Tue 170131 モロッコも寒い/豪華なお部屋/別にしつこくない(モロッコ探険記5) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 170131 モロッコも寒い/豪華なお部屋/別にしつこくない(モロッコ探険記5)

 スペインよりポルトガルより南、ギリシャよりシチリアより南、サハラ砂漠と隣り合い、カイロやニューデリー同じ緯度。その辺を考えると、何となく「モロッコは超♨熱帯」「ジュージュー焼けるほど熱いんじゃないか」というイメージを居抱きがちだ。

 しかし諸君、もしも緯度的なことを言うなら、モロッコは日本の四国や九州とあまり変わらない。そりゃ夏は沸騰するほど暑いだろうが、真冬は最高気温20℃前後、最低気温は10℃以下まで下がるのである。

 旅の終盤には、内陸部に大雪警報まで発令された。半袖のポロシャツに半ズボンなんかで油断していれば、あっという間に凍えてしまう。滞在したのは1月6日から20日まで。真冬の真ん真ん中であって、朝晩の寒さは東京とちっとも変わらない。

 ホテルから迎えのクルマが来て、空港からホテルまで15分ほど。さすがにアフリカだ。2階建て3階建て以上の高い建物はほぼ皆無。見通しのいい町並みにヤシの並木が続き、建物より樹木のほうが背が高いという光景を久しぶりに眺めた。

 明らかに観光用ではあるが、ラクダや馬の姿も目立つ。「ラクダに触ってはいけません」という広告を羽田空港でタップリ見てきたばかりだから、クルマの中から写真をとりまくるだけにとどめておいた。
ピンクの薔薇
(マラケシュのホテルにて。ホテルから薔薇が届けられた。3日に1回ずつ新しい薔薇に取り替えてくれた)

 宿泊するのは、マラケシュの旧市街メディナに近い「ES SAADI」。マラケシュを代表する高級ホテルがズラリと並んだあたりで、ソフィテルやメリディアンみたいなフランス系のホテルと並んで「ロイヤル・ミラージュ・デラックス・マラケシュ」なんてもある。おお、マコトに高級そうだ。

 ワタクシが14連泊する「ES SAADI」は、ごく普通の「ES SAADI」と、より高級感に溢れる「ES SAADI RESORT & SPA」の2つに分かれている。今井君は後者を選択。セキュリティ面を重視すれば、ここは若干オカネかかかっても、より高級な方にしておいた方がいいだろう。

 何しろエントランスに金属探知機があるぐらいだ。マンパワーも充実していて、警備は国会議事堂なみ。屈強な警備員の並ぶ検問を通過しないと、クルマはホテルの敷地に入れない。金属探知機前でまたまた強そうな警備員さんに手荷物を検査してもらう。これなら安心して2週間ゆっくりできそうだ。
鍵
(ホテル・エッサーディ、お部屋もデカいが、鍵もデカい)

 お部屋からは、大っきなプールが3つ眺められる。最高気温20℃前後、最低10℃前後、そういう気候でも、プールは3つともオープンしている。常夏のリゾートみたいに、プールサイドのバーもある。

「しかしまさか泳いでいる人はいないだろう」とタカをくくっていたら、何と諸君、夕暮れのプールに飛び込んだオジーサンがいらっしゃる。もちろん温水プールなのであるが、早朝にはこのプールから朦々と湯気が上がる。

「あれれ、ホースから熱湯がジャージャー溢れている」であって、この熱湯で朝のプールを一気に温めるらしい。遥かかなたに雪をかぶった白いアトラス山脈を眺めつつ、プールでバシャバシャやる贅沢を、少なからぬ人が満喫していらっしゃった。

 チェックインしたお部屋は、2階の3217号室。「コーナースイート」であって、諸君、こりゃ広大なお部屋でござるよ。デスクとテーブルとゆったりしたソファの並ぶリビングスペース、ベッドルームとバスルームを合わせて100㎡超。マコトに豪華な2週間になる。

 何しろ「高層ビル」などという余計なものが一切ないスッキリした街であるから、2階でも十分に視界が開けている。ヨーロッパ流の数え方だから、2階とは要するに日本の3階に該当。さえぎるもの一切ナシでアトラス山脈が眺められる。その向こうにはサハラ砂漠が広がっている。
ビール
(とりあえず、ビールを調達。左がフラグ・スペシアル、右がカサブランカ、モロッコの代表的ブランドである)

