Sun 160626 巨泉さん死去/PCはオジサン的か/何故に120行か/ハマッグリとラッシー | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 160626 巨泉さん死去/PCはオジサン的か/何故に120行か/ハマッグリとラッシー

 さすがに夜の新宿だ。4日前の老舗中華料理屋も、一昨日の老舗カレー屋も、昭和のカホリをプンプンさせたオジサマ&オバサマ集団が圧倒的に多い。若者たちの新宿離れがどんどん進んでいるようである。

 ダークダックスやザ・ピーナッツを、親たちに無理やり聞かされて育った世代である。永六輔作詞、デュークエイセスが歌いまくった「きょーとー♡大原三千院」「きょうとー♡栂尾高山寺」「きょうとー♡らんざん大覚寺」も、聞かされ続けているうちにいつの間にか暗記してしまった。

 大橋巨泉サンのテレビも、親たちが熱心に見ていたから ☞ 知らないうちにファンになった世代である。その大橋巨泉サンが亡くなった。今朝のNHKのニュース速報で知った。寝起きのボーッとしたマナコで地震速報のテロップを眺めていたら、地震速報が訃報に切り替わった。
授業収録
(訃報に愕然としながらも、吉祥寺スタジオで収録を続けた)

 幼い今井君は、両親が「NHK以外は見ない」という方針のお固い家庭で育ったので、大橋巨泉サンのことはほとんど知らないのである。「巨泉・前武のゲバゲバ90分」なんかが学校で話題になっても、今井君だけはサッパリ分からない。それだけのことで何故か「ガリ勉」と囃し立てられた。

「前武」とは、巨泉サンと一緒に昭和のテレビを盛り上げた前田武彦サンのこと。2011年に亡くなった。ついでに「ガリ勉」とは「ガリガリ勉強ばかりしてるイヤなヤツ」のこと。昭和中期から後期にかけて、「教育ママ」とタッグを組んで一世を風靡した性格類型である。

 幼い今井君が「ガリ勉」と冷やかされたのは、「巨泉&マエタケを知らない」ことの他に「ドリフターズを見たことがない」「プロレスの話題についていけない」など、ほとんど全て「NHK以外は見ない」という家庭の方針が原因だった。

 もちろんその代わり、NHKのことなら何でも知っていた。「新日本紀行」「現代の映像」「NHK特派員報告」は、ナレーションのマネまでできた。大河ドラマなんか、セリフまで暗記している。「天と地と」「竜馬がゆく」「新平家物語」「国取り物語」、その辺は脇役のセリフだってソラで言えたのである。
電子黒板
(授業収録風景。電子黒板も登場する)

 何しろ今井君独特の強烈な記憶力だ。むしろ「忘れることができない」「無忘却症候群」みたいな病気なんじゃないか、そう思うことさえある。それがまた「ガリ勉」と勘違いされる原因になった。

 そりゃそうだ。仲間たちが「昨日のアントニオ猪木」「一昨日のジャイアント馬場」「明日の巨泉&マエタケ」「先週のドリフターズ」で盛り上がっている時に、今井君は「各地の公害の現状」「日本の原風景」「そのとき鬼小島弥太郎は」「だって平忠正が」「だから源行家は」「うん、月形半平太も」、万事そんな調子なのである。

 だから大橋巨泉サンの訃報に接しても、彼に関する記憶を深くたどれるわけではない。早稲田大学の大先輩であること、昭和の大先輩であること、そのぐらいである。

 しかし、やっぱり時代の象徴だったことは間違いない。夜の新宿で中華に舌鼓をうち、カレーを旨そうに嚥下していたオジサマ&オバサマ連にとっては、楽しい時代の共通体験だったはず。ガリ勉と冷やかされたワタクシも、知らないせいで大きな影響を受け続けたワケである。ご冥福をお祈りする。
今井君
(暢気な今井君は、収録中もイタズラばっかりしている)

 その一昨日のカレー屋で、他にすることが何にもないから、しばし「マンウォッチング」に興じた。オジサマ連もオバサマ連も、せっかく同じテーブルについているのに、サッパリ会話は交わさないようである。

 要するに、みんながスマホに夢中。目の前の友達より、遠くのスマホ情報。一緒の家族より、かなたのスマホ友達。そういうことのようである。いやはや、もうそろそろスマホを卒業しませんか。

「パソコン」というものも、どうやらスマホに圧倒されつつあるようだ。かく言うワタクシのブログについても、今や「パソコン読者数」を「スマホ読者数」が完全に凌駕してしまった。

