Sat 160723 なぜランチ習慣がないか/コンビニCocoの巨大オムスビ/泡盛グビグビ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 160723 なぜランチ習慣がないか/コンビニCocoの巨大オムスビ/泡盛グビグビ

 8月12日午後1時半、帰りのフェリーの出航時間が迫っていたけれども、タクシーで島を一周してくれたナカソネさんは、余裕の笑顔で今井君を振り返りながら「コンビニで昼メシでも買っていらっしゃいますか?」と言ってくれた。

 今井君には「昼メシを規則正しく食べる」という習慣がない。食べたければ食べるし、食べたい気持ちが盛り上がらなければ昼メシはごく自然にパス。それでもちっともかまわないし、昼をパスしたからといってお腹が減ってツラいということもない。

 中井貴一どんがやっているNHKの名物番組「サラメシ」では、「誰にでも昼はくる♡」と絶叫してマコトに旨そうな昼メシを披露してくれるが、さすがに今井君ぐらいに落ち着いた年齢になれば、「昼はむしろ食べないほうが、晩メシの旨さが3倍になる」というのがホンネである。

 内田百閒は、① 朝食はいらない ② 昼は盛り蕎麦1枚のみ、そういう生活を続けた。「空腹こそ至福」というヤセ我慢を通し、それで高齢まで日々の生活を目いっぱい楽しんだ。

 確かに、満腹のポンポンを抑えつつフーフー苦しんでいるより、「腹が減ったな♡」「晩メシは何にすっかな♡」と舌なめずりしながら午後を過ごすほうが幸せである。今井君は佐々木ゼミ(仮名)時代の半ばごろから、昼メシを食べる習慣をヤメてしまった。
巨大オムスビ1
(久米島のコンビニCocoで購入した巨大オムスビ)

 だって諸君、景気のよかった当時の「ぜみぎヨヨナール(仮名)」のランチは、ほとんど非人間的な忙しさだった。2時間目の授業が終わるのが12時20分。大急ぎで講師室に帰ってきて、ランチにありつくのが12時30分。ふと間違って「延長」なんてことをやれば、12時35分までズレ込んだ。

 朝のうちに講師室担当の女性職員にランチを注文する。お蕎麦にウナギ、カレーにお寿司、要するに「店屋物」であるが、数学の某センセは「焼きサバ定食」、現代文の某センセは「蕎麦屋のカレー」、身体の大っきな英語の大センセは、「梅本のカレー」。もうみんな諦めて、決まったものしか注文しなかった。

「試しに」と言ってマックのハンバーガーを注文し、一口かじって「これって人間の食いもんか?」と、恐るべき罵言を弄した英語のセンセもいらっしゃったが、今井君はそのすぐそばで大人しくお蕎麦をすするのが常だった。

 お蕎麦じゃないときは、うなぎ屋さんの「うな玉重」。「四天王の一角を担っている」というスンバラシー立場のワリに、ランチは至って地味で控えめなのが、当時の今井君なのであった。
巨大オムスビ2
(商品名はともかく、巨大オムスビ ☞ おいしゅーございました)

 だって諸君、12時40分の段階で「質問があります」という生徒諸君が講師室になだれ込んでくる。とても豪華ランチなんかエンジョイしているヒマはないのである。ランチの正味時間は15分程度。ならば盛り蕎麦1枚がちょうどいいじゃないか。

 いつも言っている通り、今井君の理想は「質問が1人たりとも来ない状況」。分かりやすい授業で150%も200%も理解できてしまえば、質問の列なんか出来るはずはないのである。

 ところが、そうは考えないセンセも当然いらっしゃる。「長い質問の列こそ、人気講師のアカシ」とおっしゃるわけだ。

 実際にはよほど分かりにくい授業をして「ここも分からなかった」「あそこも分からなかった」というアリサマなのであるが、そういう不満がトグロを巻いた長蛇の列を眺めつつ、悦に入っていらっしゃる。

 そういう列が講師室に4本も5本もトグロを巻いた真っただ中、知らん顔でランチを楽しむなんてのは、気の弱い今井クマ助なんかにはとても出来ることではない。やっぱり盛り蕎麦1枚が限度。それさえ間もなく耐えられなくなって、ランチの習慣自体が消滅する原因になった。
間もなく那覇
(久米島からのフェリー、那覇到着もやっぱり30分遅れだった)