 嬉しいことに、「ミニバーの中身は全て無料」。0円というか、0ドルであり、0ユーロであり、ここはモロッコだから正確には0ディルハムであって、ミニバーに準備されたドリンクはナンボ飲んでも料金は一切かからない。

 もちろんイスラム圏だ。入っているのは、ノンアルコールのみ。しかし例えノンアルコールでも、コカコーラ・シュウェップス・ファンタオレンジ・ガス入りミネラルウォーター・ガスなしミネラルウォーター、以上がすべて2本ずつ。飲めば欠かさず補充されて、補充しても補充してもオカネは全く請求されない。

 こうなれば、やっぱり必要なのはビールじゃないか。鍵をフロントに預けて、近くの「カルフール」に出発することにした。このごろのホテルは世界中どこでもカードキーがほとんどだから、「鍵をフロントに預ける」という行動は久しぶりである。

 写真2枚目が、部屋の鍵。セキュリティ対策でもあるんだろうが、確かにこんな大きな鍵ではポケットに入れて街を歩くのは億劫だ。メンドーではあるけれども、これから2週間、「鍵、預かってください」「部屋の鍵ください。3217号室です」を繰り返すことになる。
水とダノン
(とりあえず、ミネラルウォーターとヨーグルトを購入。アラビア語表記に感激する)

 事前に調べたモロッコ情報では、「とにかく客引きの数とシツコサが半端ではありません」とのことだった。他に「カメラを向けてはいけません」「すぐチップを要求されます」というのもあったが、うーん、どうも情報が大袈裟すぎるようだ。

 中でも「ガイド」を巡る事前情報が激しかった。
「ちょっとでも立ち止ると、すぐにガイドを名乗る人物がしつこく声をかけてきます」
「公式ガイドならまだいいですが、しつこい『自称ガイド』に要注意です」
「自称ガイドはジュータン屋とつるんでいることがあります。高価なジュータンを買わされる人が後を絶ちません」

 だから、もともとへっぴり腰だったモロッコの今井君は、初めての外出でもっと&もっとへっぴり腰になっていた。ホテル前にはズラリとタクシーが並び、タクシー運転手も確かに声をかけてくる。その向こうには貸しバイク屋があって、怪しい人影が薄闇をウロウロしている。

 しかし諸君、そんなに怖がる必要はないのだ。客引きは断ればすぐに退散するし、「公式ガイド」や「自称ガイド」につきまとわれることも、そんなに頻繁ではない。

 客引きの諦めが悪いことは確か。いったん声をかけられたら、後ろから根気づよく追いかけてきて、マコトに根気づよく商品を勧め続ける。しかしそれはあくまで「根気強さ」であって、無意味にしつこいのとは話が違う。こちらも根気づよく「いりません」と言い続ければいいのである。
メナラモール
(ホテル・エッサーディから徒歩10分。巨大スーパー・カルフールに連日お世話になった)

 真っ向から西日を受ける通りを歩いて10分、カルフールの巨大店舗はすぐに見つかった。高い建物がないから、「死角」「物陰」というものが存在しない。悪い人の隠れ場所がないし、警察官も軍人さんもセキュリティのヒトビトも大勢いるから、ホントに安心して街を歩けるのである。

 これから連日のようにお世話になるカルフールであるが、初日のカルフールで購入したのは ① ビール1ダース ② ヨーグルト ③ プリン ④ カマンベールチーズ。忘れてもらっては困るが、この段階の今井君は激烈な口内炎に悩んでいて、プリンやヨーグルトや柔らかいチーズしか食べられない状況だったのである。

 チーズにもヨーグルトにも、アラビア語が大書されている。ビールはモロッコの代表的ブランド「フラグ・スペシアル」と「カサブランカ」。いやはや、そういうものをお部屋に広げて、「ついに来たんだな」の感慨にふける夜になった。

1E(Cd) Kubelik & Berliner:DVOŘÁK/THE 9 SYMPHONIES⑥
2E(Cd) Avner Arad:THE PIANO WORKS OF LEOŠ JANÁĈEK
3E(Cd) Akiko Suwanai:INTERMEZZO
6D(DMv) THE LAST TYCOON
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