Tue 170214 強風の室蘭/会場は結婚式場/新郎新婦ふうに登場/急遽、室蘭で懇親会 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 170214 強風の室蘭/会場は結婚式場/新郎新婦ふうに登場/急遽、室蘭で懇親会

 3月7日午前8時半、昨夜の旭川懇親会の楽しい思い出にうっとりしながら、ワタクシは旭川の駅に向かった。昨夜から今朝にかけてかなりの雪が積もって、旭川市内はまだ厳冬期の光景である。

 今日は北海道の真ん中を一気に室蘭まで南下する。特急「ライラック」でまずは札幌まで南下、札幌で特急「スーパー北斗」に乗り換えて、一気に太平洋岸まで南下。ライラックが1時間半、スーパー北斗も1時間半、合計3時間の冬の旅である。

 苫小牧から室蘭までは、長い海岸線をひた走る。付近に背の高い頑丈な建物は一切見当たらない。6年前の大地震と大津波のことを思い出せば、さすがに身の引き締まる思いである。

 東室蘭に到着、12時08分。これだけ一気に南下すれば、やっぱり気温は旭川より5℃も6℃も高い。いかにも「太平洋側」、昔は「表日本」と呼んだが、3月のお昼の太陽がポカポカ照りつけて、雪もほとんど消えている。

 ただし、やっぱり海辺の街だ。吹きつける風の冷たさは、旭川の比ではない。体感温度を問題にするなら、むしろ室蘭のほうが寒いのである。氷点下10℃まで冷え込んで真っ白い雪に閉ざされていても、盆地の旭川は無風。体感としては意外に暖かい。
ライラック
(旭川から札幌までは特急「ライラック」を利用する)

 室蘭の会場は、室蘭で一番大きな結婚式場である。「蓬崍殿」。この名前だと、何となく和風&神前結婚式専用みたいであるが、飾られたたくさんのウェディング写真を眺めたところでは、洋装ももちろんOK、神社もあればチャペルもあって、何でもありの式場らしい。

 室蘭の人が結婚式に使うのは、他に「アール・ベル・アンジェ室蘭」というオシャレなネーミングの会場と、「室蘭プリンスホテル」があるらしい。実は今夜の今井君は、その「室蘭プリンスホテル」に宿泊することを検討していた。

 だって、いちおう「プリンスホテル」を名乗っているのだ。室蘭は新日鉄の大きな工場もかかえる伝統ある大都市であって、もしもそこにプリンスホテルが存在すれば、「ここでいいかな?」と考えるのはむしろ当然の成り行きである。

 しかしHPで写真を眺めると、うーん、どうも納得がいかないのである。たった4階建て。ワンフロアに窓が3つ。「野口観光」の文字。お隣には「今井」という大きな看板。こりゃプリンスのチェーンではなさそうだ。実際、プリンスホテル側のHPには「室蘭」の文字がない。

 というわけで、すんでのところで宿泊予約を思いとどまった。後から地元スタッフに尋ねてみたところ、どうもこの方針は正解だったようである。結局この日は、仕事と懇親会が終わったら札幌に向かい、札幌駅前に宿泊することにした。
室蘭
(室蘭、結婚式場での大盛況)

 13時、今井君は結婚式場「蓬崍殿」に闖入した。おお、雰囲気はマコトにおめでたい。平日の昼間だから、進行中の結婚式は1つもない様子であるが、「自衛官募集」「自衛隊幹部候補生募集」のポスターがあちこちに張り出され、雰囲気はキリッと引き締まっている。

 控え室は、本来なら「ご親族控え室」だったり、「両家ご対面」の場だったり、そういうおめでたい和室である。その和室にテーブルとイスを置いてくれて、ここで1時間後の出番を待つことになった。

 今日は北海道の高校入試の日なのである。高校入試だから、平日でも高校生はお休み。真っ昼間・14時開始の公開授業にも、熱い諸君がワンサと集まってくれるわけである。

 室蘭は、2年ぶりだ。2年ごとにこの街を訪れて、すでに3回目の訪問である。4年前の前々回に出席した諸君は、すでに大学を卒業しようとしている。東大や北大にたくさんの生徒が合格した世代である。

 毎年約130名の出席者があって、地元の名門・室蘭栄高校の生徒諸君を中心に、熱く激しく燃え上がる。ただし「蓬崍殿」での開催は初めて。前回までは商工会議所だったか福祉センターだったか、まあその類いの公的な会場を使用した。
やきとん
(室蘭の懇親会は「鳥辰」で。室蘭で焼鳥と言えば、実は焼きとんのことである)

