Wed 160831 クマどんたちの反乱を案じる/「ひかり」の悲哀/静岡県浜松の大盛況 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 160831 クマどんたちの反乱を案じる/「ひかり」の悲哀/静岡県浜松の大盛況

 9月22日午後、雨の東京駅から新幹線で静岡県の浜松に向かった。昨日も書いたけれども、今月12日にシチリアから帰国して、東京は10日間ほぼ連続して雨。「台風一過を期待したワタクシが悪うございました」であって、むしろ台風の後のほうが雲行きが悪いぐらいである。

 こんなに秋の空が湿っていると、きっと今年はクリの出来が悪いんじゃないか、クリの出来が悪ければ、当然ドングリの出来も悪いはずなので、今井君の心を2つの不安がよぎるのである。

 まず、山の中のクマさんたちの動向だ。ドングリの量が減少すれば、ツキノワグマたちはみんな飢餓に陥る。飢餓は直接的に革命的行動を招くので、米騒動・一揆・うちこわし、晩秋のクマたちの行動が今から大いに気にかかる。

 お腹を減らしたクマさんたちが、「ええじゃないか」「おかげまいり」の乱舞でもはじめたらどうするんだ? そんな幕末の動乱期みたいなことになって、クマ界の桂小五郎や坂本龍馬が出現し、東海道を「ええじゃないか」と歌いながら踊り歩く。そんな動乱の気配を感じないか。
浜松1
(静岡県浜松、たいへん楽しゅーございました 1)

 「ドングリがなかったら、シャケを食べればいいじゃないの♡」などという発言は、200年前のマリー・アントアネットと相似形であって、無邪気にそんなことを言えば、クマ市民革命の導火線に火をつけることになる。

 そもそも「クマにシャケ」という図は、北海道の木彫りのクマから来ているのであって、あれは諸君、ツキノワグマより遥かにカラダのデカいヒグマどんである。大人しいツキノワグマは、あくまでドングリが主食。クリ系の不作は彼ら彼女らを直撃するのである。

 これからは「キノコ採り」のシーズン。バサマたちやジサマたちは、朝から大っきなカゴを背負って、キノコ採りに精を出す。マイタケ・ハツタケ・シメジにアミタケ、秋は何と言ってもキノコを鍋にドッサリ入れて、鍋の湯気でポッポしながら熱燗の日本酒を楽しみたい。

 そういうジサマ&バサマが、お腹のカラッポなツキノワグマと遭遇する。シサマたちもビックリだが、クマだって災難だ。ちょっと「ガオー♨」と唸ってみせただけで、「な、な、な、何すんだオメエ」「オレをとって食うちゅうだか」「とんでもねえクマ野郎だ」ということになってしまう。

 あとは「地元猟友会」の出動だ。「けしからんクマ野郎をやっつけんべえ」というわけであるが、クマのほうは何も悪いことなんかしていない。山の中でおかしな見かけないヤツに遭遇したから「ガオー♨」とヒトコト声をかけてみただけである。
浜松2
(静岡県浜松、たいへん楽しゅーございました 2)

 ま、そこから先は考えたくないが、万が一「クリ不作」ということになれば、今井君の秋の楽しみの1つが台無しだ。何のことはない、「クリの天ぷらが食べられなくなっちゃう」のである。

 諸君、10月は天ぷらの季節である。カウンターに座って、3品か4品ずつ注文しては、揚げたての熱々をいただく。もちろん左手には日本酒の盃。これほどの贅沢が考えられるだろうか。

 天ぷら屋でのワタクシの大好物は、キス・メゴチ・カキにホタテ。夏なら絶妙な苦さの「稚鮎」もいい。しかしまさか、キスとメゴチとカキばっかり食べていられないから、これにクリの天ぷらを上手に混ぜ合わせて注文していく。

まず最初に「キスとカキとクリ、お願いします」
次に「カキ、メゴチ、クリ、行きますかね」
さらに「クリ、キス、メゴチ、ということで」
またまた「カキ、ホタテ、クリをください」
こんなふうに果てしなくムザボリ続けるのである。

 この調子で9セットや10セットは軽い。しまいに天ぷら屋さんのほうが呆れてしまい、今井君が予約を入れただけで、キスとカキとクリを大量に仕入れるようになる。夏の天ぷら屋さんなら、「今井サンが来るから、稚鮎を20匹ぐらい仕入れとこう」、そういう具合である。
眺望
(ホテルオークラ上層階から浜松市内を望む。不穏な黒雲が街を覆っていた)

