Fri 161111 バスケの町・能代/ハタハタ煎餅/快晴の海と奇岩怪石/千畳敷に到着 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 161111 バスケの町・能代/ハタハタ煎餅/快晴の海と奇岩怪石/千畳敷に到着

 秋田県能代市と言えば、言わずとしれた「バスケの町」であって、「能代工、全国大会優勝58回」などという恐るべき記録は、野球でもサッカーでもラグビーでも、どんな私立の強豪でも、とても破れそうにない。

 もう一度繰り返すが、全国優勝58回。21世紀中に破られる記録とは思えなくて、22世紀、いや23世紀の中頃ぐらいに、野球かサッカーで追いつく学校が出現するかもしれない。そのぐらい凄まじい記録を、秋田の公立高校が打ち立てたのだ。「バスケの町」を名乗る資格は十分にある。

 もう一つ、秋田県人の自慢がラグビーの秋田工業高校であって、こちらは花園での優勝15回、準優勝も10回近くあって、平成に入ってからはどうもふるわないとしても、やっぱり県民の心の糧の1つである。

 今年も花園進出が決まった。電車から見えるラグビーフィールドは、さすがに花園優勝15回の強豪であって、落合博満が所属した野球部の練習場は、片隅に追いやられている感がある。

 実は我が母校・秋田高校が、この秋田工と秋田県大会の決勝で対戦した。後半に大差をつけられたものの、前半は僅差で追いすがる大健闘。ま、「文武両道」ということであって、ワタクシなんかはマコトに誇らしいのである。
能代
(バスケの街 能代)

 ついでに本日の今井君は、早稲田ラグビーの勝利に酔いしれている。昨日の明治大学戦は、ハッキリ言って薄氷の勝利。24-22、トライ数は同じで、もしもロスタイムに明治がPG狙いに来ていたら、「ロスタイムの大逆転」になってしまう確率が高かった。

 11月23日の慶応戦にしても、12月4日の明治戦にしても、どちらも「勝った」というより、「勝たせてもらった」「負けていただいた」の感が強い。今年も早稲田はそんなに強くないというか、対抗戦2位なんてのは、「何かの間違いじゃないですか?」と思うぐらいに危なっかしい。

 しかし今年の早稲田は、15人のメンバーのうち、1年生が6人も7人もいる若いチーム。一時は8人をを1年生だけで固めた。基本プレーもハンドリングも「危なっかしい」のヒトコトだが、伸びしろはまさに「ナンボでもある」であって、今井君が酔いしれているのは、そのことの方なのだ。
五能線1
(五能線沿線の奇岩怪石と、打ち寄せる日本海の荒波 1)

 さて、話を五能線の旅に戻そうじゃないか。列車は東能代を出発して、約5分で能代の駅に着く。メインの駅は「東能代」、一方の「能代」は、五能線オンリーの小さな駅であって、15分ほどの停車時間に駅の外に出てみても、その閑散ぶりに唖然とする。

 これでも人口5万人。東京ドームや甲子園の観客席を埋め尽くすほどの人が生活している。大河・米代川の河口に位置し、江戸時代は秋田杉と秋田米の積出港として繁栄、東廻り航路の重要な港に数えられていた。

 近代以降、何度も大火に襲われた。元は「野代」と書いたが、それでは「野にかわる」を意味し、大火続きで「やがては野にかわってしまう運命を暗示しているんじゃないか」と考えたヒトビトが、漢字を「能代」に変えた(らしい)。

 その街の駅前がこんなんじゃ、やっぱり寂しいじゃないか。目立つのは、駅舎内に飾られたバスケのリングぐらい。看板には「バスケの街 能代」とあるが、この状況じゃどうしても「街」じゃなくて「町」な感覚。町おこし、是非がんばっていきまっしょい。
五能線2
(五能線沿線の奇岩怪石と、打ち寄せる日本海の荒波 2)

 停車時間に、乗客の多くがフリースローに挑戦する。「お一人さま1回でお願いします」という前提のもと、ちょっと低めに設定したリングに向かって、乗り鉄のオジサマ&オバサマが、中学生時代以来のフリースローにチャレンジするわけだ。

 駅長さんと地元のオバサマがアシスタントで、成功した人には記念品を手渡し、ダメだった人にも熱い拍手を送る。ただし諸君、秋田県人は、シラフのままで明るく振る舞うのが苦手な県民である。

 お酒が入ればナンボでも明るくなるし、その明るさは地中海人的であって、控えめでマジメな東北の他県の人々とは明らかに一線を画すのであるが、シラフのときの無愛想さもまた群を抜く。愛想の悪い人が無理して愛想よくしてくれると、何だかこっちが悪いことをしたみたいで気が引ける。