 というわけで、久米島のナカソネさんはマコトに優しく「コンビニでクルマを止めますね」「帰りの船の中で召し上がるランチを買ってきてください」とおっしゃってくれたが、今井君としてはどうしていいか途方に暮れるばかりであった。

 ホントは、久米島の島内のレストランでランチを楽しみたかった。ヨサゲな店はナンボでも並んでいた。この際、「どうですか、一緒にランチ? おごりますよ」と、ナカソネさんもお誘いして、ラーメン屋かお寿司屋さんにでも突入したかったのだ。

 しかし何しろ、フェリーの久米島到着が45分も遅れたせいで、そういう時間さえ全て消滅してしまった。ナカソネさんがクルマを止めてくれたコンビニ「Coco」に突進して、大っきなオムスビと缶ビールと泡盛を購入することにした。

 昼メシの習慣はなくても、船の中で缶ビールと泡盛なら、そりゃ最高である。泡盛はもちろん「久米島の久米仙」。「ばくだん」と印刷されたオムスビは、名前こそマコトに物騒であるが、久米島のヒトビトは何のこだわりもなくどんどん買っていく。
オリオンビア
(オリオンビールで沖縄の旅を締めくくる)

 強烈な直射日光を浴びながら、観光客の集団が羨ましそうに今井クマ助を見送っている。「お、タクシーか」「いいな♡いいな」「オレたちも乗せてくんないかな?」であるが、残念なことに今のワタクシには、彼ら彼女らのメンドーをみている余裕はない。

 炎天下の彼ら彼女らは、きっと久米島のお盆を楽しみにやってきたのだ。沖縄の旧盆は8月15日すぎから本格化する。久米島の夏はいよいよ頃からであって、花火大会に沖縄相撲大会、夏休みのお楽しみはいよいよこれからだ。

 京都では五山の送り火に点灯される頃。もう間もなく夏は終わりだ。大文字に妙法に舟形に鳥居形、夏の夕暮れの豪雨の中を、先祖の霊が帰っていく頃である。東京でも蝉時雨の真っただ中、控えめにコオロギさんの合唱が始まっている。

 しかし諸君、さすがに久米島は話が違う。島の規模を勘違いしてフラフラ夏の散歩に出れば、あっという間にドライ人間への危機が迫る。危機を避けようと日陰を求め、慣れないサトウキビ畑に難を逃れれば、足許には斑点のある凶悪なハブがトグロを巻いている。

 ナカソネさんのクルマが埠頭に到着したのは、13時45分。「帰りの船はきっとすごく空いてますよ」という彼のお言葉どおり、往路とは打ってかわって船室はガラガラ、十数人の乗客しか乗り込んで来ないのであった。
ソーキそばセット
(〆くくりついでに、ソーキそばセットも満喫する。詳細は明日)

 というか、この船はついさっき那覇から久米島に到着したばかり、要するに今井君は、那覇から乗ってきた船に再び乗り込んで、久米島から那覇を目指すのである。往復合計8時間近い船旅。考えてみれば、つくづくご苦労な1日を過ごすことになった。

 しかし諸君、こういうバカげた旅も、決して悪くないものである。ナカソネさんのご好意に感謝しつつ、「こりゃ必ず1年以内にもう1度この島を訪れて1泊、いや2泊、3泊でもいい、島を満喫しよう」と心に決めた。

 船が出るのを待って、ワタクシは早速「ばくだん」を貪った。巨大なオムスビの中身は、高菜&めんたいこ。人気のコンビニ「Coco」の売れ筋オムスビなんだそうだが、Cocoは間もなく看板を付け替え、ファミマだったかローソンだったか、ごくありふれたコンビニに姿をかえちゃうんだそうだ。

 うーん、それは残念でならない。日本全国どこもかしこも一律じゃ、旅をしていてちっとも面白くないじゃないか。無責任な今井君は、「Coco存続」「ばくだん存続」を願いつつ、ビアをグビグビ、続いて「久米島の久米仙」もグビグビ、那覇までの4時間をグビグビの連続でダラしなく過ごしたのであった。

1E(Cd) Muti & Berlin:VERDI/FOUR SACRED PIECES
2E(Cd) Reiner & Wien:VERDI/REQUIEM 1/2
3E(Cd) Reiner & Wien:VERDI/REQUIEM 2/2
4E(Cd) Rubinstein:CHOPIN/MAZURKAS 2/2
5E(Cd) Lima:CHOPIN FAVORITE PIANO PIECES
total m115 y1205 d18910