2017年01月27日(金)

Wed 170104 ジェノランケイブ/豪雨の中のワラビー君(シドニー夏のクリスマス14)

テーマ:ブログ
 12月24日、10時半にカトゥーンバを発車したバスは、一路ジェノラン・ケイブを目指す。カトゥーンバの段階ですでにシドニーから列車で2時間も離れている。ハエだらけのカトゥーンバから、さらにバスで2時間も大陸内部に分け入ってくんだから、車窓はもういかにも「大自然」の雰囲気がムンムンしている。

 今井君の気持ちとしては「ワラビー君はいませんか?」である。以前も書いたように、カンガルーどんとは仇敵の間柄。あんな厚かましい顔の厚かましい動物とは遭遇なんかしたくないが、ワラビー君なら大好きだ。

「オーストラリアの大自然」ということになれば、イメージとしてはそこいら中にカンガルーのヤツらがウヨウヨ横たわり、ワラビー君の群れがピョンスカ&ピョンスカやっていそうな感じ。可愛いワラビー君たちを、長ーいニシキヘビたちが例の不気味な瞳を光らせて狙っている感じだ。

 しかし諸君、バスの窓からいくら目を凝らしても、カンガルーもワラビーもちっとも見つからない。ましてやコアラどん(正式名称コゥアーラどん)なんか、存在する気配もない。バスは荒野と広大な牧場の中を突き進み、進むに連れて、天候も何だか荒っぽくなってきた。

 いつの間にか険しい山地に入り込み、峠を越えたところからバスは一気に急峻な坂道を駆け下りる。こんな険しい坂でも運転手のオジサマはちっともスピードを緩めない。急坂を楽しむように、むしろスピードをあげた感さえある。
鍾乳洞1
(オリエントケイブ。ジェノランケイブで最も美しいそうな 1)

 ジェノランケイブ到着、12時半。いやはや長いバス旅だったが、カトゥーンバではあんなに気持ちよく晴れていたのに、洞窟に着く直前から一天ニワカにかき曇り、大粒の雨が降り始めた。これも「いかにも大陸ど真ん中」な豪雨。傘がないと、一瞬でズブ濡れになりそうだ。

 観光客はみんな洞窟の入口に入って雨をやり過ごす。近くの山も見えないほどの豪雨。ただし幸いなことに今日は洞窟探検だから、雨でも全然構わないわけだ。こんな日にエコーポイントやシーニックワールドに行っていたら、それこそたいへんな悲劇だった。

 3つ並んだ深い鍾乳洞のうち、ワタクシが選んだのはオリエント・ケイブ。「約4億年前から形成された」とくると、絶句するしかない。シドニー観光で歴史的建造物の少なさを嘆いた直後であるが、いやはや、歴史は歴史でも、強烈に長い地球の歴史を見せつけられることになった。

 石灰岩の層に染み込んだ地下水が、4億年かけてポターリ&ポタリ、この洞窟の天井から落ち続けて一種のツララを形成。柱状の鍾乳石がほとんどだが、波紋のようにひろがったもの、お皿を積み重ねた形のもの、波しぶき状に粒のまま固まった形状、人々は立ち止まっては息をのんだ。

 余りに貴重な自然遺産であるから、ガイドつきツアー以外では洞窟に入るのは禁止。というか、無茶に入り込めば間違いなく遭難する。ガイドつきであってさえ、万が一停電でもしたらそこは真の闇。ガイドさんだって生きて洞窟から出られるか分かったものではない。
鍾乳洞2
(オリエントケイブ。ジェノランケイブで最も美しいそうな 2)

 こうして約120分、美しい鍾乳石の光景が延々と続く。ガイドさんの後ろからくっついていくグループは、世界中から集まった総勢20名ほど。昨日の「シーニックワールド」はあんなに中国のオカタで埋め尽くされていたのに、今日のグループには1人もいない。

 しかし諸君、洞窟の闇にどれほど緊張感があふれ、ライトに照らし出される光景の美しさにどれほど息をのんでも、ヒトというものはマコトに悲しいもので、90分を経過するといきなり集中力を失う。ストップウォッチで計ったように90分、みんなガイドさんの説明に集中できなくなった。

 誰も説明に耳を傾けない。あちこちで勝手なオシャベリが始まる。キャンディを口に投げ込む者もいる。ガイドさんについていこうとしないで「ここで待ってます」という者たちまで出始めた。

 やっぱり予備校の授業の「90分」というのは、人間の集中力の限度をビシッと考慮した結果なのであるね。確かに、今井君の公開授業みたいに爆発的大爆笑の連続する場合でさえ、90分を経過した段階から「どうもみんなグニャグニャしてきたな」「笑いが萎えてきたな」と感じることがあるのだ。

