Wed 160727 リオの映画を作ってほしい/早稲田政経の解説授業/難関私大の合格法 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 160727 リオの映画を作ってほしい/早稲田政経の解説授業/難関私大の合格法

 8月20日の東京は、朝から雷鳴とともに激しい雨にさらされ、ワタクシのオウチのあたりも「渋谷川が氾濫危険水位を超えそうです」などというたいへんなことになった。

 21世紀、真夏のゲリラ豪雨は「ゲリラから正規軍へ」という成長を遂げつつあり、南の海上に豆台風が3つもズラズラ勢揃いした天気図は、もはや亜熱帯を通り越して、熱帯そのものの様相を呈している。

 豪雨の後で夏の太陽が降り注いだから、その蒸し暑さと言ったら、シンガポールのスコールの後とおんなじだ。外に出た瞬間にメガネが曇り、窓ガラスに付着した水滴は、こんなに暑いのにちっとも蒸発してくれない。

 11時で雨はいったん上がったが、3時間経過、4時間経過、窓の雨滴はまだ乾かない。こんな天気の中、近くで誰かが草刈りをしちゃったらしく、空気にドクダミの悪臭が混じっている。

 まさに「やめてくれよ」であって、こんな天気の日にドクダミの茂みを鎌で襲撃するなんて、余りにも命知らずじゃないか。おお、くさい。くさすぎて、呼吸困難の寸前であるよ。

 あまりのニオイに辟易した今井君は、窓をカタく閉め切って、そよそよ涼しいクーラーの風に吹かれ、やっとのことでやる気を取り戻した。昨夜から今朝にかけて、ちょっとションボリしてしまっていたのである。
美ネコの自覚
(夕暮れのニャゴロワ。美ネコの自覚が視線に満ちている)

 だって諸君、
① 昨日は夕暮れから午後9時までの授業収録で疲れ切った。
② オリンピック終盤での日本選手の活躍があまりに素晴らしくて、そのぶん自分のしている仕事が、マコトにチマチマしたものに思えた。
ま、男子というものは、何歳になってもこんな感じなのである。

 50km競歩もスゴかった。シンクロもスゴかったし、レスリングも素晴らしかった。どれもみんな金メダル以上と言っていい大健闘だった。レスリングは、あれは普通に見たら金メダルじゃないの?

 ワタクシのオリンピック観戦歴は数百年に及ぶのだけれども♡、1968メキシコ、1972ミュンヘン、1976モントリオールの頃は、「競歩」と言っただけで「欧米人の種目」「日本人は指をくわえているだけ」という時代が長かった。それが「堂々と銅、あわや銀」というんじゃ、号泣が止まらなくても仕方ない。

 トラックの400メートルリレー♡銀メダルに至っては、余りのことに今井君はもう興奮を抑えきれず、激しい雷雨の真っただ中、町内1周400メートル、ケンブリッジ飛鳥どんから一人でバトンをもらって激走しそうなアリサマであった。

 もしワタクシがアンカーなら、クマの激走 ☞ 100メートル7秒台で一気に金メダルに持ち込んだかもしれない(スミマセン、昨日の続きです)。トラック競技で銀メダルだなんて、我々の世代にはまさに奇跡やミラクルに見えるのだが、ミルフィーユ的努力の末の必然だと気づけば、熱い涙は止まるはずがない。
豆台風
(午後7時のNHKニュースより。豆台風3個の襲撃は、まさに熱帯の雨期とソックリだ)

 おそらく著作権や肖像権の問題があって困難をきわめるのだろうが、2016年のリオオリンピックについては、日本選手の活躍シーンだけでかまわないから、どうしても誰かに映画化してほしいのである。

 かつて市川崑監督が「東京オリンピック」というウルトラ名作を残したけれども、2016年リオの日本選手の活躍は、十分あれに匹敵する映画作品に出来ると思うのだ。

 何しろプロ選手もたくさん参加しているから、いろいろメンドーな法律関係が錯綜して「とても映画化はムリだヨ」とせせら笑われるんだろうけれども、それなら個人的に楽しむだけの素材でもかまわない。

 誰でもいい、熱い映像を3時間ぐらいに編集して、ワタクシにくれませんかね。きっと今井君はその3時間作品を100回も200回も口を開けて眺め倒し、2016年リオを1964年東京以上に詳細に記憶して、「後世に語り継ぐカタリベとならんと欲す」みたいなことを言い出すと思う。
なだれ
(ワタクシの帰りを察知すると、2階から階段をナダレのように駆け下りてくる)

