Fri 160708 最終日の「徹夜」を改める/2時就寝 ☞ 5時起床/部屋でジリジリ朝を待つ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 160708 最終日の「徹夜」を改める/2時就寝 ☞ 5時起床/部屋でジリジリ朝を待つ

 第2期最終の第11講が終わったのは、22時20分である。時間割より25分も早いが、今井君はサッサと授業を終了して、颯爽とお部屋に戻ることにした。

 今年の合宿のワタクシは、ホントによくボーボー燃え続けた。「全ての授業を15分前倒しして始めます」と宣言し、第1期から第2期まで、1回も約束を破らずに、全て時間割の15分前に授業を開始した。うぉ、エラい&エラい。15分前にスタートし、規定通りの時間で終わる素晴らしい日々だった。

 そういうふうだから、最終授業を25分早く終わったって、別に「ズルした」わけじゃない。合計の授業時間はもうとっくにこなしたのである。テキストも残るくまなく150%解説し尽くした。用意した補充問題も長文6問、解き方はカンペキに講義したつもりである。

 では「なぜ25分も早くお部屋に戻ったのか」であるが、どうしてもここでタップリ個別学習の時間をとって欲しかったのである。薄っぺらい感動や感激を誘う演出やらトークやらお説教やらで、彼ら彼女らの個別学習時間を浸食したくないじゃないか。
すきやき
(最終日は「朝まで勉強」が原則。その生徒諸君を支えるのが最終日の定番「すきやき」である)

 一昨日から書いてきているように、ここまで50問×10回=500問、パーフェクトを続けているI君もいる。もちろんI君ばかりではなく、「最後の確認テストでどうしても50点、パーフェクトで締めくくりたい」というのは、クラス80人共通の思いである。

 第11講の確認テストは24時45分スタート。ならば22時20分で今井君が姿を消したほうが、2時間半、学習効果がギュッと上がりそうだ。いつまでも講師がデレデレつきまとっていたんじゃ、集中して満点に前進できないじゃないか。

 昨年までは、そのあとも個別学習が続いた。「朝5時まで徹夜で学習」というのがこの泥臭い合宿のウリの1つであって、睡魔と戦いながら夜明けを迎えることに熱い青春を感じ、生徒もスタッフも「単に起きていること」にばかり夢中になっていたのだ。

 ま、それでも大昔に比較すれば、この4〜5年はいくらか穏やかになった。10年前は完全カンペキ徹夜が原則。朝5時どころか6時7時まで「わっしょーい♡」「わっしょーい♡」と掛け声をかけつつ、とにかく寝ないことだけを目標に、全員が完全な徹夜を目指したのである。

 それでも眠くてならない生徒を、若いセンセが宿舎前の河口湖畔まで連れていって、「湖に向かって音読♡」なんてのをやった。やがて夜明けの空に富士の勇姿が現れる。すると今度はもちろん「富士に向かって音読♡」「富士からのコダマに声を合わせて音読♡」など、マコトに恐ろしいことにもなった。
肉団子
(最終日は「天ぷら」も定番だったが、一昨年から大っきなミートボールに代わった。若い諸君にはこっちのほうが良さそうだ)

 しかしさすがにそれじゃあんまり熱すぎて、燃える青春にボッと火がついて燃え尽き、脳まで真っ黒焦げになりかねない。この4〜5年、生徒の学力もグングン上昇し、「もうそんな極端なことをしなくてもいいんじゃないか」ということになり、方針をグッとソフトなほうに切り替えた。

 寝るときは寝る。食事の時は食事に専念する。睡眠はチャンととる方針で、泥臭いことはできるだけ避ける。あんまりソフトになったので、かつての乱暴な泥臭い青春を懐かしむ声がスタッフから上がるほどになった。

 それでも4泊5日、睡眠時間4〜5時間で英語漬けになってきた生徒はもうヘトヘトである。第11講の確認テストが終了した段階で、「起きているのがやっと」「英語の音読が苦痛でならない」という状況に陥っている。
ハンバーグ
(3日目のハンバーグ。すこぶる評判が良かったので、再び拡大写真を掲載する。最後まで熱々で、おいしゅーございました)

