Thu 161229 ただいまモロッコ・マラケシュから帰還しました①(モロッコ探険記 –1) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 161229 ただいまモロッコ・マラケシュから帰還しました①(モロッコ探険記 –1)

 ま、いつもと同じことであって、旅行記ばかりを知らんぷりで続けている時には、今井君は日本にいない。トボケた顔で海外をほっつき歩いているのである。

 1月5日の深夜から1月21日夕刻まで、ワタクシはアフリカ西岸・モロッコの荒野を探険していた。2005年2月から2017年1月までの12年で、6大陸を制覇したことになる。

 ヨーロッパをくまなく旅しつつ、時に北米、時に南米、アジアにオセアニア。旅の目的地が異様なほどヨーロッパに傾く中、アフリカについては今回のモロッコが初である。

 本来の予定では、2015年以降はチュニジア・リビア・アルジェリア・シリアなど、地中海の南岸と東岸を次々に訪れているはずだったが、「ジャスミン革命」以来すっかり政情が不安定になって、予定は大きく修正を余儀なくされた。

 それでも諸君、さすがに今井君は聞きわけがない。「危険な所には行かないでくださいよ」という周囲の懇願にも関わらず、今回のモロッコ行きは昨年10月の段階ですでに決まっていた。しかも、半月にわたるマラケシュ滞在。うーん、ワタクシの旅の履歴の中でも、前代未聞に激しい旅になった。

 帰国の日には、必ず「旅のあらすじ」というか、行程表みたいなものを掲載するのをこのブログのシキタリ。シドニー旅行記の真っ最中ではあるが、今日と明日は写真を若干多めにして、モロッコのあらすじを2回に分けて掲載しようと思う。
ひつじ
(ヒツジの群れ。モロッコはヒツジとロバの天下だった)

① 1月6日 羽田 00:55 → フランクフルト 05:20。フランクフルト10:45 → マラケシュ13:30。何を隠そう、さすがの今井君も、この段階ですでに「引き返そうかね」と、暗澹たる気持ちになっていた。

 その原因は、激しい口内炎。お正月にひいた風邪のせいで、上アゴの皮膚が1/3ほどベロンと剥げ落ち、痛くて何も食べられない。最悪の旅のスタートになった。マラケシュで、とりあえずスーパー「カルフール」を発見。イスラム圏ではあるが、ここでビールを購入して栄養を補給することにした。
クトゥピア
(マラケシュの象徴、クトゥピアの塔)

② 1月7日 モロッコと言えばマラケシュ。マラケシュと言えば「ジャマ・エル・フナ広場」。立ち並ぶ怪しい屋台と、客引きと大道芸人で有名なフナ広場を訪れ、フナ広場からスークの深い迷宮に入って、その喧噪に驚嘆しつつMusée de Marrakech前まで散策。無数のバイクと無数の客引きに辟易する。
フナ広場
(ジャマ・エル・フナ広場。屋台と大道芸人と客引きが溢れる)

③ 1月8日 またまた激烈なアラビア語の喧噪に辟易しつつ、混沌の旧市街にBab Agnaou門から入り、Saadian Tombs(墳墓群)とBahia宮殿までを見学。日本人と見るや「ジャパン?」「トーキョー? オーサカ?」と、ヒトビトはどこまでも後ろからつけてくる。いきなり「タカダノババ?」なんてのもあった。
宮殿
(Bahia宮殿。何となくモロッコが分かってきた)

④ 1月9日 相変わらずマラケシュの喧噪の真っただ中にいる。エスカルゴが旨そうだが、何しろ激烈な口内炎だ。チップスをかじっても痛い。ビールさえしみる。

 ホテルの部屋の冷蔵庫は全部タダなので、コーラもスプライトもファンタも飲み放題。しかしそれもしみる。食べられるのは、スーパーで買ったカマンベールチーズだけ。そんな厳しい日々の連続で、今井君の肉体はどんどん縮んでいく。
標識
(もちろん、町はアラビア語が優先だ)

⑤ 1月10日 伝統工芸館に入り、モロッコ独特「テ・ア・ラ・メンテ」で一息つく。暖かいミントのお茶にお砂糖もタップリ入って、これなら口内炎も痛くない。オバサマやオネーサマが丹念にジュータンを織る姿に感激した。

 ガイドブックやネットの情報では、客引きのシツコサばかりが強調されるが、ジュータンを織る人たちの真剣な表情を、我々は是非一度見るべきだと痛感する。民族衣装「ジュラバ」を作る人たちも同様。客引きたちのネロネロした態度とは、明らかな一線を画す真剣さがある。
神学校
(神学校の中庭。学生たちの個室の風景に茫然とする)

⑥ 1月11日 モロッコ独立宣言記念日。国民の祝日である。祝日でなくとも、マラケシュの街には常に国旗が溢れ、真紅に緑の星の旗が勇ましく翻って美しい。民族の独立に、極めて高いプライドを感じる。快晴、真紅の旗が翻る先に、白く雪をかぶったアトラス山脈が見える。4000メートル級の山脈である。涼風の中、マジョレル庭園を散策。
マラケシュ駅
(モロッコ国鉄、マラケシュ駅。おお、豪華でござるよ)

⑦ 1月12日 港町エッサウィラに、バスで日帰りの旅。マラケシュ09:00 → エッサウィラ12:00。エッサウィラ17:00 → マラケシュ20:00。片道3時間、合計6時間のバス旅はさすがに厳しいが、大量のヒツジとロバの群れを追うヒトビトの姿に感激。砂漠と荒野の旅は無事に終わった。

 エッサウィラの名店「ADWAK」のクスクスが旨かった。どうやら口内炎もおさまってきた。固いものが触れると飛び上がるほど痛いが、クスクスを貪る気力ぐらいは出てきた。そろそろカマンベールから卒業できそうである。
魚市場
(大西洋岸・エッサウィラの町の魚市場。混沌ぶりに感激する)

⑧ 1月13日 この日がモロッコ滞在の折返点。滞在先のホテル「エッサーディ」の人たちともすっかり馴染みになってきた。イスラム圏ではあるが、バーでビールも飲めるし、アイリッシュウィスキーのオンザロックも楽しめる。

 アラビア語と民族衣装の洪水の中、大混乱と混沌のスークを抜けて、コウノトリの巣でいっぱいの「Palais El Badiî」を見学し、フナ広場「Taj’in Darna」でクスクスのランチ。ただし諸君、まだ口内炎がキツい。クスクスを半分近く食べ残して、マコトにすまないことをした。

 マラケシュ中央駅でフェズ行きのチケットを購入。旅の後半、クライマックスはマラケシュからフェズまで片道9時間の汽車旅と、フェズの迷宮散策である。その「後半」については、また明日の記事で。

1E(Cd) The Doobie Brothers:MINUTE BY MINUTE
2E(Cd) Grover Washington Jr.:WINELIGHT
3E(Cd) Kenny Wheeler:GNU HIGH
4E(Cd) Jan Garbarek:IN PRAISE OF DREAMS
5E(Cd) Lee Ritenour:WES BOUND
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