Fri 170217 オマケと付録とオミヤゲと/酒饅頭の感激/西麻布「セヴェロ」の絶品熟成肉 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 170217 オマケと付録とオミヤゲと/酒饅頭の感激/西麻布「セヴェロ」の絶品熟成肉

 3月9日、朝起きてみると、今井君はまだ大阪にいる。これから午後3時までこのホテルに滞在して、5時のヒコーキで東京に戻ろうと思う。

 恐るべきレイトチェックアウトであるが、ワタクシは午後4時までのレイトチェックアウトが許されている人間。その特権をフルに生かして、シドニーでも4時までゆっくりしたし、4月のメキシコシティでも4時までのんびりヒコーキの時間を待つつもりでいる。

「アーリーチェックイン ☞ 午前8時」という特権ももっている。と言うことは、午前8時から翌日の午後4時まで、1泊分のお値段で最長32時間のホテル滞在も可能という計算だ。

「おお、なんてワガママな」であって、そんなワガママな行動をしておきながら、ホテル代の高騰を嘆くだなんて(スミマセン、昨日の続きです)、「いくら何でもワガママにもホドがある」、そんなふうに叱られそうな気がすることもある。

 しかしまあ諸君、許してくれたまえ。これも宿泊に宿泊を重ね、日々旅にして旅を住処とした中年男だからこそ、人生の付録としていただいた特権なのである。ヒコーキのミリオンマイラー、ホテルのダイアモンドステイタス、付録は多ければ多いほど嬉しいものである。
おまんじゅう
(西宮北口でいただいた十三の酒饅頭6個。あまりにもおいしゅーございました)

 むかしむかしの佐々木ゼミナール(仮名)は、テキストの分厚さで有名だった。たった5日、90分×5コマの冬期直前講習で、テキストは500ページ。「90分で100ページの計算ですか?」と、どうすんだい?から佐々木ゼミに移籍した直後の今井君はドギモを抜かれたものだった。

 だって諸君、当時のどうすんだい?は、逆にテキストの薄さで有名。1学期まるまるかかって、わずか40ページのテキストをゆるり&ゆるりと講義していた。

 しかも、半分しか終わらない。1ページに印刷された英文が、たった7〜8行。それを20ページほど講義したところで、もう夏休みに入る。今井先生が40ページ全部を講義し終えて見せたところ、当時どうすんだい?で一番偉かった奥井先生に叱られた。

「そんなにどんどん進んだら、濃密濃厚な授業になるはずがない」
「ペラペラ薄っぺらく、単に和訳してみせたにすぎないのではないか」
奥井先生は厳しい顔でそうおっしゃるのである。

 どうすんだい?の名物テキスト「CHOICE」であるが、東洋大学文学部長でもあった哲学者・奥井潔師としては「1ページ8行に50分ではダメだ、1行で50分語り尽くさないような授業は、軽薄すぎて授業の名に値しない」、そういうご意見なのであった。
はこ
(西宮北口でいただいた十三の酒饅頭の外箱)

 だから、佐々木ゼミ移籍直後に見せられた500ページのテキストは、まさに驚異と驚嘆の対象。90分で100ページとは、要するに1分1ページ超の計算であって、あまりの方針の違いに唖然とせざるを得なかった。

 ところが諸君、昔の電話帳ほどに分厚い500ページのテキストを、全て授業中に扱うのではないのである。実際に授業で使用するのは、ホンの30ページぐらい。残りはみんな「付録」であって、「自分で見とけ」「自分で読んどけ」「スゲー出るから、絶対見とけよ」と、一言ずつコメントするだけなのだった。

 それを聞いてホッと一安心すると同時に、どうすんだい?から移籍してきた講師としては、付録だらけのテキストに強い反発を感じ、「ならばオレは正反対をやっちゃおう」と決意した次第である。

 500ページのテキストで、もし殴ればスゲー痛い。ほとんど武器として使えるぐらいだろう。しかしこっちは、ウチワとして使用できるたった2ページのテキストを作ってやろう。

 英作文だけ扱うなら、テキストは日本語だけで50行、ホントにウチワかセンス並みの、軽い軽い&薄い薄い冗談みたいなのが作れるじゃないか。

 諸君、わざわざ言うまでもないだろうが、このサトイモ法師は、そういう変わり者である。付録というものの価値が分かったのは、東進移籍の後。国内国外で合計ホテル1500泊、ANAミリオンマイラーになった後のことであった。
あんこ
(感激の酒饅頭。今井君は2つに割って食べるのが好き)

 ついでに、公開授業で大奮闘した後のオマケというか付録というか、酒饅頭みたいな大好物をいただいた時の興奮は、どうしても書いておかなければならない。うぉー、西宮でいただいた酒饅頭、ホントにホントにスーパー大興奮であった。