 そんなアリサマで「5時までやり抜こう」「限界を超えるぞ!!」「限界突破!!」と、要するに単なる意地っ張りで目だけ開けていても、学習効果はちっとも上がらない。というか、学習への嫌悪感が脳にベットリへばりつく結果になりかねない。

 嫌悪感の現れについては、第1期の時にも書いた。深夜の学習が進むに連れて、生徒が自主的に選択する音読の対象が、どんどん易しいほうへ易しいほうへ、安易に安易に流れ始めるのである。

 音読が一番の効果を発揮するのは、
① 受験の世界では「長文」と呼ばれる、30行 〜 120行のパッセージ。
② 次に、重要な単語やフレーズを含んだ短いセンテンス。
バラバラの単語をバラバラに絶叫しても、何の意味もないし、ほとんど効果も期待できないのである。

 分かっているはずなのに、3時をすぎ、3時半を過ぎて、睡魔と戦うほうに全力を集中する時間帯になると、生徒はまず一斉に①から②に逃げる。4時、もうドーロドロのドロドロ、デーロデロのデロデロ、アタマの中が泥沼みたいになっちゃった生徒たちは、ひたすら単語を絶叫するだけである。
初日のお肉
(懐かしや、第1夜のお肉料理)

 今井君もこの10年、この時間帯の生徒諸君に付き合って、午前5時まで教室に貼りついていた。午前5時、やっとのことで徹夜学習が終わり、感激した生徒たちが「1時間やそこら中途半端に眠るより、完全徹夜のほうがマシだよな」と語り合いながら教室を去っていく。

 生徒が去った教室で、感動を噛みしめているスタッフ諸君と言葉を交わし、部屋に戻って窓を開けると、穏やかな河口湖の向こうに、朝日を浴びた雄大な富士の勇姿がある。講師としても鳥肌の立つ、なかなか捨てがたい感動のヒトトキなのであった。

 しかし諸君、今年の今井君は熱くボーボー燃え上がった結果、「もうヤメないか、あんなことは」と思い立ったのだ。ドーロドロのドロドロ、デーロデロのデロデロで、ただ単に目を開けているだけ、単に単語を絶叫しているだけ、そんなんじゃ、ホントに単なる自己満足の一夜に過ぎないじゃないか。

 そこで2016年の今井クラス最終日は、以下のように時間割を組んだ。
① 午前2時まで、全力を集中して音読
② 午前2時、一斉に部屋に帰って、約3時間の睡眠
③ 午前5時、再び教室に集合、音読を再開
④ 午前7時、朝食の時間まで学習を継続
冷たいお茶
(朝まで頑張る諸君のために、冷たいお茶もタップリ準備される)

 しかも、20分に1度のペースで、クラス全員で声を合わせての音読を行う。それ以外の時間はどんな学習をしても自由だが、20分に1回はクラス80名一体になって、5分ほどの音読に励むのである。

 それでも眠くなったら、書いて書いて書きまくる。一晩でボールペン1本を使い果たすぐらいに書く。書きまくる。腕が痺れ、もう限界だと思ったら、また音読に戻る。それを何度も繰り返すわけである。

 あとは全てを5人のスタッフに任せ、今井君は朝まで部屋から1歩も出ない。デレデレしたくなる気持ちを抑えて、「朝6時にまた教室に来ます」と告げ、意地でも戻らない。ギュッと部屋にしゃがみ込んで、ひたすら空の白むのを待つ。

 果たしてI君は、確認テスト11回、550問パーフェクトを成し遂げたんだろうか。午前2時ぐらいの段階でその結果はとっくに出ているはずだが、とにかく講師がデレデレしちゃイカン。「パーフェクト達成」かどうか、今すぐ知りたいその質問も朝6時までガマンして、ジリジリしながら朝を待ったのである。

1E(Cd) Ashkenazy:RACHMANINOV/PIANO CONCERTOS 1-4 1/2
2E(Cd) Barenboim & Chicago:TCHAIKOVSKY/SYMPHONY No.5
3E(Cd) Gergiev & Kirov:TCHAIKOVSKY/SYMPHONY No.6
4E(Cd) Argerich, Chailly & RSO Berlin:TCHAIKOVSKY/PIANO CONCERTO No.1 & RACHMANINOV/PIANO CONCERTO No.3
5E(Cd) Gergiev & Kirov:RACHMANINOV/SYMPHONY No.2
total m40 y1130 d18835