Thu 160915 阿蘇山大噴火の日、熊本へ/北海道フェア/寿司屋のコハダを食い尽くす | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 160915 阿蘇山大噴火の日、熊本へ/北海道フェア/寿司屋のコハダを食い尽くす

 何も無理やり海外に出なくても、世の中には全く予想もつかないことが次々起こるので、もしも「驚き」だけを求めるなら、国内で日々のニュースに目を見張っていれば十分である。

 例えば10月8日のワタクシは、昼過ぎのヒコーキで羽田から九州に向かった。目的先は熊本である。熊本の仕事は翌10月9日であるが、公開授業の開始時刻が14時だから、前日のうちに「前乗り」する。

 朝早く起きて、テレビのスイッチを入れた途端に、「けろろ?」「ゲロゲロ!!」と奇声を発することになった。だって諸君、「阿蘇山で爆発的噴火」というのである。

「これほどの爆発的噴火は、昭和55年以来36年ぶり」
「雨の音だと思ってました。朝になって外に出てみたら、火山灰で一面灰色になってました」
「こんなことは記憶にありませんね」
と、地元のオジサマやオバサマが、驚きの冷めやらぬ表情で語っている。

「昭和55年以来」などと言われると、諸君、今井君は昭和55年を思わず振り返ってしまう。「ハマトラ・スタジャン・巻きスカート流行」「カラスの勝手でしょ」「赤信号みんなでわたればコワくない」「ポカリスエット新発売」。うーん、なかなか古代&中世の趣きがありますな。

 長渕剛「順子」、久保田早紀「異邦人」、もんた&ブラザーズ「ダンシングオールナイト」、シャネルズ「ランナウェイ」、海援隊「贈る言葉」、クリスタルキング「大都会」、ロスインディオスとシルビア「別れても好きな人」。何だこりゃ、オジサマのカラオケ大会か? ワタクシのオハコもたくさん含まれている。
こはだ
(博多の寿司屋でコハダを8貫食いまくる。コハダしか旨くなかった)

 そして、余りにもピンポイントじゃないか。熊本に旅立つ朝に、阿蘇で36年ぶりの大噴火が発生して、大分や松山や高松でも火山灰が降る。これほどのピンポイントでも泰然自若、ちっとも驚かずに「シチリア物語」の続きを書き続けたとしたら、ワタクシもよほどの大物に違いない。

 さっそく「熊本行き、大丈夫ですか?」というメールが届き始めたが、諸君、ワタクシの旅程は大丈夫であって、ヒコーキも福岡空港経由、宿泊も博多駅前である。だって博多 ⇔ 熊本は、新幹線で30分ちょいしかかからない。

 熊本空港まで40分もタクシーに乗って5000円払っているヒマがあったら、時間的にも金銭的にも、新幹線で博多まで悠々行き着ける。8日の熊本はホテルがどこも満員だったから、今回の福岡経由は「ズバリ正解」としか言いようがない。

 山麓の町や地震の被災地に、阿蘇山の火山灰がこれ以上の悪さをしないことを祈るばかりである。4月の地震以来、熊本でのお仕事はこれで2回目。今回もまた激烈な爆笑を90分継続して、大いに熊本の諸君を元気づけようと張り切っている。
〆鯖
(博多の寿司屋オススメの「〆鯖」。これもまあまあいけたかも)

 噴火のこと以外は、まあ平凡な日々が続いている。3日前にははテキサスバーガーを2個も貪り、一昨日はデッカイ海老天ぷらが2つも乗った天ぷら蕎麦に、「ついでだから生タマゴも乗っけてください」とワガママを言った上、蕎麦屋の帰りにコンビニの肉まんまで貪った。

 こんな生活をしていたら、体重は増えるばかりである。そう言えば、4日前には、古文のウルトラ先生と焼き肉屋 ☞ ラーメン屋 ☞ 餃子屋の豪華ハシゴ3本立ても敢行した。「これで太らなかったら奇跡だろう」という乱暴な日々で、先週から2kgも増加。ま、少しは改心しなきゃいかん。

 ここまでを羽田空港のスイートラウンジで、ヒコーキの出発を待ちながら書き綴った。羽田周辺は台風でもないのに激しい風雨にさらされていた。使用する機材の到着が次々に遅れ、出発便にもかなり混乱が生じているが、阿蘇の噴火の影響は今のところないようである。

 福岡には15時半に到着。琵琶湖上空をすぎるあたりから雲がますます分厚くなり、着陸20分前からヒコーキは強く揺れた。「福岡空港の風向きが変わり、使用する滑走路が変更になりました」とアナウンスが入って、到着は予定より30分近く遅れることになった。
うに1
(博多の寿司屋、無駄に高い「うに」。イマイチでござったよ)