 パーセンテージで言えば、パソコン派が30%、スマホ派が68%、ガラケー派が2%。筆者には連日そういう「アクセス分析」が送られてくるのであるが、うーん、2016年になって急激にスマホ派の勢いが増したようである。

 2015年までは、パソコン派とスマホ派はほぼ拮抗していた。昨年7月のデータでは、パソコン派が48%、スマホ派が48%、ガラケー派にもまだ少数政党ぐらいの勢いがあって4%。おやおや、ガラケー派は最後に残った議席も落としてしまって、今や存亡の危機にあるようですな。

 今の勢いでは、パソコンももうすぐ「要するにオジサマの持ち物」「中年の象徴」になってしまいそう。今井君は絶対のパソコン派であって、スマホなんかほとんど使用しないが、まさにそれこそ昭和な中年オジサマであることの証左なのである。
あほや
(イタズラばかりしていると「あほや」と言われかねない。6月中旬、奈良にて。なお、看板にある大阪目物「ぺちゃ焼き」についてはYouTubeを参照)

 それにしても読者諸君、スマホで連日この長大なブログを読破するのはたいへんじゃないかね? どうも申し訳ございませんな、こんなにズラズラ、ナンボでも文章を書き散らし、それをスマホの小さな画面で読んでもらっているなんて、反省の余地があるかもしれませんな。

 ただし、この長さには意図がないこともないのだ。毎回「A4版3枚」であるが、これは現在の大学入試の英語長文問題のうち、最も長い早稲田大学国際教養学部や慶応義塾大学SFCの文章量とほぼ同じなのである。平均120行。行数を数えてみればわかる。

 横書きの文章がズラズラどこまでも続いているだけで、意気沮喪する受験生が少なくない。「スゲー長げーぜ」「ヤバくない?」「スーパー速読が必要だ」「時間との勝負だ」。何でそんなに焦っちゃうのかと言えば、普段からズラズラ長い文章を読み慣れていないからである。

 120行、その程度で「スゲー長げー♨」と手に汗を握り、頭の中が真っ白になる。例えばツイッターみたいなものばかり眺めていて、4行を超えると長過ぎると感じ、10行以上だと読む気を失くし、20行を超えると嫌悪を感じる。そういうタイプのアタマになっちゃったのかもしれない。

 そこで諸君、今井君の登場だ。おちゃらけた調子で中身もあんまり濃くない文章なら、120行あってもスマホでもカンタンに読み切れる。それを毎日続けていれば、2ヶ月か3ヶ月で120行にもすっかり慣れてくるだろう。わずか120行を「超長文」と呼ぶこともなくなるんじゃないか。

 ましてや難関国公立の長文読解問題は、平均して80行しかない。たった80行で「スゲー長げー」「チョー焦った」「ウルトラ急いで読まなきゃ」とか、そんな大慌てになるのは愚かである。
エヴァンゲリオン
(7月10日、山口県厚狭で遭遇した「エヴァンゲリオン新幹線」。レア物らしいので、改めて別の写真も掲載しておく)

 一昨日のカレー屋のテーブルで「今日はそういうことを書こう」と思っていたら、隣りのテーブルの会話が聞こえてきた。誰かのブログの批判であるらしい。「もっとアッサリ書けないのかね?」とおっしゃるのである。「さては今井君の批判かい?」と一瞬ドキッとした。

 もちろんそんなことではなかったのだが、「アッサリ」というコトバが我がアタマにこびりついた。
「うんにゃ、オレは決してアッサリなんかしてやらないぞ。いくらでもハマッグリしてやる」
と決意したのである。

 諸君、「ハマッグリ」とは、もちろん「アッサリ」の対立概念。アサリとハマグリのケンカであって、アサリはアッサリしているが、ハマグリはハマッグリしていて、「絶対にアサリになんか負けない」という今井君的闘争心に溢れている。

 すると当然「シッジミ」なんてのも登場する。シッジミはアサリよりもっとアッサリした小さな存在で、単語2つか3つで終わるツイッターみたいな可愛いヤツである。

 まもなくお隣のテーブルには「ラッシー」というドリンクが運ばれてきた。おお、昭和の我々は「ラッシー」と聞けば「名犬ラッシー」を思い出す。「ラッシーはたいへんな名犬らしい」。昭和の時代は、この程度のダジャレでも笑って許してあげる人が多かった。

1E(Cd) Tower of Power:URBAN RENEWAL
2E(Cd) Tuck & Patti:CHOCOLATE MOMENT
3E(Cd) 村田陽一 & Solid Brass:WHAT’S BOP
4E(Cd) Marc Antoine:MADRID
5E(Cd) Kremer:MOZART/VIOLINKONZERTE NOS.2&3
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