Fri 160729 あれは、ファウル。/熊谷で夏をしめくくる/ピザを熱く語る/わびしい上野 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 160729 あれは、ファウル。/熊谷で夏をしめくくる/ピザを熱く語る/わびしい上野

 8月21日、南の海から「強い台風9号」がジリジリ接近してはいたが、まだその脅威は直接には感じられない。「まだいいよ」「まだ大丈夫」「何とかなるよ」な感覚は、期末テスト5日前の感じ。若き今井君は、高3の11月上旬まで同じ感覚で怠け続けた。

 20世紀以降、怠け者の味方は誰が何と言おうとテレビ君であって、特に2016年夏のテレビ君は、オリンピックと高校野球という御馳走をテンコモリにして今井君の怠惰に拍車をかけた。

 ホントは、いろいろ授業の予習に励んだり、シチリアの旅の準備をしたり、すべきことはナンボでもズラズラ並んでいるのだが、深夜から早朝にかけてオリンピック、午後からは甲子園の決勝戦。こんなテンコモリじゃ、すべきこと満載の状態もなんのその、ソファでイジイジしている以外考えられない。

 午後2時、高校野球の決勝戦も盛り上がり、いよいよ中盤へ。栃木県代表の今井君も、北海道代表の大西君も、連投の疲れもあるだろうに、2人とも感動的な快投を続けていた。

 栃木の今井君のファーストネーム「達也」って、もしかしてパパが「タッチ」ファンなのかね。ワタクシもかつて「タッチ」全巻を読破した。塾でバイトしていた当時、元生徒から全巻を譲ってもらったのだった。「カタヨセ」という珍しい名前の男子だったが、今どうしているのかは、全く分からない。

「タッチ」ファンのパパが、生まれた息子を「達也」と名付け、その息子が18歳に成長して甲子園で連日の快投ということになったら、そりゃパパはまさに幸福の絶頂だろう。

 甲子園出場だけでたいへんなことなのに、緒戦から準々決勝 ☞ 準決勝 ☞ 決勝と、動じる様子もなく平然と快速球を投げ続けるんだから、タッチの達也以上の劇画的な大活躍だった。ワタクシも同じ今井として、最大限の喝采を送りたい。
熊谷1
(熊谷の大盛況。コの字の形のフシギな教室が超満員になった)

 それだけに、4回の大逆転劇に伴う一塁塁審&球審の誤審について、ワタクシは心から残念なのである。ついこの間も、「1980年 熊谷商vs川口工」の誤審とその後の激しい肉弾戦について書いたばかりだ。せっかくの熱戦に水を差すようなことはしてほしくない。

 4回、同点劇の内野ゴロは、あれは誰がどう見てもファウル。1塁手のグラブはボールには触れていないし、ボールはベースにも触れず、ファウルグラウンドを転がった。

 なぜ塁審は曖昧な苦笑いでゴマかしちゃったのか? アピールというより質問に走った14番の選手に、なぜ球審はヘラヘラ笑いながら応じたのか。快投を演じていた北海高校の大西クンが、あの誤審をキッカケに突然崩れて5点を失ってしまっただけに、ワタクシは残念で仕方がないのだ。

 これからはもう、テニスやバレーやバドミントンなみのチャレンジ・システムが必要なんじゃないか。ゴマかしちゃった塁審や球審の人生だって可哀そう。これから一生、「ああ、決勝戦でヘラヘラ誤審をゴマかしちゃったあのヒトね」というレッテルがくっついてきちゃう。

 そういうことを思いながら、午後3時、オウチを出て埼玉県熊谷に向かった。この夏の公開授業ラッシュの締めくくりなんだから、いつまでもオリンピックや甲子園にかじりついてはいられない。さすがに怠惰なワタクシだって、その辺はスカッとサワヤカ。コカコーラなみにシュワッとしている。
熊谷2
(熊谷の大盛況。「コ」の字の上の横線のあたり)

 2016年の夏は、公開授業35回。保護者向けの講演会や、岩手県の優秀生200名向けの特別授業もあって、なかなかの忙しさだった。その合間をついて河口湖合宿の10日や、過去問解説の授業収録8大学分もこなしたんだから、「怠惰なワタクシ」というのはあくまで遠慮して言っているだけである。

 台風11号が北に去ったばかり。南には台風9号が迫り、10号は南海上をブラブラ、意味不明の動きを続けていて、首都圏上空にはあちこちに巨大な入道雲が立ち上がり、豪雨に稲妻に雷鳴、マコトに凶悪な天候である。

 新宿から熊谷まで、在来線で70分。新幹線を使うヒトもいるだろうが、ワタクシは「湘南新宿ライン」のグリーン車でゆっくり行くほうが好みである。熊谷との付きあいは長い。東進に移籍して12年、1年に2回は呼んでもらっているから、おそらくすでに30回近い公開授業をこなしている。

