Wed 170118 京都市に大雪警報/老舗「わらじや」の鰻雑炊/滋賀県草津の大盛況 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 170118 京都市に大雪警報/老舗「わらじや」の鰻雑炊/滋賀県草津の大盛況

 昨日に続き、今日も京都に滞在中。京都には大雪警報が出て、テレビの関西ニュースは緊迫感がいっぱいだ。新幹線も遅れ出し、「米原から関ヶ原付近の大雪でスピードを落としています」「30分近い遅れが出ています」と、お馴染みの情報が繰り返されている。

 ただし、窓を開ければお日さまが見える。雲間から青いお空も見えていて、「雷を伴って雪が激しく降るでしょう」という天気予報とは、ずいぶんかけ離れたイメージ。東山の上の方にはうっすら積もった雪が見えるが、「今日もまた、単に大袈裟なだけじゃないの?」という気がする。

 昨日(2月9日)の雪については、今井君の予想がビシッと的中したじゃないか(昨日の記事参照)。大雪がくる前には大雪のニオイがあって、一昨日の京都にはそれがなかった。お昼すぎに大粒のボタン雪が舞っただけで、積もるには至らなかったのである。
東山
(京都・蹴上のウェスティン都ホテルから、うっすら雪化粧の東山を望む)

 午前11時、ホテルを出て昼飯に出かけた。何しろ「脱タクシー」「卒タクシー」を実践中だから、昼飯にタクシーで出かけるなどという贅沢は絶対にしたくない。ウェスティンホテルと京都駅を結ぶ無料のシャトルバスを利用して、祇園四条駅前で降りた。

 祇園四条からは、京阪電車を利用。おお、偉い。今井君は偉いなー。京阪電車で2駅、七条で下車。湿ったボタン雪がだんだん激しくなる中、ホテルで借りた傘を差して、今日の昼飯の「わらじや」を目指した。

「わらじや」は、三十三間堂の斜向い。京都国立博物館のお隣である。昨年このあたりをブラブラ歩いたとき、「何だか風情のある店が並んでいるな」と、それなりに目を付けておいた。

 遥かな昔、太閤豊臣秀吉がブラリとこの地を訪れ、「どれ、ひと休みすんべか」とワラジを脱いだというのが、「わらじや」という名前の由来らしい。創業1642年。以来400年近く、七条のこの場所で鰻の雑炊を出し続けている。

 中庭にはもう、梅のつぼみが膨らんでいる。北野天満宮あたりに行けば、そろそろ梅が見頃なのかもしれない。数年前、秋田で公開授業のあと、今はもう廃止されてしまった寝台特急「日本海」に乗って一気に京都まで南下した。京都に着いたその足で、北野天満宮の梅を見に行った。懐かしい記憶である。
わらじや1
(京都七条の老舗「わらじや」。創業1642年の老舗である)

 京都の老舗の多くは「お座敷しかありまへん」であって、非常識に肉体の固い今井君は、お座敷のザブトンの上で死にそうなほど苦しむのが常である。

 龍安寺・西源院の湯豆腐屋。わら天神の前の湯豆腐屋。「湯豆腐」と考えただけで、座敷で四苦八苦した思い出だけが蘇る。特に西源院の方は、固いお座敷に低いテーブル、四苦八苦の材料が「これでもか?」と集まって、サトイモ入道の固い肉体を苛んだ。

 昨日の「わらじや」でも最初はお座敷に通され、お馴染みの低いテーブルに向かって座った瞬間、「こりゃ鰻雑炊を楽しむどころじゃないぞ」と、間もなく訪れる四苦八苦を予想して、店に来たこと自体を後悔しはじめたのである。

 恐る恐るお店のオネーサマに「テーブル席はありませんか?」と尋ねてみたところ、マコトに優しく頷いてもらえた。「ただ、まだ暖房をつけてないお部屋です」とおっしゃる。京都の人はみんなお座敷を選択するので、テーブル席にはまだ暖房をつけていなかったらしい。

 いいじゃないか、せっかくキリッと冷え込んだ雪の日の京都だ。暖房がきいてくるまでの十数分、ブルブル震えながら鰻雑炊を待つ。ラクチンなテーブル席で、足も腰も痛くないなら、それに越したことはない。1も2もなくテーブル席を選択。うはうは気分で移動させてもらった。

 おお、こりゃ寒い。暖房は「パワフル」「27℃」に設定してもらったが、いくら待っても全然きいてこない。だって諸君、気がつくと、窓にはガラスがないのである。紙の障子が一枚あって、そのマコトに頼りない紙一枚を隔てて、外ではボタン雪が舞っている。
わらじや2
(わらじや、中庭の風景。雪の粒がだんだん大きくなってきた)