 もちろん、だからと言って「どうすんだい?(仮名)」みたいにその限界を「50分」に設定し、「50分しか続かないんです」と自慢げに連呼する必要はない。90分なら、よほどダメな人でないかぎり十分に集中力を持続できる。

 しかし諸君、こんなにキレイな鍾乳洞でさえ、やっぱり90分までなのだ。鍾乳洞で悟りをひらくことではないのかもしれないが、ベテラン予備校講師・今井サトイモ入道としては「たとえ10分か15分でも、絶対に延長はいかんな」と、心の手帖にしっかり書き込む思いだった。
鍾乳洞3
(ジェノランケイブでも最も古く美しいオリエントケイブ 3)

 さて、こんなふうに鍾乳石の数々を夢中で写真に撮って100分が経過した。ところが、いま改めて写真を眺めてみると、闇の中の鍾乳石の光景は、どれもこれも余りに不気味なものばかりである。

 何だかこの薄いオレンジ色、むかしむかし映画で見たエイリアンみたいじゃないか。というか、生まれたばかりの生々しいエイリアンが、鍾乳石の陰からビュンビュン飛びだしてきそうじゃないか。

 写真家ならぬ身の、腕の未熟さなんだろうけれども、読者諸君にオリエントケイブの美しさをビジュアルでお伝えできないのが、マコトに&マコトに残念である。

 これはもう、致し方ない。諸君が自分自身で出かけてみるしかないのだ。日本国内でウジウジしている必要はない。アジアで蹲っている必要もないし、ヨーロッパでたった6000年の文明の歴史に酔っぱらっているのもメンドーだ。4億年の造形美に感激するために、ぜひ赤道をまたいでオーストラリアに乗り込んでみたまえ。
鍾乳洞4
(オリエントケイブ。ジェノランケイブで最も美しいそうな 4)

 洞窟を出たのが午後3時すぎ。雨はまだ降り続いている。というか、激しい雷鳴が轟き、続けざまに稲妻が走る。稲妻も雷鳴も「さすが大陸」という豪快さであって、東京辺りの弱っちいチマチマした雷鳴ではない。

 すぐにバスに乗り込んで、発車を待つこと20分。バスは豪雨の中をカトゥーンバに向かって走りはじめた。滝のような雨が急斜面の道路を川のように流れている。「これって、もしかして異常事態?」「もしかして記録的豪雨?」と、さすがのサトイモ入道も心配になってきた。

 その豪雨の中、道の端にワラビー君が3頭、怯えたように立ちすくんでいる。夢ではないか、野生のワラビー君たちである。おお、ホントにワラビー君だ。バスの中に歓声が湧き起こった。

 しかしその歓声も、バスの窓のスキマから吹き込んでくる激しい雨と風に吹き消されてしまう。「窓のスキマ」というものの存在にも驚かされるが、まあ諸君、ここは日本ではないのだ。日本の常識をあてはめようとする方が間違っている。
吊り革
(シドニー式の吊り革。何だかこれも鍾乳石に見える)

 カトゥーンバまで、帰り道も2時間。雨のせいで車窓もすっかり暗くなり、暗いバスの中を照らすのは稲妻ばかりである。運転手さんも少々動揺しているらしく、何度かバスを止めて、曇ったフロントガラスをタオルを丁寧に拭き取っていた。

 それでも何とか無事にカトゥーンバに到着。17時42分。帰りの列車はカトゥーンバを17時45分に発車する。これに乗り遅れれば、次の列車は2時間後までない。うひょ、こりゃ走らなきゃ、こりゃ意地でもダッシュしなきゃである。

 そして諸君、豪雨をついて3分、サトイモダッシュは見事に功を奏した。すでに列車はホームに入り、発車間際の状況だったが、今井君の余りの迫力に、駅員さんも感動してくれたらしい。ドアをグッと抑えて、ワタクシの乗車を待ち受けていたのである。

 間一髪、セーフ。豪雨のカトゥーンバ駅前で、夕暮れの2時間をションボリ立ち尽くして過ごさなければならないピンチだったが、猛烈ダッシュの甲斐あって諸君、午後8時、無事にワタクシはシドニー・セントラル駅にたどり着いたのである。

1E(Cd) Solti & Wiener:MOZART/GROßE MESSE
2E(Cd) Rilling:MOZART/REQUIEM
3E(Cd) Jochum & Bavarian Radio:MOZART/THE CORONATION MASS
6D(DMv) CHLOE
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