Tue 160614 祝勝会☞懇親会に呼称変更/魔王8合の饗宴/魔王乱舞/博多経由で帰京 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 160614 祝勝会☞懇親会に呼称変更/魔王8合の饗宴/魔王乱舞/博多経由で帰京

 7月6日、熊本県宇土での公開授業の後は、スタッフの皆さんとタクシーで熊本市内に向かった。言わずと知れた「懇親会」であり、5年以上このブログで愛用してきた呼称なら「祝勝会」である。

 しかし今井イカ蔵としては、そろそろこの「祝勝会」という呼び方をヤメにしようと考えている。東進移籍から12年が経過。すでに「勝つのは当たり前」「公開授業の成功は当然」という状況だ。いちいち「勝った&勝った」「大成功&大成功」と浮かれているのも、かえって変な気がするのである。

 すっかり浸透した「祝勝会」の名称を、最近は「懇親会」に切り替えている。お気づきになったヒトも多いだろうが、そろそろここで正式に宣言しておきたい。これはあくまで懇親会。勝ったり負けたりするようなことは、実は始めから一切していないのである。

 要するに「横綱相撲」ということであって、
「勝って当たり前、問題はその勝ち方」
「問題は勝ち負けではない。あくまで品格が大切」
おお、これもまた何だかイヤらしいほど自信タップリだ。
魔王
(熊本懇親会、幻の焼酎「魔王」8合がカラッポになった)

「猫ダマシとか、ハタキコミとか、ワチャワチャ&ゴチャゴチャ、暴れているうちに何となく勝っていたとか、そういうのはヨシとしない」
まるで白鵬を否定&非難しているようであるが、諸君、ワタクシは白鵬の大ファンだ。彼ほどの品格は滅多なことで身につけられるものではない。

 そういう余裕タップリの戦い方をして、今夜の熊本県宇土もまた大成功。そもそも、大地震と余震の連続の真っただ中、よく今井君の公開授業を実施する決意をしてくれた。そのこと自体に感謝&感謝であって、90分の授業に集中した生徒諸君も、マコトに素晴らしい精神力を発揮した。

 だから懇親会でも、ズラリと並んだ熊本の名物料理を前に、豪快に焼酎を痛飲することにした。たくさんの選択肢の中から、選んだのは「魔王」。「伊佐美」や「森伊蔵」「村尾」とともに、押しも押されもしないブランド焼酎であって、一時は手に入らない「幻の酒」になっていた。

 それをロックでグビグビ、「おお、こりゃ贅沢ですな!!」と笑顔を交わしながら、新鮮な馬刺を貪る。いいじゃないか、2016年夏、クマ助のポンポンの中は烏賊だらけ。皮膚も筋肉も血液もイカ&イカ&イカ、すべて烏賊だらけの烏賊人間に変わる瀬戸際で、昨日の伊万里牛と今日の馬刺に救われた格好だ。
馬刺
(熊本名物「馬刺」。希少部位がズラリと並んだ)

 最初に注文した4合瓶で終わりにしようかと考えていたのだが、諸君、4合瓶はあっという間にカラッポになっちゃった。懇親会の開始が22時、「魔王」4合を飲み干したのが23時。お店は午前1時ラストオーダー。ならば諸君、「もう1本♨」の一声が出るのに、何の躊躇もありえない。

 ただし2本目になると、さすがにペースがググッとダウンした。景気よく飲んでいるつもりなのだが、ボトルの中身はちっとも減った様子がない。別に減らなくても構わないわけだけれども、ラストオーダーの時間が迫っても半分以上残っていると、今井イカ蔵の焦りが次第に募ってくるのである。

「魔王」と言えば、もちろんシューベルトである。ワタクシはシューベルトの魔王が大好き。魔王の名演奏ばかり集めた「18人の名歌手によるシューベルト・魔王」というタイトルのCDも所有している。

 18回連続で「魔王」の別バージョンを楽しめるCDだ。ドイツ語・イタリア語・英語・フランス語・日本語の各バージョン。お鼻が若干つまっちゃった感じのフランス語バージョンが一番好きであるが、とにかく魔王18連発は強烈だ。
音楽の図鑑
(小学館「音楽の図鑑」に描かれた魔王の図。おお、恐ろしい)

