Mon 161114 特急「つがる」で帰京する/奥羽本線の旅/秋田で「しじみラーメン」をすする | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 161114 特急「つがる」で帰京する/奥羽本線の旅/秋田で「しじみラーメン」をすする

 12月5日、青森の大盛況から一夜開けて、さて今井君は東京に帰ろうと思う。朝の空を一目見ただけで、「もうすぐ大雪が来るな」、雪国出身のワタクシはその気配を一瞬で感じ取るのであった。

 一昨日、五能線の旅の日は奇跡のような快晴。昨日の公開授業の午後は重たい曇り空。そして今朝は明け方から生温い雨が降っている。つまり、一昨日の快晴をもたらした高気圧が東に退いて、今はちょうど温暖前線がかかっているのである。

 まもなく寒冷前線が通過すれば、冬の雷鳴とともに北西の烈風が吹きはじめ。風は雪を呼んでやがて吹雪になる。早めに帰京しないと、12月のドカ雪の中で立ち往生しかねない。

 ところが今井君は、昔から往生際が悪いのであって、要する常にDie Hardな人生を選択する。せっかく青森まで来たんだ。帰りも故郷・秋田を訪問して、
① 「金萬」をもう20個
② 大好物のきりたんぽ鍋
③ その他の旨いもの
以上3つの選択肢のうち、意地でも1つは満喫して帰りたい。
青い森
(青森駅で。かつての東北本線は、新幹線開通後「青い森鉄道」として頑張っている)

 雨の中、ホテル前にいたタクシーに乗り込んで、「青森駅まで」と告げると、運転手さんがマコトに悲しそうな表情でアクセルを踏み込んだ。それもそのはず、「ホテルJALシティ」から青森駅まで、徒歩10分、クルマなら1分半、そういう距離である。

 でも仕方がないじゃないか。青森駅前で「準々高級」なホテルを探せば、このJALシティしか見当たらない。徒歩10分という中途半端な位置にあって、大きな荷物をぶら下げて冬の雨の中をトボトボ歩くのも、何だか悲惨な境遇だ。

 運転手さんにはよくよくお礼を言って、ホテルからたったワンメーターの青森駅で降りた。途中「朝市寿司」というワイルドなお寿司屋さんが、ワタクシの目を引いた。看板には「知床 トド肉」「エゾシカ肉」など、ワイルドな文字が大書されている。

 何しろ今井君は、広島の生牡蠣40個を喰らった数時間後に、大阪でクマ肉タップリの熊鍋をつつく猛者である。シカでもイノシシでも、何でもワシワシいく勇気に満ちている。しかしさすがに「トド」「エゾシカ」となると、経験は皆無。「おお、次回の青森はここにチャレンジ」と、早くも次回の青森の計画まで決まってしまった。
豊盃
(青森でいただいた日本酒「豊盃」。おいしゅーございました)

 青森から秋田へは、秋田ゆき特急「つがる」1本で南下する。雨がますます強くなる中、発車20分前に入線した「つがる」に乗り込んで、青森のスタッフに昨夜もらったばかりの日本酒を、早くもチビチビやりはじめた。

 だって今日はお仕事なしだ。ねぶたの青森から竿燈の秋田まで、東北3大祭の旅を楽しむのに、日本酒とりんごジュースは欠かせない。周囲の視線は少し冷たいけれども、周囲の目ばっかり気にしていたんじゃ、旅はちっとも楽しくない。

 諸君、日本酒も旨いが、青森のりんごジュースの旨さを知らなかったら、それは人生の損失である。「シャイニー」というブランドのりんごジュースは、人生をエンジョイする必須アイテムと言っていい。

 ワタクシは小学3年の時、父と旅した大鰐温泉スキー場で、その激烈な旨さに驚嘆の叫びが止まらなかった。もっとも、その年頃はコーラでもファンタでもバヤリースのオレンヂジュースでも、何でも絶叫するほど旨いのである。

 青森のスタッフにいただいた日本酒は、「豊盃」。昨日の記事で書いた「ホーハイ」であるが、諸君、「ホーハイ節」、ググっていただけましたかな?「ホーハイ、ホーハイ、ホー、ハイハイ、ホー♡」。あのトボケた響きを耳にすれば、誰だって津軽のファンになるに決まっている。
小高屋
(秋田市山王のラーメン屋「小高屋 しじみ王」。人気店である)

