Sat 170218 はるかな綾瀬/信じがたい大盛況/赤兵衛の記憶/ラーメンで祝杯 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 170218 はるかな綾瀬/信じがたい大盛況/赤兵衛の記憶/ラーメンで祝杯

 21世紀に入って17年目の今日、誰かが「綾瀬」と言えば、日本人ならほぼ100%が「はるか」と応じる。綾瀬は完全にはるかに服従した感があって、「綾瀬なのに、はるかじゃない」などというのは、奇人変人の発言ととられかねない。

 だから我がサトイモ入道も、「綾瀬は、はるかである」という誤謬の余地のない命題で今日の記事を始めたいと思う。代々木上原から地下鉄千代田線に乗って、延々40分も地下鉄の暗闇を走破しないと、綾瀬にはたどり着かないのである。

 代々木上原は千代田線の西の果て。綾瀬は千代田線の東の果て。渋谷区から足立区まで、さすがにはるかと言うだけあって、綾瀬ははるかかなたの存在であった。

 そのはるかな綾瀬に、驚くなかれ、何と160名の高校生が集結した。これはもう立派な奇跡と言っていい。足立区のど真ん中、ホンの20年か30年前には、綾瀬はとても受験生が集結するような街ではなかったのである。
桜色
(足立区綾瀬、春のスイーツ。おいしゅーございました)

 今井君の綾瀬初体験は、はるか30年前に溯る。当時のワタクシは、アルバイト気分で某チェーン塾の校舎長を務めていた。本部から派遣されてきた日本史の講師が、中谷さん(仮名)。九州大学を卒業した九州男児で、学部卒ながら日本史小事典の執筆者でもある傑物だった。

 そうは言っても、埼玉県内の小さな校舎である。高3日本史の受講生は、わずかに3名。予備校の大教室で200名や300名がひしめく状況を夢見ていた中谷さんは、さかんに今井君に愚痴を言い続けた。やがて本部と激しいケンカもして、「もうヤメてもらうしかないですね」という結論になった。

 そのとき、校舎長としてワタクシが中谷さんを連れて入ったのが、綾瀬駅前の居酒屋「赤兵衛」である。30年もはるかな昔、綾瀬には3月上旬の冷たい風が吹き荒れていた。

 何故あの時、何の予備知識もない綾瀬に降りたのか、さすがのワタクシも記憶がない。中谷さんが綾瀬だったか亀有だったか、まあその辺に住んでいたんだと思う。塾の全てに不信感を居抱いていた彼が、唯一信頼してくれていたのが、まだ長髪を風に靡かせていた若き今井君だったのである。

 当時の「赤兵衛」は、剥き出しの土間にテーブルが5つか6つ並んでいるだけの店。諸君、ホントに土間であって、ホンマに土が剥き出し。店の中は懐かしい土のニオイがして、テレビドラマで見る「戦後のドサクサ」を体験できる店であった。

 あの店で2時間ほど、ひたすら中谷さんの愚痴を聞き続けた。「私の実力がこの塾では発揮できない」「だってたった3人ですよ」「もっと大きなステージに立ちたい」。そう言いつのる彼に、実力があるんだから、Pretty塾やどうすんだい?(仮名)にどんどんチャレンジするようにお勧めした。
綾瀬1
(あの足立区綾瀬で、160名の大盛況 1)

 綾瀬には、そんなはるかな記憶しかないのである。3月10日午後6時、40分も付き合ってもらった千代田線の席を立って綾瀬駅前に出てみると、「赤兵衛」はすっかり立派な居酒屋に姿を変えて、今も綾瀬駅前に存在していた。2号店まで出来ていたのである。

 そんな綾瀬に、160名。うーん、スタッフの大健闘に、涙&涙のサトイモ法師である。「綾瀬で公開授業をお願いします」と言われた段階で、「まあせいぜいで60名」「下手をすれば40名」、そのぐらいのことは覚悟していたのである。