 何でこんなに魔王好きになっちゃったのかと言えば、コドモ時代に愛読した小学館「音楽の図鑑」のせいである。東京芸大教授・浜野政雄氏や、文京区柳町小学校長・百瀬三郎氏の共著。小学館・新学習図鑑シリーズ26巻である。

 まあ諸君、今日の写真の3枚目を見てくれたまえ。嵐の夜、お馬で逃げる父と息子が画面左側。中央にマントに首だけの恐ろしい「魔王」。あんまり恐ろしいから、疾走するお馬さえ怯えている。正直言ってお馬の表情が一番コワい。

 何となく魔王の顔がベートーベンに似ている。挿絵を書いたヒトが、ベートーベンをモデルにして描いたとしか思えない。コドモの頃の今井君は、この絵がコワくて夜中にトイレにいけなくなったほどである。ついでにベートーベンまでコワくなって、彼の交響曲をみんなキライになった時代がある。

 いやはや、人生とは要するにその程度のものなのかもしれない。挿絵がコワくて、ベートーベンまでキライになるなんて、人間とかクマとかイカというものは、ホンマにバカバカしい存在だ。

 というか、この文脈ならバカバカしいのは今井イカ蔵だけなのである。もしこの魔王の絵に、魔王をイカ大王として描いてあれば、きっとイカがキライになっていたはず。博多を訪れるたびにイカばかり貪る悪いクセは、コドモ時代の図鑑シリーズで消去されていたかもしれないのだ。
熊本駅
(九州新幹線、熊本駅にて)

 というわけで諸君、魔王合計8合で泥酔しはじめたワタクシの脳裏には、以上のような混濁した思考が渦を巻いた。魔王とベートーベン、イカのギョロ目に怯えて疾走する馬、馬上の父と息子のフランス語とドイツ語とイタリア語、それらがグルグル渦を巻いて、要するに酔っぱらっちゃったわけだ。

 午前1時ラストオーダー。しかしその後も会話が盛り上がって、気がつくと1時半。お店のヒトにも迷惑をかけた。何だかずいぶん熱く会話が続いたようであるが、今井君の頭の中に充満していたのは、あくまでギョロ目のイカと魔王とベートーベン。何を話したか、全く記憶にないのである。

 翌朝は午前9時、「災害避難訓練」の放送で目を覚ました。宿泊していたのは、ホテル日航熊本。熊本市内一番のホテルであって、東進移籍以来12年、熊本に出張時には基本的にいつもココである。熊本大地震以来、放送による約30分の避難訓練を定期的に実施しているのだという。

 実際に今もなお、震度1、身体に感じるか感じないかの微弱な地震は続いている。窓からは瓦が落ちてしまった熊本城天守閣の姿が間近に望まれる。ブルーシートのかかった民家の瓦屋根も少なくない。
九州新幹線
(九州新幹線、指定席ならガラガラだ)

 うーん、ワタクシはもっともっと熊本に呼んでいただき、生徒諸君を熱く盛り上げる公開授業を展開したいのである。呼ばれもしないのに押し掛けるワケにはいかないから、秋から冬にかけて、熊本・大分・長崎、地震に悩まされた地域の公開授業を、どんどんビシビシ企画していただきたい。

 地震の影響で、熊本空港は今も平常に復していない。ANAラウンジも閉鎖のまま、飲食店の営業も休止したままである。羽田便も減便の状態で、もしプレミアムシートで帰ろうとすれば、17時まで空港でしゃがんでいるしかない。

 そこで今回は「福岡空港から帰京」と決めた。平常運行が再開された九州新幹線に乗れば、博多まで40分弱。熊本空港までのタクシー代は5000円ほどだから、博多まで新幹線に乗っちゃった方が安いぐらいだ。昨夜の「魔王」痛飲でグラグラする頭を押さえつつ、11時の新幹線で博多に向かった。

1E(Cd) Kremer:MOZART/VIOLINKONZERTE NOS.2&3
2E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 6/10
3E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 7/10
4E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 8/10
5E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 9/10
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