。揚げ蕎麦。その類いをパリポリやりながら、早春シリーズのさまざまなシーンを振り返りたいじゃないか。

 富山も小松も岐阜も楽しかった。大阪付近は、天王寺も京橋も西宮も千里中央も、どこも申しぶんなく面白かった。京都。広島。旭川に室蘭に函館に福岡。こんなに楽しい日々が続いたんじゃ、この仕事まだまだ当分ヤメられませんな。

 ただし諸君、そういう「ワイワイ&ガヤガヤ」タイプのウチアゲをやろうと思えば、自分で2週間も3週間も前から計画を練っておかなきゃいけない。「みんなでワイワイ」とか言ったって、その「みんな」はマコトに忙しい人ばかりだ。

 コマメに連絡を取り合って、「3月26日、空いてますか?」「もし空いてたら、20時に渋谷の『○○』に集合してください」「遅れてきてもいいですよ。その場合は…」、その類いの連絡網がなければ、滅多に実現できることではないのである。
渋谷1
(渋谷の大盛況 1)

 だからそれは、ほとんど有能な秘書の存在を前提にでもしなきゃ不可能だ。せっかく大勢集まっても、掘りごたつがなくてカタい板の間の店だったり、テレビではお相撲でもラグビーでもなくて、つまらんバラエティしかやっていなったり、それだけで全てが台無しだ。

 そこで今井君は、その種のメンドー一切を避けて、②「単独祝勝会」を開催するわけだ。「単独」とは言っても、1人とは限らない。2人のこともあれば3人のこともあり、気の合う人々でさえあれば4人5人集まっても、やっぱり「単独祝勝会」の名に値する。

 これは、ラクチンだ。テレビが嫌なら、店の人にお願いして消してもらえばいいし。キライなツマミをテーブルの上にテンコ盛りにされることもない。朝までシットリ語り合えるし、「朝まで」がキツかったら、午前2時にお店の人にタクシーを呼んでもらってもいい。

 この場合、テーブルの上にほしいツマミは、何と言っても「煮込み」である。煮込みなら、冷えちゃったらお店の人にお願いして、何度でも温めてもらえるじゃないか。

 福岡に「がめ煮」という定番メニューがあって、鶏肉を中心に、サトイモ、タケノコ、ゴボウ、ニンジン、コンニャク、そういうのをゴッタ混ぜにして醤油味であったかく煮込んでくれる。

 今井君はこれが大好き。若い人は見向きもしないが、ワタクシは「がめ煮」をひと鉢かかえ込んで、あとは日本酒を次から次へとお燗してもらう。

「熱燗でもヌル燗でもなく、ちょうどいい感じでお燗してください」。そういうワガママを言うのであるが、お店の人も今井君のワガママを熟知している。「2月3月、たいへんでしたね」とニコニコしながら、お酒も、がめ煮も、いつも温かいのがワタクシの前に運ばれてくる。
渋谷2
(渋谷の大盛況 2)

 お蕎麦屋さんも、単独祝勝会には定番である。大好きな煮込み以外に、「鴨焼き」「玉子焼き」「かつ煮」がいつでもあって、今井君がお蕎麦を注文するタイミングを、今か今かと待ち受けてくれている。

 お蕎麦は、せいろ。いきなり「大盛り!!」とお願いしてもいいし、「2枚!!」でも「3枚!!」でもいい。20年前に亡くなった我が父・三千雄は、盛り蕎麦なら5枚が定番だったという伝説がある。なるほど盛り蕎麦5枚、そろそろ息子であるワタクシもマネしたい年齢になってきた。

 以上、3月26日の今井君の理想のウチアゲは、①か②のどちらかだったのである。ただし①は、諦めなくちゃいけない。準備も全然してこなかった。特に高熱を出した3月13日以降は、日々のお仕事をこなすだけで精一杯。とてもとても3月下旬のアポなんかとっている余裕はなかった。

 だから、せめて第2希望は実現させたかった。中旬の高熱の影響がまだ残っていて、味覚がモトに戻らない。ビールも旨くないし、日本酒もイマイチ。「お酒が全然すすまない」という状況ではあるが、シットリ一晩楽しく過ごせば、調子もすぐに戻るだろうと思っていた。
渋谷3
(渋谷の大盛況 3)

 3月26日、渋谷の校舎を出ると、相変わらず3月の冷たい雨が降り続いている。桜は1分咲き、雨の夜の奥の方がほんのりピンクに染まるぐらいで、単独でシットリやりたいのだが、なかなか花やかな気分が高まってこない。

 傘を差して、渋谷の南口をちょっとほっつき歩いてみる。目の前には「粥」の文字。うーん、いきなり「粥」じゃ、お腹がいっぱいになっちゃうじゃないか。

 その向かいには「長崎ちゃんぽん」。うーん、長崎、今回も行きたかった。もし長崎の思案橋あたりにいるんだったら、躊躇なくちゃんぽんのお店に入って、皿うどんで紹興酒、そういうウチアゲにしたいところだった。しかし渋谷でチャンポン、そんなんじゃ、ちっとも風情を感じない。

 諦めの悪いワタクシは、それでも雨に濡れながら、しばらく渋谷南口を歩き回ったのである。しかし目につくのは、中途半端なお店ばかり。難波や中洲やススキノなら、すぐにでも一晩を過ごす店が決まるのに、この夜は何だかちっとも楽しくないのだった。
ニャゴ
(ニャゴと飲むことにする)

 仕方なく、タクシーに乗った。渋谷からオウチまでは、タクシーで10分ほど。山手通りを北上して富ヶ谷を左折すれば、井の頭通りからあっという間にオウチに到着してしまう。

 だから「ニャゴとでも飲もう」、方針はあっという間に決まってしまったのである。真っ白いニャゴは、今日も1匹で寂しそうにトグロを巻いている。相棒のナデシコが天国に行っちゃってから、もう18ヶ月が経過するのである。

 電球の明かりの下でオレンジ色に染まったニャゴロワを撫でながら、缶ビールを2本も3本もカラッポにする。ツマミは、コンビニのおでん盛り合わせと、同じくコンビニのスイートコーンである。たっぷり七味唐辛子をふりかけると、こんなコーンだってやっぱりウチアゲにぴったりだ。

 ニャゴは、滅多なことで許してはくれない。その鳴き声のうるさいこと、天下一品である。グルグル「無限大」の記号を描いて、ワタクシの足許を延々と歩き回る。豚肉の匂いが大好きで、焼豚なんかをレンジで温めたりすれば、豚を一切れ賞味するまでは何が何でもそばを離れない。

「おお、おお、1人にして悪かったね」「寂しかったね」「なでしこは、いったいどこに行っちゃったんだろうね」。そう呟きつつ、白い背中を撫でるのであるが、ニャゴはニャゴで今や焼豚に夢中。なでしこのことなんか、もうとっくに忘れているのであった。

1E(Cd) Cluytens & Société des Concerts du Conservatoire:RAVEL/DAPHNIS ET CHLOÉ
2E(Cd) Karajan & Berliner:BACH/MATTHÄUS-PASSION 1/3
3E(Cd) Karajan & Berliner:BACH/MATTHÄUS-PASSION 2/3
6D(DMv) VICKY CRISTINA BARCELONA
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