 テーブル席が5つ並んだお部屋には、他には誰もやってこない。中庭を通して見下ろすお座敷のほうは大盛況であって、オジサマ連、オバサマ連、みんなザブトンの上にお行儀よく座って鰻雑炊の登場を待っている。

 まず出てくるのが「うなべ」。骨抜きした鰻・九条ネギ・庄内麩・春雨を、石鍋でサッと煮た軽いお鍋である。それにしてもMac君、「苦情ネギ・小ナイフ」とは、ずいぶん続けざまにやってくれるじゃないか。

 すっかり冷えた肉体が「うなべ」で十分に温まったあたりで、いよいよメインの鰻雑炊が運ばれてくる。焦げた井桁に焼けた石鍋、しゅんしゅん湯気があがって、鰻とオモチとタマゴとオコメが、とーろとろに絡まって煮えている。

 こりゃいいや。むしろ暖房なんか効いていないお部屋でよかった。障子一枚で、外は降りしきるボタン雪。紙一枚のこちら側では、もうもうと湯気の上がる鰻雑炊。さすがに一人6760円は高いけれども、まあせっかくの京都だ、そのぐらいいいじゃないか。

 カラダがすっかり温まって、思わず障子を開けてお庭の景色を楽しんだ。まだ固い梅のつぼみに、だんだん粒が大きくなるボタン雪の風景が美しい。雪はどんどん融けて、積もる心配はなさそうだが、まあそろそろホテルに帰って、今日の仕事の準備にかからなきゃいかん。

 鍋をカラッポにしたあたりから、急激に気温が下がってきた。雪はどんどん融けてはいるが、何しろ大量の氷水が空から降り注いでいるわけだから、気温が下がるのは当たり前。京阪七条の駅の中で、ドイツ語を話す若者2人がいかにも寒そうに震えていた。
う雑炊
(熱い鰻雑炊が運ばれてきた)

 2月9日のお仕事は、滋賀県草津の駅前である。京都地下鉄「蹴上」の駅から電車に乗って、山科でJRに乗り換える。琵琶湖の南端、大津・膳所・石山・瀬田、古典文学にも頻繁に登場するそういう町を通って、草津まで20分ほどの旅である。

 何しろ悪天候だから、欠席者や遅刻者が多くなるのは覚悟の上である。昼間の雪はすっかり上がったけれども、気温は相変わらず低い。今井君は怠け者だから、もしも生徒の立場だったら、この悪天候を理由にズル休みを企むに決まっている。

 しかし諸君、出席者はほぼ予定通りの140名。遅刻者が少し多かったけれども、最終的にはキチンとみんな集まってくれた。使用したテキストは「C」。「笑いまくる」「メモをとりまくる」「メモをとりまくって集中力をMaxにする」というバージョンである。

 自分では、このCバージョンが一番気に入っている。もちろん激しい大爆笑が切れ目なく続く伝説のBバージョンも、モチベーションアップという意味では最強だし、センター試験直後にはDバージョンもマコトにスンバラシー。しかしCはオールラウンド、充実感Max。今日もまた盛り上がった。
草津
(滋賀県草津の大盛況)

 となれば、もちろん次は懇親会であるが、滋賀県のメンバーがみんな揃って、電車で京都駅前に向かった。選んだお店は「空海山」。看板には英語で「Mt.Kukai」とある。昨年の同時期、同じ草津での公開授業後にヒッソリお酒を楽しんだお店である。

 店の大将が、一年前のワタクシの訪問を記憶してくれていた。一年前に座った席の位置まで覚えていらっしゃる。「そのお声で思い出しました」というのであるが、今井君の声って、そんなに印象的なんですかね。

 23時すぎまで飲んで、タクシーでホテルに帰る。「おやおや、とうとうタクシー利用ですか?」であるが、まあこのぐらいは許してくれたまえ。

 せっかくだから、「岩倉に住んでます」というベテラン運転手さんと、京都の観光についてたっぷり語り合った。どうせ2000円も払うんだ。熱い情報交換も楽しんだ方がいいに決まっている。

1E(Cd) Reiner & Wien:VERDI/REQUIEM②
2E(Cd) Mravinsky & Leningrad:SHOSTAKOVICH/SYMPHONY No.5
3E(Cd) Maggini String Quartet:ELGAR/STRING QUARTET in E MINOR  PIANO QUINTET in A MINOR
6D(DMv) THE TOURIST
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