 もう10年も前のこと、初めて綾瀬校で公開授業をやった。あの時のことは今も忘れられない、出席者23名。当時の校舎責任者が「スミマセン、ターゲットにしている高校が、今日と明日の2日間、文化祭をやってまして」と、ツラそうに頭を掻いた。

 10年前の今井君は、ホトケサマみたいに優しい今のサトイモ入道とはわけが違う。あたりかまわず当たり散らし、激怒しまくっていた時代である。「文化祭の予定ぐらい何で今まで分からなかったんですか?」と、ブロック全体の統括責任者まで呼び出して怒鳴り散らした。
綾瀬2
(あの足立区綾瀬で、160名の大盛況 2)

 そんな歴史があるのに、諸君、3たび繰り返すが、何と160名が集結した。しかも、スタッフも生徒諸君も、今井君についてたいへんよく予習に励んでいらっしゃる。

 すでに今井講座を受講した生徒も大勢。現在進行形で受講している者、1回分だけ試しに受講した者、無料の特別招待講習を受講している外部生。そういう生徒が160名勢揃いし、スタッフもしっかり今井ブログを予習して、寒風吹きすさぶ中を万全の態勢で公開授業に臨んだのである。

 ボーボー燃え上がるそういう熱い雰囲気に、しっかり応えないでいられるサトイモ法師ではない。使用したテキストはB。そんなに成績優秀者ばかり集まる地域ではないが、彼ら彼女らの集中力は最後まで途切れず、大爆笑は延々と続き、160名そろって夢中でメモをとりまくった。

 綾瀬から、東京大学にも1名合格を果たしている。あんまり優秀と評価してもらえない高校から、上智大外国語学部への合格も果たしている。やっぱりスタッフがこんなに熱心なら、生徒諸君の成績もグイグイ向上するのである。
ラーメン1
(単独祝勝会を綾瀬のラーメン屋「ひむろ」で開催)

 終了、21時15分。楽しすぎ&嬉しすぎて、思わず15分も延長してしまった。大ベテランらしくない延長であるが、実は今年の早春シリーズの中で、こっそり一番楽しみにしていたのが、綾瀬の成長ぶりだったのだ。

 あの23名事件から10年を経て、綾瀬校がどれほど成長したのか。12年も同じ学校で奮闘を続けていれば、だんだんそんな楽しみ方も出来るようになるのである。

 こういうふうで、すぐに祝杯を上げたくなった。いわゆる「単独祝勝会」である。普段なら、西麻布とか下北沢とか、少し離れた場所で上げる祝杯であるが、あまりの嬉しさに、「どうしても今すぐここで!!」という思いを抑えきれなかった。

 入ったのは、綾瀬駅前のラーメン屋「ひむろ」。綾瀬にはラーメン屋がシコタマあって、ラーメン大好きな古文のウルトラ大先生なんかもきっとこの街が気に入るんじゃないかと思うが、まあ今井君はラーメンの味にこだわる方ではないから、目についた一番旨そうな店にとっとと闖入してみた。
ラーメン2
(旭川醤油ラーメン。残念ながらデロデロ系だった)

 ホントは、懐かしの「赤兵衛」を訪ねてみたかった。中谷さんの記憶も、きっともっと鮮明に蘇っただろう。しかし諸君、「赤兵衛」はもうすっかりキレイになって、土間にテーブルの戦後のドサクサは味わえそうにない。

 ならば、やっぱりラーメン。はるかな記憶より、身近な旭川ラーメンがいい。函館塩ラーメン、札幌味噌ラーメン、他にも「おろちょん」みたいな名物メニューがあったが、この日のサトイモ入道はマコトに素直に、旭川醤油ラーメン+餃子+生ビール、そういう何の変哲もない食券を買った。

「で、そのお味は?」であるが、5枚目の写真でご覧になる通り、ワタクシが求めていた旭川ラーメンとは全く別物だった。ニンニクとアブラでデーロデロなスープじゃ、ホンマモンの旭川ラーメンとは認めがたい。キレイに澄み透った醤油のスープを味わうには、やっぱり旭川の名店「すがわら」に通うしかなさそうである。

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