 もちろんワタクシは、公然と付録やオマケやオミヤゲを要求なんかしているのではない。それどころか「決して付録やオマケはつけないでください」「オミヤゲは絶対にくれないでください」と、事前に文書で各校舎にお伝えしてある。

 しかし今回の酒饅頭は、5日前の大阪・京橋で話題となり、熱く&熱く盛り上がったばかりだったのである。

「私は酒饅頭が大好きです」
「コドモの頃、秋田駅前の『丸〆鎌田』という和菓子屋さんで、酒饅頭30個平らげたことがあります」
「酒饅頭をサカナに、ウィスキーや焼酎を飲むと旨いですよ」

そうやって盛り上がった5日後に、講師控え室に酒饅頭を発見した今井君は、まさに狂喜乱舞の態。お仕事にも酒饅頭分の力コブが追加された。
お肉
(西麻布「Le Severo」の熟成肉ステーキ。さすがサトイモ入道だ、これを3つ、あっという間に平らげた)

 さて3月9日、大阪のホテルを出たのが午後3時。脱タクシーはキチンと継続して、阪急梅田駅から電車に乗って伊丹空港に向かった。モノレールに乗り継げば、伊丹まで30分もかからない。

 再び騒然とした空港ラウンジとヒコーキに耐え、「使用機到着遅れのため、15分遅れます」というアナウンスを20回も聞かされてゲンナリ、羽田空港に到着したのは、午後6時半であった。

 せっかくだからオウチに帰る前に、東京でもオマケないし付録を付け加えることにした。お馴染み「単独祝勝会」である。選んだお店は、西麻布というか広尾というか、要するにそのあたりのステーキ屋さん ☞「Le Severo」。パリ・モンパルナスに本店のある、熟成肉が自慢のお店である。

  HPには、およそ以下のような文言が記されている。
「パリ・モンパルナスの熟成肉専門ビストロ『Le Severo』東京店を開店する運びとなりました。世界の肉好きの集まる活気のある店となるよう、一生懸命精進してまいります。何とぞお引き立てを賜りますよう、お願い申し上げます」

「モンパルナスで培った確かな技術により、熟成させた選りすぐりの牛肉を、たくさんの日本の方々に楽しんで頂きたく存じます。ウィリアム・ベルネの熱い情熱に感銘を受けたエグゼクティブ・シェフ柳瀬が、西麻布で大いに腕をふるいます。」

「西麻布店は、ル・セヴェロ初の海外出店となります。この記念すべき第1号店は、外観はパリ本店のシンボルカラーと同じレッドカラーが目印です。ソムリエが厳選したワインも、ゆっくりと堪能できるビストロです」

 いいじゃんか&いいじゃんか。気難しいサトイモ法師は、アブラでデロデロしたお肉がとにかくキライ。それに対して、赤身の熟成肉でさえあれば、3人前でも4人前でもペロリと平らげ、驚く店の人にニヤリと視線を投げて、「オカワリ!!」と叫んだりする。

 それに比べて、デロデロ肉のほうは嫌悪の対象だ。
「ジュワーッとアブラが口一杯に広がります」
「アブラがすっごく甘いですぅ♡」
「融けちゃったぁ♡」

 そういうグルメ番組独特のお肉を食すると、10秒で眉間が重くなり、30秒で吐き気と頭痛が広がり、ムカついて&ムカついて、もう肉なんか二度と食べたくなくなってしまう。
チーズ
(肉の後はチーズ。カビのキツいロックフォールを一気に貪った)

 そんな今井君だ。西麻布の店の2階席にニンマリ笑顔で闖入すると、たちまち前菜の生ハム&サラミ盛り合わせをペロリと平らげた。赤ワインもボルドーの濃厚なヤツを1本注文。目の前に提示された250グラムの肉の塊3つを指差して、「この3兄弟を3つともいただきます」と告げた。

 あの時のマスターの嬉しそうな笑顔が忘れられない。単に「嬉しそう」どころか、ヒタイも両頬も熱く紅潮させて、「そうしていただければ、3兄弟がみんな幸せになれるでしょう」と呟きながら、茫然としてキッチンに消えた。

 今日の写真の4枚目が、その時の3兄弟の長男。あっという間に長男を平らげた後は、次男も三男もあっという間に、今井クマ蔵の胃袋送りになった。なんまんだ、なんまんだ、なんまんだ。立派に成仏しなせえよ。

 ついでに、付け合わせのポテトについても一言記しておこう。マスターによれば、「ホテトも雪室で長期間熟成させました」とのこと。おお、こりゃ旨い。肉に弱い諸君、ポテトだけでも賞味しにきてみたまえ。ただし1つだけ、おサイフにはあんまり優しくないかもしれない。

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