 何しろ街のキャッチフレーズが「熱いぞ!! 熊谷」だ。気温36℃でも誰も驚かないし、37℃とか38℃まで上昇しても「まだまだ」な感じ。こうなると今井君の感覚もおかしくなってきて、8月21日、熊谷駅に降りて33℃という数字を見ると、「お、涼しいね」の独り言がもれるのであった。
焼き鳥
(熊谷直実の街・熊谷。懇親会の店も「カチドキ」だ。勇ましい店で、勇ましく焼き鳥を頬張った)

 確かに、セミに混じって盛んにコオロギが鳴いている。甲子園も終わり、オリンピックも終わる。秋が来たのである。ワタクシの手許には、すでに公開授業・秋冬シリーズのスケジュールが入っている。シチリアから帰ってくれば、9月から12月までパンパンのスケジュールだ。

 夏を締めくくる熊谷での公開授業は、18時半開始、20時終了。出席者180名。熊谷高・熊谷女子高・熊谷西、この地域を代表する名門高校を中心に、教室は「これ以上入りません」というパンパンパンの超満員になった。

 今井君が入場する通路も埋まってしまい、いつもと違う場所からいきなり今井がポップアップ。地球を貫くトンネルを通って、土管の中からリオの街にポップアップした安倍首相に負けず劣らず、激しいポップアップぶりなのであった。

 使用したテキストは「Cタイプ」。授業中心で、しかも強烈な営業活動も含む贅沢バージョンであるが、授業自体もカンペキ&営業活動も万全、夏を締めくくる最高の出来で90分、ハミガキのチューブをギュッと最後まで絞り出したようなチョー満足感で、肉体も精神も鳥肌が立つほどであった。
冷しゃぶ
(勇ましい街の勇ましい店だ。冷しゃぶだって勇ましい。おいしゅーございました)

 終了後は、もちろん懇親会。ワタクシにとっては2016年夏をギュッと濃縮した祝勝会である。店の名は「カチドキ」。一の谷の戦いのヒーロー♡熊谷直実の熊谷、その熊谷の街のど真ん中である。この秋は、屋島 ☞ 壇ノ浦へ、日頃鍛えた武勇をいかんなく発揮しようじゃないか。

 焼き鳥、冷しゃぶ、すべておいしゅーございました。ソフトバンクホークスの和田選手とソックリのスタッフにも感動。ピザの大好きなスタッフのピザ話も、たいへんたのしゅーございました。

 諸君、彼によれば、やっぱり宅配はドミノピザじゃなきゃダメなんだそうな。ピザ生地は、クリスピーじゃなく、あくまでモチモチ感を優先。ハムと肉とチーズをタップリ乗っけて、その日1日のストレスを熱いピザとともに飲み下す。ドリンクは甘いコークハイ。うーん、素晴らしい。

 まもなくピザの本場・イタリアのシチリアに旅立つ今井君にとっても、深ーい彼のピザ観は大いに参考になった。つい1年半前、ナポリで世界一有名なピザ屋のピザを貪ったばかりだが、シチリアのピザも大いにワシワシやって、半年後にはまた彼とピザ談義に耽りたい。

 しかし残念なことに、今夜のワタクシは、熊谷に宿泊できないのである。23時11分発、最終の高崎線で帰京する。だって、
① 強い台風9号が接近中、天候はぐんぐん悪化中
② 翌日は新宿に浪人生160名が集結、13時から特別授業の予定
なのだ。
上野駅
(熊谷からの最終電車で上野に到着。0時14分。上野の余りの閑散ぶりに、ふと涙があふれそうになった)

 もちろん、970hPaの強い台風が首都圏直撃ということになれば、浪人生の特別授業はキャンセルの憂き目を免れない。しかしそれでもやっぱり、そのスケジュールなら今日中に帰京しておかなきゃダメじゃないか。

 熊谷からの最終電車は、終着♡上野駅に到着、0時14分。30年昔の上野なら、この時間帯でもまだ東北方面への夜行列車で駅はごったがえしていたが、いまや「1つの時代が終わりましたな」とカラダの芯から寂しくなるような閑散ぶりである。

 だーれもいない駅前から、タクシーに乗り込んだ。上野から深夜料金で渋谷区まで、5000円もかかる。それでも上野のタクシー運転手さんとの会話は暗く湿りがちである。

「不景気です」「全然もうかりません」。そういう暗い話題に付き合ううち、市ヶ谷あたりで台風の雨が急激に激しくなった。深夜の新宿は生温い雨に濡れ、終電の時間ももう過ぎて、駅前は人影もマバラなのであった。

1E(Cd) Krivine & Lyon:DEBUSSY/IMAGES
2E(Cd) Rogé:DEBUSSY/PIANO WORKS 1/2
3E(Cd) Rogé:DEBUSSY/PIANO WORKS 2/2
4E(Cd) Maria Del Mar Bonet:CAVALL DE FOC
5E(Cd) Maria Del Mar Bonet:CAVALL DE FOC
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