Wed 160622 いたましい事件の連続を嘆く/雷雨の西新宿で熱演/本物のミルフィーユ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 160622 いたましい事件の連続を嘆く/雷雨の西新宿で熱演/本物のミルフィーユ

 イスタンブールのアタチュルク空港でテロ事件があったのが、6月28日のことである。ホンの数年前に2週間ほどイスタンブールに滞在し、そのあまりにノホホンとした雰囲気がすっかり気に入っていたワタクシとしては、まさに愕然とさせられる事件だった。

 イスタンブールでは海峡をわたる小舟に乗って、アジア側のウスキュダルやカドキョイに連日晩メシを楽しみに出かけた。見るからに激辛の真っ赤な「エズメ」を何度もオカワリして、ウェイターの暢気なオジサマたちを驚かせる日々だった。

「近いうちにこのブログにも、テロ事件について書いておかなきゃ」と思いつつ、事件から半月が経過した。しかしあれからの半月、バングラデシュでテロがあり、フランスのニースでも大規模なテロが発生し、今朝はトルコでのクーデターが伝えられた。

 世界が急速に悪い方へ悪い方へと流れ出したようで、それこそ「ノホホンとブログなんか書いていていいんですか?」の疑念が湧き上がる。もちろんワタクシがここで慌てふためいても何にもならないが、事件の現場が画面に映るたび、その背後には数年前に旅した懐かしい街が広がっているのである。

 ニースの事件現場は、地中海岸の「プロムナード・デ・ザングレ」。画面には最高級ホテル「ネグレスコ」が見え、中継するカメラはその手前「ホテル・ウェストエンド」のあたりにいる。ウェストエンドに長期滞在したのは2005年の9月だから、もう10年以上昔のことであるが、やっぱり衝撃は大きい。

 「トルコでクーデターか?」のニュースでも、イスタンブールのイスティクラル通りやタクシム広場が映し出される。

 ワザとブラシを落としてお客を引っかけるクツ磨きのオジサンとか、今井君をボろうとして逆に厳しく叱られたタクシー運転手とか、19世紀的なノホホンとした悪者どんにたくさん出会ったけれども、暴力的に戦車や軍の車両が走り回る街では絶対になかった。情勢が心配でならない。
新宿1
(7月14日、雷雨の新宿に230名もの受講生が集まった 1)

 7月14日、東京では激しい雷雨になった。午後2時まではお空にカンカン音がするほどの激烈なカンカン照り。暑さに弱いクマ助はフライパンの上のバターみたいにドロリと融けて、「何にもしたくないよ♡」と呻き声をあげていた。

 ところが諸君、そういう怠惰を打ち砕くような重い雷鳴が、午後3時、いきなり空に轟いた。窓ガラスがビリビリ震えるほどの雷鳴である。その直後、一天ニワカにかき曇り、一陣の冷たい風が高い空から吹き降りたと思う間もなく、大粒の雨が屋根にたたきつけてきた。

 激しい雷雨は、その後およそ1時間降り続いた。雷雨は局地的なものであるから、東京の他の場所がどうだったかは分からない。とにかく渋谷区の午後3時はそんなアリサマだった。

「突然の雷雨」で思い出すのは、2014年4月、オランダのデン・ハーグで経験した激烈なカミナリ様である。日本では「ハーグ」であるが、オランダの人はキチンと冠詞「デン」をつけて「デン・ハーグ」と呼ぶ。フェルメールの街♡デルフトも近い。路面電車で行き来できる距離である。
ミルフィーユ
(新宿で本物のミルフィーユをいただく。詳細は後述)

 4月27日、国民がウルトラ無礼講で騒ぎまくる「国王の日」の前日であって、夕暮れのデン・ハーグにも大音量の音楽が響きわたり、ヒトビトは大量のビールに酔って、「国王の日」は前夜祭から無礼すぎるほどの無礼講。もうどうにもとまらない勢いがついていた。

 そのヒトビトの上空に、「いい加減にしなさい」という神の怒りのように、重くドロドロ鳴り響いたのがオランダのカミナリさま。同時に激しい雨が落ちてきて、限度を知らない人間の熱狂を諌めるかのようだった。

 あの時ワタクシが立っていたのが、国際司法裁判所前である。正式には「平和宮殿」。この宮殿の中に、国際司法裁判所や国際仲裁裁判所がある。7月中旬の中国サマが怒り心頭に発している判決が出たのも、あのカミナリ様が轟いた場所だったのだ。

