Tue 161220 OPAL/トップオン/舌打ちのこと/タップオン(シドニー夏のクリスマス3) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 161220 OPAL/トップオン/舌打ちのこと/タップオン(シドニー夏のクリスマス3)

 シドニー到着初日ではあるが、何しろまだ正午前だ。まさか「旅の疲れ」「旅の重さ」とか、そんな言い訳をして、ホテルで寝転がっているわけにもいかないだろう。

 ホテルすぐ近くの船着き場「Double Bay」まで行ってみたが、ちょうどお船が4時間お休みの時間帯。船着き場は閑散として、穏やかな波がちゃぷちゃぷしているばかりである。

 たくさんの鳥さんと一緒にちゃぷちゃぷ波に揺られて遊んでいてもいいが、まあとりあえずシドニーの中心部「サーキュラー・キー」まで出てみることにする。例のウルトラ有名なド派手オペラハウスがあるあたりである。

 シドニーの交通機関は、すべて「OPAL CARD」が利用できる。「利用できる」というより、利用しないと変人扱いされかねないし、バスの乗り降りで現金でキップなんか買っていると、他の乗客に迷惑がかかる。

 というわけで、シドニー空港に降り立ったらまず最初にしなきゃけないのが、OPAL CARDの入手である。空港出口のキオスクのオジサンもマコトによく心得ていて、大きな荷物を引きずって店先でキョトキョトしている人間を見つければ、向こうから「OPALか?」と声をかけてくれる。
オペラハウス
(サーキュラー・キーにて。巨大客船とオペラハウスの光景)

 使い方は日本のSUICAやICOCAとほとんど同じである。買った段階で20ドル分チャージされていて、あとは自分で適宜チャージを繰り返す。これ1枚でバスも電車も、船もトラムにも乗れる。

 いやはや、外国旅行も楽になった。ホンの10年前には、対面販売の売り場に長い列を作って回数券を買ったり、割り込んだり割り込まれたり、「小銭はありますか?」「ありません」の類いのスッタモンダが世界中で必要だったが、少なくとも先進国なら「カード1枚で全部OK」が常識になった。

 しかも諸君、カードの性能もグングン上がり続けている。導入当初は、ロンドンでもイスタンブールでも、リスボンでもバルセロナでも、その動作はマコトに不承不承。カードを何度もスリスリして、それでも全然動かなくて、「バシ!」とか「ドス!!」とか「ベシ!!!」、殴るようにでもしなきゃ動かなかった。

 しかし諸君、この2〜3年の技術革新は大したものである。シドニーのOPALも、その反応の速さは日本と比較して何の遜色もない。あとは「オートチャージ」と「お買い物もできます」がもっと世界中に普及してほしいところだが、なかなかそこまでは進んでいないようだ。
OPAL
(シドニーの交通機関は、OPALカード1枚で済む)

 シドニーでは、チャージのことを「Top on」と呼ぶ。「残った金額のテッペンにオカネを積み上げる」みたいな感覚。ただしこのTop onがメンドーだ。乗り降りの時はあんなに機械の反応がいいのに、Top onは言語道断に時間がかかる。

 新しく20ドルTop onしようとするとしよう。乗客はまずOPALを、何だか頼りない四角い枠の中に入れる。枠は外に剥き出しだから、吹く風にカードがユラユラ&カタカタ揺れてはためき、「おいおい大丈夫か?」と思わず声をかけたくなる。

 機械が反応をはじめるまで20秒から30秒ほど。Top on機の前に列が出来ているような時だと、後ろのほうの人々から舌打ちの音が聞こえたりする。

 ついでにこの「舌打ち」についても触れておくが、欧米の人々はマコトに頻繁に舌打ちをする。しかもたいへん気軽な気持ちで「チッ」「チッ」と舌を鳴らす。
チャージ機
(Top onはこの機械で。ただしたいへんトロい)

 日本人が舌打ちをするのは、
「ワタシは今、ものすごく苛立ってます」
「前代未聞にムカついています」
「許されるなら、アナタのドタマをガツンとやりたいぐらいです」
という激しい感情の表出であるが、今井君の観察によれば、欧米人の舌打ちは、「ああー、残念!!」というタメイキみたいなもののことが多い。