 14時、前説の先生が頑張って、もうすっかり会場内の雰囲気も温まっている。いよいよサトイモ入道の登場の瞬間だ。結婚式場の大きなドアが観音開きにブワッと開かれる。

 これは本来、キャンドルをギュッと前に突き出した新郎&新婦が、親族や友人たちの暖かい拍手に迎えられる場面。照明は落とされ、大音量のウェディングマーチが響きわたり、ま、そんなお馴染みの場面である。

 ところが諸君、熱い拍手の只中に闖入したのは、一人の怪しい中年男子♡サトイモ法師だけである。高い天井、立派な舞台、130名の大観衆。しかし舞台には地味な3枚のホワイトボード、「今井先生の登場です!!」と司会者が声を張り上げても、ごく普通のオジサンが恥ずかしげな苦笑で頭を掻いて見せるにすぎない。

 だから、「インパクト」という面では、みんなすっかり拍子抜けするのである。アイドルも出てこないし、BGMも一切ナシ。静かに静かにオジサンが語り始めるだけであって、聴衆はおそらく一瞬の失望を味わうだろう。

 ところが、そこからが圧巻なのである。「このオジサン、タダモノじゃないぞ」と全員が認識するまでに15秒。認識が驚きに変わるまでに30秒。驚きが感激と大爆笑の連続に至るのに60秒。そこからは圧巻の100分が瞬く間に過ぎていく。
精肉
(室蘭名物「精肉」。タレでいただくのが基本)

 使用したテキストは、久々のBタイプ。諸君、やっぱりBはスゴいね。このごろは何となくCタイプをお勧めしているが、久々にBを使ってみると、その大爆笑の総量において、今までに人類が経験したあらゆる100分の大爆笑も、このBタイプに勝てるとは思えない。

 話す者も聞く者も、あまりの大爆笑に酔いしれ、気がつくと予定の時間をオーバー、100分のつもりが110分を過ぎてしまっていた。こりゃいかん、爆笑の大洪水に「時間の経過を忘れる」という大ベテランらしからぬミスをおかしてしまった。

 しかしそこは結婚式場側の温かい配慮で、全く叱られずに済んだ。よかった&よかった。保護者の方が1人、「ハンカチにサインしてください」と、買ったばかりのキレイなハンカチとキレイなブルーのペンをもってきてくれた。

「保護者」の中にも、そろそろ今井君の元生徒のカタがチラホラ混じりはじめている。恐るべし諸君、長く仕事を続けていると、いつの間にか小石も成長して巨岩となり、巨岩には厚く苔がむして、態度のデカいサトイモ入道に生まれ変わる。
ざんぎ
(北海道名物「ザンギ」。おいしゅーございました)

 そのまま控え室で1時間ほどを過ごして、17時、楽しい懇親会が始まった。店の名は「鳥辰」。2年前にも訪れた懐かしい焼きとん屋さんだ。参加者は9名。突然の開催決定にも関わらず、若者からオジサマまで幅広い年齢層が集まってくれた。

 公開授業の終了が15時半だから、終了後はすぐに室蘭から札幌に移動して、札幌で懇親会という予定だったのだが、それじゃ室蘭のスタッフが誰も参加できないじゃないか。今井君の提案で、突如として室蘭での開催になった。

 以上のような事情があって、懇親会の〆は18時半。寒い2階のお座敷でたった1時間半では、さすがに昨夜の旭川のような激しい盛り上がりにはならない。しかし、しっとり静かに焼鳥をかじり、しっとり穏やかな会話に興じるのもまた楽しいものだ。

 午後7時、強風の吹き荒れる東室蘭駅から、札幌行き特急「北斗」に乗り込んだ。昭和中期に作られたディーゼル特急であるが、何度も何度もペンキを塗り替えて、大事に大事に使い続けている。

 懇親会のたった1時間半で、熱燗の日本酒を7合飲んだ。2合徳利3本と、1合徳利1本なら、単純に計算して7合。よく飲んだものだ。さすがの今井君も、帰りの列車内では完全熟睡。登別までは記憶があるが、ふと目が覚めるともう札幌の手前。しっかり1時間、熟睡した後であった。

1E(Rc) Solti & Chicago:DEBUSSY/LA MER・PRÉLUDE A L’APRE MIDI D’UN FAUNE & RAVEL/BOLERO
2E(Cd) Akiko Suwanai:SOUVENIR
3E(Cd) Deni Hines:IMAGINATION
6(DMv) BAD TEACHER
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