「だから何?」「だからどーした?」と尋ねられても困るが、とにかく6月&7月、ワタクシはTVニュースをみるたびに「ああ、あそこだったな」と嘆き、雷鳴を聞き豪雨の様子を眺めては「おお、あの場所だった」とタメイキをつくのであった。
新宿2
(7月14日、雷雨の新宿に230名もの受講生が集まった 2)

 しかしそうは言っても、日々の地道な仕事を置き去りにして、重い感慨にばかりふけっているわけにもいかない。7月14日は西新宿で公開授業である。新宿西口、日本の全予備校でおそらく最も高級感のあるビルであって、「この全フロアが我々♡」と思うだけで、誇らしさでカッカと心が沸き立つほどだ。

 さすが今井君は「晴れ男」を自称するだけあって、3時から降り出した雨は、新宿に出かける頃にはカラリと上がった。北と東の空には背の高い物騒な雷雲が聳えたち、雷雲の下のあたりは黒々と昼の闇が広がっているのが分かるが、とにかく渋谷区はカラリと晴れて、路面もとっくに乾いていた。

 オウチから新宿までは、小田急線で5分、歩いても20分程度の道のり。まあこの暑さの中を「歩く」などというのは非常識だろうから、常識的な今井クマ助は、ノンキにノホホンと小田急線に揺られて新宿に向かったのである。

 すると諸君、「晴れ男」の真骨頂と言うべきか、ワタクシがビルのエントランスに足を踏み入れるや否や、新宿の空に雷鳴が轟いた。そして再び激しい雷雨。乾いていた路面にあっという間にシブキが立ち、夕暮れ前というのに新宿は真っ暗になって、クルマはみんなヘッドライトを点して走った。
カサゴ&アカハタ
(西新宿「淡路島と喰らえ」で単独祝勝会。店の人が見せてくれたオニカサゴとアカハタから、迷わずオニカサゴを選択した)

 こんな悪天候じゃ、生徒諸君は集まってくれないんじゃないか。しかも今日は難関大の読解問題を3問も扱うハイレベル講義。「難しそう」と思うだけで尻込みするのが受験生の常だ。そこへこの雷鳴と稲妻と五黄では、ガラガラの教室を覚悟した方がよさそうだ。

 ところが諸君、豪雨の中を集合してくれた生徒の数は、何と230名。当初の予定が180名だったから、予定を50名も上回る大盛況になった。昭和の昔なら「嬉しい悲鳴」と言ったものである。

「難関大の読解問題」「全部で70行ほどの長文量」という前宣伝にもめげず、雷雨をついて元気に集まってきた生徒諸君であるから、都内でも憧れの対象である有名高校に通う人の割合がビックリするほど高い。生徒名簿を見た瞬間、「こりゃ優秀だ」「こりゃスゲー」と、思わず叫んでしまったほどである。

 会場は、最上階15階の大教室。230名も集まっちゃったから、大学の講堂みたいな大教室もすっかりパンパンである。黒板も思う存分大きくて、これなら何の苦労もなくバリバリ本格的な授業を展開できるというものである。
潮汁
(祝勝会の〆は、潮汁。オニカサゴの頭を中心に、マコトにおいしい汁に仕立ててくれた)

 授業開始前、スタッフからのプレゼントで、「ミルフィーユです」というケーキをいただいた。1ヶ月前、6月の新宿でいただいたのは、「ミルフィーユ」のはずが、後で「実はミルクレープだった」と判明。今回は1ヶ月前のリベンジとのことだった。

 ケーキ屋さんにも「これはミルクレープじゃありませんよね」「絶対にミルフィーユですよね」と念を押してきたのだという。「テレビのCMでミルフィーユを宣伝している人に食べてもらうんだから、間違うわけにはいかないのだ」と、まあそういう勢いだったんだろうと思う。

 終了後、もうすっかりお馴染みになった西新宿「淡路島と喰らえ」で単独祝勝会。単独で「懇親会」という言い方はおかしいから、今夜は久方ぶりに「祝勝会」というコトバを使用する。

 今夜のオススメのおサカナは、オニカサゴとアカハタ。迷わず大きなオニカサゴを選択、まず煮付けで、〆に潮汁にしていただくことにした。ミルフィーユから連続して、すべてマコトにおいしゅーございました。

1E(Cd) Reiner & Wien:VERDI/REQUIEM 1/2
2E(Cd) Reiner & Wien:VERDI/REQUIEM 2/2
3E(Cd) Akiko Suwanai:SOUVENIR
4E(Cd) Solti:BEETHOVEN/SYMPHONY No.9
5E(Cd) CHOPIN:FAVORITE PIANO PIECES
total m118 y1050 d18755