「つがる2号」は、青森発09時06分、秋田には11時43分に到着する。途中の停車駅は、弘前・大鰐温泉・碇ヶ関・大館・鷹巣・二ツ井・東能代・森岳・八郎潟。一昨日の「リゾートしらかみ」とは違って、味も素っ気もない奥羽本線経由。絶景とは無縁の列車に過ぎない。

 しかしワタクシは、五能線に負けず劣らずこの「つがる」の2時間半を楽しみにしていたのだ。昭和の昔、この列車はあくまで硬派に「津軽」であって、軟弱なひらがななんかで「つがる」とか、そうやって人におもねることはなかった。

 いわゆる「出稼ぎ列車」「集団就職列車」であって、夕暮れに発車する「第1津軽」も、夜が更けてから旅を始める「第2津軽」も、男たちのタバコのニオイに満ち、4合瓶の日本酒を酌み交わす笑い声でいっぱいだった。

 青森から大館までは、雨の中ひたすら南下を続ける。大鰐「あじゃら山スキー場」に広がる急斜面を眺めながら、碇ヶ関を過ぎ、やがて難所・矢立峠を通過する。

 秋田犬ときりたんぽ鍋の町・大館で、列車はほぼ90°右折。しばらくは米代川にそってひたすら西進する。東能代で90°、今度は左折。あとは一路南下を続けて終点・秋田を目指す。
餃子
(秋田「小高屋 しじみ王」の餃子。おいしゅーございました)

 子ども時代に何度も繰り返して乗車した路線である。ある時は急行「津軽」で。ある時は特急「日本海」や「白鳥」で。またある時は「きたかみ・しらゆき」で。「きたかみ」は仙台行き、「しらゆき」は金沢行き。その2編成を連結して、深い雪の中を疾走したのである。

 東能代を過ぎて、雲ゆきが急を告げはじめた。上空では強風が吹き荒れているらしく、真っ黒な怪しい雲が高速で東に走っては、バラバラと激しい雨が落ちてくる。

 予測した通りの強力な寒冷前線の通過であって、こういうとき北国のヒトビトは「おお、吹雪が来るぞ」「ドカ雪がくるぞ」と、天気図なんか見なくてもみんな直感するのである。

 秋田駅直前まで、空はそういう黒雲に覆われた。「こんな天気じゃ、秋田散策なんか楽しめそうにないな」と諦めかけたが、諸君うれしいじゃないか、故郷・土崎の駅を過ぎる頃、いきなり目の前の雲が千切れて、金色の日光が空を満たした。よほど日頃の行いがいい証拠である。

 秋田着、定刻の11時43分。ワタクシが真っ先に向かったのは、秋田市山王のラーメン屋である。その名も「小高屋 しじみ王」。青森・十三湖のしじみを惜しげもなく使った豪華しじみラーメンの店が、秋田県庁そば、秋田市役所裏に存在する。
しじみレモン
(秋田「小高屋 しじみ王」の「しじみレモンらーめん」。おいしゅーございました)

 名物として、「しじみラーメン」の他に「レモンらーめん」もある。ラーメンの上に輪切りのレモンが10枚ほど、ラーメンが全く見えないぐらいに敷きつめられた珍品である。

 しかし、うーん、さすがに「それは次に来た時にすんべ」であって、レモンなんかズラリとやってヌルくなったラーメンじゃ、古文のウルトラ大先生だって激怒しかねない。

 大人しい今井君が躊躇なく選択したのは、レモンを3切れに留めた普通の「しじみレモンらーめん」と、餃子を1皿。あとは瓶ビール1本。さすが人気店であって、ひっきりなしに客が来る。みんな常連らしくて、注文も手慣れたものである。

「で、お味のほうは?」であるが、ごく簡単に言えば「普通♡」であって、「意地でも秋田で降りてタクシーで来訪してください」と、他人にオススメするところまでは行かないんじゃないか。

 もし「レモンラーメン」というもののビジュアルに興味があるなら、注文してみてスマホで拡散させるもよし。「酸っぱさに負けた人のために」ということで、ハチミツだかお砂糖だかも準備されているが、ラーメンのスープで温まったレモンには、さほどの酸っぱさを感じないのであった。

1E(Cd) Menuhin:SCHUBERT/SYMPHONY No.2 & No.6
2E(Cd) Menuhin:SCHUBERT/SYMPHONY No.3, No.5 & No.8
3E(Cd) Menuhin:SCHUBERT/SYMPHONY No.9
4E(Cd) Gunner Klum & Stockholm Guitar Trio:SCHUBERT LIEDER
5E(Cd) Wand & Berliner:BRUCKNER/SYMPHONY No.4
total m70 y1940 d19645