 かく言う今井君は、フリースローに挑戦しなかった。お手手がゴム臭くなるからである。ゴム臭いお手手を洗わずにお酒を飲むと、お酒までゴム臭くなって旨さは半減する。「お手手を洗えばいいじゃん」とおっしゃるアナタ、ゴム臭さはちょっとやそっとじゃ消えてくれないものである。

 しかもワタクシは野蛮なヤツであるから、手づかみでものを食べるのが大好き。コロッケも天ぷらも、寿司もアユの塩焼きも、だいたい何でも手づかみ優先であって、一番好きなのはお茶漬け、2番目に好きなのは手づかみ、上品な京都の方々なんかが見たら、「下品なお人どすなあ」と間違いなく眉をひそめるはずだ。
ハタハタせんべい
(ワタクシの大好物。ハタハタ煎餅。これを20分で10匹ほど、がりがり噛み砕く)

 だからなおさら、手をゴム臭くしたくない。何しろこの段階で今井君が「早く食べたい」「早く食べたい」と張り切っていたのが、上の写真の「ハタハタ煎餅」である。秋田名物のハタハタを開いて甘辛い醤油ベースのタレをくぐらせ、天日干しでカリカリに仕上げた一品。これが一袋に10匹ほど入っている。

 お酒のツマミにするのに、これほど絶好なシロモノはちょっと考えられない。秋田駅で買い込んだ日本酒6合についても、ハタハタ煎餅さえあればこっちのものであって、乱暴にバリバリ&バキバキ貪る音が、やがて「リゾートしらかみ」3号車を満たしはじめた。

 ご覧のとおり、普通の人なら1匹か2匹で口の中をケガしまくるようなシロモノ。コイツを10匹、まだ列車が秋田県側にいるうちに、全て噛み砕いて胃袋に収めた。鋼鉄の歯が並ぶ鋼鉄の口。吸血鬼だってきっと、これほど口は固くないはずだ。

 秋田県岩館から青森県深浦を経て鯵ヶ沢までは、奇岩怪石を日本海の波が噛む絶景の連続である。ホントは海の写真をもっともっと掲載したかったのであるが、何しろ列車のガラス窓を透かして撮影した写真ばかり。ガラスに映った車内の蛍光灯や今井君のワイシャツが写り込んで、満足のいく写真は数えるほどしかない。
千畳敷
(千畳敷の波しぶき)

 岩館は、ワタクシが初めて泳ぎを覚えた場所である。小学校2年だったか3年だったか、海水浴で岩館を訪れた。ここは磯浜。とんがった岩がゴツゴツ突き出ていて、ハダシではとても海に入れない。海岸で売っているワラジを買って、みんなワラジ履きで泳ぐのである。

 忘れもしない、ワタクシが最初に覚えたのは背泳である。「は? 背泳?」であるが、まず背泳が出来るようになり、続いて平泳ぎ、最後にクロールが出来るようになった。それをみんな岩館の日帰り海水浴で覚えちゃったのだから、幼い今井君はなかなか大したもんであった。

 岩館をすぎて県境を跨ぎ、十二湖や不老不死温泉に近づくと、奇岩怪石はますますスケールが大きくなってくる。ホントに幸運というか、日頃の行いがいいせいというか、先々週の京都も快晴だったし、先週の留萌も暖かだったし、この日の日本海も午後になっても快晴のままであった。

 雲一つない空の下、12月の日本海は青く輝き、しかも昨日までの暴風雨のおかげで、波もちょうどいい程度に荒い。波が荒いから、豪快&豪壮な日本海の雰囲気もよく出ている。波しぶきが高く上がって、白いレースのように泡立ちながら線路際まで打ち寄せる。

「千畳敷」という駅で、列車は15分ほど停車する。平らな岩が重なって、畳を千枚並べたように見える奇勝である。海岸の店では、タコとかイカとかホタテとか、いろいろ炙って売っている。

 その類いのものを買ってかじってもいいが、何しろワタクシのポンポンは今やハタハタでいっぱいだ。海産物より、まず奇岩怪石と波しぶきを満喫したい。「発車3分前に汽笛を鳴らしてお知らせします」というアナウンスを信じ、とりあえず海のすぐ近くまで降りていったのである。

1E(Cd) Solti & Chicago:MAHLER/SYMPHONY No.1
2E(Cd) Solti & Chicago:MAHLER/SYMPHONY No.4
3E(Cd) Solti & Chicago:MAHLER/SYMPHONY No.5
4E(Cd) Leinsdorf:MAHLER/SYMPHONY No.6
5E(Cd) Solti & Chicago:MAHLER/SYMPHONY No.8 1/2
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