 だから「クリ不作」ということになると、ワタクシは困るのである。「クリがなかったら、丸十を食べればいいでしょう」。またまたマリー・アントアネット様のご登場だが、そんな発言は、今度は今井クマ助の暴動を誘発する。

 だって諸君、それじゃ「クリを揚げてくり」というとっておきのギャグがつかえなくなるじゃないか。「丸十」とは「丸に十の字」☞ 薩摩藩を示し、サツマイモのことを丸十と呼ぶのが、天ぷら屋さんの流儀である。

 もちろんサツマイモだって大好物の1つだが、燦々と太陽の光を浴びて育ったクリの代わりに、ジメジメ真っ暗な地の底でムクムクしていたイモでガマンなんてのは、ワタクシの主義主張に反するのである。

 あーあ、毎日毎日こんな雨じゃ、今年のクリは旨くないかもしれない。お願いだ、クリとクマと今井君の幸せのために、秋雨前線どん、早めにそこかに去ってくり。そう願いながら新幹線「ひかり」の発車を待ったのである。
楽器の街
(YAMAHAにKAWAI、浜松は楽器の街である。エレベーターホールにもピアノのデザインがあった)

 そして諸君、静岡を旅するごとに、「ひかり」の不幸と悲哀を確認するのである。1964年10月、「ひかり」は「夢の超特急」という栄光を独り占めして、戦後20年目の東海道で国民の歓声を浴びる日々を過ごした。

「過去の栄光」と言ってしまえばそれで致し方ないが、今や「ひかり」はすっかりご老体の扱い。停車するたびに「5分停車」「6分停車」で、次々に21世紀のスター「のぞみ」に追い抜かれる。かつては「こだま君」しか停車しなかった小さな駅でも止められて、しょんぼりタメイキをつくしかない。。

 だって諸君、半世紀前には「夢の超特急」だったのである。それなのに今の「ひかり」は、女性アテンダントにも乗車してもらえない。車掌さんが紙の巨大ゴミ袋をひきずって車内を巡回、ゴミを回収して回る。JR東日本の「グランクラス」と比較してみたまえ、その扱いの冷酷さを実感する。

 静岡県には2つも政令指定都市があり、それぞれ静岡は駿河の国、浜松は遠江の国の都であって、その歴史も伝統も文化も、JRにそんなにバカにされる言われはないはずだ。

 しかしこのブログでもしばしば指摘してきた通り、鉄道省 ☞ 日本国有鉄道(国鉄)☞ JR東海と名前はコロコロかわっても、静岡県への対応はマコトに冷酷。最上級列車を静岡県に停車させることに、何故そんなに拒絶反応を示すのか、ワタクシにはサッパリ分からない。
チーズケーキ
(チーズケーキ、おいしゅーございました)

 9月22日・往路の「ひかり」も、9月23日・復路の「ひかりも」、使用された車両は「旧700系」。20年前のヒーローは、「クレヨンしんちゃん」にソックリの不満げな顔でゆっくりとホームに入ってくる。

 アテンダントさんもいないが、電源というかコンセントというか、今や「新幹線なら標準装備」と我々が思っているものも存在しない。同じ新幹線料金でも、「のぞみ」のお古、引退寸前の古色蒼然とした車両しか使ってもらえない。いやはや、何ともヒドい仕打ちである。

 浜松での宿泊は、ホテルオークラ。ホテルと同じ建物の中に公開授業の会場もあり、授業後の懇親会のお店もある。どんなに雨がビショビショ降っていても、すべてが駅から濡れずに行ける1つの建物の中で完結する。少し味気ないが、この上なく便利であることは間違いない。

 出席者、約120名。前回の金沢みたいな花々しい舞台もうれしいが、こじんまりとスタンダードなこういう会場もまた楽しいものである。体育会系女子の担任助手サンが運んできてくださったチーズケーキ、たいへんおいしゅーごさいました。懇親会も、たいへんたのしゅーございました。

1E(Cd) Joe Sample:Rainbow Seeker
2E(Cd) Böhm & Berlin:MOZART 46 SYMPHONIEN③
3E(Cd) Böhm & Berlin:MOZART 46 SYMPHONIEN④
4E(Cd) Joe Sample:Rainbow Seeker
5E(Cd) Böhm & Berlin:MOZART 46 SYMPHONIEN③
165 STAY16 PARERMO SIRACUSA
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