 到着がずいぶん遅れた上に、福岡空港の大改修のため、空港内をあちこち目いっぱい歩き回らなければ、空港から外に出られない。激しい雨の中タクシーでホテルに向かったが、博多駅前が大渋滞。結局チェックインは16時過ぎになってしまった。

 宿泊は、ホテル日航。外国人観光客の急増以来、ホテルの価格設定はなかなか高飛車であって、ちょっとキレイなビジネスホテルなら「1泊2万円」という設定は珍しくない。

 ましてや3連休の初日、ヒコーキも満席、ホテルも満室。航空会社系のホテルは「3万円」とか「3万5千円」を平気で要求してくる。今日も明日も「ジバラ」の日々が続くが、快適さを優先すれば文句も言っていられない。

 というわけで、腹が減った。朝から阿蘇山の噴火で驚かされ、「ヒコーキはちゃんと飛ぶのかな」で不安に苛まれ、ヒコーキの遅れと大渋滞でイライラさせられ、ワラワラたまったストレス解消には、何かスペシャルなメシをワシワシやるのが一番だ。

 部屋に入るとデスクの上に「カニもイクラも食べ放題」「心ゆくまでお楽しみください」と書かれた、たいへん魅力的なチラシを発見。ホテル2階のレストランで「北海道フェア」をやっているというのだ。
北海道フェア
(ホテル日航「セリーナ」の北海道フェア。条件は悪くない)

 お値段も決して高くない。「お一人様、4970円」、若干高い気がするが、「宿泊者様限定1000円引き」だ。何を隠そう今井君はまさにその「宿泊者様」というエラーいダンナなのである。1000円引きで3970円、まあ悪くないじゃないか。

 これに「お一人様1200円でお酒も飲み放題」もついてくる。何を隠そうワタクシは「宿泊者様」でもあり「お一人様」でもあって、2時間食べ放題&2時間飲み放題、たいへんお得な晩になりそうだ。

「さて、今日も丸々太ってきますかね」と18時、今井クマ蔵は勇を鼓して「北海道フェア」に乗り込んだ。博多で北海道フェア、マコトにフシギな夕食であるが、「まあ難しいこと言いなさんな」である。

 ところが、悔しいじゃないか。お店はコドモでいっぱいだ。「土・日・祝日はキッズブッフェが登場」であって、まさにお子様の天下。単独オジサマや1人クマ助なんかが入り込める状況ではない。

 だって諸君、10月のキッズデーは「ハロウィン・キッズ・コーナー」も登場。キッズ仮装コンテストがあり、仮装してご来店のお子様はブッフェ無料、素敵なお菓子もプレゼント。おやおや、中年オジサマはお呼びでない世界なのだった。

 惜しいことをした。これがもし水曜日なら「メンズデー」であって、「男性のお客様 ☞ 飲み放題無料」。水曜でさえあれば、オトナな雰囲気の中でカニにイクラにシャケにエビ、わしわし平らげてやったものを、こんなにお子様満載では遠慮するしかない。
うに2
(博多の寿司屋にて。何となく「後悔しきり」の図)

 そこで最終的に選んだのは、ごく平凡なお寿司屋さん。外は激しい雨だから、活イカを貪りに中洲の「河太郎」まで出かける気にもなれなかったのだ。

 寿司屋の名前は、書かないでおく。いやはや、世の中には「失敗」ということがあって、この夜の失敗はかなり大きな失敗である。

 寿司は平凡、オヤジの態度も対応も平凡、イカの刺身も平凡なら、「旨いですか」「旨いですよ」という平凡な会話の後で出てきたウニもサバもマコトに平凡。「北海道フェア」を諦めてまで、高いオカネを払うほどの店とは全然違ったのである。

 余りの落胆に、「寿司を食べずに帰ろうか」と思ったほどであったが、何も好き好んで事態を難しくする必要はないだろう。こういう時のワタクシは「コハダに逃避」という道を選ぶ。

 どんなに駄目な店でも、コハダならあるだろうし、コハダなら安いし、ジックリ噛みしめさえすれば、濃厚な味がギューギュー中から押し出されてくるものだ。注文したお寿司は、まずコハダ、次にコハダ2貫、その次もコハダ、もう1度コハダを2貫。いくらでもコハダ ☞ コハダで攻め続けた。

 隣りの客もビックリして、つられてコハダを注文した。愛想の悪いオヤジもビックリ、愛想の良すぎるお店のオネーサマもビックリ。「コハダ、ヤマになっちゃいました」の声が聞こえたあたりで、酸っぱい口を拭いながらお店を出た。つまりこの店のコハダを、約1時間で食い尽くしたという次第である。

1E(Cd) Ornette Coleman:NEW YORK IS NOW!
2E(Cd) Miles Davis:THE COMPLETE BIRTH OF THE COOL
3E(Cd) Art Blakey:MOANIN’
4E(Cd) Human Soul:LOVE BELLS
5E(Cd) Patricia Barber:NIGHTCLUB
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