 たとえば、Top on機の前に5人が列を作っていたとする。日本人なら「げ」とか「げろ」とか「うひゃ」とか、思わず口をついて出る場面である。その「げろ」や「うひゃ」が、欧米人の場合は舌打ちになるようである。

 気の弱い日本人だと、舌打ちの音が聞こえただけでションボリ元気を喪失してしまい、「自分は欧米人社会に歓迎されていないんだ」「これはきっとアジア人差別だ」「蔑視だ」「白豪主義の残滓を感じた(スミマセン、昨日の続きです)」など、物凄いことになりかねないが、まあ諸君、舌打ちされても、うなだれなさんな。
トップオン
(乗車時・下車時とも、コイツにTapする)

 さてTop on機であるが、1つ1つの動作がホントにもっさりしていて、思うようにはかどらない。クレジットカードでも現金でもOKというのが原則だが、「現在は現金のみの扱いとなっております」の表示が出ていることもある。

 ま、1名のTop onに3分はかかると踏んだ方がいい。5人の列ができていたら、まあ早くて15分。急いでいる時の参考にしてくれたまえ。かつ、3分は自分の持ち時間だと考えて、舌打ちにションボリしないように、堂々とTop onに臨みたまえ。

 さて、Top onしたら、今度は堂々とTap onする。トップだタップだと似たような発音であるが、おそらくこの辺は「韻を踏んだ」みたいなことなので、シドニー交通局の人はなかなかオシャレなのである。

 乗る時にTap on、降りる時にはTap off。バスやトラムでも降りる時にもう1度Tapする。降りる時のTapについては、日本人は特に忘れがちなんじゃあるまいか。

 トラムでも郊外電車でも、Tapの機械は車内ではなくて駅構内に、高さ1メートルぐらいの棒がニョキニョキ生えていて、その棒の先にTap用の読み取り機が着いている。

 Tapした後すぐにもう1回Tapすると、「Reversed」の表示が出て、最初のTapが取り消しになる。なかなかその辺も便利。あとは諸君、またまた日進月歩、こんな情報は2〜3年も経過すれば「ああ、昔はそんな感じでしたね」「なつかしー!!」の類いの昔話に変わってしまうだろう。
サーキュラーキー
(地下鉄でサーキュラー・キーへ)

 この日はお船を諦めて、地下鉄でサーキュラー・キーを訪れた。ホテルから一番近い駅は「Edgecliff」。EdgeだのCliffだの、ずいぶん切り立った崖のテッペンの感じの駅名であるが、ごく穏やかな住宅街の坂道を、セミの声を聞きながら10分ほど歩けばたどり着く。

 エッジクリフからサーキュラー・キーまで4駅、15分もかからない。地下鉄は全て2階建て、通路をはさんで左が2席、右が3席。こんなに座席がタップリあれば、いつでも必ず座って行ける。通勤も通学も、長時間でもきっと快適に過ごせるだろう。

 どうなんだろう。東京の電車もこのタイプにしたら。東京の7人掛け ☞ 横向きの固い座席がズラッと並んだ光景は、何だか貨物列車を思わせる不気味さがある。小田急とか東急とか、いかにもオカネ持ちがたくさん住んでいそうなあたりから、も少し車両に工夫したらどうですかね。

 とか、まあそういうことを考えているうちに、あっという間にサーキュラー・キーに到着。Circular Quay。Quayのスペルだと、「ケイ」と発音しそうなものだし、実際に駅のアナウンスを聞いていると、やっぱり「ケイ」と発音しているようなのだが、ガイドブックにはカタカナで「キー」とある。

 辞書を引いてみると、ハッキリと発音記号まで登場して「ki:」、まれに「kei」とある。ふんふんそうかい、ならば致し方ない、というか辞書のお墨付きもあるんだから、ここからはカタカナで「サーキュラー・キー」と大威張りで書いていくことにする。

1E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN①
2E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN②
3E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN⑤
4E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN⑥
5E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN⑦
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