 ま、そんな状況だ。真夏の豪雨と雷鳴の中、栃木県代表の今井君(背番号1)や高知県代表の今井君(背番号4)の活躍にも絶叫し、栃木の今井達也 vs 高知の今井涼介、2大今井の直接対決に膝を乗り出しながら、自分のチマチマぶりがだんだんイヤになってきたのである。

 高校野球の2大今井に、水泳の今井月選手を合わせて3大今井。戸田恵子・松坂慶子・藤圭子で3大ケイコ。高橋英樹・松井秀樹・西城秀樹で3大ヒデキ。それならワタクシも、中年ながら力の限りを尽くし、何かのハズミで「3大ヒロシ」の一角を担いたいじゃあーりませんか。

 というわけで諸君、8月19日の今井君はハリキリ放題にハリキッて吉祥寺のスタジオに乗り込んだ。この日のお仕事は「早稲田大学政経学部・過去問解説2016年」。うーん、それなりにチマチマしているが、ミルフィーユとおんなじで、そのチマチマを1000枚積み重ねなきゃ、3大ヒロシなんか夢のまた夢だ。

 完全に同形式の長文読解問題が3問。ここまで同形式の問題を3問も出題することに「どういう意味があんの?」という疑問もモクモク湧き上がってくるけれども、1問1問キチンと見れば、すべて磨きのかかった良問ぞろい。おお、なかなかいい問題を出してるじゃあーりませんか。
しっぽ
(シッポの長さを誇示するニャゴ。シッポの長さでメダルが取れれば、確かに金メダル級だ)

 マスメディアの偏見と言ふものは、いったん定着すると滅多なことではなくならない。「早稲田みたいな難関私大は、重箱のスミをつつくような難問奇問ばかり出題する」とか、そういうことを言われて久しい。

 メディアが口を揃えれば世間はカンタンに追随するので、早稲田=難問奇問というイメージはほぼ固定化。「難関私大なんか、結局は○×式。記号を選ぶだけでおしまいだ」というおかしな偏見がすでに半世紀もへばりついている。

 しかし諸君、例えば第5問を見てくれたまえ。「喫煙を非合法とすべきだという意見について、賛成か反対か、120語程度の英語で述べよ」という出題である。この問題のどこが「○×式」「客観式」なんだ? メディアはチャンと問題を見てから批判を展開すべきなんじゃないか?

「いまの入試はマニュアル化されていて、ホントの実力よりテクニックの有無で合否が決まってしまう」。そういう批判自体、それこそマニュアル化された批判に過ぎない。いくらマニュアルを暗記したって、21世紀の大学入試には全く対応できないと思いますが、いかがなもんですかね。

 第1問、心理の直観システムと合理システムについて(70行)。第2問、ヒコーキのコンピュータによる自動操縦について(70行)。第3問、キング牧師が人種差別主義者あてに書いた1963年の手紙(90行)。すべてマコトに濃厚な内容、設問もよく練られた良問ばかりである。
230行
(2016年早稲田大学政経学部、読解問題の英文、合計230行。おお、なかなかボリュームがあるじゃないか)

 確かに文章量を写真で見るとたいへんな分量に思える。70行の文章に7つの設問がついて、1問平均25分で解かなきゃいけないということになると、受験生を慌てさせてヒトモウケしようと企む人々は「ウルトラ速読が必要」「ミラクル速読でなきゃ対応できない」と連呼し始める。

 しかし諸君、落ち着いて考えてみてくれたまえ。「70行の英文を15分で読み、10分で設問に答える」とすれば、1分あたりの読解量は4.5行に過ぎない。1行あたり12秒。1行12秒のどこが、「ミラクル速読」なんだい?

 試しに、手近にある英文で1行12秒をやってみたまえ。それがもし音読なら、「ゆっくり過ぎて、とても困難」と感じるはずだ。異様にゆっくりした音読でなければ「1行12秒」は無理なのである。

 だから、とにかく慌てなさんな。「時間との勝負だ!!」なんてのは、愚の骨頂。時間と勝負した時、ナポレオンもシーザーも、ダレイオス大王も項羽&劉邦も、要するに歴史上のありとあらゆる英雄が、時間と勝負して常に苦杯をなめてきたのだ。

 その愚を繰り返すなかれ。1行12秒、1分4.5行。「たった70行 ☞ 文庫本4ページ分に過ぎない」と落ち着き払って、悠然と、悠々と活路を切り開けばいいだけのことである。

1E(Cd) Barbirolli & Hallé:THE DREAM OF GERONTIUS 1/2
2E(Cd) Barbirolli & Hallé:THE DREAM OF GERONTIUS 2/2
3E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 1/4
4E(Cd) Böhm & Berlin:MOZART 46 SYMPHONIEN⑥
5E(Cd) Maria Del Mar Bonet:CAVALL DE FOC
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